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2009年02月28日
[つるの式50] もしも孤独に感じたら
■リセットしたいという欲求
一昨年、人間ドックを受けたところ、「とにかく運動して5キロ痩せなさい」と医者から言われたので、フィットネスジムに通い始めました。
少しずつペースができた頃、売上不振でそのフィットネスクラブが閉店しました。
性格的に何でも都合よく解釈するタイプで、私は、「これは、心配しなくてよい」という意味だと逆に安心しました。
仕事で会食の機会は増え、〆切に追われて不規則な生活のため、体重は増えることはあっても減ることはありません。
仕事で会う仲間、とりわけ元気な経営者や売れっ子の人たちも皆、同じような状況ですから、会うたびに周りが太っていくのを目にします。
「あぁ、やっぱり仕方ないよなあ、太っても」と考えるようになります。
その結果、昨年、体重がさらに3キロ増えました。
そのあたりで「あ、これはいけない」と感じたんです。
ちょうどその頃、仕事の状況も急激に変化し、自分の中で気分を一新したい、何かをリセットしたい、という気持ちが強くなりました。
いろいろ考えた挙句、短時間で全身運動するなら水泳だ、と新たなフィットネスクラブに入会して泳ぎ始めたんです。
「週に2日くらい、なんて思うから続かない。毎日行こう」
今振り返ると、この時、気持ちはとても孤独でした。
いろいろ新しい問題が出てくるのに相談できる人がいない。 もっと正確に言うと、相談しても解決しない問題ばかりでした。
1つ1つ自分で答えを出していくしかない。それには頭を切り替える必要がある。 そんな時間をつくる意味でも体を動かそう、と。
とはいえ、仕事は待ってくれませんので、日ごろ約5時間の睡眠時間が、泳ぎに通う時間で圧迫され、平均2-3時間になりました。
3週間くらい経ったところで、体を壊しました。
それで3キロ痩せました。
ダイエット成功。
会う人会う人に、「や、痩せましたよねえ」と言われるようになり、今でも少しペースを落としつつ、運動を続けています。体も良好です。
仕事も新たな展開に進み始め、スピードアップするようになりました。
不思議なことに、意識してみると、周りにも運動している人が増えたように感じます。
■孤独はチャンスだ
日々、多くの人に会いますが、みんなそれぞれにいろんな問題を抱えながら仕事をしているとよく気づかされます。
お金の悩み、人間関係の悩み、健康の悩み。
「いやぁ~、しかし、いろんなもの、背負ってますよね」
「わざわざリマインドしないでください」
仲の良い人とはそんな風に話すこともあります。
悩みの真っただ中にいる時は、その問題に向き合って「なぜ、自分だけが、こんな問題を抱えているんだろうか?」と元気が出ないものですが、その気になって探してみると、結構同じような課題を抱える人と出会うものです。
それで、ああ自分だけじゃなかったのかと安心したりします。
ところが、人間、安心すると、今度は問題が解決されていないまま放置、あるいは先送りされることが多い。
そう考えると、どちらかというと、孤独で悩み続ける方が、課題解決には近いのかもしれない、なんて思うこともあります。
問題は、どう孤独を耐えるか、ですよね。
■孤独の先に新しいクラスメートが待っている
ちょっと話題が変わりますが、人って、もともと前向きに考えられる、動き出せるようになっています。
それに私はつくづく感心するんです。
たとえば、進路の選択。自分の希望のために、友達と別れることができますよね。
・遠く離れた街の大学に入学する。
・まったく一人で数か月前まで考えたこともなかった会社に入社する。
・結婚というある日を境に、それまでの自分の人生にまったく関係がなかった人たちが親戚になる。
・自分のことだけで精いっぱいだった人でも、子供ができた途端に、自分よりも子供の優先順位が上がる。
まったく知り合いのいない世界、新しい世界に踏み出していく。誰でもそんな勇気を持っているわけです。しかも、毎年クラス替えがあるように、小さい頃から経験している。
うまくいく見通しが立っているわけでもないのに、生活を一新できる。
そして、一時期の孤独は、その先に、新たな出会いが待っていることも知っている。
もちろん、次に進むというのは自分の意思だけではないこともありますが、やってできないことはない、とみんな経験的に知っている。
考えてみたら、それってすごいことだと思いません?
