« 問題解決のためのPR | メイン | 新しい制度はメッセージ »
2007年08月09日
すり込み は 味覚も変える
コミュニケーションの専門家として、ポジティブに捉えるべきか、ネガティブに捉えるべきか悩んでしまうような調査結果が出ました。
幼児はマクドナルドのマーク入り食品が好き 米調査シカゴ──ファストフード大手マクドナルドのマークがあれば、幼児はどのような食品もおいしく感じる傾向があることが、米スタンフォード大学のトム・ロビンソン博士が学会誌に掲載した調査結果で明らかになった。
調査はカリフォルニア州サンメテオ郡の幼児施設に通う低所得者層の3─5歳児63人を対象に行われた。マクドナルドで販売している食品と、一般の店で販売している牛乳やキャロットジュースを各2個用意し、1個はマクドナルドのマークが入った包装、残り1個はマークなしの包装で子どもたちに食べさせ、どちらがおいしいか質問した。
すると全ての食品について、「マーク入り」が「マークなし」よりおいしいとの結果が出た。差が最も顕著だったのはフライドポテトで、マーク入りを選んだ子どもは77%と、マークなしの13%を大幅に上回った。キャロットジュースもマーク入りが54%で、マークなしの23%の倍以上。対照的に、ハンバーガーはマーク入りが29人、マークなしが22人と、人数ベースで大きな差がなかった。
被験者の幼児63人中、マクドナルドの食品をこれまでに食べたことがなかったのは2人のみで、約3分の1は毎週少なくとも1回は食べていると答えた。子どもたちの大半はマクドナルドのロゴを認識し、認識しなかった子どもに対しては説明が行われた。
ロビンソン博士は、広告が幼児に絶大な影響を及ぼすことを示す結果だとしており、収入がより多い家庭の子どもたちについても、ほぼ同じ結果が出るだろうと予測している。
調査結果は、幼児向け広告の規制をめぐる議論を加速させるものとみられる。米国では先月、マクドナルドを含む食品・飲料大手11社が、12歳未満の子どもを対象とするマーケティングを新たに自主規制する方針を発表したばかり。 (以上、8/7/07付 CNN/APより引用)
これ、示唆に富んだ調査・調査結果だと思います。 いろんなことが頭に浮かびますよね。
まず、この調査結果をポジティブに受け止められる人は誰か。
え? そんな人いるの? と思います?
マーケティングコンサルタントは、1つの価値のある情報だと捉えると思いますね。
・幼児向け広告の規制によるビジネスチャンスの拡大
・情報のすり込みは味覚も変えるという事実
これに対してマクドナルドのマーケティング担当は、微妙な立場ですよね。
・マーケティングがうまく機能していた という事実
・優良顧客へのアプローチが困難になる という見通し
が同時に伝えられているわけですから。
それ以外の多くの人は、やはりネガティブに見てしまうのでしょうか。
私は、サンプル数が少ないのであまりこれが米国の事情を示しているとは言えないと思いますが、
・対象の低所得者層・幼児 の 3分の1が毎週、少なくとも1回はマクドナルドで食べている
という事実に、 やっぱりそうか、という確認と驚きが混ざった感覚を持ちました。
しかし、上の調査結果だけでは、これが幼児向け広告が効いた結果なのか、その他のマーケティングの効果がより強くて
親が子どもを連れてマクドナルドに行っているのか、それは分かりませんよね。
ロゴ(シンボル)マーク と 習慣 が 味覚を変えていく効果を持っている、ということだけは言えそうに思いますが。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
09/15 宣伝会議の巻頭特集で記事を書きました。
09/13 9/21イベントをソーシャルメディアで面白くする「まめさんテレビ」
09/03 劇団四季ミュージカル「ライオンキング」を観た
09/01 日経BP主催/経営者のためのソーシャルメディア実践講座、参加者募集中
08/31 [つるの式55] とっさにコメントを求められた時の対処法は?
このblogの筆者によるメルマガにご登録ください。自分の名前で仕事をしていきたい人のための実践ビジネス対人要領&自分マーケティング講座(無料)がメールで届きます。 Powered by まぐまぐ |
投稿者 鶴野充茂 : 2007年08月09日 10:23