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2009年02月19日
ホテルの改善提案を考える
ホテルに泊まると、必ずアンケートを書くようにしています。
出張の時などは、時間がなかなかとれないのですが、それでも走り書きでだだだっと書きます。
たぶん、多くの他のお客さんも同じことを感じているはずだけど、声に出して言う人は少ないんじゃないか、と。
たまたま自分は気付いたし、改善されると次に来た時に嬉しいし、
来なかったとしても、改善された状態で他のお客さんが快適に過ごせれば、それも良いことだと思うんです。
いや、それよりもっと強い動機は、「環境はもっともっと改善していける、良くできる」という気持ちが強いのかもしれません。
気が付いた人がやれることをやっていったら、何でも今より良くなる、という思いがあります。
でもね、大体、書くスペースが小さいんですよね。まったく書ききれない。できれば、懇談の時間をとって話を聞いてもらいたいと思うこともあります。
実際、チェックアウト時に担当の人にいろいろアイデアを話したこともあります。迷惑そうな顔されることもあるんですけど。
コメントを残す上で、気をつけているのは、
・「単なるクレーマーではない」ことをどう表現するか、
・現場の人が、改善提案を採用するための、極めて現実的な改善案をどう提示するか、
という2点です。
ホテルは、建物や立地などハード的要素と、サービスやオペレーションなどソフト的要素があって、
ハード的要素は、大きな投資が必要だったりするので、急に変えてほしいといっても無理があります。それはまた、提案先も違います。一利用者としてのコメントとして書きはしますが。
でも、ソフト面は結構改善の余地があります。フロントでもう一言、確認してもらいたかった、とか、
レストランでこういうサービスがあったらとても嬉しいとか。サービス・商品の企画開発も現場で判断できることが多いですよね。
そういうのをどう伝えるか。一言書いて、本当に動いてもらえるようにするには、情報として、表現として、何が必要か。
そんなことを一生懸命考えながら書きます。
「こういうのがとても良かった」というのも書きます。
「前回、泊まった時から改善されていた」とか「このホテルはこういうところが強みになっている。だから今回も泊まった」とか。
そうすると、ホテルから後日、手紙が届きます。住所・氏名もしっかり書いてきますので。
この返答の仕方って、かなりホテルによって差があります。
単に、「このたびは貴重なご意見をいただきありがとうございました」的な、定型フォーマットのような手紙の場合と、ちゃんとコメント読んでくれたのが分かる手紙の場合と。
私が密かに注目しているのは、お礼の伝え方や、意向に沿えない場合の「ごめんなさい」の言い方。
結構、勉強になるんですよ。
たとえば、これ。 水回りがいろいろ問題、と指摘したのに対しての返答。
「水回りの後進性も仰る通りと捉えますが、恥ずかしながら全室改修には未だ手間取ることが予想されます。率直にお詫び申し上げる次第にございます。 お客様の声を羅針盤に、至らざるところ微速ながら緊張感をもって、耳澄ませ舵きる姿勢で居りますので、今後とも厳しくもあたたかい視座からお見守り下さいますれば心づよい限りにございます。鶴野様のご薫陶を拠り所に、いつ旅窓を開け放つとも海風さわやかな、居心地のよいオアシスを志向いたしたく、どうぞ末永くおみちびき下さい。」
どうですか!? おみくじの文かと思いますよね。コピペしてどこかで使いたくなりません?
いや、たぶんコピペして使ってるんだと思います。けど、名文ですよね。
そんなコミュニケーションを楽しむべく、アンケートを書き続けています。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
09/15 宣伝会議の巻頭特集で記事を書きました。
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投稿者 tsuruno : 2009年02月19日 11:08