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2011年08月31日

[つるの式55] とっさにコメントを求められた時の対処法は?

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■ コメントはその場への貢献

 「○○さん、どうですか?」

 会議などのみんながいる場で、突然、自分にふられる質問。

 「どうですか?」って言ったって、何を聞かれているのか曖昧すぎて答え方に困るのですが、

そんな困惑を感じた経験があるのは私だけでしょうか?

 しかし、同時にこんなことも思い出すのです。

 夏休みなどの帰省シーズンのニュース映像で、「どうだった?」という問いかけに、

子どものコメントはいつも、

「たのしかったー」。

 レストランの紹介番組で、若い女性レポーターがアップになって一言。

「おいしいですぅ~」。

 あれを見るたび、もっと気の利いたコメントはないのか、と思ってきました。


 だって、聞いている方には、何もプラスのないコメントですよね。

新しい情報がまったくない。

本当に楽しんだのかどうかさえ疑わしい。

 自分のことはあえて棚にあげますが、改めて考えると、

「○○さん、どう思いますか?」と聞かれて、「いいと思います」という人も、これに近いものを感じます。

確かに特に言いたいことがなければそういうコメントになるのかもしれないけど、

そんな思いつきの言葉をそのまま言ってもダメなんじゃないか、と思うのです。

 そんなことから、効果的な答え方、コメントの仕方について考えてみました。


 コメントを求められた時に、適切でキラリと光る一言を言える人は、間違いなく活躍の機会が増えます


 コメントが認められれば、それを見ている人たちから声がかかりやすくなるからです。

少なくとも、気の利いた一言が言えれば、自分の存在を認めてもらいやすくなります。

 だから、できるだけ良いコメントをした方がいいんです。

 その上で、もう一度冒頭の質問「どうですか?」「何かありますか?」に対して、

「面白かったー」「おいしかったー」がコメントとして最低なのは、なぜなのか

 それは、


 ありふれている+具体的でない(イメージを共有できない)+リアクションできない からです


■良いコメント3要素

 逆に言うと、

 (1)ありふれていない

 (2)具体的

 (3)リアクションしやすい

 コメントが良い、ということになります。

これが良いコメントの3要素です。

 もし仮に、「お休みはどうでしたか?」と聞かれて、

 「遊園地で、今回ゴーカートに初めて乗りましたが、心地よい陽気の中、風を受けて走るスピード感やエンジンと路面から伝わる震動がとても気持ちよかったです」

 なんて答えたらどうでしょう。

 もし、食事の後に感想を聞かれて、

 「少し疲れ気味の今の私の体に、野菜の甘さとダシの旨みがとても優しく、ありがたかったです」

 なんて風に言ってくれると、どうでしょう。

 何がどうだったのか、何に喜んだのかがよく分かるし、

「あれも良かったよね」とか「じゃ、次はあそこに行こう」という話もしやすいですよね。


 
 これが相手のため、その場への貢献になるコメントではないかと思うのです。

 

■意見は「反対」から始めよう

 ある人から、以前、こんなことを言われたことがあります。


 「意見というのは、人と違うことを言うから意見になる。みんなが賛成するのは意見じゃない。」

 ハッとしましたね。確かに、「議論の余地がある」というのは、賛否両論あるもののこと

場への貢献という意味では、議論を誘発できるのがいいのです

 議論するために集まって話し合ってるわけですからね。

 つまり、自分が、反対されそうにないことしか言わなくなっていないか、

通りそうなこと、反発の出なさそうなことを無意識に選んで言っていないかを

コメントする前に気をつけないといけない

 逆に言うと、必ずしも自分の言うことすべてに賛成してもらわなくていい、

という気合い、気概を持ってコメントすればいい、ということです。

 反発も結構、反対も結構。摩擦を起こせる自分がいて、その場にいる意味がある、と考えるようにする。

 これで、私の場合、「意見」が随分言いやすくなりました。

 で、実際の会議や打ち合わせで、良いコメントを言うには、どうしたらいいか

 まず、基本は前頁の3要素をおさえること。復習します。


 (1)ありふれていない (2)具体的 (3)リアクションしやすい

 その上で、次の2つの視点を忘れないことです。それは、

 ・初めて結論を聞いた人が、何と思うのかをコメントする

 ・みんなが1つの方向に流れたら、「本当にそうかな」と考える

 ずっと1つのテーマについて話し合っていると、

知らず知らずのうちにはじめのイメージからはかけ離れた議論や、

身内の論理、大人の事情で迷い込んでしまうことがあります。

また、みんなが賛同する方向では、うまくいかないことがよくあります。

そんな時に一言それを指摘します。

 つまり、全体の流れに対して、反対できることを見つけてそれを指摘する、ということです。

たとえば、こんな言い方でしょうか。


 「それ、今のままだと、分かりにくいですよ。誤解されますよ」
 「初めて聞いた人は混乱しそうなので、こういう表現の方が良いのでは?」

あるいは、明るく元気よく、こう始めてみる。
 「いやいや、ちょっと違うと思うんですよね」


 これで、議論の余地のある反対意見にしやすくなります

 良い意見は、「具体的でリアクションしやすい」から「反発・反対されるもの」と考えれば、コメントもしやすいですよね。

 それが場に貢献しているもの、議論を深められるものであれば、みんなも結局喜んでくれるわけですし

 つまり、役に立つ反対意見はみんな嬉しいんです


 これを「反対名人でみんなハッピーの法則」と言います。

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 (55)反対名人でみんなハッピーの法則

・思いつきでコメントせず、場の貢献につながるコメントをしよう
・ありふれていない・具体的・リアクションしやすいのが良いコメント
・コメントが良ければ、反発・反対が出る
・議論の余地のあるところで反対意見を出せば議論は深まりみんな喜ぶ

