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2007年09月30日
メディアトレーニングが一般化してきた
メディアトレーニングが随分、一般的にも知られるようになってきたなあと最近感じます。
ビーンスターでも最近、メディアトレーニングのお問い合わせを頻繁に受けています。
メディアひきつけろ/人気競技へ浮上作戦
北京五輪の代表選考につながる大会が各地で始まっている。メディアの注目が集まり、何かと選手の露出が増えるこれからの時期を競技の人気上昇につなげようと、「マイナー競技」とみられてきたスポーツ団体があの手この手の作戦を練っている。さて、効果のほどは--
[バトミントン]「オグシオ」写真集
(興味深いけど、長いので略)
[卓球]取材対応を特訓
23日まで中国で開かれていたアジア選手権で、男子団体が25年ぶりに決勝進出を果たした卓球。翌朝の一般紙の記事は10行前後の地味な扱いだったが、中国を筆頭にアジア勢が強く、「アジア大会=世界大会」と言われるなかでの快挙だった。
日本卓球協会は、北京五輪で団体戦が初採用されることから、「男女ともメダルを狙える」と意気込んでいる。
大会前の合宿に採り入れたのが「メディアトレーニング」。サッカーJリーグ選手に指導している元アナウンサーを講師に招き、「囲み」と呼ばれる競技後の取材や記者会見への対応を約2時間教わった。
「テレビなら、コメントを使いやすいよう短く」「インタビュー終了後は45度のお辞儀で感謝の気持ちを」などと好感度を上げるポイントを伝授。模擬会見もやり、自分の話しぶりをビデオで見た選手らは「思ったよりもおどおどした印象を受けた」とそれまで気づかなかった面を学んだようだ。
(中略)協会の前原正浩・強化本部長「一人の発言で卓球全体のイメージががらっと変わることもあり、しっかりした受け答えを身につけてもらいたい」と話す。
女子エースの福原愛選手(ANA)は早速、合宿最終日の取材で、「一試合、一試合、全力を出せるよう、頑張ります」と歯切れ良く答え、「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。
(以上、9/27/07付 朝日新聞夕刊より引用)
スポーツは、メディアにとって、「エンタテインメント」コンテンツであり、ヒーローや有名選手を生み出してその競技に注目させる必要があると、以前にもこのブログで書いた覚えがありますが、こういう「広告塔」づくりの「トレーニング」を「研修メニュー」のような形で取り入れた、という記事は、今までにあまり見たことがなく、貴重なデータだと感じます。
メディアトレーニングを受けると、報道される時の記事のトーンや映像での印象が明らかに変わります。
その理由としては、1つに、
自分がどのように質問に対して答えているかを自分でビデオで見て気をつけるということがあり、
もう1つに、
メディアが投げかける質問にどう答えれば、「どの答えの部分を、どのように編集して使われるか」を知るということがあります。
一般的に誤解されやすいのは、「口の達者さ ≠ メディア対応の上手さ」 ということで
概して、饒舌な営業マンタイプの人は、メディア対応がうまくありません。
メディア対応時の話し方って、気をつけるところが違うんですよね。(その件についてはまた後日にでも)
いずれにせよ、メディア対応も表舞台に出てくるテーマになってきたというのは、喜ばしい限りです。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 鶴野充茂 : 15:13
2007年09月27日
博覧会ってなんだかステキ。
ムーブメントを起こそうとする時、人が集まってイベントをする。これ、よくありますよね。
私なんかだったら、コミュニケーションに関連するビジネスをしている人たちを集めてACフォーラムを開催してきました。
うん。「フォーラム」とか、「カンファレンス」って、すぐ思いつくんですが、「博覧会」って、思いつきませんでした。
「博覧会」って、何かいいですよね。楽しそう。お祭りのニュアンスを感じます。
だから、こんな形でメディアも取り上げるのでしょう。
第1回「大阪コナモン博覧会」、10月に開催 (asahi.com)
たこ焼きやお好み焼き、うどんまで、くいだおれの街にあふれる「粉もん」をテーマにした「大阪コナモン博覧会」が10月1日に始まる。
博覧会といっても会場があるのは2日間だけ、それも難波で開く屋台。年末にかけ、たこ焼き屋など130店を網羅したガイド本や店を動画で紹介するホームページ、ツアー企画などを通じて街に客を呼び込む狙いだ。
コナモン業者、食文化研究家、商店街、旅行会社らがタッグを組んだ。価格高騰に揺れる業界だが、浪速商人に言わせれば、「そんなもん、なんぼのもんや」? (以上、引用終わり)
フェスタ!ですよ、フェスタ! コナモン・フェスタ。略して コナ・フェス!
