2011年08月31日
[つるの式55] とっさにコメントを求められた時の対処法は?
■ コメントはその場への貢献
「○○さん、どうですか?」
会議などのみんながいる場で、突然、自分にふられる質問。
「どうですか?」って言ったって、何を聞かれているのか曖昧すぎて答え方に困るのですが、
そんな困惑を感じた経験があるのは私だけでしょうか?
しかし、同時にこんなことも思い出すのです。
夏休みなどの帰省シーズンのニュース映像で、「どうだった?」という問いかけに、
子どものコメントはいつも、
「たのしかったー」。
レストランの紹介番組で、若い女性レポーターがアップになって一言。
「おいしいですぅ~」。
あれを見るたび、もっと気の利いたコメントはないのか、と思ってきました。
だって、聞いている方には、何もプラスのないコメントですよね。
新しい情報がまったくない。
本当に楽しんだのかどうかさえ疑わしい。
自分のことはあえて棚にあげますが、改めて考えると、
「○○さん、どう思いますか?」と聞かれて、「いいと思います」という人も、これに近いものを感じます。
確かに特に言いたいことがなければそういうコメントになるのかもしれないけど、
そんな思いつきの言葉をそのまま言ってもダメなんじゃないか、と思うのです。
そんなことから、効果的な答え方、コメントの仕方について考えてみました。
コメントを求められた時に、適切でキラリと光る一言を言える人は、間違いなく活躍の機会が増えます。
コメントが認められれば、それを見ている人たちから声がかかりやすくなるからです。
少なくとも、気の利いた一言が言えれば、自分の存在を認めてもらいやすくなります。
だから、できるだけ良いコメントをした方がいいんです。
その上で、もう一度冒頭の質問「どうですか?」「何かありますか?」に対して、
「面白かったー」「おいしかったー」がコメントとして最低なのは、なぜなのか。
それは、
ありふれている+具体的でない(イメージを共有できない)+リアクションできない からです。
■良いコメント3要素
逆に言うと、
(1)ありふれていない
(2)具体的
(3)リアクションしやすい
コメントが良い、ということになります。
これが良いコメントの3要素です。
もし仮に、「お休みはどうでしたか?」と聞かれて、
「遊園地で、今回ゴーカートに初めて乗りましたが、心地よい陽気の中、風を受けて走るスピード感やエンジンと路面から伝わる震動がとても気持ちよかったです」
なんて答えたらどうでしょう。
もし、食事の後に感想を聞かれて、
「少し疲れ気味の今の私の体に、野菜の甘さとダシの旨みがとても優しく、ありがたかったです」
なんて風に言ってくれると、どうでしょう。
何がどうだったのか、何に喜んだのかがよく分かるし、
「あれも良かったよね」とか「じゃ、次はあそこに行こう」という話もしやすいですよね。
これが相手のため、その場への貢献になるコメントではないかと思うのです。
■意見は「反対」から始めよう
ある人から、以前、こんなことを言われたことがあります。
「意見というのは、人と違うことを言うから意見になる。みんなが賛成するのは意見じゃない。」
ハッとしましたね。確かに、「議論の余地がある」というのは、賛否両論あるもののこと。
場への貢献という意味では、議論を誘発できるのがいいのです。
議論するために集まって話し合ってるわけですからね。
つまり、自分が、反対されそうにないことしか言わなくなっていないか、
通りそうなこと、反発の出なさそうなことを無意識に選んで言っていないかを
コメントする前に気をつけないといけない。
逆に言うと、必ずしも自分の言うことすべてに賛成してもらわなくていい、
という気合い、気概を持ってコメントすればいい、ということです。
反発も結構、反対も結構。摩擦を起こせる自分がいて、その場にいる意味がある、と考えるようにする。
これで、私の場合、「意見」が随分言いやすくなりました。
で、実際の会議や打ち合わせで、良いコメントを言うには、どうしたらいいか。
まず、基本は前頁の3要素をおさえること。復習します。
(1)ありふれていない (2)具体的 (3)リアクションしやすい
その上で、次の2つの視点を忘れないことです。それは、
・初めて結論を聞いた人が、何と思うのかをコメントする
・みんなが1つの方向に流れたら、「本当にそうかな」と考える
ずっと1つのテーマについて話し合っていると、
知らず知らずのうちにはじめのイメージからはかけ離れた議論や、
身内の論理、大人の事情で迷い込んでしまうことがあります。
また、みんなが賛同する方向では、うまくいかないことがよくあります。
そんな時に一言それを指摘します。
つまり、全体の流れに対して、反対できることを見つけてそれを指摘する、ということです。
たとえば、こんな言い方でしょうか。
「それ、今のままだと、分かりにくいですよ。誤解されますよ」
「初めて聞いた人は混乱しそうなので、こういう表現の方が良いのでは?」
あるいは、明るく元気よく、こう始めてみる。
「いやいや、ちょっと違うと思うんですよね」
これで、議論の余地のある反対意見にしやすくなります。
良い意見は、「具体的でリアクションしやすい」から「反発・反対されるもの」と考えれば、コメントもしやすいですよね。
それが場に貢献しているもの、議論を深められるものであれば、みんなも結局喜んでくれるわけですし。
つまり、役に立つ反対意見はみんな嬉しいんです。
これを「反対名人でみんなハッピーの法則」と言います。
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(55)反対名人でみんなハッピーの法則
・思いつきでコメントせず、場の貢献につながるコメントをしよう
・ありふれていない・具体的・リアクションしやすいのが良いコメント
・コメントが良ければ、反発・反対が出る
・議論の余地のあるところで反対意見を出せば議論は深まりみんな喜ぶ
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投稿者 MT : 09:46
2011年02月28日
[つるの式54] 新たなチャンスを得る方法
●趣味は何ですか?
最近、取材や仕事の打ち合わせで、たて続けに 「趣味」 について聞かれ、
困るという経験がありました。
よく考えると、一般的にイメージできる趣味らしい趣味をもっていない。
そもそも、仕事時間さえどれだけあっても足りないぐらいなのですから。
そうは言っても、「趣味は仕事」なんて、余裕がないみたいで
恥ずかしいですよね。
もっと正確に言うと、余裕がないのを自分で認めることに抵抗がある。
なので、答えに窮したのです。
でも、なぜ仕事で会う人に、趣味なんて聞くのでしょうか?
趣味を聞いたって、大した話題にならないでしょう。
それでも思い至ったんです。
話題には、広げるものと深めるものがあります。
趣味を聞くのは、次の話題に進めて話を広げたい時です。
突っ込んで聞きたい話、深めたい話があれば、
趣味なんてテーマは、出てこないはずです。
たとえば目の前にオリンピック選手がいたとして、
趣味は?なんて聞かないでしょう。
時間的には競技の練習しかできないことが明らかだし、
抜きん出た成果を得るには、他のことなんてできるわけがありません。
そう考えると、趣味を聞かれるということは、
仕事の話で自分自身の特徴を相手に充分、伝えきれていないということ です。
ただ、自分には興味をもってくれては、いる。
だから趣味を聞くのではないかと。
そういうわけで、この先もしも趣味を聞かれたら、・・・
自分に興味をもってくれている相手への話題提供の機会だと考えるのがいい。
これが私の結論です。
趣味を聞かれるのは、相手が話題を広げつつ、
深められる話題を探してくれている状態です。
もし目の前にいる人が、あなたの仕事のパートナー
(もしくは未来のパートナー)であるなら、
このチャンスを特徴・メッセージを伝える機会として活用する。
これをオススメしたいと思います。
●話題を提供しよう
話題には、自分一人で完結する話と、相手と一緒に楽しめる話があります。
自分一人の話は、
猫が好き、とか、マラソンに出ようと毎日走っています、みたいな話です。
相手と一緒に楽しめる話とは、
ジャズ好きって言ってましたよね?一緒にライブ行きませんか? とか
甘いの好きですか?スイーツ王子なので、ご興味あれば今度オススメ
持ってきますよ、みたいな話です。
もちろん話題を提供する時に話が深まっていきやすいのは、
相手と一緒に楽しめる話です。
今回、重要なのはここからです。
相手と楽しめる話は、ストーリー展開で自分を話せることを選ぶのがポイントです。
自分が追求している「私の○○道」の話をオススメします。
聞かれた時にとっさに話せるよう、少し事前準備が必要ですので、
頭の中で考えてみてください。
あなたは一体、「何」道を追求している人なのでしょうか?
あ、これ大事な質問だ。なのでもう一度。
あなたは一体、「何」道を追求している人なのでしょうか?
論理的に考えると、「わざわざ」やらなくてもいいことで、
あえてやっていることはありませんか?
さらに、その先にある「答え」を見つけきれていないこと。
発展途上であり、「今なお右往左往していること」が、
テーマとしては最適です。
なぜ、
・その「○○道」を追求しているのか、
・きっかけは何か、
・どうしていきたいのか、
・今どこまで来ているのか、
そして、
・どんな困難を乗り越えてきたのか、
・今、どんな困難に直面しているのか、
これらが「ストーリー」です。
その現在進行形の「ストーリー」に、
相手が応援、参加する余地があるのです。
論理的に考えると、「わざわざ」やらなくてもいいことで、
あえてやっていること。
それは、個人的な「うまみ」を求めてやっていることでは、ありません。
言ってみれば、自分への挑戦、あるいは使命感からやっていること です。
だから、「○○道」なのです。
その目的達成のために、自分が何を考え、どういう選択をするのか。
何に取り組んできて、どう障害を乗り越えてきたのか。
そして、今、どんな障害を前にしているのか。
そんなストーリーに触れた時、人は思わず応援したくなるものです。
そしてその相手が参加して、新しいストーリー展開になります。
これを「右往左往でチャンスの法則」と言います。
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まとめ:つるの式(54)右往左往でチャンスの法則
・趣味の話題には自分一人の話と、相手と一緒に楽しめる話がある
・盛り上がるのは、どんどん深くまで聞きたくなる話だ
・自ら好き好んで追及していること、挑戦し、まだ答えが出ていないことを話せ
・右往左往しながら挑戦している姿を見せれば、相手は思わず応援したくなる
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投稿者 MT : 12:03
2010年12月01日
伝説のホテル鶴岡秀子さんのメンターが集うセミナー「人生をシフトさせる伝説の8日間」に講師として参加します
伝説のホテルの鶴岡秀子さんが、ユニークなセミナーを開催されます。私も、講師の一人として参加いたします。
私も、全部の日程に参加したいなあ(入れてもらえるのかなあ)と楽しみなプログラムです。
鶴岡さんからのメッセージです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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こんにちは~!
いつも応援ありがとうございます【伝説のホテル】
不幸に鈍感な私ですが、
こんな私にも、もちろん紆余曲折ありまして・・(笑)
そんな時、頼りになるのがメンター達です。
今回、私が事業をする上で定期的に相談をしているメンターを、
特別に30名限定でご紹介していく講座が出来上がりました。
その名も「人生をシフトする伝説の8日間!」です。
http://legendhotels.jp/
・
・
・
10歳から起業を目指してきたつるちゃんは、
今まで3つの会社を創業しました!!
その内1社は、
創業から5年で時価総額20億円の評価を頂き、楽天に売却。
これまで、非常に多くの方たちから、
「起業家向けのお話を、つるちゃんに伝授して欲しい」
という声を頂いてきました。
この度、満を持して
「起業家向けの連続ワークショップ」を開催することにしました!
全ての講座が、本当に濃密です。鶴野さんをはじめとして、
山崎拓巳さんや、福島正伸さんなどの「あこがれの講師」と、
1日中一緒に時間を過ごせるなんて!
また、
今回ゲスト講師として、
ライブドア社の創業者。その後、
兼 米アップルコンピュータ社マーケティング担当バイスプレジデント
として活躍。
あのジョブズ氏が、
日本のアップルブランドの復活を成し遂げた立役者でもあります。
最先端のマーケティングのお話、どうぞご期待下さい!
何より、私が一番学びたいことばかり。
こんな贅沢な会は、きっと最初で最後になると思います。
共通言語でビジネスを語れる仲間が増えることが、
ぜひ、
会場でお目にかかれるのを楽しみにしています。
また、
各講師からのご案内でお申し込み頂き、お振込が12月9日までに
完了された方には、11月お申込みの特典を継続し、12月11日
の「ドリーム・プラン・プレゼンテーション」にご招待致します!
▼「人生をシフトする伝説の8日間!」詳しくはコチラ
http://legendhotels.jp/
投稿者 MT : 10:40
2010年02月23日
[つるの式53] 初対面の相手から「下」に見られない方法
●知り合いで勝負しない
初対面で、「御社の誰々さんと親しいんです」とつい言ってしまう人がいます。
その相手と仲良くなりたいんだけど、気後れしている時に、つい言ってしまうのではないかと私は見ています。
本人にそんな意識はないかもしれません。あくまで「共通の話題」を提供することで、会話を弾ませようとしているだけ。親近感を与えたいのだ、と。
実際、以前の私がそうでした。20代の後半くらいから交際範囲が広がって、大企業や業界で注目度の高い会社にはたいてい知り合いがいました。そういう状況が楽しかったし、自分の中で、ちょっとした自慢に思っていた時期もあったように思います。
そして目の前の相手にそんな話をして、正直なところ、少し自分を大きく見せたくもあったのです。
でも、「誰々さんを知ってるんです」と言って、話が盛り上がった経験は一度もありません。でしょ?
うまくいかないのを知ってるハズなんです。 「お世話になっています」「ああ、はい」くらいが関の山ですよね?
共通の知り合いなんて、初対面の人との間では、たとえ大人物でも名物でも、大した話題になりません。
一方で、余裕のある人は、自分から「○○さんと親しい」なんて、初対面の相手に言ったりしません。
エライ人なら、顔が広くて知り合いも多いはずなのに。
「ああ、御社の社長とこの前、飲みに行きましたよ、ゴルフ仲間でね」なんて聞いたことがありません。
冷静に考えれば、本当に付き合いの深い人との関係は、初対面の相手に、自分から提供するような話題じゃないんです。
「○○さんと親しいんです」「よく知ってますよ」なんて言う段階で、気持ちが負けているのです。
つまり、下に見られない方法は、相手をまず上に見ないこと です。
ただ、ここで問題なのは、気持ちが負けていることではありません。
自分がその相手との関係を、どうしたいのかという「目的」「目標」がないのが問題なのです。
親近感を与えようとしているなら、その目的がはっきりしないと意味がないのです。
●自分と相手の関係発展を話題にする
本気で仲良くなりたい、何らかの形で今後もお付き合いをお願いしたい、でもどうしていいかわからない。
次に会う機会なんてまったくイメージできない。
もし、目の前にそんな人が現れたとしたら、どうするでしょうか?
パーティとか、講演会とか、インタビューとか、たまたまの出会いとか。
気後れするような相手との会話のチャンス、初対面だと、その場でのやりとりの回数は限られていますよね。
プライベートな雑談は「質問⇔返答、話す⇔聞く」で3往復くらい と考えておいた方がいいんじゃないかと思うんです。
その限られたやりとりを、準備せずにうまくいくと期待するのは、あまりに楽観的すぎます。
多くの人とは、必然性なく2度会うことはない のです。
そして、それは、気後れするような出会う機会の少ない「特別な人」に限った話ではありません。
初対面の人なら、誰とでも同じことが言えます。
では、うまい人はどうしているのでしょうか?
話題の選択肢を与えるんです。何の話をしたいか、相手に選んでもらうのです。
そこから盛り上がる話題、発展する話題を提供します。
それは、ビジネスでも趣味でも何でも構いません。
つまり、相手と自分の間で楽しめる話題です。第三者(他人)の話題ではありません。
たとえば、ある上場企業の役員は私に言いました。
「ゴルフと酒、どちらが好きですか?」
今でも記憶に残る質問です。「どちらも本人が得意」なもので、「相手と一緒にできるもの」を「クローズド・クエスチョン」にしています。
答えやすいし、どちらを答えても、「では、次回は」と誘えます。
これをつるの式コミュニケーションメソッドでは、
「相手に選ばせる自分の世界の法則」と言います。
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まとめ:つるの式(53)相手に選ばせる自分の世界の法則」
・初対面の人に「誰々を知っている」なんて話題はもうやめよう
・共通の知り合いの話題は次を生まない
・相手との関係発展を目ざした話題提供を
・自分が得意で一緒に楽しめる話題を提供し、相手に選んでもらえばいい
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投稿者 MT : 23:22
2010年01月28日
[つるの式52]残るか独立かを考えている人へ
●会社を利用する!?
会社にいながら、社外からご指名で声がかかるような活躍をしている人は、独立している人と話をする時、どうも会社に所属していることが心のどこかでひっかかっているかのような言い方をすることがあります。
「私は、会社をできるだけ利用しようと思ってるんですよ」
本気で「独立」するかもしれないと、ほんの少しでも考えているなら、これ、もう言わない方がいいです。言って得することがないからです。
独立すると、目の前のクライアントを大事にすることしかありません。
会社員は、自分の会社に100%依存している存在です。
そんな、唯一かつ最高のクライアントである自分の会社を「利用する」なんて言うのはおかしい。ですよね?
