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2007年08月31日

[つるの式47]どうすれば気持ちは伝えられるか

正直に告白しますが、

私は、「おいしい~!」と言いつつ眉間にシワをよせる人を
信じることができません。

テレビのレストラン紹介で、出てきた料理を若い女性レポーターが食べ、
「う~ん、おいしいですぅ~!」と力を込めて言う。

でも、その眉間にはシワがよっていて、顔のパーツは真ん中に向かって
力が入っている。

私はそんな顔を見ると、

ああこの人は、料理よりも、自分が美味しそうに食べていると見せる
 ことに興味があって、料理はそんなに美味しいわけじゃないんだな

と考えてしまうのです。

だって、美味しさに驚いた時って、顔のパーツは外に広がるでしょ?
他のことを考えるから内に向かうんです。
 

ひょっとしたら本人は、本当に美味しいと思っているかもしれない。
でも、それを信じてもらえないとしたら、悲しいですよね。

あなたも経験ありませんか?

笑顔になって、「怖い」と言われたことがある。とか。

素直に思ったことを言ったら、
「本当はそんなこと思ってないでしょ」なんて返されたり。とか。
 

気持ちをしっかり込めれば、伝わる、なんて言う人がいます。

私は違うと思っています。気持ちと表現は別モノだからです。

人はいくつもの方法で、相手の真意を測ろうとします。
言葉で聞いて、目を見て、何気ないしぐさや間の取り方、
気がつくところすべてで感じ取ろうとします。

何度も確認し、場合によっては疑い、
本当かな、信じていいのかな、といろんな方法で確かめようと
するのです。

ところが、気持ちとは裏腹に、違う態度を示していることもあります。
そして知らず知らずのうちに相手を混乱させてしまっていることが
あります。

そんなことから、
今回は気持ちを伝える効果的な方法について考えてみたいと思います。


さて、
逆に、気持ちなんてこもってないのに、効果を持つ表現もあります。

たとえば、私の2歳の娘。もう何でも人の真似をします。
表現を真似て覚えていっている最中です。

言葉を覚え始めたころ、母親が「きれいね~」という言葉を
よく使っていました。

外に出て、草花や景色、店の商品を見て、「きれいね~」と言う。

そうすると、娘は自分から何かを見つけて「きれいね~」と
言うようになります。「そうだね~、きれいだね~」と母親が答えます。

だんだん本人は自信を持って、次第に大きな声で使うようになります。

念のために言いますが、本人はしみじみ感じて「きれい」という言葉を
使っているわけではありません。「こういう使い方をする言葉なのか」と
考えながら、効果を確認しながら使ってみているのです。

