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2011年08月29日

映画「ゴーストライター」を観た。

先週末から全国公開されている映画「ゴーストライター」を観ました。元英国首相の自叙伝を書くゴーストライターの物語です。取材を進める中で、知ってはならない事実を知ってしまい、命を狙われるサスペンスです。

ゴーストライター

私が劇場に足を運んだのは、俳優でも監督なく、サスペンスでもレビューでもなく、はたまた全英(全米)が泣いたとかいうコピーでもなく、夕刊の紹介でたまたま見かけた「タイトル」です。ゴーストライターなる裏方コミュニケーターの仕事が表に出る映画。「これは観ねば」と直感したのがきっかけです。そんなわけで、映画好きのための映画評にはなりませんが、コミュニケーションを生業とする人間から見た、マニアックな、これから観ようと思っている方への見所を幾つか。

まず、著者としての私の一番の興味は、一国のトップの仕事をするほどの「腕のいい」ゴーストライターが、どのように「描かれているのか」、ということでした。一流の仕事ぶりは、たとえそれが物語でも、実際の仕事の参考になりますよね。またどんな「特徴」が「腕のいいゴーストライター」なのか。

映画を観る前の仮説は、「きっと質問がすごいんだろう」ということでした。インタビューする時のね。いいライターは、いい質問をするものです。読者がどんなことに興味を持つのかを考え続けていますからね。とにかくこれだけ確かめたかったんです。

で、仮説は的中主人公が投げかける質問こそが一番の見所であり、ストーリーの鍵を握ります。質問の前後でガラリとシーンが変わります。

具体的には、
・冒頭の面接シーンで、「売れる本に求められていること」はこうなんじゃないかという彼なりの仮説をぶつける時
・初対面の最初のインタビューで首相に投げかける質問
・中盤のキーパーソンである、ノーアポで訪問した初対面のエメット教授への質問

です。このへん、ぜひしっかり観てください。

ただ、どうもしっくり来ないのは、謎の死を遂げる前任者の原稿が、あまりにも下手すぎること。重要な事実にたどり着き、メッセージを忍ばせるまでの筆力を持ちながら、残されていた原稿はどんな素人が見てもひどいものでした。あれはシナリオ的にリアリティがまったくない。

また、ゴーストライターと言いながら、彼が書いた原稿がどうまとめられたのかまったく出て来ません。確かに本が出て、注目を集める。出来事を描くにはそれだけで充分なのかもしれませんが、日夜少しでも良い原稿を書こうとしている人間にとっては、完成原稿が読んでみたい。

とまあ、言いたいことはありますが、質問の投げかけ方は、ほんと注目です。ダイレクトに聞く、情報を引き出す質問のモデルが見られます

と、いうわけで、自己演出コミュニケーションの勉強ができました! ブログ、久しぶりに書きました。

さ、原稿書きますかね。

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投稿者 tsuruno : 2011年08月29日 22:21