仮に独立してやっていく時、クライアントの成長、発展に貢献できないなら報酬はもらえません。そして報酬をアップさせるには、役割の拡大、大きな成果をもたらすしかありません。
そう考えると、勤め先を大事にできない人、悪く言う人は、外部の感覚では、仕事をお願いするのを躊躇するのです。
うまい人は独立の時、勤めていた会社から仕事をもらっています。ある意味、(独立じゃないけど)天下りの人がいい例かもしれません。辞めてもつながっていることが信用になるわけです。
さて、そんなことを踏まえつつ、組織の中でうまくやっている人のことを思い出してみました。勤めながら社外からも指名されて仕事を請けたり、活躍している人。大きく3つくらいのカテゴリーに分かれそうです。
1)エバンジェリスト型
商品を会社の代表としてプロモートしている人、セミナー・講演で話したり、メディアに寄稿したりもする。本人が有名になることで会社にもプラスになるタイプ。
2)開拓者型
新領域などに興味があり、社内に誰もわかる人がいない領域を率先して攻めているタイプ。技術者に多い。専門領域のコミュニティの中心になっていたりする。
3)外部発信型
会社で得た専門知識を社外でペンネームなどを使って発信するタイプ。金融系など社名が出ると困る業界の人に多い。
こうした例を参考にしつつ、経験を積み機会を活かすのもいいですね。組織の中で活躍する道はいくつもあるように思います。
●やりたい仕事ができていないことも喜べる
「いや、そもそも会社でやりたい仕事をやれないんですよ」
なんて言う人も中にはいるでしょう。
それはそれで様々な理由があるのでしょうが、改めて考えてみたら、自分ではやりそうもないことをやるのが会社組織なんじゃないか、と思うんです。
つまり、一人でやりたいことだけやろうとするんだったら、そもそも会社に入ったりしない、と。会社の仕事をきっかけにしながら、経験を積んでいこうとしてるんですよね。
なんて、我慢がちょっと足りなかった10年前の自分に言えたら言いたいです。反省。
そしてまた、今輝かしく活躍をしている人たちに話を聞いても、長く不遇の時代を過ごしてきたという人が、実は少なくないのです。
ただ、ある程度以上の経験を持っている人は言うと思います。
意外と自分ではやりそうもなかった経験が後に生きるものだ、と。
やりたいことだけやっていたら、うまくいかないものだ、と。
たとえば、おいしいものだけ食べていたら、確実に人間ドックでひっかかります。
カロリーコントロールに自信がない時は、ちゃんと指導してもらったほうがいいんです。
だから、自分でやりそうもなかった経験は、それ自体が体にいいと考えてみるようにする。
それでもダメで、自分は社内で役に立ってない、力を発揮できてない感覚が強いんだという人はどうすればいいか?
オススメがあります。これは効きますよ。
後輩を指導してみるのです。就活の世話なんかもオススメです。
キャリアや仕事探しに悩んでいる後輩たちと話をすると、なぜ今、自分がその仕事をやっているかを思い出しますし、整理して話すことになります。
また、学生が、あまりに自分勝手な希望を言うことに感心できます。
大人はそんなに甘くないぞと気持ちよく言えます。
そして、思い切りアドバイスしてあげればいいのです。いいアドバイスを考えてあげてほしいと思います。仕事はどう捉えて、取り組めばいいか。何を大事にするべきか。満点じゃないかもしれないけど、予定通りじゃないかもしれないけど、自分はこうやって歩んできたのだ、と。
それはそのまま自分に活かせるアドバイスになっているはずです。
これをつるの式コミュニケーションメソッドでは、
「活かせ自分のアドバイスの法則」と言います。
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まとめ: つるの式(52)活かせ自分のアドバイスの法則
・ 独立をするかもしれない人は、会社の悪口を言ってはいけない
・ 勤め先は最高かつ唯一のクライアントだ。大事にしよう
・ 自分ではやりそうもない仕事ができるのは会社勤めのメリット
・ うまく受け入れられないなら後輩にアドバイスしよう
・ 真剣に考えたアドバイスは、自分も充分、参考にできる
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投稿者 MT : 09:53
2009年10月20日
ニフティで新刊インタビューが掲載されました
台風の日に取材された記事が、@nifty ビジネスに掲載されました。
「毎日がプレゼン!」特別企画 『つるの式 伝える技術 新常識』出版記念 鶴野充茂氏インタビュー
メルマガや、このブログ、ニフティでの連載を経て出版に至った経緯などについて、語っています。
最後に本のプレゼント企画もあります。
投稿者 MT : 11:52
2009年10月19日
感謝! 立て続けに感想メールが届きました
先週~週末にかけて、たてつづけに「つるの式」についてのメッセージをいただきました。
ありがとうございます!
「本当にありがとうございました。これから参考にさせていただくことがたくさんありました。私は管理栄養士で、XXXXXX大学で講師をしています。年代の差からか学生とのコミュニケーションに考えさせられることが多いのが実情です。学生が興味のもてる授業をすればいいのだと認識できました。「力が入るとうまくいかない」という文言の通りでした。緊張しているので(ありきたりでも?)力を入れて、完璧にこなそうとし、学生の無関心そうな表情で、ますます緊張・・・。2回目からはどうせ学生は~~、なので地の自分で事を進めます。そうすると必ず反応してきます。今後そういう学生を少しでも増やしたいので、また参考にさせていただきたいと思います。」
「 実は、私も大学時代心理学を学びました。現在は、韓国のXXにある大学で日本語会話講師として働いております。先生のコミュニケーション方法の内容について、私も大いに頷ける点も多く、また、新たな発見もあり、大変楽しく読ませていただきました。」
今、気づきました。お二人とも大学の先生ですね。貴重なコメント、ありがとうございました。
書店でも売れ始めているそうです。皆さん、ありがとうございます!
投稿者 MT : 13:22
2009年10月14日
小学館の中で
小学館の正面玄関に、私の新刊「つるの式 伝える技術 新常識」が展示されているそうです。
小学館に仕事でお立ち寄りの方は(?)、ご確認ください。
「出版される本の中で、展示されるのも本当にごくわずか」(編集のAさん談)なんだそうです。 ありがとうございます!
アマゾンでも買えます。
投稿者 MT : 06:47
2009年10月13日
新刊が書店で並び始めました
週末あたりから、私の新刊、「つるの式 伝える技術 新常識」(小学館)が書店に並び始めました。
こんな感じ。
単行本なんですけど、サイズが小さめなので、やや目立ちにくいかな、とも思われますが、2004年からメルマガやブログ「つるの式コミュニケーションメソッド」、ニフティの連載「毎日がプレゼン!」などで書き進めてきたコラムが本という形になったということで、感慨深いです。
すでにたくさんの反響をいただいています。
しかも、幅広い層の方々から。
書店にお立ち寄りの際は、ぜひお手にとってご覧ください。
感想なども聞かせてくださいね。
投稿者 MT : 12:53
2009年10月01日
新刊見本ができました!
予定より一日早く、出版社から新刊・見本が届きました。
小学館からバイク便で。嬉しい嬉しい。
単行本です。配本が10/7、書店には来週末あたりに並ぶと思います。
アマゾンからはもう予約注文ができます。5年ごしのコラム集です。
メルマガ、ブログ、セミナー、講演で、のべ数千人に紹介し、多数の喜びのメッセージをいただいている方法論を再構成しました。
ぜひご一読いただき、本書にはさまれている愛読者カードに感想を書いて送っていただければ嬉しいです。
よろしくお願いします!
投稿者 MT : 19:01
2009年08月31日
[つるの式51]余裕を作りたい人に
●必要なことで精いっぱい
気がつくと、やらなくてはならないこと、対応せざるを得ないもの、
片付けるべきものなど、「必要に迫られていること」ばかりに追われていることってありませんか?
たとえそれが現実だと頭では分かっていても、みんな心のどこかで、
「必要なことだけをやっている人生なんてつまらない」
と思っているはずです。
そういう状態になっていないか、私は時々自分で項目を設けてチェックするようにしています。
・何かの行動を「しない理由」を人から聞かれた時に、「メリットないから」「必要ないし」と言ってしまう/言わなくても思ってしまう
・人に会うたびに「ずっと忙しいの?」と聞かれる
・趣味や習い事、スポーツジムなどでしばらく休んでいるものがある
・夢、目標、ほしい物、行きたい所は? と聞かれてもすぐに思いつかない
・妙に肩こりが激しい
これに対して、「こうありたい状態」とは、どんなのか?
子どもの頃、よく「あ、いいこと思いついた」と言っていたのに、
大人になってから「いいこと思いついた」なんて言う人はほとんどいません。
大人になると「いいこと」を思いつかないのか、思いついても言わない
だけなのかは分かりませんが、私自身は、人と会って話すたびに、
「あ、いいこと思いついた」
って言いたいんです。
なぜかというと、「いいこと思いついた」と言える大人は、
気持ちの余裕がある大人だと思うからです。話をしている相手だって、
楽しいと思ってもらえると思うんですよね。
じゃ、どうすればそんな気持ちの余裕を持てるのでしょうか。
いろいろ試すうちに、余裕のない時の気持ちの切り替えに、「有効な法則」があることを発見しました。
●人からヒントをもらおう
「有効な法則」の前に、実際にあった私自身の話をしましょう。
ある時、大学の後輩と食事をしました。ベンチャー経営者です。
それまでは意識することもなかったのですが、その時、彼の財布が妙に
「薄い」ことに気付いたんです。カード1枚と現金しか入ってない。
対して私の財布にはカードが20枚以上(ポイントカード類が多い)に
レシートやらビール券やらがつまっている。明らかに分厚いわけです。
たまたま人間ドックで「運動してとにかく5キロ痩せろ」と言われたのに、
それからさらに5キロも増えているような状況だっただけに、その
「スリムなもの」に思わず目を奪われ、「かっこいいな」と思ってしまいました。
それで考えたんです。なぜ自分は財布にこれだけ多くのカードを入れているのか、と。
すべてのカードを高頻度で使っているわけではありません。中には、
年に1度も使わないものもある。しかもポイントカードのインセンティブは、
購入金額に対して0.5%~5%くらいです。そのポイントのために、本当に
自分は自由な選択ができているのだろうか、と。現に有効期限ギリギリの
商品券を使うためについ最近、無理やり買うものを考えて不足分の現金も
払ってしまいました。
ひょっとして、たくさんのカードを持っていることは、かえって不自由なんじゃないか。
すべてをスリム化しよう。
以来、サイフをスリム化しカードも厳選して最低限にしました。ついでに
オフィスと自宅の不要な書類や衣類を捨て、まだ使えるものは気前よく人に譲りました。
モノを減らすと妙にサッパリし、新しいものが見えてきました。
モノが少ない方が自由だ。自由に選べるなんて豊かだ。なんて思えるようになってきました。
よく考えずに、同じような行動パターンを続けていること ってありますよね。余裕がない時って、それを「必要なこと」だと無意識に処理している場合がよくあります。
そこでオススメは、人の行動を観察し、自分と「反対」にしているもの を見つけます。そして意識すればすぐできそうなことをマネしてみるのです。マネに大きな努力が必要なことを「余裕のない時」に取り組むのは大変ですからね。
これで、 「何かをやめて」「何かを始める」ということが同時にできます。
すると新しい刺激が得られるようになります。見えないものも見えてくるでしょう。
ただ新しいことを加えるのではなく、今の何かを逆向きに変えてみる。スイッチを反対側にするように。
これをつるの式コミュニケーションメソッドでは、
「反対スイッチでいいこと思いついたの法則」と言います。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
まとめ: つるの式(51)反対スイッチでいいこと思いついたの法則
・ 必要なことでいっぱいいっぱいになっていることがある
・ 「いいこと思いついた」なんて言える余裕がほしい
・ 余裕のない時に単に何か新しいことをしようとしてもムリがある
・ 何かをやめてから何かをはじめるのがコツ
・ 意識せずに続けていたことを反対にしてみるのがオススメだ
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投稿者 MT : 08:53
2009年02月28日
[つるの式50] もしも孤独に感じたら
■リセットしたいという欲求
一昨年、人間ドックを受けたところ、「とにかく運動して5キロ痩せなさい」と医者から言われたので、フィットネスジムに通い始めました。
少しずつペースができた頃、売上不振でそのフィットネスクラブが閉店しました。
性格的に何でも都合よく解釈するタイプで、私は、「これは、心配しなくてよい」という意味だと逆に安心しました。
仕事で会食の機会は増え、〆切に追われて不規則な生活のため、体重は増えることはあっても減ることはありません。
仕事で会う仲間、とりわけ元気な経営者や売れっ子の人たちも皆、同じような状況ですから、会うたびに周りが太っていくのを目にします。
「あぁ、やっぱり仕方ないよなあ、太っても」と考えるようになります。
その結果、昨年、体重がさらに3キロ増えました。
そのあたりで「あ、これはいけない」と感じたんです。
ちょうどその頃、仕事の状況も急激に変化し、自分の中で気分を一新したい、何かをリセットしたい、という気持ちが強くなりました。
いろいろ考えた挙句、短時間で全身運動するなら水泳だ、と新たなフィットネスクラブに入会して泳ぎ始めたんです。
「週に2日くらい、なんて思うから続かない。毎日行こう」
今振り返ると、この時、気持ちはとても孤独でした。
いろいろ新しい問題が出てくるのに相談できる人がいない。 もっと正確に言うと、相談しても解決しない問題ばかりでした。
1つ1つ自分で答えを出していくしかない。それには頭を切り替える必要がある。 そんな時間をつくる意味でも体を動かそう、と。
とはいえ、仕事は待ってくれませんので、日ごろ約5時間の睡眠時間が、泳ぎに通う時間で圧迫され、平均2-3時間になりました。
3週間くらい経ったところで、体を壊しました。
それで3キロ痩せました。
ダイエット成功。
会う人会う人に、「や、痩せましたよねえ」と言われるようになり、今でも少しペースを落としつつ、運動を続けています。体も良好です。
仕事も新たな展開に進み始め、スピードアップするようになりました。
不思議なことに、意識してみると、周りにも運動している人が増えたように感じます。
■孤独はチャンスだ
日々、多くの人に会いますが、みんなそれぞれにいろんな問題を抱えながら仕事をしているとよく気づかされます。
お金の悩み、人間関係の悩み、健康の悩み。
「いやぁ~、しかし、いろんなもの、背負ってますよね」
「わざわざリマインドしないでください」
仲の良い人とはそんな風に話すこともあります。
悩みの真っただ中にいる時は、その問題に向き合って「なぜ、自分だけが、こんな問題を抱えているんだろうか?」と元気が出ないものですが、その気になって探してみると、結構同じような課題を抱える人と出会うものです。
それで、ああ自分だけじゃなかったのかと安心したりします。
ところが、人間、安心すると、今度は問題が解決されていないまま放置、あるいは先送りされることが多い。
そう考えると、どちらかというと、孤独で悩み続ける方が、課題解決には近いのかもしれない、なんて思うこともあります。
問題は、どう孤独を耐えるか、ですよね。
■孤独の先に新しいクラスメートが待っている
ちょっと話題が変わりますが、人って、もともと前向きに考えられる、動き出せるようになっています。
それに私はつくづく感心するんです。
たとえば、進路の選択。自分の希望のために、友達と別れることができますよね。
・遠く離れた街の大学に入学する。
・まったく一人で数か月前まで考えたこともなかった会社に入社する。
・結婚というある日を境に、それまでの自分の人生にまったく関係がなかった人たちが親戚になる。
・自分のことだけで精いっぱいだった人でも、子供ができた途端に、自分よりも子供の優先順位が上がる。
まったく知り合いのいない世界、新しい世界に踏み出していく。誰でもそんな勇気を持っているわけです。しかも、毎年クラス替えがあるように、小さい頃から経験している。
うまくいく見通しが立っているわけでもないのに、生活を一新できる。
そして、一時期の孤独は、その先に、新たな出会いが待っていることも知っている。
もちろん、次に進むというのは自分の意思だけではないこともありますが、やってできないことはない、とみんな経験的に知っている。
考えてみたら、それってすごいことだと思いません?
孤独の先には、新たなクラスメートとの出会いがあるんですよね。
■大切なのは自分をどうしたいのか
ただ、より大きな問題はここからです。
「次のクラスメート」は、孤独の時の過ごし方で決まります。
つまり、孤独は進級テストみたいなものでしょうか。次のクラスがその先にある。
トレーニングをきっちりやれば、全国大会に出て全国レベルの仲間に巡り合うかもしれないけど、サボると地区予選レベルかもしれません。
付き合う人たちが決まってくる、と。
文句を言い続けている人は、文句を言う仲間が待っています。
自分で笑顔をつくらないと、笑顔の人は現れないということですね。
つまり次のクラスメートは知らず知らずのうちに自分で選んでいるわけです。
早く孤独というトンネルを抜け出したい人は、トンネルの中で、次にどんなクラスに進みたいかという道を選べばいい。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「自分で結果を決める進級テストの法則」と呼びます。
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まとめ:つるの式(50)自分で結果を決める進級テストの法則
・ 孤独を感じたらチャンスだ
・ 孤独の先に新たな成長と出会いが待っている可能性が高い
・ きっと新しいクラスメートとも出会える
・ どんなクラスメートと出会うかは自分で決めればいい
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投稿者 tsuruno : 07:33
2008年08月29日
[つるの式49]「上から目線」との付き合い方
最近、気になっている言葉があります。
「上から目線」という言葉。
なんだか偉そうな物の言い方をする人に対して、
自分の不快感を表現する言葉として、使われています。
「その、上から目線の言い方、何とかならないの?」とか
「彼は常に上から目線でイヤ」など、
総じてネガティブな表現です。
「上から目線」なんて言葉は、最近までほとんど聞きませんでしたよね。
「 空気読めない(=KY) 」なみに、
あるいは、一時期のスターバックスの出店なみに
短期間で急速に広まってる感じです。
ちょっと前までは、「上から目線」の代わりに「説得口調」くらいが
近い意味として使われていました。
確かにあまりポジティブな表現ではないけれど、
「ある時だけ」説得口調、「仕事柄」説得口調、みたいに
人格とはちょっと分離されたイメージのある表現でした。
それに対して、
「上から目線」って、かなり人間の性質というか、属性みたいな
「常に」上から目線、とか、「あの」上から目線のイヤな感じ、
みたいに、変わらない性格・人格、
固有のイメージのある言葉のように思いませんか?