そして、「博覧会」のガイドブック(コナ博ガイド)まである。
・・・コナ博かあ。 花博みたいやなあ。
ちなみに、このプレスリリースはこちら です。うまいことまとめたはりますわ。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
p.s.熊谷さんの新刊「「粉もん」庶民の食文化」(朝日新書)も読みごたえありますよ。
投稿者 鶴野充茂 : 16:51
2007年09月26日
福田 新 内閣 の メッセージ発信
福田新内閣が発足しました。
私が最も注目していたのは、内閣のネーミングです。
(写真は官邸ホームページから)
福田総理は、「背水の陣内閣」と言いました。記者会見で自分で言ったんです。
官邸の記録にあります。
記者が
「御自分の福田内閣をどのように名づけるかということについては何かお考えはありますか」
と聞き、
福田総理が、
「私は冗談で「背水の陣内閣」というふうに言っております。一歩でも間違えれば、それは自民党が政権を失う。そういう可能性のある内閣だ。こう思っておりますので、それだけに私どもは緊張した日々を送らなければいけない。そういう自覚を持っております。」
と答えています。
それで、翌日の新聞の見出しに「背水の陣内閣」の文字が並びました。
これ、私は良い戦略だったと考えています。
少なくとも自分で表現を決められた。メッセージの先出しで、アジェンダセッティングができました。
ここで曖昧にしていたらどうなったと思います?
「中継ぎ内閣」 や 状態を見て 「崖っぷち内閣」 とか 「しがらみ・がんじがらめ内閣」
なんてまとめられるかもしれないし、
ちょっと同情心を煽るタイプなら、「尻拭い内閣」とか?
これ、放っておくと危ないですよね。
中身をよく知らない人にとってネーミングは印象や期待に直結するものです。
だからフルにコントロールできないとしても、せめて主張や発信はしておきたい。
実際、各紙でいろいろ命名されています。
「首相になっても森氏の「影」といった感じで「森の木影(こかげ)内閣」」(上杉隆氏)
「これまでと代わり映えしない点で「パチンコ屋の新装開店内閣」」(魚住昭氏)
「声が小さい内閣」(渡部又兵衛氏)
「「古色蒼然(そうぜん)とした貧乏神内閣」(佐高信氏)
(以上、北海道新聞「福田内閣命名するなら」より引用)
ほかにも
「老獪(かい)内閣」(みのもんた氏)
「再留スプレー内閣」(デーブ・スペクター氏)
「幕の内弁当内閣」(田原総一朗氏)
「若い人が少なく“骨密度が気になる内閣”」(丸山和也参院議員)
「そんなの関係ねぇ内閣」(横峯良郎参院議員)
(以上、スポニチより引用)
などとされています。
いずれにせよ、「危険な状態」で期待感は大きくないかもしれないが、
それだけでおしまい、というよりも
「立ち向かう」「挑む」というニュアンスの「背水の陣」という言葉を
全国紙に載せられたのは良かったのではないでしょうか。
目新しさはなくても、「挑む」イメージは出せました。
じゃ、何に挑むの?というメッセージ発信が次に期待されるところですかね。
今週は組閣でタイヘンだーとメディア関係の知人たちからたくさん聞こえてきます。
季節の変わり目でカゼが流行ってますので、皆さん、体に気をつけて。
「健康問題で仕事が続けられなくなった内閣」もありますからね。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 鶴野充茂 : 11:29
2007年09月21日
wikipediaからリンクされた
最近どうもWikipediaから飛んでくる人が多いなあと思ったら、
このブログの記事が「偏向報道」のページにリンクされていると判明。
どこにリンクがはられているか探してみてください。
実はWikipediaって、欧米のPR関係者の間では今、大きな問題になっています。