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投稿者 MT : 09:46

2011年08月30日

人生をシフトさせる伝説の8日間(第2期)募集

人生をシフトする伝説の8日間

 

伝説のホテル、鶴岡秀子さんのところでやっているセミナー「人生をシフトさせる伝説の8日間」プログラムが、先日、大成功のうちに終了しました。

 

講師として参加した感覚としては、他のセミナーでは見られない熱い空気感と、8カ月間の「共同プロジェクト」に参加してきた皆さんの一体感がものすごくて、とても印象深かったのですが、このたび、大好評につき第2期の募集が始まりました。

今なら早割料金もあるようですので、ご興味のある方はぜひ。

 

満足してもらえているのか、さらに必要なところはどこか。

7日目に登場した私は、皆さんに突っ込んでお聞きしましたが、それぞれの参加時点での期待、目的はクリアしていたようで、最終回は感動のエンディングセレモニーとなりました。

 

参加者の方々の生コメントが、告知ページに載っていますので、ぜひご覧ください。

何かを変えないといけない、まさに今からが勝負だ。という方には持ってこいのプログラムです。

 

セミナー自体は8日間ですが、鶴岡さんと8カ月、濃い付き合いができます。

これに対する満足度がたいへん高かったようです。

 

人生をシフトさせる伝説の8日間(第2期)

皆さんとお会いできるのを私も楽しみにしています!

 

 

 

投稿者 MT : 16:26

2011年08月29日

映画「ゴーストライター」を観た。

先週末から全国公開されている映画「ゴーストライター」を観ました。元英国首相の自叙伝を書くゴーストライターの物語です。取材を進める中で、知ってはならない事実を知ってしまい、命を狙われるサスペンスです。

ゴーストライター

私が劇場に足を運んだのは、俳優でも監督なく、サスペンスでもレビューでもなく、はたまた全英(全米)が泣いたとかいうコピーでもなく、夕刊の紹介でたまたま見かけた「タイトル」です。ゴーストライターなる裏方コミュニケーターの仕事が表に出る映画。「これは観ねば」と直感したのがきっかけです。そんなわけで、映画好きのための映画評にはなりませんが、コミュニケーションを生業とする人間から見た、マニアックな、これから観ようと思っている方への見所を幾つか。

まず、著者としての私の一番の興味は、一国のトップの仕事をするほどの「腕のいい」ゴーストライターが、どのように「描かれているのか」、ということでした。一流の仕事ぶりは、たとえそれが物語でも、実際の仕事の参考になりますよね。またどんな「特徴」が「腕のいいゴーストライター」なのか。

映画を観る前の仮説は、「きっと質問がすごいんだろう」ということでした。インタビューする時のね。いいライターは、いい質問をするものです。読者がどんなことに興味を持つのかを考え続けていますからね。とにかくこれだけ確かめたかったんです。

で、仮説は的中主人公が投げかける質問こそが一番の見所であり、ストーリーの鍵を握ります。質問の前後でガラリとシーンが変わります。

具体的には、
・冒頭の面接シーンで、「売れる本に求められていること」はこうなんじゃないかという彼なりの仮説をぶつける時
・初対面の最初のインタビューで首相に投げかける質問
・中盤のキーパーソンである、ノーアポで訪問した初対面のエメット教授への質問

です。このへん、ぜひしっかり観てください。

ただ、どうもしっくり来ないのは、謎の死を遂げる前任者の原稿が、あまりにも下手すぎること。重要な事実にたどり着き、メッセージを忍ばせるまでの筆力を持ちながら、残されていた原稿はどんな素人が見てもひどいものでした。あれはシナリオ的にリアリティがまったくない。

また、ゴーストライターと言いながら、彼が書いた原稿がどうまとめられたのかまったく出て来ません。確かに本が出て、注目を集める。出来事を描くにはそれだけで充分なのかもしれませんが、日夜少しでも良い原稿を書こうとしている人間にとっては、完成原稿が読んでみたい。

とまあ、言いたいことはありますが、質問の投げかけ方は、ほんと注目です。ダイレクトに聞く、情報を引き出す質問のモデルが見られます

と、いうわけで、自己演出コミュニケーションの勉強ができました! ブログ、久しぶりに書きました。

さ、原稿書きますかね。

投稿者 tsuruno : 22:21

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