なんとなく切り捨てた表現で、ちょっと救いがなくて、
「痛い」と思うのは、私だけでしょうか。
同様に「空気読めない」という言葉。昔は、同義語としては、
「 天然(ボケ) 」でしたよね。
今度は「天然」の方が、変わらない人間のタイプの印象がある言葉
なんですが、何だか愛されてる感じ、しません?
おそらくそれは、「天然」の人は、特別な役割を担っていたからだと
思うんです。雰囲気を和ませるとか、リセットするという。
どうしようもないけど、仕方ないなあ、みたいな。
今まで「天然」扱いだったのが、急に「空気読めない」ヤツ扱い
になるとキツイですよね。
どこの組織にも「天然」の人、いると思うんです。今でも。いますよね。
AB型の人くらいの比率で。いや、零合星人くらい?
私の感覚値では、4人以上の兄弟がいる人の数よりは多いはずです。
珍重されてたのに、急に異端児扱い。気の毒です。天然なのにね。
そもそも、なぜそんなに「痛い」表現が広がるんでしょうか。
自分と違うタイプの人、理解できない人との関わりが苦手になって
人の許容範囲が狭くなっている? 付き合い下手が増えた?
私はどちらかというと、
人との関わりが密接になって、逆にその有難みを感じにくくなっている
のかな、という考えなんですよね。
最近の仕事、一人で完結するってほとんど不可能になってますよね。
しかもプロジェクトベースで職種・人種の違う人たちとのやりとりが
求められる。同じ日本語を喋っていても違う星から来たんやないか、
と思うような人とのやりとりを求められます。
物理的に一人で仕事していても、ネットやメールではつながっている。
ついに私も電車の中までPC開いてメールのやりとりをするように
なりました。常にだれかとやりとりしています。
ネットにつなげないような満員電車では、見ず知らずの人と
密着してますからね。もう人との関わりは避けられません。
とにかくそうやって、ケータイに、ネットに、朝食ミーティングから
夜中の会議、メールにブログにSNSにメッセンジャーに、と
複数のコミュニケーション・チャンネルで、ずっと誰かとやりとりです。
今やノイズキャンセリングのヘッドホンは、良い音を楽しむためよりも
一人で作業に集中するために使われ、会社と自宅の間に「一人になるため」
自習室にこもるという人も珍しくなくなってきました。
「一人の時間」は、お金を払って獲得するようになっている わけです。
で、人間、たくさんある機会は雑に使ってしまいがちですから、
人との関わりであまり気を使わない人が増えたんじゃないか、と。
違いますかね。
さて、「上から目線」という言葉は、誰かの話し方に対して
不快に思った人が使います。「何をえらそーに」と。
あるいは、「見下された」と思った時に使うわけですね。
ちょっと前まで、私自身も「なめんなよ」と思って
トゲトゲしくなっていたことがあります。もうあちこち噛みついてました。
あるときから、それは損だと思うようになりました。
仕事していると、自分自身のリニューアル、定期的なバージョンアップを
どんどんしていかないと、しんどくなります。
これだけ変化のスピードが速いと、いくら勉強しても追い付かないし、
最新の情報取り入れるのだけでも大変です。
それで気合いを入れてアマゾンで大量に本を買っても、
送られてきた箱から顔を出せない本もあります。
同じ本が何冊も本棚にささっていたりもします。
執筆に講演にコンサルと、お客さんが喜んでくれるものを
発信し続けるために、どんどん自分を更新していかねばなりません。
「あの人、ズレてるよね」と思われて、
その指摘さえ受けられないとしたら、仕事が成立しなくなりますからね。
指導してくれる存在は、ものすごく貴重なんです。
だから「上から目線で、ヤーネ」と言うよりも、同じ意味ですけど、
「高い視点でステキ」と応じることに決めたんです。
「すごいですね、もうまったく目線の高さが違いますわ」と。
最近、仕事で会う人は、各業界で最先端行ってる人が多いんですよ。
その才能や発想は、それこそほとんど異星人かとよく思います。
刺激が強烈です。
そんな人と会うと、上から目線でも何でもいいので
いろんなこと教えてほしいと思うのですが、
継続的な仕事の案件がないと、ぐぐっと近づくのも難しいんですね。
みんな忙しいですから。
昔、偉そうにされると、すぐ噛みついてたので、
その時の報いで、あるいはそんな態度が今でもあらわれていて
可愛がってもらえないんだとしたら、大いに反省です。
自分リニューアルは、意識的に、本気で取り組まないと
簡単にはいきません。
生活雑貨のフランフランは、毎月売り場をリニューアルしている
らしいですね。来店するたびに「新しくなった」と思って、
また来たくなる仕掛けだそうです。
それくらいの勢いでいきたい。
人間、孤独な時に成長する、なんてことも言いますが、
今、一人の時、一番作業時間が長いのがスパムメールの処理ですから、
どうも成長しているようには感じません。
私の仕事はコミュニケーションがテーマですから、
やはり人といる時の方が学びがたくさんあります。
世の中には、誰からでもかわいがってもらえる人、いますよね。
年上からはもちろん、年下からでも。気軽に声をかけてもらって、
意見もらって、協力してもらって、周りからいろいろ気にしてもらえる人。
そういう人は、リニューアルのきっかけが多そう。
とげとげしく当たっていくより、
自分更新の作業に協力してもらった方がいい。真面目にそう思うんです。
それで、自分なりに効果的なフレーズを見つけたんです。
気持ちよく上から目線でアドバイスしてもらう表現。
「考えたこともなかったですね!」
「それは知りませんでした!」
「さすがですねー!」
「勉強になります!」
それぞれの前に「はー」と感心した言葉を加えるとより一層効果的です。
ぜひ、真面目に使ってみてください。
結構楽しいですよ。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「上から目線で自分リニューアルの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(49)上から目線で自分リニューアルの法則
・ 上から目線、出会ったら喜ぼう
・ 頼んでもいないのにいろいろ教えてくれる貴重な存在になる
・ 噛みついて敵にするより、気持ち良く情報を提供してもらう
・ 「はー、勉強になります」が合言葉
・ するとどんどん自分リニューアルの材料が集まってくる
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投稿者 鶴野充茂 : 17:47
2007年08月31日
[つるの式47]どうすれば気持ちは伝えられるか
正直に告白しますが、
私は、「おいしい~!」と言いつつ眉間にシワをよせる人を
信じることができません。
テレビのレストラン紹介で、出てきた料理を若い女性レポーターが食べ、
「う~ん、おいしいですぅ~!」と力を込めて言う。
でも、その眉間にはシワがよっていて、顔のパーツは真ん中に向かって
力が入っている。
私はそんな顔を見ると、
「ああこの人は、料理よりも、自分が美味しそうに食べていると見せる
ことに興味があって、料理はそんなに美味しいわけじゃないんだな」
と考えてしまうのです。
だって、美味しさに驚いた時って、顔のパーツは外に広がるでしょ?
他のことを考えるから内に向かうんです。
ひょっとしたら本人は、本当に美味しいと思っているかもしれない。
でも、それを信じてもらえないとしたら、悲しいですよね。
あなたも経験ありませんか?
笑顔になって、「怖い」と言われたことがある。とか。
素直に思ったことを言ったら、
「本当はそんなこと思ってないでしょ」なんて返されたり。とか。
気持ちをしっかり込めれば、伝わる、なんて言う人がいます。
私は違うと思っています。気持ちと表現は別モノだからです。
人はいくつもの方法で、相手の真意を測ろうとします。
言葉で聞いて、目を見て、何気ないしぐさや間の取り方、
気がつくところすべてで感じ取ろうとします。
何度も確認し、場合によっては疑い、
本当かな、信じていいのかな、といろんな方法で確かめようと
するのです。
ところが、気持ちとは裏腹に、違う態度を示していることもあります。
そして知らず知らずのうちに相手を混乱させてしまっていることが
あります。
そんなことから、
今回は気持ちを伝える効果的な方法について考えてみたいと思います。
さて、
逆に、気持ちなんてこもってないのに、効果を持つ表現もあります。
たとえば、私の2歳の娘。もう何でも人の真似をします。
表現を真似て覚えていっている最中です。
言葉を覚え始めたころ、母親が「きれいね~」という言葉を
よく使っていました。
外に出て、草花や景色、店の商品を見て、「きれいね~」と言う。
そうすると、娘は自分から何かを見つけて「きれいね~」と
言うようになります。「そうだね~、きれいだね~」と母親が答えます。
だんだん本人は自信を持って、次第に大きな声で使うようになります。
念のために言いますが、本人はしみじみ感じて「きれい」という言葉を
使っているわけではありません。「こういう使い方をする言葉なのか」と
考えながら、効果を確認しながら使ってみているのです。
そのうちこの言葉に反応する人が現われ始めました。
店の中で何かを見つけて大きな声で「きれいね~」と言います。
人々が振り返って、目を見開いて、娘の顔を見ます。
これが見事なほど、全員、女性なのです。
「ひょっとして私のこと?」
・・・そんなふうに思うのかどうかは分かりません。
私はこの娘に、
何かをもらった時、「ありがとう」という言葉を早いうちから
使えるようにしてほしいと、条件付けのように練習しました。
外でも「ありがとう」と言えるようになると、たいていの人は
その言葉に「えらいね~、よく言えるのね~」と感心してくれました。
母親が、知らないうちに
「ありがとう」の後に、相手の名前をつける「技」を教えました。
「ありがとう、パパ!」
初めてこの言葉を聞いた時、
不覚にも、私はわずかその二文字が増えただけの表現で
感激の涙をこぼしそうになりました。
もちろんこの時、
本人は気持ちよりも、表現が先行しています。
だって、視線はずっと手元にあり、言ったそばから
もらったクラッカーをかじることに一生懸命でしたから。
そんな姿を見ていると、コミュニケーションは形から学ぶもの、
つまり、
言っているうちに気持ちが追いついてくる のだと感じますね。
そして同時に、ほんの少しの表現の差で、
間の取り方、言葉の選び方で、印象・伝わり方が
まるで違うことも身をもって感じますね。
またそれは、どうやら気持ちがこもっているかどうか、
という問題じゃないようです。
一方、大人の場合は少し事情が違います。
大人は何かと気持ちから入ることの方を重視しがちです。
「形だけでも整えて」 よりも 「気持ちを込めて」が
より崇高なイメージで語られます。
これ、日本語でおなじみの「たてまえ」と言います。
たとえば、クレームをつける時に、「誠意を見せろ」と言いいます。
この時の誠意は明らかに気持ちではありません。必要なのは形です。
一般的には、
気持ちがこもっているような、形を整える 方が気持ちは伝わりやすい
のです。
先日、面白い話を聞きました。
ホステスでモテる人は、どんな人か。
美人だったり、話術にたけていれば当然人気も上がりますが、
そうでなくても、マメに手紙やメールでメッセージを送り続けて
人気の人がたくさんいる、と。
マメさ。確かに効果的ですよね。
ずっと繰り返して、「思い」があるように形を整える。
相手もはじめは「ウソでしょ? 仕事だからね」と思っている。
でも繰り返し同じメッセージを送られると、
「ホントかな、そうなのかな」と思ってきます。
そうして大人は錯覚します。
これ、これ、これが、大事なんです。
見えない何かを信じられている状態こそが、
コミュニケーションが成立している状態なのだと思います。
もちろん、メッセージの受け手が、
心の底から相手を信用しているのかどうかは分かりません。
でも、少なくとも思っているはずです。
「まあ、そこまでやってくれてるんだから、騙されてもいいかな」
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「継続は疑いに勝る、の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(47)継続は疑いに勝る、の法則
・ 思いは何度も疑われる
・ だから何度も違う表現で伝える
・ マメさも効果的だ
・ そのうち「まあいいか」と思われる
・ 相手が諦めたら勝ちだ
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投稿者 鶴野充茂 : 05:54
2007年02月27日
[つるの式46]自己紹介にどう向き合うか
ここ1年近く、「自己紹介」というテーマに取り組んでいます。
効果的な自己紹介ってどんなのか、場面・目的別の自己紹介のパターン等、
学校向けの就職活動用教材を作ったり、コラムを書いたりと。
どんどん掘っていって、私はこの「自己紹介」に対する認識がすっかり変わりました。
自己紹介って、初対面の人と関係を作るためのもの、という印象がありませんか?
名前を覚えてもらう、とか、次に会うきっかけを作る、みたいなね。
私もそう思ってたんです。
でも、むしろ、
自己紹介は、「自分のため」にする。
しかも、
定期的に新しいものを用意(更新)する習慣をつけた方が良い と思うようになりました。
理由はこうです。
1)自分の変化が分かる
自己紹介を定期的に更新していくと、必然的に、新しい内容を考えるようになります。
そうすると、自分がどう変化しているのかに敏感になります。
これ、新しい人に会う機会の多い人は、きっと無意識にやってることなんです
(たとえば、新しい人に会う機会の多い人は「今、こういう仕事に取り組んでいる」と、「最近の仕事内容」を口にし、逆に、新しい人に会う機会の少ない人は、自分の職業や所属など「変化しにくいこと」を口にしますよね)。
でも、そうすると逆に、変化の変遷に気がつきにくいんです。
だから、いずれにしても、意識的に新しい自己紹介を考えていく。
2)自分のモチベーションの源泉を確認できる
誰でも時々、元気がなくなりますよね。そういう時に、自己紹介を考えると「○○をやりたい」「○○をめざしている」「○○な自分になる」といった自分がもともと持っていた目標像や意欲を確認するきっかけにもなります。
そういえば、こういうことをしたいと思って始めたんだ。思えば、しばらく進んできたから、もうちょっと踏ん張るか、と。
3)更新がチャンスを呼ぶ
これは具体例を挙げて説明します。
・転職サイトには、「データ登録(更新)から3日以内」などでスカウトの検索をしている人材紹介会社がたくさんあります。つまり、プロフィールやレジュメを頻繁に更新することで声がかかりやすくなります。
・ミクシィやGREEなどSNSで仕事(プロジェクト)のメンバーを探す場合が増えてきました。その時に、最近取り組んだ仕事内容などを適宜書き加えておくことで、検索された時に、自分がネットも問題なく使えマメで、報告もきちんとする人であることをアピールできます。
・自己紹介を考えることは、自分の今後の方向性を考える機会を持つことでもあります。(自己紹介をする状況をいろいろ想定するだけでも自然にそうなります) そうすると、たまたま会う人にも、次のステップで向かっていきたい方向のキーワードを口にする機会が増えます。こんな人に会いたい、こんな経験・チャレンジをしてみたい、みたいに。そして、発信すれば、それに関係する反応ともめぐり合います。
・自己紹介を考えると、新しい人と出会おうという気持ちになります。出会いが楽しくなって思わず行動してしまいます。
で、この自己紹介の更新を、いつ、どのようにやるか、なのですが、
オススメは、人が集まる場に出かける前がいいです。
自己紹介は、自分のために更新する、と冒頭に書きましたが、
相手や場面が見えないと紹介する内容も決められませんから。
特にメンバーが久しぶりに会うような機会がいいですね。
同窓会とか、冠婚葬祭とか。いや、もっと小さな、普段会えない仲間との食事会でもいいです。
そうすると、「最近、どうしてるの?」という
質問からやりとりが始まるのが見えていますから、準備しやすいんです。
そこで、
「今、何に取り組んでいるか」→「いつ、どんな成果が出る予定か」
「こんな面白い体験をした」→「そもそも、そのきっかけは・・・(行動)」
「前に会った時、こんなことをしていた」→「今、こんな感じになっている」
というフォーマットで話を用意します。これが自己紹介です。
そんな難しい話じゃないんです。ずっと同じ仕事を繰り返しているとしても、
前は感じなかったけど、最近感じるようになってきたことでもいいし、
見えなかった世界が見えてきたという話でもいい。
大切なのは、前から今回までに起こった「変化」です。
そして、さらに大切なのは、その「変化」が勝手に訪れた変化ではなく、自分で何かに取り組んだ結果、起こった変化、に注目することです。
(つまり、流されてじゃなくて、自発的に選択してきたこと)
また、
この自己紹介の中に、相手に関係や興味があるテーマやキーワードを入れるようにします。そうすると、話もちょっと弾みます。
久しぶりに会って、「前と何も変わりませんよ」「相変わらずです」と言われたら、なんだか話が続きませんよね。コミュニケーションを生業にしている私などは、こっちがネタを振るのを試されているような気にさえなります。
いや、これは自戒を込めて書きますが、
「前と変わらない」なんて、進化していない、新しいことに取り組んで
いない自分を宣言しているようなもので、自分に対して失礼なんですよ。
もっと自分を認めてあげた方がいい。酷使してる人は特に。
(そんなことを、「いやー相変わらずバタバタやってます」と口癖のように言っていた自分に対して思うわけです)
せめて、久しぶりに会う人に、会いに行く少し前に、相手の顔をイメージしながら、「何が変化しているのか」「何が自分の最新情報か」を考えてみる。
それだけで、変化を意識できます。
つまり、人と会うだけで、新しい自分に気づけるわけです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「再会で変身の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(46)再会で変身の法則
・ 自己紹介は自分のためになる
・ 再会の機会の直前に、相手に合わせて自己紹介を用意しよう
・ フォーマットは、前から今回までに起きた自分の変化
・ そうすれば、再会するたび新しい自分に気づくことができる
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投稿者 鶴野充茂 : 06:22
2006年08月27日
[つるの式45]自分の強みが分からない人は・・・
夏休みの終わり、ヤフオクで読書感想文が売られているのを見つけました。
「中学生向きと高校生向きの2バージョンを用意しました」という文言を見て、うーむと考え込んでしまいました。
あなたはこういう現象をどう捉えますか?