これは最近、Wikipediaの書き込み・改編歴が誰によるものかが
分かるツールが出てきたことによるもので、
少し前までPRツールだと思って、当事者・関係者が一生懸命
自分たちで書き込み・書き換えていたのが
バレてしまう、こりゃタイヘンだ、と。
そんな慌てぶりを示す記事がいくつか出ていたので紹介しようかと思っていたところでした。
今度は、広報・PRとか、コミュニケーション教育、あるいは 情報・メディア・コミュニケーション研究
なんてページからリンクしてもらえるようしたいと思います。はい。
投稿者 鶴野充茂 : 13:51
2007年09月20日
自己演出するPR会社
PR会社、エデルマン・ジャパンがyoutubeで自分たちのコンテンツを発信していました。
今日まで知りませんでした。
と、いってもコンテンツ更新が活発になったのはここ1ヵ月くらいのようですね。
熊澤さん、お元気そうで何よりです。
投稿者 鶴野充茂 : 15:24
米国民はこうやってウソを信じさせられている
Lies Americans believe about the war in Iraq
というタイトルのテレビ番組のクリップがyoutubeに出ていましたので、ご紹介します。
米政府のイラク派兵に関するPRキャンペーンがうまく機能している現状と仕掛けについて解説しています。
興味深い。
投稿者 鶴野充茂 : 06:38
2007年09月13日
安倍 辞任党 内閣 : そんなに悪かったのか
安倍さんの突然の辞任から1日、メディアは一斉にネガティブ報道に走っています。
「病院の入り方もコソコソ」安倍首相が検査(産経新聞)「安倍、『お粗末な退場』」(韓国・中央日報)(時事通信より引用)
首相辞任でハシゴ外され、当惑と怒り 拉致、年金など (朝日新聞)
相次いだ不祥事 「政治とカネ」揺れ続け (朝日新聞)
霞が関「自爆テロのようなものだ」 首相辞意表明で (朝日新聞)
安倍首相は数週間「生けるしかばね」だった…W・ポスト紙(読売新聞)
毎日世論調査:安倍政権「評価しない」が74%(毎日新聞)
閣僚のカネ、失言…批判続いたトップとしての対応のまずさ(読売新聞)
こうした報道に影響を受けてか、ブログのキーワードでは、
「負ける」 「厳しい」 「美しくない」 「たいへん厳しい」 「不備」 「空疎」 「多かった」
「しょうがない」 「同情的」 「正式」 「小池百合子防衛相が正式」 「深刻」 「自虐」
「反対」 「対立点が大きく」 「実に」 「温暖」 「めぐる」 「責任が大きい」 「当然」 (以上、gooより)
といった言葉が並びます。
・
でも、どうなんでしょうね。 そんなに安倍さん、悪かったのか
「いや、美しい国づくりはこれからだ」
そう言って立ち上がったグループがある、
・・・・なーんて動きがあれば、あとちょっと先のタイミングなら、良いニュースになると思います。
メディアが一斉に同じ方向を向いている時は、そのちょっと先に、
「ほんとにそうかな」と、真逆の動きを伝える記事が出やすい。
今日の報道ぶりを見ていて、そんなことを考えてしまいました。
それにしても、今日発売の週刊誌のタイトル差し替え対応、
早かったですね。多くの人が寝てないんでしょうね。
皆さんお疲れさまです。 今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 鶴野充茂 : 19:00
2007年09月09日
カメラの先にある最高のコンテンツ
一般人がにわにスチルカメラやビデオカメラを取り出し、真剣な顔つきで決定的な瞬間をおさえようとする。
記者会見そっくりです。
この緊迫した現場。
カメラの先にあるのは、いったいどんな不祥事の謝罪か、重大発表か・・・。
と、思ったら、
自分たちの子どもが、歌って踊って可愛い笑顔を見せています。
記者会見の現場では、「いい絵」を撮ろうとカメラマンが押し合い、