そのうちこの言葉に反応する人が現われ始めました。

店の中で何かを見つけて大きな声で「きれいね~」と言います。

人々が振り返って、目を見開いて、娘の顔を見ます。
これが見事なほど、全員、女性なのです。

「ひょっとして私のこと?」 
・・・そんなふうに思うのかどうかは分かりません。

私はこの娘に、
何かをもらった時、「ありがとう」という言葉を早いうちから
使えるようにしてほしいと、条件付けのように練習しました。

外でも「ありがとう」と言えるようになると、たいていの人は
その言葉に「えらいね~、よく言えるのね~」と感心してくれました。

母親が、知らないうちに
「ありがとう」の後に、相手の名前をつける「技」を教えました。

「ありがとう、パパ!」
 
初めてこの言葉を聞いた時、
不覚にも、私はわずかその二文字が増えただけの表現で
感激の涙をこぼしそうになりました。

もちろんこの時、
本人は気持ちよりも、表現が先行しています。

だって、視線はずっと手元にあり、言ったそばから
もらったクラッカーをかじることに一生懸命でしたから。

そんな姿を見ていると、コミュニケーションは形から学ぶもの、
つまり、
言っているうちに気持ちが追いついてくる
 のだと感じますね。

そして同時に、ほんの少しの表現の差で、
間の取り方、言葉の選び方で、印象・伝わり方が
まるで違うことも身をもって感じますね。
 
またそれは、どうやら気持ちがこもっているかどうか、
という問題じゃないようです。

一方、大人の場合は少し事情が違います。

大人は何かと気持ちから入ることの方を重視しがちです。
「形だけでも整えて」 よりも 「気持ちを込めて」が
より崇高なイメージで語られます。

これ、日本語でおなじみの「たてまえ」と言います。

たとえば、クレームをつける時に、「誠意を見せろ」と言いいます。
この時の誠意は明らかに気持ちではありません。必要なのは形です。

一般的には、
気持ちがこもっているような、形を整える 方が気持ちは伝わりやすい
のです。


先日、面白い話を聞きました。
 
ホステスでモテる人は、どんな人か。
美人だったり、話術にたけていれば当然人気も上がりますが、
そうでなくても、マメに手紙やメールでメッセージを送り続けて
人気の人がたくさんいる、と。

マメさ。確かに効果的ですよね。

ずっと繰り返して、「思い」があるように形を整える。

相手もはじめは「ウソでしょ? 仕事だからね」と思っている。
でも繰り返し同じメッセージを送られると、
「ホントかな、そうなのかな」と思ってきます。

そうして大人は錯覚します。

これ、これ、これが、大事なんです。
見えない何かを信じられている状態こそが、
コミュニケーションが成立している状態なのだと思います。

もちろん、メッセージの受け手が、
心の底から相手を信用しているのかどうかは分かりません。
 
でも、少なくとも思っているはずです。
 
「まあ、そこまでやってくれてるんだから、騙されてもいいかな」
 

 これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
 「継続は疑いに勝る、の法則」と呼びます。

 
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  まとめ: つるの式(47)継続は疑いに勝る、の法則
  
  ・ 思いは何度も疑われる
  ・ だから何度も違う表現で伝える
  ・ マメさも効果的だ
  ・ そのうち「まあいいか」と思われる
  ・ 相手が諦めたら勝ちだ

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投稿者 鶴野充茂 : 05:54

2007年08月26日

「祭り」での議員の挨拶、どう考える?

地元の夏祭りに家族で参加しました。

自己演出祭

開始後1時間くらいたったあたりでしょうか、唐突に来賓の挨拶タイムが始まります。

自己演出祭

東京都 港区長 の挨拶。 話のテーマは、「この町」。この町はこんな優れた取り組みをしている、などと。

「え、誰?」 

「顔も名前も知らなかったなあ」

という声が付近から聞こえてきました。

(よかったですね、区長。わざわざ来て挨拶した効果があったわけですね)

自己演出祭

続いて地元選出、<元>衆議院議員 海江田万里氏。

話は「夏休みの宿題、してください」で始まりました。

  ・・・・・んー、あんまりシナリオ練ってませんね。それは昼間にした方がいい話です。

ほか、都議会議員などは名前だけの紹介でおしまい。


祭りの開始1時間後、というのは、

  ・そこそこ人が集まっていて、

  ・まだそれほど酔っておらず、

  ・祭りの実行委員会の役員たちもまだ気持ちに余裕がある

というタイミングなのでしょうね。


さて、自分ならどんな挨拶にするか

立場によって伝えるべきメッセージは変わってくるのでしょうが、最低限必要なのは、

  ・その時に合った話であること 

  ・その場所にあった話であること

ですね。さらにその上で、その場にいる人が「こうなりたい」という気持ちを盛り上げる手伝いをしたい。


つまり、「単なる、いつでもどこにでもある1つのイベント、ではなく、今日のこの日・この場所が特別な思い出」になるような話をしたい、ということです。


祭りのような「楽しみたい」という場では、楽しめる話をし、「気分サイコー!」となってもらえるような内容を考えたいものです。 (本人はすぐにいなくなるので、一般客にとっては、話の印象がすべての記憶ですから)

そうすることが、地元有力者である、祭りの実行委員会の役員たちや、そこに集まる人たちの希望ですし。


・・・って、誰もそこまで議員の挨拶に期待していないかもしれませんが。

  
  今日も1つ、自己演出コミュニケーションの頭の体操ができました!