ネガティブに思います? その場合、「読書感想文」を売る人に対して? それとも、買う人に対して?
あるいは、ポジティブに思います? その場合、ネットオークションという便利な市場取引の仕組みに対して? それとも・・・??
時効だと思って告白しますが、私は小学生の時、読書感想文の宿題だけが、もうホントに、どうしてもできず、父親に頼んで書いてもらった事があります。
父は自信有りげに「何年生レベルで書く? 小6か? それとも中学生? 高校生レベルにするか?」と聞くんです。それで、私は小学生の小さな頭で考えました。
「出来の良すぎる感想文を書いたら、先生に『ホンマにお前が書いたんか』って言われるかもしらん。でも、小6レベルの読書感想文なんて設定だと、手を抜いて大した作品にはならない。昔(父親の時代)と比べて技術も進歩してる(?)から、高校生レベルと思ってるくらいのを出したほうがリアルではないか」
それで父に、「ほな、高校レベルでたのむわ」と言ったんです。
(小学生が父親に宿題頼んでおいて偉そうにネ)
自信満々の父が書いた読書感想文を提出した私は、たとえ父の筆力がどれほどのものでも、小学校の読書感想文の宿題で「高校レベル」(おそらくそれは、父のフルパワーに近い「本気」感想文)を出したならきっと、コンクールに入賞することはなくても、「よく書けてる」というコメントの一言くらいは、先生からもらえると期待していました。
ところが、何の音沙汰もありません。
「どや、読書感想文、先生にビックリされたんとちがうか?」
父は、なおも自信満々に聞いてきます。
添削・採点されたものも返ってこないので、ついに私は先生に聞きました。
私: 「読書感想文、自信あったんですけど、どうですか?」
先生: 「読んだよ。なんか、変わった本、読んでたな」
「読書感想文」という苦手な宿題に悩んで、父親に相談し、
体裁上の問題がないように交渉し、やっと生み出した「親子の共同作品」は、
先生の「なんか、変わった本、読んでたな」の一言で片付けられたのです。
これを伝えた後も、父は「レベルが高すぎて先生も分からんかったんやろ」と言ってました。
この一連の経験から、いくつかの重要な教訓を得ました。
もちろん、「親の力を過信してはいけない」というのもあるのですが、
何より大きかったのは、
「苦手はムダではない」ということです。
読書感想文が苦手だったから、父親とのコミュニケーションが生まれたし、
苦手だったから、親子の共同作戦をとることができたし、
苦手だったから、結果を一緒に一喜一憂することができました。
その間、「読書感想文のウマイ・ヘタ」について話し合えたし、「どこが小学校レベルでどこが高校レベルか」の父の認識も確認することができました。
そんなやりとりは、自分の苦手を意識することなしには、有り得なかったと思うのです。
そして今、これは、ビジネスでもそのまま活かせることだと感じています。
最近、仕事で会う人を見ていると、うまくいってる人ほど、助けてもらうのがうまいんです。
しかも、自分の苦手・弱点のまさにその部分を助けてもらっています。
たとえば、「聞いてもらいたい話がある」と言って私のところに相談に来る人がいるとします。で、話を聞いてみてもよく分からない。
でも、人柄は良い。そんな時、私はコミュニケーションが専門なので、失礼ながら、
「もうちょっとこういう風に伝えた方が、分かってもらいやすいと思いますよ」と言うんです。
すると、こんな風に返ってきます。
「アドバイスありがとうございます! この前も、話が分からないと言われて、『キミが行って説明しても通じないと思うから、こっちから伝えとくよ』と話を通してもらったんです」。
と、いうような話がよくあります。
人は同じ弱点を見て、「ダメだな、自分が助けてあげないと」と思ってしまうようです。
実際、弱点があるから人は助けよう、手伝おうと思うところがあります。
それで人は自尊心が満たされますし、
それをきっかけに自分自身が育てられるものです。
ドラッカー氏も、インタビューで「学びたいから、教え続けている」と答えていました。
自分の強みがないと悩んでいる人がたくさんいますが、そう考えると、強みばかりを追わなくても、弱点を活かす手もある、ということが分かります。
弱点をきっかけに人と結びついたり、たくさんのことを学んだりできるわけです。
むしろ、弱点を大事にした方が面白い関係がたくさんできる というのが私の見方です。
だって、一人で何でもできる人は、手を差し伸べにくいですよね。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「弱点は最大の売りの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(45)弱点は最大の売りの法則
・ 強み探しで悩みすぎなくていい
・ 弱点があるから、人はあなたを助けようと思う
・ 助けることで人は満たされる、育てられる
・ 弱点は人をひきつける武器なのだ
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投稿者 鶴野充茂 : 19:27 | コメント (0) | トラックバック
2006年08月17日
[つるの式44]自分にあった道を切り拓く方法とは
以前、私が勤めていた組織で、要職にある人の秘書を採用するという話があり、最終的に候補者が3人残りました。
3人とも実務は最低限、きちんとこなしてくれそうだ、という判断でした。
最終段階で、一緒に働くほかのベテラン同僚も何人かが面接をしました。
その結果、全員同じ意見で一人が選ばれました。
何年も前のことですが、その時の理由が今でも忘れられません。
それは「話し方」だったんです。
選ばれた候補者に対して、
担当する「エライ人」は、「言葉が適切でムダがない」と言いました。
人事担当者は、「話し方が、誰からも嫌がられない感じで良い」と。そして
面接をしたベテラン同僚は、「この人なら会話が成り立つと思った」と
教えてくれました。
確かに、そのポジションは「話し方」が重要になるポジションではあったんです。「エライ人」は組織内外の接点も多く、相手はやはり「エライ人」が多いですから、失礼があってはなりません。また、長年同じところで秘書をしているお局さまがいて、その人たち(複数形!)とも仲良くやってもらうことも仕事の一部ではありました。
それにしても、「話し方」で採用が決まるって、ちょっと考えてしまいませんか?
面白いことに、学歴や経験では他の候補者の方が上でした。
そればかりか、他の2人も話し方は決して悪くなかったんです。
具体的には、一人が「もっと上品に喋る人」で、もう一人が「もっと知的に話す人」だったそうです。
それでなぜその人が選ばれたのか、私は興味があったので更に聞きました。
すると、こう返ってきたんです。
「一番、その人のことがよく分かった」と。
つまり、会話で、どう言えば「自分が言いたいこと」が「相手に伝わるか」、相手が「何を言いたいのか」「何を聞きたいのか」それは「なぜなのか」が、最もしっかりと感じとることができたというのです。
実は当時の私は、これがどういう意味なのか、はっきりと理解できませんでした。
しかし、起業して、私もこの気持ちが分かるようになりました。
私自身、「きちんとコミュニケーションがとれていると実感できれば、どれだけ安心して仕事を頼めることか」と、最近よく思います。
逆に言うと、実に多くの場合、「どこまで伝わっているのかいないのか」あるいは「相手の言ったことをきちんと理解したのかどうか」、本当の意味では確信を持てないまま仕事をお願いしている感覚があります。
もちろん、最善は尽くしてるんですよ。
コミュニケーションを生業にしている者として、分かりやすく伝え、的確に相手を理解しようと努めてはいます。
でも、正直、なかなか一筋縄ではいきません。
それで、アウトプットを見ながら、「あー伝わってなかった」とか「おー、イメージに近い!」と一喜一憂するんです。 (顔には出しませんが)
そんな経験、あなたにもありませんか?
これ、逆に言うと、「言ってることが分かる」「言いたいことを理解してもらえる」と、わずかこれだけできれば、仕事には困らないはずなんです。
そんな人の方が圧倒的に少ないですから。
いや、それ以上に、わずかこれだけできれば、強みとかスキルとか、実績なんて意識しなくても、自分にあった道が拓けるはずです。
「あなたなら、こういう仕事が向いてるんじゃない?」とか「これをやってみたら?」と、相手からアドバイスされる機会がグンと増えますから。
だって、そうやって仲間が可能性を開花させるのって、見ていて楽しいじゃないですか。ねえ。
でも、じゃあ、一体どうやって、
「言ってることが分かる」「言いたいことを理解してもらえる」
と相手に感じてもらうか、ですよね。
誰にでもできるオススメがあります。
即効薬というわけではありませんが、だからこそ、長期にわたって使えます。
それは、「相手との関係に好奇心を持つ」ことなんです。
相手との関係に、ですよ。これとても重要です。
つまり「自分」と「相手」と「2人(他者と)の関係」という3つの側面があります。
よく言うのは、「相手に関心を持つ」ということなんですが、これだと対等な関係になりにくいんですね。
ここでは、「お互いの関係が面白くなるために、どうするか」。
チームの発想です。
自分の良いところを出す。
相手の良いところを引き出す。
それで一緒に、一人ではできない面白い仕事をつくる。
「相手との関係に好奇心を持つ」ことができると、言動が変わります。
よく分からない人は、むしろ、こちらから始めてもいいかもしれません。
それは、「反応する」のと「質問する」のを増やす、ということです。
反応を増やすと、自分に分かるように話してくれるようになります。
分かった時に大きく反応するだけでいいんです
「おおー」とか「はあー」とか「なるほどー!」という感じ。
で、分からないことや興味があることを繰り返し質問していると、相手の意図が見えやすくなります
そして、気持ちが向かい合うと同調行動が増えます。
つまり、相手もあなたへの反応や質問が増えます。
そうすると、相手の言ってることがより理解しやすくなり、こちらの言いたいことも、理解してもらえやすくなります。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「関係で拓く自分の道の法則」と呼びます。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
まとめ: つるの式(44)関係で拓く自分の道の法則
・ 話し方を理由に採用されたりされなかったりすることがある
・ 決め手は、「伝わる」と「理解できる」の実感だ
・ 相手のことがよく分かれば安心して仕事を任せられる
・ それにはまず相手との関係に好奇心を持とう
・ そうすれば相手があなたに向いている道をも教えてくれる
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投稿者 鶴野充茂 : 18:21
2006年07月28日
[つるの式43] 「慣れですね」は注意の言葉
セミナーやトレーニングで、スキルアップのポイントを説明しているとき、
「あ、あっ、つまり慣れですね」と言う人がいます。
何度も繰り返せば、慣れてできるようになりますね、という意味で本人は言っているようです。
「慣れですね」
「そうですね、慣れですよ」
本人はそう言ってもらいたいと思っている。
あなたの周りにも、そんな人、いませんか?
ところが私はこの言葉を聞くと、「要注意」のアラームが頭の中で鳴り始めます。
どうしてか。
それは、「つまり慣れですね」という人は、スキルアップに必要なポイントを理解する前に、「何度も繰り返せば良い」「そうすればうまくなる」と思い込もうとしているからです。
こちらが伝えようとしているポイントの1つ1つをきちんとキャッチできてないんです。
もっと分かりやすく言うと、
「うまくなりたい」⇒「大切なポイントを1つ1つ学ぶ」⇒「繰り返す」⇒「うまくなる」
というプロセスを
「うまくなりたい」⇒「繰り返す」⇒「うまくなる」
という具合に重要なプロセスを1つ、はしょって理解しかけています。
これ、ちょっとした違いのようですが、しばらく見ていると、スキルアップのスピードに大きな差がでます。
なぜか。
先に理由を言いましょう。
それは、 「つまり慣れですね」という人は、無意識のうちに「自習の道」を選んでいるのです。
ここで言う「自習」とは、体験の中で、自分で、「つまり、こういうことなのかもしれないな」と理解していくことです。
もちろん、それは決して間違いではありません。
体験から学ぶ。大切なことです。
でも、せっかく、セミナーやトレーニングに参加し、気持ちは、「いま、この場で効率よく学ぶぞ!」と思っているのに、「慣れですね!」と言った瞬間に、そのセミナーやトレーニングで教えてもらえる、「効率よくスキルアップできるポイント」を自分で受け入れなくなっているわけです。
大切なポイントを目の前にいる人が教えてくれているのに、それを聞かないで(本人は意識していませんが)、
「もういいです、自分でやってみて考えます」
と宣言しているようなものなんですね。
でも、「慣れですね」という人の気持ち、とてもよく理解できます。
私もよく言ってましたから。
大学時代、私はプロのミュージシャンになろうとしていたことがあります。
その少し前の高校時代、吹奏楽でサックスを吹いていました。
この時、教えてくれる先輩がいませんでした。
それで、一人でとにかく練習を続けていました。
ほぼ100%、「自習」です。我流とも言いますね。
後輩に「教えてください」と言われると、
「こんなんは、慣れやで」と答えてました。(教え方が分からなかったので・・・まったくひどい先輩です)
楽なんですよね、そう言う方が。
大学で、プロのミュージシャンにラテンパーカッションを習いました。
楽器の種類は違いましたが、高校3年間で自分が到達したレベルは、おそらくプロについて半年間で越えていたと思います。
この時、私は、「少しでも短期間にプロのレベルに技術を高めたい」と強く思っていました。
そのため、自分の師匠の教えてくれることを1つでも多く、短期間に吸収しようとしました。「慣れ」で到達できるレベルやそれにかかる時間は高校の時に知ってますからね。
しっかり教えてくれるプロがいたら、「慣れ」に頼るのは明らかに非効率なんです。
私の師匠は、「まず4分音符、毎日30分練習して」と言いました。
2週間くらい経つと、
「今度は、その4分音符、8分音符を意識して練習して」と言いました。
(同じ4分音符でも演奏した時の印象が変わります)
そしてまたしばらくして、
「今度は、その4分音符、3連符を意識して」
そしてまたしばらくして、
「今度は、その4分音符、16分音符を意識して」
2、3ヵ月の間、メトロノームを前にひたすらこんな練習が続きます。
それでも半年経つと、「えっ、まったくの素人が半年でここまで!?」
と20年我流でやってきた人にも言われるようになりました。
もちろん私自身、4分音符の演奏の仕方に差があるなんて、高校で3年間やっていても気づきませんでした。そういう「プロから見て大切なポイント」を知っているかどうかが、ある時以降、技術レベルの向上を一気に加速させるかどうかを決めるんです。
「できること」と「教えられること」は確かに違いますが、「できる人」で少しでもポイントを「言語化できる人」と会ったら、ぜひ「何から練習したらいいですか?」って聞いてみてください。
人から教えてもらって「身につける」ことが得意になると、自分の成長を感じやすくなり、学ぶことがどんどん面白くなります。
もっと面白いのは、自分を手助けしてくれる人がどんどん増えて人間関係がよくなることです。
だって、「教えてください」って言って、近づいてきたら、誰だって「仕方ないなあ」なんて言いながらも、悪い気はしませんから。
そうなったらね、いいですよ、
いろんな力をもった人が、専門的な知識や技術を教えてくれますから。
しかも相手は喜んでいる。当然、自分もです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「学び上手は関係上手の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(43)学び上手は関係上手の法則
・ 「つまり慣れですね」を言いそうになったら要注意
・ 自分の体験からよりも目の前の人から学べないか考えよう
・ 人から吸収できれば、成長は一気に加速する
・ 「教えてください」がマジックキーワードだ
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投稿者 鶴野充茂 : 11:27 | コメント (0) | トラックバック
2006年07月16日
[つるの式42] 自分でかけるネガティブ暗示
人によって程度に差はありますが、われわれは他者から影響を受けやすいことを体験的に知っています。
だから、
友だちは選びなさい、とか、朱に交われば赤くなる、なんて言葉があるし、
わずか2時間ヤクザ映画を見るだけで、映画館を出ると歩き方が変わるのです。
そんな私も、
自分がアル・パチーノだと錯覚した回数が一度や二度ではありません。
こうした体験から、人は受信する情報に対しては、割と敏感に反応できるようになっています。
たとえば、人と話している時に
「イヤなことを言う人だな」
「もう少し、違う言い方をすればいいのにな」
「あの態度は直した方がいいな」
などと、人のクセには気づきやすいんですね。
ところが、自分のことには意外と鈍感です。
たとえば、気がつくと弱気になっていることってないですか?