孤独の先には、新たなクラスメートとの出会いがあるんですよね。
■大切なのは自分をどうしたいのか
ただ、より大きな問題はここからです。
「次のクラスメート」は、孤独の時の過ごし方で決まります。
つまり、孤独は進級テストみたいなものでしょうか。次のクラスがその先にある。
トレーニングをきっちりやれば、全国大会に出て全国レベルの仲間に巡り合うかもしれないけど、サボると地区予選レベルかもしれません。
付き合う人たちが決まってくる、と。
文句を言い続けている人は、文句を言う仲間が待っています。
自分で笑顔をつくらないと、笑顔の人は現れないということですね。
つまり次のクラスメートは知らず知らずのうちに自分で選んでいるわけです。
早く孤独というトンネルを抜け出したい人は、トンネルの中で、次にどんなクラスに進みたいかという道を選べばいい。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「自分で結果を決める進級テストの法則」と呼びます。
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まとめ:つるの式(50)自分で結果を決める進級テストの法則
・ 孤独を感じたらチャンスだ
・ 孤独の先に新たな成長と出会いが待っている可能性が高い
・ きっと新しいクラスメートとも出会える
・ どんなクラスメートと出会うかは自分で決めればいい
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投稿者 tsuruno : 07:33
2009年02月23日
麻生総理の散髪に立ち会った
人をよく観察していると、その人の行動パターンとか、思考パターンって、ある程度見えてきますよね。
しかも、本人は、無意識に繰り返してると思いません?
オフィスのトイレ、同じ場所を使うとか、
こんな気分の時に、決まった本屋に行くとか、
ある条件の時に、同じ口癖が出てくるとか。
イチローは、以前、番組で、毎日、奥さんが作ったカレーを食べている、と言ってました。
私は、よく仕事をした日の帰りに、デイリーヤマザキのエクレアを買って、0時をまわったあたりで食べています。(?)
これ。130円の幸せ。
まあ、本人なりにそれが最適解だと考えて続けていることも多いですが。
昨日は、自宅に帰ろうと歩いていたら、ホテルの前で目付きが鋭く、無線を使っている人物を発見。
「ん!? 週末夕方。警護官。ホテルパシフィック。」
これは、麻生さんの散髪だ!
せっかくなので、出迎えました。
(正面、コート姿が麻生さん。分からないか)
首相動静(2月22日) 2月23日0時5分配信 時事通信より引用午後2時13分から同28分まで、青森空港内の貴賓室で大島自民党国対委員長、同党青森県連の山内和夫幹事長、長尾忠行政調会長。同48分、日本航空1206便で同空港発。同3時51分、羽田空港着。同4時4分、同空港発。
午後4時25分、東京・高輪のホテルパシフィック東京着。同ホテル内の理髪店「理髪佐藤」で散髪。同5時34分、同ホテル発。
午後5時49分、公邸着。 (以上、引用おわり)
(麻生さんが乗ってきた車)
出張先から羽田空港に着いて、散髪直行、というパターンも何度かあったように記憶しています。
うむ。同じパターンを繰り返していても、変化は作れませんよね。
新たな展開を作るには、パターンの打破を意識していくことにしましょう。思い切って。
良い教訓、さすが総理。(?)