投稿者 鶴野充茂 : 07:48

2007年08月22日

中華航空機の事故処理に見るPRのプロの技

那覇空港で炎上した中華航空機の事故処理を見ていると、PRのプロの仕事を感じます。

航空機の運用とはまったく違うところで、日本企業の危機管理で参考になるところがありますね。

chinaair1.jpg
(8/22/07付 asahi.comの記事)

asahi.comには、「中華航空機長ら、台湾で「英雄」扱い 政府から記念品」との記事が出ました。

 那覇空港で炎上した中華航空機を操縦していた猶建国機長や客室乗務員たちは22日、総統府に招かれた。外遊中で不在の陳水扁総統に代わって会見した呂秀蓮副総統は、機長らを「(避難誘導で見せた)機知と態度をみんな学ぶべきだ。最高の敬意と感謝を伝えたい」と称賛、記念品のカップを贈った。

 台湾に戻った猶機長らに対し、台湾では事故当事者としての責任を問う声より、無事に乗客全員を避難させた行動を評価する向きが強い。

 背景には、台湾では90年代から中華航空による数百人単位の死者を出す大型航空事故が相次いでおり、社会全体が「事故慣れ」していることに加え、今回は一人も犠牲者を出さず、安心感が漂っているためだ。

 また人々の関心を事故から「美談」に移したい中華航空の思惑もある。21日夜の会見では那覇から戻って会見室に現れた機長らに対し、中華航空の幹部は率先して拍手を送り、カメラの前で機長や客室乗務員らに抱き合うよう要請した。 (以下、略)


かなり考えた演出ですよね。

多くの人が、「うわ、たいへんだ!」とビックリしている間に、

その「意味づけ」を考え、

「いや、あれは、良かったことなのだ」

という認識を広めることができれば、

中華航空は、事故を汚点にしなくて済みます


これ以外にも、こんな工夫が。

chinaair2.jpg

これ、危機管理広報の観点から、たいへん参考になる記事です。

中華航空、事故機のロゴ消す 事故調が許可

 那覇空港で炎上した中華航空機の事故機の残骸に残っていた「チャイナ・エアライン」の社名や尾翼のロゴが消されていることが22日、分かった。中華航空が会社のイメージダウンを恐れたためと思われる。同社から要請を受けた国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は「事故調査に影響がない」との判断から許可した。

 事故機の残骸には、機体側面に描かれた英語の社名や、尾翼に描かれた台湾の花でもある梅の花が一部、焼け残っていた。20日の事故以来、残骸は連日、新聞やテレビで報道されている。塗装作業は21日夕から始めたという。中華航空は「国際慣例に従って、通常とられる手段を講じた」と説明している。航空関係者からは「会社名を消すよりも、安全性向上に取り組む方が先ではないか」との声も出ている。

 同様の事例は最近、インドネシアでもあった。同国の格安航空会社アダムエアが2月、スラバヤ空港で着陸に失敗、炎上し、二つに割れた残骸を白く塗ってロゴなどを消した。 (以上、8/22/07付 朝日新聞夕刊より引用)


この行為について、どんな批判を浴びようと、危機管理広報としてはたいへん重要なんです。1つの事故で二次被害、三次被害を生み出さないためにも。 あるいは、1つの事故のリカバリーにフォーカスするために。

こうした事故の映像は、その後、何年にも渡って繰り返しメディアで使われることになります。そのたびにロゴマークが見られると、人々の頭にすり込まれ、「あのマーク=危ない」というメッセージになります。