「なんだかんだ言っても、自分は弱い人間だからなあ」
「いつも途中で諦めてしまうしなあ」
「話で言うほどうまくいかないよな、いくわけないよな」
こういうのを自己暗示と言います。
知らないうちに、多くの人は、こんなネガティブな自己暗示を心の中で自分自身にかけています。
特に現状からの変化が大きければ大きいほど、自分で心のブレーキをかけやすいんですね。
「そんな大それたこと、自分にはムリ」
「一生懸命やってるけど、多分ムリ」みたいな。
変化って違和感なんですよね。変化しない方が楽なんです。
変化すると、意識を変えないといけない。
これ大変なんです。
それでも、自分は少しでも成長したいと考えていたとします。
こういう時、どうすればいいか。
ここでは、2つのアプローチを紹介します。
1つは、
「ゴールに向かって努力している時にはネガティブに考えない」という原則。
必死でやってる最中に「失敗する自分」を信じるとうまくいくものもうまく行かないので、少なくとも努力している最中だけはネガティブな考えを止める。
これが難しい人は、ポジティブな理屈を上乗せする作戦をとります。
つまり、「これでダメなら」と開き直れるくらいまで取り組むわけです。
それが「成功してもおかしくない理由」として暗示効果を与えます。
もう1つは、
「せめて言葉では逆のことを言ってみる」という方法。
心の中でネガティブな暗示をしてしまうなら、それを打ち消す言葉を口で言うようにします。
より具体的で、すぐにできるオススメは、 「意思のある言葉」を使う というもの。
たとえば、「決まった」ではなく「決めた」というようにする。
「会議でアイデアが出てきた」ではなく「会議でアイデアを出した」
「口説かれた」ではなく「口説いた」
「問題が起きた」ではなく「問題を起こした」(これは少し違うかな)
こうした言葉を「Active Verb」(能動的な動詞)と言います。
大切なのは、Avtive Verbを使おうと意識すると「行動せざるを得ない」ということです。言うために行動する、行動すると鮮明なイメージが体験として得られますから、心の中の自己暗示よりもインパクトがあります
面白いもので、このように意思のある言葉、主体的な表現を使うようにすると、少しずつ自分に自信が持てるようになります。
「何かよくわからないもの」にコントロールされていた「自分の人生」を「自分」でコントロールしているように感じられるようになりますから、ぜひやってみてください。
でもですね、逆に考えれば、ネガティブな自己暗示をかけている時って自分が変化を起こそうとチャレンジしている時でもあるんですよね。
つまり、その時すでに自分は主体的に取り組んでいるんです。
つまり、その時、成長のチャンスを迎えているんですよね。
そういう時には、素直に「 いいぞ自分! 」って認めてあげてもいいように思うんです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「ネガティブ自己暗示はチャンスの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(42)ネガティブ自己暗示はチャンスの法則
・ 変化の時、人は心の中でネガティブな暗示をかけやすい
・ そんな時にはとことん行動する+意思のある言葉を使おう
・ そうすれば自信が持てる
・ でもネガティブ自己暗示をかける時点ですでにチャンスだ
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投稿者 鶴野充茂 : 15:08
2006年05月27日
[つるの式41]正論より解決策を
世の中には、「ああこの人と一緒に仕事をしたいな」と思う人と
「ああこの人とは一緒に仕事をしたくないな」と思う人がいます。
そんな人、あなたにはいませんか?
一緒に仕事をしたいと思わせる人は、一緒に良いものを作り上げよう、
という姿勢が感じられる人です。
一緒に仕事をしたくないと思わせる人は、一緒にいると成果を出せない人です。
たとえば、打ち合わせをしている時、黙って聞いていたと思ったら
唐突に問題点を並べ始める人がいます。
ここまではいい。問題やリスクはきちんと把握しておく必要があります。
でも、話の終わり方で差が出るんですね。
- いろいろ問題点が出てくる。だから、この問題点をクリアして、なんとか実現させよう、と言う人。
- いろいろ問題点が出てくる。だから、これは無理だな、と言う人。
具合の悪いことに、こういうタイプの人は、問題点を口にしたところで
「キミたちももっと深く考えるようにしないとな」というような、
優越感に浸った顔をします。「な、正論だろう」と。
決定的な違いは、前者がビジネスを前進させる人で、後者はストップ、
後戻りさせる人だということです。
そういう意味で、ビジネスの打ち合わせで、問題点で話を終わるのはマナー違反です。
だって、問題のない環境なんてないんですから。
ベンチャーを立ち上げてからというもの、問題「しか」ないんですから。
問題点は「課題」と呼んで、乗り越え方を議論するのが正しいアプローチです。
もし仮に、問題点を挙げて終わりにする人がいたらどうすればいいか。
「じゃあ、その問題点をクリアしたら、GOですね!」
と元気よく言ってみる。
あるいは、「じゃあ、このテーマ、(興味がないようなので)ヨソに持っていってもいいですか?」
と明るく言ってみる。
そうすることで、自分たち側は、少なくとも次のステップに進めます。
一方で、この問題、教育にあてはめると、実はかなり深いテーマなんです。
たとえば私は「プレゼン」をテーマに、セミナーや個別トレーニングを提供しています。
数分間、プレゼンしてもらうと、その人の問題点はすぐに分かります。
・ どうして話が分かりにくいのか
・ どうして最後まで聞こうと思わなくなるのか
・ どうして心情的に賛成したくないような話し方になっているのか
でも、問題点を指摘するだけでは、その人のクセは治りません。
プレゼンもうまくできるようにはなりません。
大切なのは、「で、どうすればいいか」です。
みんな自分の問題には気づいているんですよね。
どうしていいか分からないから、その問題に向き合えないだけなんです。
そういう意味で、
正論ばかり言わずに、解決策を提案しよう。
この言葉、いつからか私の手帳の中にメモ書きされています。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「正論は道半ばの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(41)正論は道半ばの法則
・ 物事を前進させるには問題の把握が欠かせない
・ しかし問題点には必ず解決策をセットで提示するのがマナーだ
・ 正論だけでは人もビジネスも動かない
・ 「で、どうすればいいか」を常に考えよう
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投稿者 鶴野充茂 : 18:50 | コメント (0) | トラックバック
2005年11月12日
[つるの式40]そういうあなたにピッタリなのはこれ!
コミュニケーションが仕事なので、日頃、さまざまな方々とお会いします。
有名な商品やサービスを手がける人、マスコミでよく紹介される人、肩書きだけではちょっと仕事がイメージできない人など幅広いですが、話を聞いていて面白いのは、どんな仕事をしているかに関係なく、その人が見ている独自の視点と世界観を知る瞬間です。
たとえば、最近、私がカリキュラム作りで通っている専門学校の校長先生と話をしていて、「参照指示性」という言葉を教えてもらいました。
90分の授業でムダな時間を作らない、小さな、でも偉大な工夫です。
たとえば、資料を配って授業を進めていると、学生が、
「先生、これどういう意味ですか?」
と聞くことがあります。
「どのページのどの部分にある、○○って言う言葉の意味が分からない」なんて質問をします。
「え、どこ? どれどれ?」
「あ、これか?」
「ちがう」
「こっちか?」
「もっと下」
こんなやりとりが数回あるだけで、たいへんな時間のロスになります。
これを防ぐために、校長が発信する資料を含め、ほとんどすべての資料の左に「通し番号」を振ってあるそうです。
「これだと、○行目の○○という言葉が分かりません、で通じる」と言います。
どれだけ参照して指示しやすいか、という意味で「参照指示性」という言葉になったそうです。
「そういう意味で言うと、このワークブックは、参照指示力が極めて低い」
(だから、もっと何とかしろ)
と私たちが提出した資料にコメントをもらいました。
現場の貴重な意見です。
こんな時、人生は学びの連続だ と好奇心を刺激されてしまいます。
「他に、どんなことに注意したらいいですか?」
私は喜々としてアドバイスを求めてしまいました。
そして打ち合わせ時間を大幅にオーバーしながら、ノウハウを大量に分けていただきました。
こういうのを教えてくれる人って、強く印象に残りますよね。
仮に目の前に初対面の人がいるとします。
私は興味を持って相手の話を聞き始めます。
そして、どんな仕事をしているのかを聞いて、自分の知らない世界が見えてくると、つい、もっと詳しく知りたくなります。
どんなことを考えて仕事をしているのか、
どんな課題や工夫、悩みがあるのか、
どんな毎日なのか。
同じ仕事をしていても、人によって見ていること、考えていることはまったく違いますからね。
こんな時に、一言でいいんだと思います。
気のきいたアドバイス、あるいは知らないことを教えてをくれたら、強く印象に残るなぁと。(贅沢? 期待しすぎ?)
そんな観点で、きっと決めゼリフを持っておくだけで、意外に強力な武器になるんじゃないかな、なんてよく思います。たとえば、こんなのはどうでしょう。
「そういうあなたにピッタリなのはこれ!」
自分ならではの視点で、自分の得意な分野で、人に何かを薦める。
食べ歩きが好きな人は、お勧めのレストランを教える。
音楽が趣味の人は、お勧めの曲やアーティストを教える。
コピーをとることが多い人は、効率よくキレイにコピーがとれるコツを教える。
電話のアポ取りが得意な人は、電話のコツを教える。
そんなの誰もが必要としてる情報じゃないだろう、なんて思う人もいるかもしれません。でもいいんです。聞かれた時に言えればいい。そんな工夫が、人の縁をつなぎとめるちょっとしたきっかけになるのなら、簡単なことだと思いませんか?
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「決めゼリフで印象付けの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(40)決めゼリフで印象付けの法則
・ 相手に興味を持つと、相手の独自の視点や世界観が知りたくなる
・ その人ならではの工夫やアドバイスがあると強く印象付けられる
・ そんな時のために、お勧めを決めゼリフにするのも効果的
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投稿者 鶴野充茂 : 18:26 | コメント (0) | トラックバック
2005年10月30日
[つるの式39]話が通じない時
「なんでこの人、分かってくれないんだろう」
仕事でそんな風に思うことってありませんか?
説明しても、説明しても、話が通じない時です。
どうしてこれだけ時間をかけて細かく丁寧に話しているのに通じないのか、
同じ言語を使っているはずなのに、どうして理解できないのか、
だんだんイライラして、しまいにコミュニケーションを諦めてストップ
してしまうということが、かつての私にはよくありました。
「んんん、もういい! もう知らん!」と。
自分の仕事は常に「提案すること」だと思っていたので、「今までとは違うこと」をいろんな人に説明・説得して回る必要がありました。そうすると、当然ながら反対する人はいるし、そもそも話を聞こうとしない人も多いわけですね。で、協力してくれない人と話をしているとストレスがどんどんたまるのです。
ところがある時、「Essential(必要不可欠)」と「Desirable(あると望ましい)」という概念を覚えて、この問題がスッと解決したんです。
Essentialというのは、最低限おさえるべきポイント。必須条件ですね。
Desirableというのは、あった方がいいけど、なくてもいい、というポイントです。
つまり、「人とわかり合うこと」って、ほとんどの仕事では、「Essential」じゃないと気づいたんです。
それまでの自分は、仕事を進めるためには、「わかり合う」必要があると思ってました。もちろん、わかり合えるに越したことはないですよ。人間関係は円滑な方がいい。
でも、仕事を進める上で「わかり合う」ことは必須条件ではありません。だから「Desirable」として処理していこうと考えるようになったのです。
仕事で必要なのは、考えて、やってみて、確かめて、もっと良い方法を見つけていくことです。とにかくどんどん進めていく必要がある。そのプロセスごとに、関係者同士すべての人がわかり合う必要はないんですね。
私の場合は、これで気が楽になりました。
微妙な差に見えますが、達成目標の捉え方に決定的な差があるのです。
以前の私は、わかり合うことと仕事を進めることが同じだと思ってました。
でも、実はこの2つは質的に違うものなんです。だから切り分けて考えるだけでとてもやりやすくなりました。
一方で、仕事の人間関係って、その良し悪しによって仕事の進み方に影響を及ぼすことも事実です。
反対されたり邪魔されると課題が増えるし、ひどいと悩みの種にもなります。
そこで私がとったアプローチは、「理屈で説得しない」という方法です。
いくら話をしても分かり合えない相手は、理屈では無理です。
ひょっとすると、異なる価値観や考え方で数十年を生きてきた人の発想をちょっと口説いたくらいで変えさせようとすることの方が無理があるのかもしれません。
もし、そうだとしたら、理屈で相手を説得せずに、相手に協力してもらう方法を考えた方がいいんじゃないか、と。
でもそんなこと、一体どうやって?
その前に、たとえば、あなたの周りにこんな人はいませんか?
・言ってることは分かるけど、協力したくない人
・言っていることには賛成できないけど、協力してもいいかなと思う人
もし思い当たる人がいたら、考えてほしいんです。
言っていることは分かるけど、協力したくない人というのは、
あなたが都合の良いように利用されるように感じるなど、その相手自体に不信感を持っていたりしませんか?
言っていることには賛成できないけど、協力してもいいかなと思う人というのは、結論は違っても自分のことは尊重しているとか、相手のこと自体を信用しているとかいう感じではありませんか?
自分が相手に対して心を開く時とは、逆に言うと相手が自分のことを受け入れてくれたと感じた時のように思うのです。だとしたら、答えがどうであれ、人として尊重してくれたかどうかがポイントではないかと。
賛成だから味方で、反対だから敵、というんじゃなくて、賛成でも反対でも味方、一緒に共通のテーマを考える同志、というスタンスです。
こういう関係になるには、 「理屈」よりも「思い」がけっこう効きます。
何をしたいのか、それはなぜなのか、どうして今なのか、をはっきり伝える。
ここで、自分のためじゃなくて、全体のためにどうしたいのか、というのがポイントです。また、「みんなこうすべき」じゃなくて、「みんなのために自分はこうしたい」の方が聞く側としては、受け入れやすいですよね。
こういう風に「思い」を聞かされると、こちらも自分のことだけじゃなくて、みんなのことを考えて判断するようになります。
そうすると、たとえ個人的には苦しい決断でも、もし「思い」に共感すれば、協力する気になるように思いませんか? だって、「みんなのために」の中には自分の存在も含まれているわけですからね。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「理屈より思いの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(39)理屈より思いの法則
・ ビジネスでは、「わかり合う」ことを目的にしなくていい
・ それでも「わかり合う」必要がある時には、理屈で説得しない
・ 効果的なのは、「みんな」が含まれた「思い」を伝えること
・ 思いは共有しやすく、協力にもつながりやすい
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投稿者 鶴野充茂 : 14:36 | コメント (0) | トラックバック
2005年10月19日
[つるの式38]一瞬で関係を壊す表現
もし、人間関係に強くなるコツを知りたいと思ったら、逆に、こうすると確実に失敗する、という方法を覚えておいて損はありません。食べられるキノコを探す時には毒キノコも知らないと危ない、というのと同じイメージでしょうか。
人間関係が壊れるきっかけは、往々にして、ちょっとした言葉のやりとりが原因です。片一方がムッとし、もう片一方はそのことに気づきません。
でも、次の瞬間、ムッとした側の人が、感情を抑えきれずに不用意な発言をすることで、関係は破綻するのです。
ムッとした時に、我慢できるかどうかには個人差がありますが、ムッとさせるきっかけは意外と単純ですから、ぜひ記憶に留めて置かれると良いと思います。
最も分かりやすいのは、相手の価値を拒絶する言い方です。
・ 「そんなことも分からないのか」
・ 「だからお前はダメなんだ」
・ 「○○のくせに」(これはあんまり言わないか)
なんていうのがあります。
これ、上司から部下への言葉のように思うかもしれませんが、部下から上司にも同じように使えます。
実は私、これで以前に大失敗したことがあります。(だから自信を持って言えます!)