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 tsuruno : 10:13
2009年02月19日
ホテルの改善提案を考える
ホテルに泊まると、必ずアンケートを書くようにしています。
出張の時などは、時間がなかなかとれないのですが、それでも走り書きでだだだっと書きます。
たぶん、多くの他のお客さんも同じことを感じているはずだけど、声に出して言う人は少ないんじゃないか、と。
たまたま自分は気付いたし、改善されると次に来た時に嬉しいし、
来なかったとしても、改善された状態で他のお客さんが快適に過ごせれば、それも良いことだと思うんです。
いや、それよりもっと強い動機は、「環境はもっともっと改善していける、良くできる」という気持ちが強いのかもしれません。
気が付いた人がやれることをやっていったら、何でも今より良くなる、という思いがあります。
でもね、大体、書くスペースが小さいんですよね。まったく書ききれない。できれば、懇談の時間をとって話を聞いてもらいたいと思うこともあります。
実際、チェックアウト時に担当の人にいろいろアイデアを話したこともあります。迷惑そうな顔されることもあるんですけど。
コメントを残す上で、気をつけているのは、
・「単なるクレーマーではない」ことをどう表現するか、
・現場の人が、改善提案を採用するための、極めて現実的な改善案をどう提示するか、
という2点です。
ホテルは、建物や立地などハード的要素と、サービスやオペレーションなどソフト的要素があって、
ハード的要素は、大きな投資が必要だったりするので、急に変えてほしいといっても無理があります。それはまた、提案先も違います。一利用者としてのコメントとして書きはしますが。
でも、ソフト面は結構改善の余地があります。フロントでもう一言、確認してもらいたかった、とか、
レストランでこういうサービスがあったらとても嬉しいとか。サービス・商品の企画開発も現場で判断できることが多いですよね。
そういうのをどう伝えるか。一言書いて、本当に動いてもらえるようにするには、情報として、表現として、何が必要か。
そんなことを一生懸命考えながら書きます。
「こういうのがとても良かった」というのも書きます。
「前回、泊まった時から改善されていた」とか「このホテルはこういうところが強みになっている。だから今回も泊まった」とか。
そうすると、ホテルから後日、手紙が届きます。住所・氏名もしっかり書いてきますので。
この返答の仕方って、かなりホテルによって差があります。
単に、「このたびは貴重なご意見をいただきありがとうございました」的な、定型フォーマットのような手紙の場合と、ちゃんとコメント読んでくれたのが分かる手紙の場合と。
私が密かに注目しているのは、お礼の伝え方や、意向に沿えない場合の「ごめんなさい」の言い方。
結構、勉強になるんですよ。
たとえば、これ。 水回りがいろいろ問題、と指摘したのに対しての返答。
「水回りの後進性も仰る通りと捉えますが、恥ずかしながら全室改修には未だ手間取ることが予想されます。率直にお詫び申し上げる次第にございます。 お客様の声を羅針盤に、至らざるところ微速ながら緊張感をもって、耳澄ませ舵きる姿勢で居りますので、今後とも厳しくもあたたかい視座からお見守り下さいますれば心づよい限りにございます。鶴野様のご薫陶を拠り所に、いつ旅窓を開け放つとも海風さわやかな、居心地のよいオアシスを志向いたしたく、どうぞ末永くおみちびき下さい。」
どうですか!? おみくじの文かと思いますよね。コピペしてどこかで使いたくなりません?
いや、たぶんコピペして使ってるんだと思います。けど、名文ですよね。
そんなコミュニケーションを楽しむべく、アンケートを書き続けています。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 tsuruno : 11:08
2009年02月17日
中川財務・金融担当相の貢献
結局、辞任、ということになってしまいましたが、
<中川財務相>あきれる国民 首相にも批判の声
財務相しどろもどろ会見、低迷政権さらに痛撃 与野党から批判
財務相のG7会見、海外でも相次ぎ報道 ユーチューブは閲覧急増(日経)
中川財務相「自覚に欠ける」=東国原宮崎知事が批判 「反省を」「お気の毒」=閣僚から批判、同情-財務相問題
中川財務相辞任へ 予算案衆院通過後 もうろう会見引責
中川財務相「検査」で欠席、委員会流会 また批判浴びる
と踊る見出しを見つけて1つずつ読み進むうちに何か釈然としないものを感じ、
気がついたら、某大手雑誌の記者に電話をしていました。
「ここ1日ほどの報道ぶりを見ている一読者、視聴者としての素朴な感想を聞いてほしいんですけど」
「はい、何でしょうか?」
「皆さん、中川さん、ひどいひどいと叩いてますけど、財務金融担当大臣として、リーマンショック以降、最も大きなインパクト与えた記者会見をやったんじゃないでしょうか?」
「どういうことですか?」
「1回の記者会見で、1円くらい円安に振れてます。円高に泣いている製造業の人たちや投資家には朗報なのでは?」
おおー、とその場では喜んでもらえたようですが、
しばらくしたら、レートもまたもとに戻ってしまいました。
株も下がったし。
あまりに早く賞味期限切れになったコメントでした。これだけ変化が早いと、雑誌はほんと難しいですね。
精進します。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 tsuruno : 18:44
2009年02月16日
今年も開催、ACフォーラム
今年もやります。ACフォーラム!