ロゴマークはそもそも「覚えやすいように」作られているため、余計に効果的なのですね。


(逆に、そんな経緯で「汚れたイメージがついたロゴマーク」は、「会社の新たな決意を表すためにも、ロゴを一新します」なんて言って、変えてしまうことも珍しくありません)

そういう意味で、事故機からロゴマークを消す、というのはとても大きな意味があります。


ただ、これだけ明らかで強烈なメッセージ発信をすると、当然、バッククラッシュがあるでしょうね。


またそういう意味で、この後の事故処理と広報活動にも注目ですね。

今日も暑かったけど、1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

投稿者 鶴野充茂 : 22:58

2007年08月21日

コクヨ・ポケディア担当者に突撃取材

コクヨがはじめた、PCとケータイで使えるアイデア出し支援サービス「ポケディア」。

私の場合、仕事柄、本や企画をまとめる時に、無理やりアイデアをしぼり出さねばならない、といった状況がよくあります。そんな時にこのポケディアを使うと、質問や考えるヒントが次々に出て、アウトプットを手助けされる。 おっ、これは、役立ちそう、ということで先日このブログで紹介した「ポケディア」ですが、「そもそもこのツールって、どんな発想で開発されたの?」と興味を持ち、

行ってきましたよ、コクヨ株式会社へ!


お会いしたのはポケディアの運営責任者の万木(ゆるぎ)康史さん。

yurugi1.jpg

仕事のご担当は、「ひらめき支援に関する新規事業の企画推進」だとか。

その後のやりとりは、以下の通りです。

鶴野) 「このポケディアは、一体どんな人のために、どんな発想で開発されたんですか?」

万木) 「仕事上で企画やアイデアを常に求められる人のために役立ちたい、との思いから開発しました。最近はコストを抑えるために生産部門などがどんどん海外に流出しています。技術も次々に似たようなものが生まれてきます。そうなると、業界を問わず企画への期待というかプレッシャーが大きくなります。そこに目をつけたか!というものを次々に提案していかなければならない時代だと考えています。そんな、常に新しいものを出さねばならない企画系の人たちをイメージして、ポケディアを開発しました。」

鶴野) 「ご自身ではどのように活用されていますか?」

万木) 「『ちょいメモ』を備忘録のように使うことが多いですね。会社にいる間、ほとんど打ち合わせなんです。最近はグループウェアで部下がスケジュールを追加して、気がつくと勝手に埋まっている状況です。2週間先までいっぱい、なんてこともよくあります。 ほんとはじっくり考える時間をつくりたいんです。思いついたものを残したい。それで、そんな時、特に移動中などに、ひらめいたこととか、目に入って『あっ!』と思ったものなどを入れるようにしています。」

鶴野) 「どんなキーワードを入れているのですか?」

yurugi2.jpg

万木) 「電車の吊り広告や本・雑誌を見ながら、何かを感じて ○○(競合会社)の○○(製品)の○○(施策) みたいなものを入れたりしてますね。 もっと若い時は忘れにくかったのですが、 今はとっさに思い出せないことがよくあります。それで、あっこれは後で思い出せるようにしておこう、と思うものをちょいメモで送り、『アイデア管理』画面で気になるものを後で確認したりしています。『アイデア管理』のフォルダ名は、○○戦略など、普段考えねばならないテーマにしていますね」

鶴野) 「そのほかに、こんな使い方をして良かった、というオススメはありますか?」

万木) 「商品・サービスのネーミングを考える時に『イデアミキサー』は役立ちますね。イデアミキサーで片っ端から名前を考えて、商標のデータベースで確認するとか。とても便利です。」

鶴野) 今日はどうもありがとうございました!