まだ、会社員時代に、ヨソから移ってきた上司の方針が見えなくて、私はちょっとイライラしていました。
3ヵ月以上も経っているのに、まだ方向性を出さない2段階上の上司に対して、何を考えているのかを聞き出そうと、業務の優先順位や部署の達成目標のイメージについて、いろんな角度から質問をし、意見を出していたのです。
「今、決めようとしているところだから」。
その上司がぼそっと言った一言に、とっさに私はこう言ってしまったのです。
「え! まだ、決まってないんですか?」
この一言で、私とその上司の関係は、壊滅的になりました。
今でもはっきり覚えています。一瞬、息が詰まったような無言の空間が広がったと思ったら、次の瞬間、上司の顔が真っ赤になって、細長い目が引きつった丸くてキツイ怒りの目になり、彼の声のボリュームが上限に振り切りました。
でも、その時、なぜその上司がそんな風に烈火のごとく怒り出したのか、正直に言って私にはまったく理解できませんでした。だって、決める立場の人が決めないで、組織が動くわけないと思っていたからです(今でもそう思います)。
ただ、正直に思っていることをそのまま言うのは、ちょっと思慮が浅かった。自分の未熟さを今になって反省しています。
数年後、何気に読んでいたトム・ピーターズの本の中に、こんな一文を見つけました。
「上司にとって、自分の判断に確信が持てないことを部下に悟られることほど怖いことはない」。
これ、ほんとです。しっかり確認しましたから。
でも、そういう言葉は無意識のうちに使って、原因が分からないまま関係が壊れてしまうことが多いんですよね。数年前の私のように。
反対に、相手との関係を強化するには、この逆にすればいいわけです。つまり、相手がいかに価値ある存在かを伝えること。
「すごいね~」「さすが○○さん!」
「お、どこのイケメンかと思ったら○○さんじゃないか」
「あの時の○○さんのアドバイスが決め手かもしれないな」
「○○さんのお陰ですよ」
まだまだありますよね。「真面目におだてる」表現だと考えてもいいかもしれません。足りないことを見つけるのは簡単ですが、充足している価値を認めるのって、意外と難しいんですよね。良いトレーニングになります。ぜひお試しください。
でも、上司との関係が崩壊する時に戻ったとして、今だったら、一体どう言うのでしょうね。
「さすが! こんなに早く、見えてきましたか!」
ちょっとわざとらしいなあ。
「じゃあ本気で取り組む英気を養うために、2-3週間、お休みをいただきます」
コレかな。
これを、つるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「切るもつなぐも価値次第の法則」と言います。
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まとめ: つるの式(38)切るもつなぐも価値次第の法則
・人間関係に強くなるには、関係を崩壊させる条件を知るのも一つ
・どんな立場であれ相手に自分の価値を拒絶されるとダメージが大きい
・部下は無言のうちに心を閉ざし、上司は怒り狂う
・相手の価値を認めていることを伝えれば、関係は円満だ
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投稿者 鶴野充茂 : 09:55 | コメント (0) | トラックバック
2005年10月10日
[つるの式37]逆にこういうのどうですか?
3というのは、マジックナンバーです。
人は、話を聞いたり本を読んだりしている時に、3回くらい驚きや発見があると、満足します。(つるの式:「へぇ~ほぉ~はぁ~の法則」)
「それには3つの理由があります」と言われると、なんだか専門家っぽい説得力を感じます。
たて続けに3回くらい会うと心理的な距離が一気に縮まります。
1回くらい食事をご馳走になっても忘れますが(!)3回ご馳走になると忘れられなくなります。
同じように、3回拒否されると次のチャレンジをする気が失せます。
「これ、どうですか?」 「話にならない」
「今度はどうでしょう」 「ぜんぜん違う」
「今度こそ、いかがですか?」 「ちょっと邪魔しないでくれる?」
こんな感じなら、もう撃沈ですよね。私がこんな態度をとられたら、もう2度と話そうと思わないかもしれません。
でも、こんな極端な表現ではないとしても、気づかずに何度も拒否し続けている人って意外と多いんですよね。
たとえば、イベントや食事に誘われて日が合わなくて断ってしまう場合。忙しい時、何度か日を聞かれた後に「ぜんぜん時間がないからしばらくダメ」とだけ言ったりしてませんか?
会議で、誰かが何気なく口にしたアイデアを繰り返し「面白くない」「無理だ」と言ってしまってませんか?
部下や子どもを注意する場合に、「あれダメ」「これダメ」とたて続けに叱ってしまっていませんか?
そんな時は、大体、断らざるを得ないんです。そう言わざるを得ない。
でも、言われる方からしたら、結構ダメージを受けますよね。理屈じゃなくて心の底の方でじんわりと。
否定され続けていると、その人と関わること自体がイヤになってくるんですよね。そうすると、本人が意識するかどうかは別にして、関係が疎遠になっていくことも珍しくありません。
そんな時、もし、その相手との関係を大事にしたいのであれば、ぜひ活用したい表現があります。
それは、次のような表現です。
「逆に、こういうのはどうですか?」
「No」と言い続けるんじゃなくて、逆に相手に提案する。
自分が良いと思うプランを言ってみる。
「逆に、こういう風にしたら?」
「逆に、この日は?」
「逆に、こっちを変えてみたら?」
「逆に、こういうところはいいよね」
「それはダメ」と言う時は、大体、自分も「良く分からないけど、それは受け入れられない」という中途半端な状態なのです。自分がはっきり分かっている訳でもないのに、「それはダメ」とだけ言うのって、考えようによっては、けっこう横柄な態度ですよね。
大人のコミュニケーションでは、意見を言ったら、必ずその理由が必要です。
「どうしてかと言うと(理由)」相手が納得できないからです。
理由が言えないなら、もっといい案を出すしかありませんよね。
それが同じ目線に立った、対等の関係というものです。
「逆に、こういうのはどうですか?」というと、相手からの歩み寄りを感じます。
あなたのプランには賛成できないけど、一緒に考えてるよ、あなたの存在は受け入れているよ、という印象を与えられます。
この一言で、言われた方も救われた気持ちになりやすいのです。
これをつるの式コミュニケーションメソッドでは、
「すべてノーなら逆提案の法則」と言います。
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まとめ: つるの式(37)すべてノーなら逆提案の法則
・ 何かを提案された時、どうしても「No」を繰り返さざるを得ないこともある
・ 「No」を繰り返されると、相手は自分の存在を否定されたように感じやすい
・ そんな時には、「逆に、こういうのはどうですか?」と改案を言おう
・ この一言が、関係をつなぎとめることもある
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投稿者 鶴野充茂 : 18:54 | コメント (0) | トラックバック
2005年10月07日
[つるの式36]成長している人
「一番成長できる時に、こんなことやってちゃダメだと思って起業しました」
あるベンチャー企業経営者が、私の取材の質問に対して答えた言葉です。
彼は当時25歳。数年前のことのですが、今でもはっきり覚えています。
この一言が当時の私の心にグサッと刺さったからです。
それまでの私は、「やりたい仕事」(現在)と将来の「自分のキャリア」(未来)についてのイメージはなんとなくありましたが、「自分が成長しているかどうか」(現在進行形)という視点は持っていませんでした。
でも、彼のこの一言で自分の中のもやもやした気持ちの理由がはっきり分かったのです。
そうか、自分は仕事が面白いかどうか、将来につながるかどうかじゃなくて、まず、今取り組んでいる仕事の内容やスピードに「退屈」してるんだな、と。
仕事でわくわくしている時って、彼の言葉で言うと「成長している」時なんだと思います。わくわくするには新鮮な感覚が必要だから。たとえ同じことに取り組んでいるとしても、見方が違うとか、自分の中での意味が違うとかね。
で、当時の私は、そういうわくわく感をどうしても持てなかったんですね。なんだかこう、やるべきことを粛々と進めているような感じだったのです。
それで会社の定期面談で、私は上司にこの気持ちをぶつけてみました。
「成長している感覚が持てないんです」と。
すると、こんな答えが返ってきました。
「そんなに毎日毎日、成長するものかな」。
あ゛~、その答えでは、一緒に仕事ができない。瞬間的、直感的にそう思いました。
今では理解できますよ。上司がそう答えた気持ちも理屈も。
大体、成長カーブを考えると、大人になっていく時が一番スピードが速いですよね、きっと。成熟すると成長のスピードは鈍化します。鈍化している人には、成長って日々のテーマじゃないのかもしれません。
「そんな、答えのない悩みをウジウジ考えずに、とにかくしっかり仕事してよ」
みたいな感じだったかもしれません。
でもね、その時の私はこう考えてしまったんです。
「マネジメントの仕事って、全体のアウトプットを高めるためにスタッフを成長させることなんじゃないの?」と。
その後、すぐに異動願いを出しました。
この時の気持ちは、今、研修のカリキュラムなどを考える時にとても大きなヒントになっています。うまく活かせば、自分の中にある限界感を打破するきっかけになり、見過ごすとモチベーションが上がらないからです。
成長って、人によっていろんな形があると思うのです。きっと、異動や転職、起業といった立場・役割の変化を伴うものばかりでもないでしょう。私が特に重要だと思うのは、新しい視点、見えなかったところが見えるようになる体験です。そして、それに伴う驚きと発見です。
そして伸びてる人って、この成長している感覚(=成長感)とうまく付き合っているんですよね。
たとえば、今取り組んでいることが「イヤというわけではないが、このままの延長線上に自分のゴールがあるわけではない」という場合。閉塞感で悩みますよね。前進していくインセンティブがないので、そのままでは成長感を持てません。
こういう時、伸びる人は、周囲にはたらきかけて自分で転機を仕掛けていきますが、伸びにくい人は、ただ状況の変化を待ちながら(悶々としながら)現状維持を続けます。
また、売上目標などがあって、難しい課題をクリアしなければならない(=成長せざるを得ない)人たち(たとえば経営者など)は、人と会ったりセミナーに出たりして目標達成のヒントを探し、成功するまで工夫を続けています。
つまりこの時、カギを握るのは、人との関わりなんですね。
新しい視点は往々にして人から得ます。新しい発想は誰かの何気ない一言がきっかけになったりします。本を読んで気づきを得たとしたら、それは本を書いた人からもらった視点です。なぜ多くの会社の社長が「こんな話を聞いてきたよ」と自慢げに社内で話をするかというと、誰か他の人からヒントをもらった喜びと、その視点をシェアしたいという思いからです。
そう考えると、成長のために人と積極的に関わることって、とても重要だと改めて思いますね。特に、エネルギーの強い人や自分とは違う発想をする人とね。
もう1つ。経営本やセミナーでよく出てくる考え方で、儲けたかったら先に仲間に儲けさせなさい、みんなが儲かると自分も自然と儲かるから、というのがあります。先に与えるとやがて返ってくるとか、一人で成功するのは難しいがみんなで成功するのは簡単だ、というような発想です。
これを参考にすると、自分が成長したかったら、周りの人が成長するきっかけを提供すればいい、と考えることもできます。与えたら返ってくる、と。
たとえば、上司や同僚がダメだと文句を言ってないで、その人たちがどうすれば成長するかを考えてみる。そして、ダメな人は、あなたをもっとクリエイティブに成長させてくれるきっかけを与えてくれているのかもしれないと考えてみる、とかね。
いずれにせよ、もし、自分が自分のことをまだまだこれから成長できる人だと思っているのなら、成長余力があるのに成長する努力をしてないのは、なんだかもったいないことですよね。可能性をギリギリまで使い込んでみる、それでどこまで成長できるかに挑戦してみる、という発想って、有りだと思いませんか?
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「自力でつかむ成長感の法則」と呼びます。
ランキングも自力でアップできるか!? いえいえ、皆さんのお陰です。
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まとめ: つるの式(36)自力でつかむ成長感の法則
・ 自分の「成長感」を意識するようにしよう
・ 成長感を持つには、まず自分から動く、仕掛ける
・ ヒントは人との出会いにある
・ 成長感を得るにはまず相手から、与えれば返ってくる
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投稿者 鶴野充茂 : 12:53 | コメント (2) | トラックバック
2005年09月26日
[つるの式35]年齢以外の判断軸
人と話をしていて、つい相手の年齢を聞いてしまう癖がある人は、ちょっと工夫するだけで、他人の良いところを自分のものにしてしまえるような気がします。
初対面やまだ関係が強くない間柄で、相手の年齢を聞く人っていますよね。実は私、相当長い間、そういう人が苦手でした。
年齢を聞いてくる相手は、10中8、9、こちらよりも年上で、相手もそれをなんとなく分かっていて、相手の年齢を確認することで対等な会話の関係を崩そうと考えているように感じることが多かったからです。
さらに、こちらの方が年下だと知るやいなや、「若いのにしっかりしてる」とか、「私なんてもういい年だから」と全ての理由を年のせいにします。
初めてこんな違和感を感じたのは、私がまだ学生の頃だったと思いますが、「もういい年」なんて言う人は、きっと昔からずっと「もういい年」だと思っているんだろうと強く感じていたのをよく覚えています。
ところがある時、人が年齢を聞く理由がなんとなく分かってから、この違和感は自然と消えました。
●年齢は判断軸
それは、こういうことです。
人は相手をよりよく理解するために、自分の中にある評価・判断軸で相手のポジションを把握しようとします。その時に年齢を聞くのは、相手にとって「この年齢ではこんな段階」という判断軸ができていることを示します。
少なくともこの時、相手のことに興味がなければ、年齢は聞きません。相手のことをもっと的確に理解したくなった時に、自分が頼りにしている「年齢」という判断軸を使って相手を把握するわけですね。
一方で、私には年齢で相手を理解する、という判断軸がありません。国内外問わず、年齢で把握できないくらい極端な人とたくさん出会ってきたためか、年齢別の平均像が自分の中にないのです。だから自分がよく分からない評価軸に当てはめられることに違和感を覚えていたのかもしれません。
さて、年齢を聞く人は、おそらく同級生や同期といった限られた年齢層の人との付き合いが長く、何かとその中で比較したり、されたりすることが多かった人なのだと思います。(同じように、役職を聞く人は、上下関係のはっきりした組織に長くいる人ですよね)
こういう人は、少しでも年齢別の平均像と違った人と出会うと、頭の中の認知システムが混乱し、「え、この人、一体何歳?」という疑問が口をついて出てしまいます。
日本の場合、生まれた時(乳幼児の子育て情報なんかは特に)から「○歳(○カ月)時点ではこんな感じ」という平均値があまりにも広く普及しており、学校では異なる年齢の人と机を並べる機会が少なく、大学頃までの経験はそれほど差がない(と認識されている)ため、無意識のうちに「年齢」と自分を基準とした「年齢差」で人を判断してしまうことが多いのですが、実はこれ、結構危険なことなんですよね。
と、いうのも、「○歳だから~できる/する」という情報は、単なる統計的平均値なのにも関わらず、それを(参考ではなく)基準として捉え、常に比較の対象としていると、それに当てはまらなければ不安になるからです。
そうすると、気になるところは平均値から劣っているところですから、ついつい減点法で判断して自分自身に自信が持てなくなりがちです。変な占いで不安になるのとよく似ています。
●年齢を聞きたくなる時はチャンス
こんなわけで、相手の年齢がどうであれ、知らず知らずのうちに自分がうまくいかない理由を繰り返し自分の年齢のせいにして唱える人が多くなるのかもしれません。
ただ、見た目が実年齢とかけ離れている場合は別として、喋り方や受け答えの内容が自分の知っているその年齢の平均像から差があると気づいた場合は、実はその気づいた人にとって、チャンスでもあります。
その時、自分の中に新しい判断軸ができあがる可能性があるからです。
多くの場合、まず相手が自分よりも年下であることにほぼ確信がある時に年齢を聞きます。
そして、心の中で、相手と自分を比較します。
あれ、自分が彼/彼女くらいの時って、こんな感じだっけ?
あれ、彼/彼女は自分よりも若いはずなのに、どうしてこんなに立派なの?
あれ、ひょっとして自分って、こういうところで彼/彼女に負けてる?
で、年齢を聞いた後、「(私よりも)若いから積極的、元気なのね」とか「偉そうなこと言っていても○歳だから、このあたりまでだろう」なんて感じで、やっぱり年齢を軸に結論付けてしまうのです。
そもそも、もし、年齢の軸で「あれっ」と思ったから、相手に年齢を聞いたのだとしたら、それは年齢という軸だけでは判断できない例を見つけたわけですよね。こういう時の結論は、年齢で納得せずに、なぜ自分が驚いたのかを考えるようにします。
それは、自分が持っていない何かをその相手が持っている証拠でもあるわけです。そして自分はそれに興味がある。
だからその相手が何に優れているのか、どうしてそんな発想をしたのかをという視点を学んでみて損はありません。
で、それには、まず驚いて相手を褒めることです。
褒めることは認めることでもあります。
相手を認めれば、相手のいいところが自分の中にも取り入れられます。
そして、自分のことを認めていないと相手を認めることができませんから、相手を褒めることは、実は自分自身に自信を持つきっかけにもなります。
せっかく沸き起こった自分の好奇心を、「年齢」という単一の判断軸に収めこむのはもったいないことです。
一般的に好奇心は、年をとるにしたがってなくなってきます。判断軸が少なければ、それは視点が少ないということですから、余計に新しいことに気づきにくくなります。
でも、できればいつまでも毎日わくわく、楽しいことを見つけながら生きたいですよね。だとしたら、ぜひ「あれっ」と思ったことを年齢という単一の軸で片付けないでください。
それだけで、世の中のケッタイな人たちをたくさん見つけることができ、人間関係をもっと楽しめるようになるはずです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「年齢軸からの脱却の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(35)年齢軸からの脱却の法則
・年齢をよく聞く人は、無意識のうちに年齢で人を判断している
・年齢軸で判断できない人に出会っても年齢で結論づける危険な癖がある
・まず相手に年齢を聞きたくなったら、驚いて相手を褒めよう
・相手を認めれば、新しい判断軸が手に入れられる
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投稿者 鶴野充茂 : 10:28 | コメント (0) | トラックバック
2005年09月13日
[つるの式34] プロの付加価値とは
セミナーで時々、「プロってどんな人だと思いますか?」と聞いています。
(プロ野球選手などの「職業」を表す「プロ」ではなく一流の「プロ」ね)
すると、次のような答えが返ってきます。
「専門家」「1つの仕事を極めている人」
「人が真似できないクオリティの仕事をしている人」
「付加価値の高い仕事をしている人」
大体、何人かの後で、「付加価値」という言葉が出てきます。
じゃあ、プロの付加価値って一体何でしょうか?
どう思います?