マーケティング・コミュニケーション業界の有志が協力し、業界にいる自分たちの視点で、今、最もホットなテーマ、参考にしたい最新事例を集めて話を聞き、議論する場がこのACフォーラムです。
2005年に、毎月開催しているメデコミ会がベースとなってスタートし、次回は第4回になります。回を追うごとにコミュニティも発展しており、この場をきっかけにした協業の話などもいくつも聞かれるようになりました。
来月、3月14日(土)に開催されるACフォーラム2009もこれまで以上に充実したプログラムになりました。
今回も、土曜日の朝から夜まで、文字通り丸一日、他ではなかなか聞けない話でお楽しみいただけます。
もちろん、スピーカーも参加する、ACフォーラム名物の交流会もあります。
今年のテーマは、「現状打破のマーケティング」 ~本気で売る!仕組みと工夫~ です。
とかく元気のないマーケットで、「ほー、そんなやり方があったのか!」「これは新しい」と、聞いていて楽しくなるような事例をお持ちの方々にスピーカーをお願いしました。本当に豪華な顔ぶれです。
閉塞感を打ち破るような、元気の出る話が次々登場しますので、ぜひ、ご参加ください。
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ACフォーラム2009
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日時:3月14日(土)10:45-16:30 / 交流会 17:00-19:00
場所:東京・恵比寿 SPAZIO
テーマ:「現状打破のマーケティング」
~本気で売る!仕組みと工夫~
プログラム
・日経トレンディ 編集長 渡辺 敦美 氏
「日経トレンディが見た現状打破の成功法則」
・株式会社エイベック研究所 代表取締役 武田 隆 氏
「CGM と ロイヤリティマーケティングの融合 ~ 自社ファンの育成から売上向上へとつながる企業コミュニティ」
・東京オリンピック・パラリンピック招致委員会 広報ディレクター 松尾 崇 氏
「2016年東京オリンピック・パラリンピック招致活動 ~全国民を巻き込む一大キャンペーンの舞台裏~」
・芸者東京エンターテインメント株式会社 代表取締役CEO 田中 泰生 氏
「電脳フィギュア ~ゲーム業界が注目する"AR"の世界」
・フライシュマンヒラード・ジャパン株式会社 代表取締役CEO 田中 愼一 氏
「(仮) オバマ米大統領の選挙キャンペーンを振り返る」
・ザ・レジェンド・ホテルズ&トラスト株式会社 代表取締役CEO 鶴岡 秀子 氏
「話題づくり、ファンづくり ~伝説のホテル協力者はいかにして集まったか」
・ソフトバンクモバイル株式会社 iPhone事業推進室 中山 五輪男 氏
「飽和市場を打ち破るスマートフォン戦略」
・交流会
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詳細・申込み:こちらのサイトから ⇒ http://ac-f.net
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投稿者 tsuruno : 17:35
2009年02月15日
広報視点で見たテレビというメディア
広報をやっている人たちのこれまでの認識では、テレビというのは、瞬間的なインパクトとリーチは広かったものの、再現性やアーカイブ価値が低くて、パブリシティの成果として説明するのがむずかしかったのですが、Youtubeなどが一般でも当たり前のように使われている現在は、その位置づけや認識を変えざるを得ませんね。
ローマで開催されていたG7主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、中川財務相の様子がおかしかったとする報道、
中川財務相、ろれつ回らず陳謝
中川財務相、様子が変?
中川氏の「ふらふら会見」 小沢氏「世界に醜態」と批判
などというニュースの見出しが目に付いたので、思わず、
「その記者会見の場面を見たい」
と、次の瞬間には、Youtubeで検索していました。
あるんですよね、すでに。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
投稿者 tsuruno : 18:36
2009年02月09日
売れてます!「頭のいい説明」
昨年11月に発売後、今日までに3回もの重版がかかりました。売れてます。
ありがとうございます!
投稿者 tsuruno : 18:05