ケータイの新しい使い方としても、細切れ時間の活用という観点でも、面白いツールです。

logo_pokedea_beta[1].gif

ポケディア、面白い活用法を思いついた方は、ぜひ私にも教えてください。

  ( アイデアって、・・・けっこう死活問題なんです。)

投稿者 鶴野充茂 : 13:23

2007年08月20日

夢のような職場

品川にある某大手企業の社員通用口で見かけた意外なポスター(↓)。

kokuyo_beer.jpg

 

「真夏のオフィスは、ビアガーデン」と書いてある。

おっと、最高じゃないですか。

でも下に小さく 「必ず業務終了後にご来場ください。飲酒後の就業は社内規則違反です」と、飲んでたら、決して読めないように書いてある。

「飲むなら働くな、働くなら飲むな」ということですね。

たいへん勉強になりました。(?)

投稿者 鶴野充茂 : 22:06

2007年08月17日

尻も競えばPR材料

「暑さ」もPR材料、というエントリーを書いたら、「尻」もPR材料になる、という記事がありました。

世界一の美尻は誰? / トリンプ、独でコンテスト / 世界31カ国から参加者募集

 スイスの下着メーカー、トリンプ・インターナショナルは11月1日、世界一美しい「おしり」を決めるコンテストをドイツのミュンヘンで開く。世界31カ国から参加者を募る。インターネット上の一次審査と各国の予選を追加した参加者が、独の決勝に進む。優勝者は2008年のキャンペーンモデルとして同社と契約する。

 コンテストの名称は「ショウミー・ユア・スロギー」。参加者は下着か洋服を着用して撮ったお尻の写真をインターネットサイトに記録。世界の参加者の投票でランキング上位を決める。(以下略。 以上、8/17/07付 日経産業より引用)


これですね、男女両方です。

発想としては、スポークスパーソンの選抜をイベント化したものですが、下着メーカーだけに、「上か下か」が議論になったはずです。

きっと、「男女一緒に、ということなら、下で」となって、「お尻」がテーマになったのでしょう。

showme.jpg

募集ポスターのコピーがなんとも素敵です。

「あなたのおしりで、世界デビュー!」


        今日も暑いけど、1つ、お尻でも 自己演出できると学びました!

 

投稿者 鶴野充茂 : 10:42

暑さもPR材料になるか?

頻繁に紹介されるなら、「暑さ」でさえもPR材料になる、と捉えている自治体があります。

暑さ逆手に街PR

 熊谷、多治見、館林などの市ではこの日、「暑さ日本一」をめぐり、さまざまな表情を見せた。

 熊谷では、朝の最低気温が28.8度にしか下がらず、正午過ぎには40度を越えた。一方、多治見は午後1時半に40.8度の史上最高記録に並び、午後2時20分には更新。その後10分後に、熊谷が急上昇し、午後2時42分に並んだ。

 この間、熊谷の市役所では、職員が気象庁のHPをのぞき込みながら熱心に数字を追い続けた。これといった売り物がない熊谷は、全国的に知られる夏の暑さこそ「無形文化財」と位置づけ、関連グッズ販売やイベント開催で、町おこしに取り組んできた。富岡清市長は「気持ちの持ちようとして、暑さを逆手にとった街づくりは今までどおりにしたい」。(中略)

 2日続けて40度を越えた館林では、市観光協会が「どうせ暑いのだから、歴代1位をとりたい。観光PRにもなる」と期待したが、結果はこの日の4位。「夏はまだ続く。チャンスはある」としていた。

 一方、74年間、記録を保持してきた山形市。記録が破られると、観光協会の職員からは「悔しいね」と声が上がった。(以下略。以上、8/17/07 朝日新聞より引用)


これ、「ただでは転ばない型PR」と名づけましょうか。

いや、「どうせなら一位PR」の方が前向きな表現?

問題は、「暑さが売りなんです」と言って、誰が、どんな風に反応するのか、ということですかね。

でも、まあ、「世界一臭い」と言われるシュールストレミングも、「ニオイ好き」コミュニティや消臭・洗剤のマーケティングの話題として活用されたりしていますので、「この上なく暑い」というのも、認知が広がると資産価値も上がるかもしれません。

それにしても、私、この記事は新聞らしい良い記事だと思ったのですが、みなさんはどう思いますか?