私は、プロの付加価値って、「視点」なんだと思っています。
そして、その「視点」から導き出される「解釈」です。
つまり、他の人が見えていないところを見ていること。
それをどう捉えて仕事に活かしているかということ。
人が真似できないクオリティの仕事をするには、徹底的なこだわりや
細かい調整や、結果につなげる継続力が必要ですよね、きっと。
それには、フツーの「締切りに間に合わせなきゃ」「早く仕上げて飲みに行こう」
「こんなもんで客は納得してくれるかな?」だけではない、
何か別の視点が必要なのじゃないかと。
ある「プロ」のカメラマンがこんなことを教えてくれました。
「素人でも条件が良ければ良い写真は撮れるけど、
プロは条件が悪くても良い写真を撮る」
これが本当なら、与えられた条件の中で、何をどうすれば良い作品になるかという
数多くの視点を持っているということです。
たとえば、弁護士って、専門家と言えるかもしれませんが、それだけではプロかどうか分かりませんよね?
ちょっと思い出してもらいたいのですが、これまで長らく、テレビに出てくる弁護士は
一番組で一人でした。
仁鶴の生活笑百科も一人、えぐら開運堂でも一人です。
おそらく多くの視聴者は、テレビに出てくる弁護士を見て、
彼らを専門家と見ることはあっても、
プロと見ることはあまりなかったのではないでしょうか。
弁護士=「基本的なルールを知っている人」だったからです。
一方で、「行列のできる法律相談所」っていう番組があります。
弁護士が4人、出てきます。
彼らは、1つのテーマに対してそれぞれ違う「解釈」を話します。 オリジナルの解釈です。
同じ事例の同じビデオを見ても、解釈が違うから答えが分かれます。
結論(答え)は同じでも解釈が異なることもよくあります。
番組としての面白さは、キャラクターの差とトークのやりとりから生まれていますが、
じゃあ、自分がどの弁護士に相談したいかと聞かれたら、
仮に、必要な基本知識はみんなが持っていると仮定するとあなたなら、
何を重視して決めますか?
私なら、その人がどんな判断軸を持っているかという「視点」と「解釈」を頼りに決めるような気がします。
そこには経験や得手不得手、個人の価値観がすべて反映されているからです。
ということは、私はその「視点」と「解釈」に価値を感じてお金を払おうとしていることになるわけなんですね。
言い方を替えると、やっぱりそれがプロの付加価値なんじゃないかと。
じゃあ、この観点で考えると、誰か「プロ」を探す時、逆にどうやって自分にとっての付加価値の高さを見極めるか。
「この問題で一番大切なことって何ですか?」
って聞いてみてください。
どこを見ているかが分かれば、「あなたにとっての付加価値の高さ」が一発で分かります。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「付加価値づくりは視点づくりの法則」と呼びます。
新たな視点づくりのためにランキングもカテゴリー変更しました!
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まとめ: つるの式(34)付加価値づくりは視点づくりの法則
・ 専門家が必ずしもプロというわけではない
・ 付加価値は相対的なもの、その人が生み出す新たな価値
・ 経験や得手不得手、人間性などがすべて表れるのが「視点」
・ つまり視点が付加価値につながっている
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投稿者 鶴野充茂 : 12:17
2005年09月11日
メール講座
このたび、毎日コミュニケーションズの毎日キャリアナビに連載していた「最高の仕事 獲得プロジェクト」が個別配信できるようになりました。つるの式コミュニケーションメソッドに次いで2つめのメール講座として登場です。完全無料、イヤになったら配信解除自由のリスクフリーです。
「最高の仕事 獲得プロジェクト」の登録はこちらからどうぞ。
「つるの式コミュニケーションメソッド」の登録はこちらからどうぞ。
ただし! 現在、プログラムの動作を確認中のため、本当にきちんと配信されるかをテスト中です。うまく届かなかったり、複数まとめて届いたりしても笑って許してくださいね。
投稿者 鶴野充茂 : 23:21 | コメント (0) | トラックバック
2005年09月05日
[つるの式33]ダメだマンに要注意
ビジネスで成功している人や、名前が売れてる人たちと話をする時に、
もう一度会おうと思う人と思わない人の差は? という質問をよくします。
きっと、彼らのところには、「会いたい、会いたい」って日々たくさんの
人たちからラブコールが届いているはずなので、どういう風により分けて
いるのかな、と思って。
質問の意図は、その人の独自基準を知ることです。
何か独特の人の見分け方があるかな、と期待しつつ。
しかし、どういうわけか、答えが1つの言葉に収束します。
それは、「自分らしく生きてる人かどうか」。
もちろん、その人それぞれ表現する単語は違うのですが、大体、こういう風
に返ってきます。
私はこれにはちょっとした、でも重要な理由があると思っています。
それは・・・
そういう成功している人たちは、過去にどこかで平均的な進路から離れて、
「あんな生き方は絶対ダメだ」とか「うまくいかないよ」なんて言われてきた経験を持っています。
そう、世間から認められずに孤独で不安な時期がある。
その中で、自分を信じて、自分で考え抜いたアイデアをを繰り返しテストしながら
今、自分自身が「自分らしく」生きている。
だから、自分と同じニオイのする人には興味を持つのだと思うんですね。
一方で、普段、電車やらレストランなどで隣近所の会話を聞いていると、世間には圧倒的に「ダメだマン」(女性形は「ダメだサン」)が多いこと気づきます。
ダメだマンというのは、「彼のこういうとこがダメだな。こうすべきだ。」「あの人のこういうところが嫌い」という人のこと。
何かの目的を達成するために、改善を促すダメ出しは良いと思うのですが、ダメだマンの特徴は、「自分が理解できないからダメだ」ということです。
それって、つまり、平均値を求めてるんですね。
やっかいなのは、こういうダメだマンの言葉って、影響を受けやすいことです。
つい、「やばい、直さなきゃ」と思ってしまう。
でも、この時、クッと我慢して考えてみてください。
そう、路線変更する前に。
ひょっとするとそれは、「あなたの味」かもしれない。
それが特長になって、独特な世界観をつくっているかもしれない。
これと同じように、誰かにアドバイスを求める時には、「ダメなところを教えてください」なんて言わず、プラスアルファのお勧めを聞いてください。
個性は引き算より足し算で輝きます。
ちなみに、私が今までで言われて嬉しかったのは、
「こういう所がいいですね。すごくいい」と褒められて、理由を聞くと、「他と違うから」と独自路線を認めてくれたこと。
独特な世界観をのばしてくれる人ってサイコーですよね。
だって、平均から外れていて(それを自分で認識していて)本人は不安なんだから。
そんな風に見てくれる人とは、何度でも会いたい、ずっと付き合いたいと思いますね。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「ステキな個性は足し算の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(33)ステキな個性は足し算の法則
・ 世の中にはダメだマンが溢れている
・ 彼らのダメ出しには注意しよう
・ 長く付き合いたいのは、自分の独自路線を認めてくれる人
・ 相手の個性をさらに伸ばすアドバイスをすればいい関係になれる
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少しでも、なるほどねーと思ったらクリック: ランキングを確認
投稿者 鶴野充茂 : 16:27 | コメント (0) | トラックバック
2005年09月02日
無料!メールで届く「つるの式」
当ブログの筆者、鶴野充茂がコツコツ書いてきたメルマガ「つるの式コミュニケーションメソッド」を1ヵ月間の個別配信で読むことができるようになりました。創刊号から第30号まで(増刊の可能性有り)が毎日1つずつ届きます。
完全無料で、イヤになったら途中で配信解除もできます。バックナンバーの公開をしていないレアもの(??)ですので、ぜひこの機会にご登録ください。
ただし! 現在、プログラムの動作を確認中のため、本当にきちんと配信されるかをテスト中です。うまく届かなかったり、複数まとめて届いたりしても笑って許してくださいね。
投稿者 鶴野充茂 : 11:34 | コメント (0) | トラックバック
2005年08月30日
[つるの式32]1つに決めよう
皆さんは、「包含表現」と「抽出表現」という言葉をご存知ですか?
知らなかったら、ぜひ覚えてください。きっと人間関係が今よりもちょっと豊かになるはずです。
たとえば、「どんな仕事をしているんですか?」と聞いて、こんな返事が返ってきた経験はないでしょうか?
「いろいろです」
一言ですべてをカバーしようとすることから、こういう表現を包含表現と呼びます。
きっと、本当に「いろいろ」なんでしょう。メールを書いたり、電話をかけたり、上司からの指示を受けたり。想像できますよね。外で打ち合わせして、営業みたいなこともあれば、一日パソコンの前にいることもある。まったくもって一言では言い切れない。
日々、われわれは言葉を選ぶ上で、できるだけ「適切な表現」を気にするあまり、こんな風に曖昧すぎて、聞いている方はよく分からないことがよくあります。
あまりに正確さに気を使いすぎると、相手の関心を引くことは難しいし、相手の記憶にも残りません。
面白い人間関係を構築しようと思ったら、まずは自分の魅力や面白さで相手の興味を引く必要があります。
こういう時に使うのが、「抽出表現」です。
「抽出表現」とは、正確さではなく「印象」を重視した表現のことで、あいまいな言葉ではなく、具体的で象徴的な言葉を使います。
これを意識的に使うことによって、会話に広がりが生まれるのです。
活用法は「いろいろ」あるのですが、まずは、常にトピックやテーマを「1つに決めること」を意識してみてください。
たとえば、
・「今回の選挙の争点は、郵政民営化です」
・「今、伝説のホテルを作ろうとしてるんです」
・「商売で最も大切なことは笑顔です」
何だっていいんです。とにかく1つに決めてしまえば。
誰でも「他にもいろいろある」と分かってるんですよね。それでも、話題は1つずつしか進められません。
(そして、大抵の場合、あなたの目の前にいる人は、あまり細かいことを知らず、また、知らなくてもいいのです。)
だからまず具体的な何か1つを選ぶのです。
それで、
「え、何ですか、それ?」
と言ってくれたら、目的達成です。
人は興味のあることしか聞いていません。だから、まず興味を引く。そして、その後にゆっくり「いろいろ」話せばいいんですね。
ある時、「どんな仕事やってるんですか?」と聞いて、「おじさん向けに保母さんをやってます」という女性に会いました。
「え、何それ」と聞くと、
「わがままなおじさんたちが機嫌よく働けるようにあらゆることをする保母さんみたいな仕事」と答えてくれました。
「つまり、フツーの事務です」と。
シャレてますよね。特徴的な一部分、一側面を抽出して、印象付ける。それで相手の興味を引いてから説明するわけです。
すべてを一言で表現するのではなく、一番初めの一言を決める、と言ってもいいでしょう。
ちなみにその後、私は「おじさんたちを機嫌よく働かせるコツ」をたっぷり聞かせてもらいました。
表現は、その人の視点や発想を如実に表します。他にもいろいろあるけど、自分はこう見ている、これこそが大切と、まずはじめに語れる1つを選んだ時、あなた自身の姿がその一言を通して浮かび上がります。このメッセージの伝達力はとても強力です。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「抽出表現で一点突破の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(32)抽出表現で一点突破の法則
・ 正確さ重視の「包含表現」と印象重視の「抽出表現」がある
・ 包含表現のみでは会話に広がりが出ないことが多い
・ 抽出表現を使い、まず話題を1つに絞って相手の興味を引こう
・ 興味を引ければ、後でゆっくり楽しく話せる
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尚、包含表現と抽出表現というのは、つるの式オリジナルですので、皆さんが知らなくても当然です。ご安心ください。
投稿者 鶴野充茂 : 20:38 | コメント (0) | トラックバック
2005年08月24日
[つるの式31]質問リストを用意しよう
白馬に乗った王子様が現れるのを待っているという話は聞いても、白馬の王子様が現れた時のためにどんな準備をしているか、という話は聞いたことがありません。考えてみたら不思議だと思いませんか? 客人が来る前には家の掃除くらいしますよね? 今回は、出会いのための準備について考えてみます。
たった一人の人との出会いで人生が変わった、みたいなことを言う人はよくいます。あなた自身が、そんなドラマチックな出会いを実際に経験したことがないとしても、どんな人とどんな付き合いをするかで、人生が大きく変わる可能性があることをおそらく疑ったりはしていないはずです。
実際、われわれは日々付き合っている人たちに影響を受け、無意識のうちによく似た口癖や発想を身に付けています。同じ業界で働く人には同じニオイを感じることってよくありますよね。
それだけ「出会い」が自分自身に影響を与えることを知っているわけですから、少なくとも、「ちょっとしたきっかけ」があったら、それを「運命の出会い」に自分でつなげる工夫をしてもいいんじゃないでしょうか。
そのために何ができるのか。1つの方法は、質問を予め用意しておくということです。質問に対する相手の答えはその時によって変化するでしょうが、質問を準備しておくだけで話のやりとりがある程度、コントロールできるようになります。
ここでの工夫としては2つあります。1つは、相手に気持ちよく話してもらうこと。もう1つは、普通の人との違いを引き出すことです。
こういう準備をしていないと、ジェネラルで浅い話に終始してしまう場合がとても多いのではないかと思うのです。仕事内容や会社の紹介をして終わり、みたいなね。これだとよほどの必然性がなければ次に会うことはなかなかありませんよね。仕事や会社で反応しなければ、新しい付き合いが始まらないわけですから。
個人的な関係を築いていくためには、まず自分に興味をもってもらう必要があります。それにはまず相手の話を聞くことです。優秀な営業マンが自分の商品のことを話す前に相手のことを聞くのと同じです。
人は気持ちよく自分の話をすると、次に相手のことを知りたくなります。
気持ちよく話してもらうために、感触を確かめながら、相手の話したいことを聞くようにします。
この時、自分のよく知らない、興味もない話が出てくることがあります。
たとえば、ゴルフに興味がない人にとって、いくらスコアの話を熱心にされても反応できない、という人もいるでしょう。酒が飲めない人にとって焼酎の話はなかなかノっていけない話題です。
そういう場合でも、3回くらい、よく分からなくてもできる質問を用意しておきます。初心者のためのアドバイスを求めるとか、ハマるきっかけになったこととか、楽しい時間を思い出させたり、自尊心をくすぐるような質問がいいですね。
そして、少しずつ自分の興味に合う話題にシフトしていき、相手の特殊性を見つけるようにします。何かで成功しているとか、特別なスキルや経験があるとか。
そういう部分が1つでも見つかれば、次に「改めて会いましょう」という理由になります。相手の特殊性を引き出すことで、自分にとって、相手から何を学ぶのか、どんな関係を築くのかを考えるきっかけにもなります。
あなたは特別だからぜひもう一度会いたい、と伝えると相手にとっても嫌な気持ちにはなりにくいはずです。もちろん、自分自身が特別だという話のネタも同じように準備できると、対等の関係でスタートしやすくなりますね。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「運命に変える出会い演出の法則」と言います。
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まとめ: つるの式(31)運命に変える出会い演出の法則
・運命の出会いを待つより日常の出会いを運命にする工夫をしよう
・まずはいつでも使える質問を用意することから始めればいい
・相手にきもちよく話させ、相手の特殊な持ち味を引き出そう
・それが見えれば次に会う理由になる
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投稿者 鶴野充茂 : 14:20 | コメント (0) | トラックバック
2005年08月20日
[つるの式30]言われて嬉しい褒め言葉
人をうまく褒めると、関係が深まるきっかけになります。
自分を高く評価してくれる人には、親しみを感じやすいからです。
自分がめざしている方向性を認めてくれるなら、なおさらです。
楽器がうまくなりたいと思って練習している人に対して、久々に演奏を聞いた後に「うまくなったねー」と言うと、とても喜びます。
この心理を知ってか知らずか、六本木あたりの飲み屋で外国人が、「Oh, your English is very good.」なんて言いながら日本人の女性を口説いている姿をよく見かけます。(しょっちゅう聞くフレーズなので、きっと効果があるのでしょう。)
なので、褒め上手な人は、相手がどんな目標を持っているか、どんな人になりたいと思っているかを踏まえて、そこを褒めます。
そして、もう1つ、褒めるツボがあります。
それは、本人が気づいていない、その人の価値、良いところを褒めることです。
ただし、ここでちょっと注意があります。よく「ナンバーワンよりオンリーワン」なんて言いますよね。そーだそーだと思う人が、よくカラオケで「世界に一つだけの花」なんてのを歌っています。
誰でも自分独自の価値を認められたいものなのかもしれません。
でも、オンリーワンって、褒めるのは難しいんですよね。だって、オンリーワンということは、比較する対象がないから、何がどれだけすごいのか表現できないわけです。珍しい、ということはできますけどね。
そんな独自性を認めてもらいたい人でも、褒められて嬉しいのは、実はオンリーワンよりナンバーワンというポイントです。
誰よりもすごい、と言われると、間違いなく自尊心をくすぐられます。
だって、一番ですよ、一番。たとえば「あなたが世界で一番好き」って言われたら嬉しいじゃないですか。明らかに「あなたが結構好き」よりも強い。
一方で、ナンバーワンと言うからには、評価軸を選ばねばなりません。つまり、何で一番なのかを考える必要があります。
一番・・・つくる餃子が美味しい? 一番・・・価格交渉がうまい? 一番・・・めだかに詳しい? 一番・・・うなじが色っぽい? 一番・・・???