前の方で、「オイ、押すなよー」と大声が上がったりすることも珍しくないのですが、
被写体が「パパァ~」と笑顔で手を振っている現場では、
「あっ、スイマセン」と、やりとりも随分紳士的。
他人の結婚式ではケータイで撮影する姿が目立ちますが、
自分の子どもの姿を撮る時にはケータイよりもしっかりしたカメラ。
親たちにとってこれこそが最高のコンテンツなのだと改めて考えさせられますね。
投稿者 鶴野充茂 : 06:50
2007年09月05日
日本語の意味が分かりません
久しぶりに、ほか弁。 たまに行くと新しいメニューが加わっていたりして刺激がありますね。
で、食べながら、何気に包み紙を見ていて気になるところを発見。
「購入後は、なるべくお早めにお召し上がりください。
弁当内容は電子レンジでの使用はできません。
お弁当の容器はお住まいの自治体の区分に従ってお捨てください。
容器に調味料の色が付着し変色することがありますが、品質等には問題ありません。」
と書いてあります。
じっくり読んでみてください。・・・意味、理解できます?
問題は2行目です。
「弁当内容」って何でしょうか。お弁当自体のこと? おそらくそうですよね。
じゃ、「電子レンジでの使用はできません」ってどういうことでしょうか。
・・・
食べ終わるまでに私は理解できませんでした。
日本語がおかしいのではないか、と思い、WORDの文章校正ツールをかけてみましたが、反応なし。
そうか、自分の理解不足なのか、と思い、食べ終わって弁当のフタを閉じた時に、ヒントが目に飛び込んで来ました。
賞味期限が販売から1時間後なのです。(夏だからかな)
と、いうことは、「冷めても電子レンジで温めて食べるな」という意味かな、と。
でも、じゃあ、そう書けばいいですよね。
「賞味期限は販売から1時間なので、冷めたからと電子レンジに入れて食べたりしちゃダメよ」と。
・・・・うーん、ほんとにそういう意味なのかな。 知ってる方、教えてください。
食べた後も余韻を残させる技。ほっかほっか亭、さすがです。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 鶴野充茂 : 21:52
2007年09月04日
「特別な日」を探す&作る
広報の仕事では、常に 「なぜこれを 今 ニュースにすべきなのか」という
「タイミング」
を考えることが非常に重要なのですが、
「こんな特別な日、なんですよ、今日は」
と、逆に何らかの方法で意味づけすることもできるのではないかと
このサイトを見ていて思いました。
これを使えば、たとえば・・・
「○○をはじめて今日で500日になる」 とか
「○年○月○日から数えて1000日目に1000人規模のイベントを開こう」 なんて
なんでもない日を「特別な日」「意味のある日」にすることができます。
毎年同じ日って記念日にしやすいですが、
プライベートなら、
「今日が二人が出会ってちょうど1000日目の特別な日」みたいな演出も考えられるし、
「ダイエットはじめて100日になります」とスケジューラーに登録して、
当日、自分への励ましメッセージを出すようにしてもいいですね。
仕事で、笑顔を推進する団体(たとえが一般的でなくて恐縮です)にいるなら、
『 笑顔の貴公子○○(誰でもいい)氏の生誕から2525日目(ニコニコ)を
「笑顔の日」として制定した 』、 みたいなのだっていいですよね。
いろいろ日付と数字を入れてみると楽しくなりますよ。
私も、何年も先のグーグルカレンダーにいくつか登録しておきました。
(その頃、グーグルカレンダー使ってるか分かりませんが)
特別な日は、「やってくる」んじゃなくて、「探して、作る」。
そしてそれを積極的に発信して、共通理解にする。
そんなのが得意になれば、あなたはもう「記念日の達人」だ。
うんうん、それも新しい自己演出かもしれません。
投稿者 鶴野充茂 : 17:39