もちろん、「こんなに暑いんだから、暑さをネタに何か探せ」と指令が出てできた記事のようにも思いますが、それにしても新聞らしくて、着眼点の優れた記事だと思いました。

結構前からこんな動きがあったようですが、知りませんでしたね。 (参考) あついぞ!熊谷キャンペーン 多治見のあっちっちサミット 
 

さあ、 今日も一日、暑さを乗り切りましょう!

投稿者 鶴野充茂 : 10:08

2007年08月16日

アイデアを無理やり出さねばならない時に(ポケディア)

仕事をしていると、アイデアを無理やり締め切りまでに出さねばならないことがありますよね。

しかも、アイデアの「数」が求められるような時。 あなたは苦しみません?

私の場合は、書籍の項目立て(目次)を考える時、毎回、苦しんでいます。

いや、はじめはスラスラ出てくるんですよ。A、B、C、D、・・・E、・・・・ええと、あ、F。それから・・・・・ お゛ー!


そんな時に、使えるサービスがコクヨから出ました。

logo_pokedea_beta[1].gif  ポケディア

 

7月末に始まったばかりの、PCとケータイで使えるASPサービスです。1ヵ月は無料で使えます。


どうやって使うか。 まだレポートしている人も少ないので、簡単にまとめてみます。


1.まず、登録してください。 

pkda_top.jpg

 

2.「ちょいメモ」と「イデアミキサー」があります。PCの前にいるならイデアミキサーを選んでください。

ケータイならちょいメモが使いやすいんですが、アイデアを一度にたくさん出す時にはイデアミキサーの方が便利です。

 pkda_idemix.jpg

イデアミキサーを開くと上のような画面になるので、左の「アイデアテーマ名を入力」というところに適当な名前を入れます。

たとえば、私だったら、「情報発信の工夫」なんてのを入れました。

そして、 イデアミキサーテンプレートを選択というところは「ランダム」でいいです。

それでアイデア作成へGOをクリック。

 

3.イデアミキサーでゴリゴリとアイデアを出す

pkda_idemix2.jpg

これがイデアミキサーの画面。今回、テンプレートは「飛行機」というのが選ばれました。

ここからは自分の頭をひねってアイデアを無理やり出すプロセスです。

脳トレ界のブートキャンプみたいなものだと思ってください。(?) けっこうスパルタです。

1番上の「特性」欄は、「客室」とあり、「ステップワード」欄に 「ストレスを軽減する」 と表示されています。


これを見て、 「飛行機」で言うところの 「客室」 は 「ストレスを軽減する」役割である、 

ならば、 私が選んだテーマ 「情報発信の工夫」 で言うところの、「ストレスを軽減する」役割のものは何か?

というのを考えます。

・・・・ 「読者や参加者、周囲の人からの 『反響、反応』?」

という感じで、どんどん搾り出していきます。


4.これを1つ1つ考えて出していくと、自分が考え、搾り出したかったテーマに関係するキーワードが並ぶことになります。

それを見ながら、カテゴリー分けしたり、使えそうなものを選別したりします。



ね、無理やりアイデアをたくさん出さねばならない人に、向いてそうな感じ・・・しません?

 

サービス開始直後でまだまだ使いにくいので、コクヨのポケディア担当者に、使いやすくするアイデアを出して持って行こうと思ってます。

私のような書き手はもちろん、 広く企画系の人、 商品サービスの売り方を考えている人、編集者などに向いてます。

お試しください。

 

投稿者 鶴野充茂 : 18:16

2007年08月15日

新しい制度はメッセージ

社内でこんな新しい制度を導入することになりました、というのはよくPRのメッセージになります。

全社員が「マイハシ」運動 / いなげや、年36万膳節約

 いなげやは9月1日から、従業員が昼食時などに再利用可能なハシを使う「マイハシ運動」を全社的に実施する。全社員、パート・アルバイト計15000人が使う年間36万膳の割りばしが節約できると見る。同社は昨年10月にも全従業員にマイバッグを配るなど会社ぐるみの環境対策を強化している。

 本社、物流センターの社員食堂では今春から塗りばしに変えたが、全126店舗では自店で買った弁当を食べる従業員が多く、割りばしを使いがちだった。(中略)

 同社は弁当、惣菜類を購入した客には必要なハシの数を聞き、使用量を最低限にとどめるようにしている。実質的に環境対策を強いている以上、従業員も率先して取り組む必要があると判断した。(以下略、以上8/15/07付 MJより引用)


CSR的な広報としては、理想的なパブリシティ成果ですよね。

ところで、

必要性を感じても、会社でまとめて負担します、というのと、全スタッフで取り組みます、というのでは心証が違うと感じるのは私だけでしょうか。

「わが社は、経営努力で年間36万膳の割りばし利用を減らします」

というのと

「わが社は、全スタッフを対象にマイハシ運動に取り組み、年間36万膳の割りばし利用を減らします」

というの。


結果は同じでも、後者の方が、その企業への印象は良い気がしません?

「みんなでがんばってまっせー!」という気合が感じられる。

そんな観点で、制度の導入というのは、対象者が具体的にどんな取り組みをするのかが見えたほうが、コーポレートメッセージは伝わりやすいのかもしれませんね。

       今日も暑いけど、1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 

投稿者 鶴野充茂 : 10:26

2007年08月09日

すり込み は 味覚も変える

コミュニケーションの専門家として、ポジティブに捉えるべきか、ネガティブに捉えるべきか悩んでしまうような調査結果が出ました。

幼児はマクドナルドのマーク入り食品が好き 米調査

シカゴ──ファストフード大手マクドナルドのマークがあれば、幼児はどのような食品もおいしく感じる傾向があることが、米スタンフォード大学のトム・ロビンソン博士が学会誌に掲載した調査結果で明らかになった。

調査はカリフォルニア州サンメテオ郡の幼児施設に通う低所得者層の3─5歳児63人を対象に行われた。マクドナルドで販売している食品と、一般の店で販売している牛乳やキャロットジュースを各2個用意し、1個はマクドナルドのマークが入った包装、残り1個はマークなしの包装で子どもたちに食べさせ、どちらがおいしいか質問した。

すると全ての食品について、「マーク入り」が「マークなし」よりおいしいとの結果が出た。差が最も顕著だったのはフライドポテトで、マーク入りを選んだ子どもは77%と、マークなしの13%を大幅に上回った。キャロットジュースもマーク入りが54%で、マークなしの23%の倍以上。対照的に、ハンバーガーはマーク入りが29人、マークなしが22人と、人数ベースで大きな差がなかった。

被験者の幼児63人中、マクドナルドの食品をこれまでに食べたことがなかったのは2人のみで、約3分の1は毎週少なくとも1回は食べていると答えた。子どもたちの大半はマクドナルドのロゴを認識し、認識しなかった子どもに対しては説明が行われた。

ロビンソン博士は、広告が幼児に絶大な影響を及ぼすことを示す結果だとしており、収入がより多い家庭の子どもたちについても、ほぼ同じ結果が出るだろうと予測している。

調査結果は、幼児向け広告の規制をめぐる議論を加速させるものとみられる。米国では先月、マクドナルドを含む食品・飲料大手11社が、12歳未満の子どもを対象とするマーケティングを新たに自主規制する方針を発表したばかり。 (以上、8/7/07付 CNN/APより引用)

これ、示唆に富んだ調査・調査結果だと思います。 いろんなことが頭に浮かびますよね。 


まず、この調査結果をポジティブに受け止められる人は誰か。


え? そんな人いるの? と思います?


マーケティングコンサルタントは、1つの価値のある情報だと捉えると思いますね。

 ・幼児向け広告の規制によるビジネスチャンスの拡大

 ・情報のすり込みは味覚も変えるという事実


これに対してマクドナルドのマーケティング担当は、微妙な立場ですよね。

 ・マーケティングがうまく機能していた という事実

 ・優良顧客へのアプローチが困難になる という見通し

が同時に伝えられているわけですから。

それ以外の多くの人は、やはりネガティブに見てしまうのでしょうか。


私は、サンプル数が少ないのであまりこれが米国の事情を示しているとは言えないと思いますが、

 ・対象の低所得者層・幼児 の 3分の1が毎週、少なくとも1回はマクドナルドで食べている

という事実に、 やっぱりそうか、という確認と驚きが混ざった感覚を持ちました。


しかし、上の調査結果だけでは、これが幼児向け広告が効いた結果なのか、その他のマーケティングの効果がより強くて

親が子どもを連れてマクドナルドに行っているのか、それは分かりませんよね。


ロゴ(シンボル)マーク と 習慣 が 味覚を変えていく効果を持っている、ということだけは言えそうに思いますが。


      今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 

投稿者 鶴野充茂 : 10:23

2007年08月07日

問題解決のためのPR

問題解決のための第一歩は、問題意識を共有することです。

でも、多くの「問題解決」に取り組んでいる人たちは、とにかくまず「問題解決しよう!」と発信するのが大切だと思っています。


ここに、ほんの小さな、でも、決定的な差があります。

もちろん、一人でなんとかなる問題ならそれでも良いのですが、みんなで力を合わせないと解決しない問題については、「問題」が「問題であること」の理解を徹底する。それが解決に向けて一見遠回りに見えて、実は最も重要なはじめの一歩ではないか。

下の記事を読んで改めてそんなことを考えました。


前橋の中心市街地は?/ 学生の6割「知らない」 / 商議所調べ 衰退ぶり浮き彫り

 「前橋の市街地を知らなかった若者が62.7%に上る」。市郊外に住む大学生、専門学校生を対象にしたアンケート調査で地盤沈下が進む前橋の中心市街地の衰退ぶりが浮き彫りとなるショッキングな数字が出た。

 調査は、郊外にある大学、専門学校の一部授業を中心市街地で行う「まちなかキャンパス構想」を打ち出している前橋商工会議所が群馬大学社会情報学部に依頼して今年1、2月に5大学12専門学校の1500人以上から調査した。(以下略、以上8/6/07付 MJより引用)


 

前橋の町おこしをしなければならない。みんなで力をあわせてガンバロー!

そう声を上げても、それだけでは本当にその問題に切実で、危機感を持っている人たちしか反応しません。

なのでその前に、「前橋の今の状態はヒドイ、大きな問題だー!」とアピールする必要があります。

こういうのをイシュー・ブランディングと言います。


ヒドイ状態というのは、それだけでPRのために重要な情報なのですね。


     今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

投稿者 鶴野充茂 : 11:56

2007年08月02日

安全性のアピール風評被害対策つづき

今度は都内での対策が出てきました。

niigata80207.jpg

俳優の三田村さんや新潟県知事が、風評被害防止フェア

新潟県中越沖地震の「風評被害」を防ごうと、県は1日、東京都渋谷区の「表参道・新潟館ネスパス」で緊急の「にいがたサマーフェア」を開いた。泉田裕彦知事や県出身で俳優の三田村邦彦さんらが通行人に魚沼産コシヒカリなどを配った。

三田村さんは「一度食べたらやみつきになる味ですよ」。泉田知事は「交通網も旅館も大丈夫。ぜひ遊びに来てください」と訴えた。

(以下略、以上 8/2/07付 asahi.comより引用)

ちなみに、フェアは2日と6日にも開かれる、と。

 

地元出身のタレントを起用し、都内でイベントを開催、というのもオーソドックスではありますが、1つの有効な方法ですね。

      今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 

投稿者 鶴野充茂 : 06:34

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