何でもいいのですが、褒め言葉なので、価値があることを伝えてくださいね。
で、そういう場合にとっておきのフレーズがあります。
それは、「あなたは、今まで私が会ってきた人の中で、一番○○○な人だ! いや~すごいな」です。「○○○をやらせたら、たぶん世界一ですね。いや~驚いた」というのでもいいです。
ちなみにこの○○○には、自分ならではの「解釈」や「認識」を入れるようにします。これ、とても大切なポイントです。
よくこんな言い方をする人がいます。
「すごいですね、年収2000万円なんて」
「すごいですね、東大出てるなんて」
「すごいですね、社長なんて」
「すごいですね、本を書いてるなんて」
仮にこれが本当だとしても、こういうのは、相手の心にほとんど響かないんですよね。それは、単なる客観的な事実だから。今、あなたに言われなくても自分で知ってるから。その事実は変わらないから。
事実よりも、むしろどういう風に見ているかの方がコミュニケーション上は大切なのです。何で一番、何が一番、という言葉は、相手に対する自分の見方を伝えやすい表現であり、しかも言われないと気づかないことが多い。だから便利な言葉なのです。
そして、その見方こそが相手への評価であり、二人の関係性を決めていくものなのです。
また、仮に、何の一番かにピンと来なかったとしても、言われた方としては「そーか、オレは一番か」という言葉だけで強く生きていく自信になることもあるでしょう。 あなたへの印象だって悪くはならないはずです。(たとえ、このランキングが一番でなくても)
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「褒め言葉はナンバーワンの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(30)褒め言葉はナンバーワンの法則
・ 人は誰でも独自の貴重な存在として認められたいと思うもの
・ でも、言われて嬉しいのはオンリーワンよりナンバーワン
・ ナンバーワンは比較の対象があるから価値の高さを表現しやすい
・ どれだけすごいかという評価尺度が相手の気持ちをくすぐる
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投稿者 鶴野充茂 : 15:23 | コメント (0) | トラックバック
2005年08月17日
[つるの式29]名刺とティッシュは同じ?
うちの近所に、ちょっと美味しいピザ屋があります。薪窯で焼いたふっくらパンのような生地の、ちょっと薄めのピザ。モッツァレラチーズと焦げ目のバランスがとてもいいんですよね。
ピザって、私、たまに発作のように猛烈に食べたくなるんです。
なので、はじめのうちはそのチラシを保管しておいたんですが、この店、がんばっていて、2~3週間に一度くらいの頻度でチラシが入るので、そんなことしなくていいんだと気づいてから、気が楽になりました。
ゴミが出るという問題を除けば、「わざわざ保管しておかなくてもいい」「どこに置いたか探さなくてもいい」というのは、受け手に負担をかけなくて良いことだと思っています。
さて、そのピザのチラシを見ていて、名刺とメールの署名について思いを巡らせました。
名刺って、初めて会った人にだけ渡すものだと思い込んでいる人が多いですよね。
交流会などで顔を合わせて、「あれっ、前に渡しましたっけ?」なんて言って、せっかく差し出した名刺を引っ込めたりする人もいます。
「ああもったいない」。私はいつも思ってしまいます。せっかく目の前で自分の存在を再び相手の記憶に刷り込めるチャンスなのに。
相手に名刺を渡すのは、その時の会話のきっかけのためです。前に会ったことがあるかもしれない、名刺交換しているかもしれないけど、あまりよく知らない相手なら、改めて名刺を渡して記憶を新たにしてもらったらいいじゃないですか、ねぇ。
大切なのは、過去に名刺を渡したかどうかではなくて、今、その場で相手に名刺を見てもらいながら会話をすることです。
2枚目でも3枚目でも、「あーそーだそーだ、以前、お会いしましたよね」とか言って、(本当は覚えていなくても)もう一度名刺を見ながら名前を確認できるし、名刺入れからもらった名刺を出す時に再び名前を見てもらえる可能性が高いわけです。
ぜひ、同じ人に何枚でも自分の名刺を渡してほしいと思います。
もう1つ。今度はEメールの署名です。
皆さん! メールの署名をつける事を、強くお勧めします。いや、ちょっと言い方を替えます。署名は相手への思いやりです。手間なんてちょっとです。凝らなくていいです。名前(漢字で)とメールアドレス、電話、そして組織名。それだけでいいです。ぜひ署名を付けてください。
どうしてかというと、
まず、返信を書く時に相手の名前の漢字に確信がもてない時がよくあるからです。
メールアドレスの設定のところに書いてある名前はアルファベットの人が多いでしょ? そうすると、漢字で名前を書かないと、返信する時に「本当にこの漢字で正しかったかなあ」と不安になるし、確認するために余計な時間がかかります。
鈴木さんなら、ほとんど間違いないだろうけど、渡辺さんだと思っていた人は本当は渡邉さんか渡邊さんかもしれない。さいとうさんなんて、斉藤なのか斎藤なのか、はたまた齋藤なのか確信がもてない。
大体、そういう人に限って、メールの本文でもひらがなで名前を使います。
「こんにちは、わたなべです」なんて。
読み方はいいから、漢字を教えてよー。
そんなの、大したことじゃないよ、と言うのは本人だけです。書く方は失礼のないようにと気を遣ってしまうものです。こういうのが意外とストレスです。
次に、メールじゃ説明が難しいから電話したいと思う時があります。
そうすると、メールに電話番号を書いてないと名刺を探すことになります。
自慢ではありませんが、私の名刺ボックスは無限の宇宙です。どんどん増殖するので探すのも一苦労です。それで、電話を断念して長いメールを書くことがよくあります。電話番号と組織名があれば、電話で本人にアクセスするスピードが飛躍的に上がります。
意外と忘れやすいのが、メールアドレスです。
これには2つの意味があります。
1つは二次利用。携帯や別のところ(名簿とか)にアドレスをコピーする時には、発信元のメールアドレスだけでは意外と手間がかかります。携帯でメールを受ける時なども本文にメールがあると画面切り替えをせずに確認が楽で助かります。
もう1つの意味とは、別メールのアドレスを書ければ書いておく、ということです。
会社の外からはアクセスできないのに、急ぎのメールだと思って返信したら、返事がなくて、不安になって電話をしてみると、「休暇中です」「メールは確認していないと思います」なんて言う人がけっこう多くいます。
ワークスタイルは個人の自由ですが、もし、会社のアドレスは会社でないと見られないというなら、せめて週末や休暇中でも「確認しようと思えばできる」メールアドレスを1つくらい書いておいてほしいものです。1つでいつでもどこでも見られるならいいんですけどね。
そういえば、この発想は、駅前で配っているティッシュと近いものがあるかもしれません。家にあるのは分かっている。でも、今、必要なのだ。だから、ください、と手を出してしまう。それがティッシュですよね。
名刺や署名も、後で確認すれば分かるけど、今、このコミュニケーションの最中に確認するためにご用意ください、という感じでしょうか。受け取る側からは、なかなか言えないから。
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まとめ: つるの式(29) 常に自己紹介の法則
・ 久しぶりなら名刺を渡そう、メールには署名をつけよう
・ たったそれだけで確実に、自分の名前を確認してもらえる
・ 自分とのコミュニケーションで相手のストレスを軽減する効果もある
・ こんな簡単なことで相手との関係が強化できれば儲けモンだ
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投稿者 鶴野充茂 : 10:50 | コメント (1) | トラックバック
2005年08月15日
[つるの式28]まず「すごい!」と言ってみよう。
セミナーをやっていて、あることに気づきました。それは、「セミナーの満足度が高い人はスキルアップの速度が速い」ということです。
大体、そういう人はセミナーの最中もニコニコして聞いています。好奇心に溢れた目をして、「えっ、じゃあ、こういう時はどうなんですか?」と一生懸命聞いてくるんです。
ここで出てくる疑問は、こういう満足度の高い人は、満足度が低い人に比べて、もともとそのテーマに関する知識が少なかったのではないか、ということでしょうか。
あくまで感覚的なものですが、私は満足度と知識の差にはあまり関係がないと見ています。
どうしてかというと、満足度が低い人は、新しいことをあまり学べなかった、と言っているのかもしれませんが、スキルがすでに備わっているかというと、充分ではないことが多いんです。また、満足度が高い人にその理由を聞くと、「新しいことを学んだ」というよりも、「確認できた」「改めて考えることができて良かった」と、自分の中での復習を挙げるのです。
つまり、「知っているかどうか」よりも、「受け入れる気があるかどうか」の問題ではないか、と思うんですね。
素直な人はとりあえず何でも勉強するぞ、という気持ちで情報を受け入れます。それで、言われたとおりに信じてやってみる。結果的に、できるようになるのも早い。
それに対して、満足度の低い人は、「期待していたことと違う」「そんなの知っている」と自分で理由を付けて、情報が入ってくるのを心理的にブロックしてしまっているんです。せっかくお金と時間を使って参加しているのにもったいないですよね。
この差はとても大きいんです。
新しい情報かどうか、というのはこの場合、実はあまり重要ではないのかもしれない。それよりも、その時に出てきた情報を自分に「受け入れるかどうか」「取り入れるかどうか」の方がもっと重要なのかもしれない。どこかで聞いたことがあっても、「同じことを聞いたということは、改めてしっかり学ぶべきかもしれない」「今、もう一度、確認すべきことかもしれない」と考えてみよう。
満足度が高くて、知らない間にグッとスキルを伸ばしている人たちを見ると、よくそんなことを思います。
さて、それを踏まえて、日頃から吸収力を高めるお勧めキーワードが1つあります。それは、「 すごい! 」です。
とにかく何かを見たり聞いたりしたら、まず「すごい」と言ってください。
で、「すごい」と言ったからには「何がすごいのか」を説明しないといけないので、一瞬の間にその理由を考えて伝えるようにします。
この練習を繰り返していると、本当にどんなことを見ても聞いてもすごいと思えてくるから不思議です。(まずは信じてやってみてください)
この時、目をちょっと大きく開きながら「すごい」と言うのがコツです。目は感情を表すもので、「すごい」と言っているのに目の表情が変わってなければ、ウソだと思われるからです。
ちょっと突飛な発想のように思うかもしれませんが、続けているうちに相手の気がつかない良いところをアドバイスしてあげたりして、知らない間に相手を喜ばせています。
相手を喜ばせていると、自分の周りにも自分を喜ばしてくれる人が増えてきます。(人は似たような人と仲間になりやすい)
何よりも、「すごい、すごい」と言っているちに、無理やりでも「良いところ」を見つける習慣がついて、自分自身がどんどん前向きな発想ができるようになります。
そうすると、セミナーでも人との出会いでも、何でも楽しめるようになるんです。
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まとめ: つるの式(28) 結論先決めの法則
・ 満足度が高い人は、はじめから満足しようと決めている
・ 結論を先に決めているから、結論につながるプロセスを歩んでいる
・ 「すごい」と言うことを習慣にすれば、「すごい」理由が見えてくる
・ そのうち前向きな人を集めて自分も前向きな発想ができるようになる
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投稿者 鶴野充茂 : 07:30 | コメント (2) | トラックバック
2005年08月08日
[つるの式27]余計なことをもっと書こう
効果的に伝える上で、簡潔にまとめる、というのは大切なことです。でも、いくら事務連絡とは言え、メールで用件しか書かない人は本人が意識するかどうかは別にして、結果的に損することも多いのではないかと思うのです。
私は仕事上、よくイベントの告知をするのですが、参加申込みの手間と分かりやすさを考えて「参加したい人は『○○に参加希望』と書くだけでOK」なんていう表現で、参加者を募っています。
そうすると、5%くらいの確率なのですが、本当に『○○に参加希望』とだけを書いたメールを送ってくる人がいます。他にはホントに何も書いていない。
こういうメールを受け取るたびに、思わず体の力が抜けてしまいます。
こういう人は、別に間違ったことをしている訳ではありません。求められた指示に従って正しい反応をしています。でも、確かに反応は正しいんですが気がつかないところで、きっとチャンスも失っていると思うんですよね。
なぜかと言うと、そのメールは「人」が読んでいるからです。他のメールと同じように、順番に読み進めていて、突然現れた一言の用件のみのメールを見たら、一体、あなたならどんな風に感じるでしょうか。
私の場合は、まず「あなたは一体誰?」と思って差出人を見ます。具合の悪いことに、大体こういう人は、署名を付けていないんです。しかもメールアドレスの設定のところにフルネームがあれば良い方で、漢字で名前がつけてある確率はかなり低いんですね。仮にアルファベット表記で名前があったとしても、視覚的に名前を認識できないから記憶への定着が悪いんです。
で、なんとか「誰からのメールか」問題が解決したら、次は「一体、これは何の件だっけ?」という問いに対する答えを、記憶の中から必死に呼び起こします。「○○と書くだけでOK」なんて自分が書いたのが悪いのですが、慌てている時はよく混乱してしまいます。
そんなこともあってか、最も簡潔に書いてあるメールは、対応するのも最も後回しになります。
この私の感覚が平均的なのかは分かりませんが、こんな話があります。
某ネットベンチャーを経営する後輩は、「求人の応募フォームのコメント欄に何も書かない人は面接に呼ばない」と言いきります。書き込みの情報しか判断される材料がないのに書き込まないというのは、やる気が見られない、と。ネット上のコミュニケーションが主体の自分たちの仕事で、コレは致命傷になる、こんなところで差が出ることを認識できない人は困る、と言うのです。
また別の知り合いは、メールに書き添えた「追伸」が気に入られて有名人に直接会うことができた経験をきっかけに、今では関係を発展させたい相手にメールを書く時にはいつも本文よりも長い追伸をつけるそうで、彼曰く、この手は「かなり効果的」と最近、自信をあらわにしています。
さらに別の知り合いは、必ず書き出しを感謝の言葉で始め、次に相手を褒めてから本題に入り、最後に、近い将来の楽しい期待をまとめます。「今度、お会いする頃にはきっと○○ですね」みたいな。毎回同じような形式なのですが、これがなぜか印象に残りやすいんです。
こうした例を考えると、メールというのは単なる意思表示や事務連絡の手段だけではなくて、コミュニケーションのきっかけにもなっているのだと分かります。実際、こんなちょっとしたやりとりの中で、「会おう」と思う人が出てきたり、まだ会ったことはなくても何か気になる存在になったりするわけですからね。
仕事上のメールは基本的に必要最小限の用件でやりとりされることが多いだけに、ちょっとした個人的な「味」が入るだけで、受け取る方も感性が合えば、思わず反応してしまうのかもしれません。
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まとめ: つるの式(27) 一言多い独自性の法則
・ 常に簡潔が良いというわけではない
・ 用件しか伝えないことでチャンスを逃す場合もある
・ 用件を伝える時に相手の情動を刺激する工夫をしてみよう
・ 少し言葉を足すだけで相手の記憶に残る個性になるかもしれない
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投稿者 鶴野充茂 : 23:30 | コメント (0) | トラックバック
2005年07月26日
[つるの式26] 妄想が関係を育てる
出会いがない、と口癖のように言う人は、きっと無駄遣いの多い人です。
我々は日々、意識しているかどうかは別にして、意外とたくさんの人と会って話をしています。よく「出会いが少ないのよねー」なんて言う人がいますが、外を出歩いている限り、人との出会い自体が少ないのではなく、人との出会いや関わりを「意識すること」が少ないと言う方が正確な場合が多いのではないでしょうか。
私の場合、仕事のアポを無視しても、コンビニのレジでバイトしてる兄ちゃんや郵便局や銀行の窓口の人、ランチで寄った寿司屋の大将や弁当屋のおばちゃんとは最低一言、二言の言葉を交わします。駅前で勧誘を受けることもある。これに仕事の関係者が加わると数え切れないくらいの出会いがあります。
仕事の関係者は抜きにすると、「そんなの所詮、その場限りの他人じゃないか」と思うかもしれません。
でも、家族以外は誰でも始めは他人ですよね。近くに住んでるからご近所さんとか、同じ学年にいるから同級生とか、仕事で関係しているから同僚とか取引先なんて言って、自分で勝手に意識して意味づけして「出会い」を「関係」にしているのです。
つまり「接点」を「出会い」だと意識することができるかどうかは、結局のところ自分自身の認識なんですよね。
さらに、私は初めて会うことだけが出会いじゃないと思うんです。
毎日、顔を合わしている同僚の、ちょっとした意外な側面を見つけた時や何気ない会話の中で何かに気づいた時も、それは自分にとっては出会いなんじゃないかと。
たとえば、会社の顔とプライベートの顔が違う人って結構増えてる気がしませんか? 積極的にブログで何か専門分野の情報を発信していたり、趣味の活動をしていたり、会社の外ではカリスマ扱いされている人もいる。知らなかったその人を知ることは新たな出会い。また、商談中に「あっそうか! こんな風に協力すればうまくいくかも」なんて気づけば、それも新たな出会い。
じゃあ、そういう「出会い」を増やすにはどうすればいいか。
キーワードは、「妄想」だと私は確信しています。
つまり「勝手に相手との関係を頭の中で具体的にイメージする」ことです。
これはもう、1つのトレーニングとして捉えていただきたいのですが、まず、自分と接点のある人は、全員、自分と会うべくして会った人たちだと考えるようにする。つまり、接点のあった人全員と「関わりを持たねばならない」と考えてみる。
次に、どうして目の前にいる人が自分と会うことになったのか、その意味を考える。
で、ここからが妄想です。その人と、一体どんな関係に発展できるのかをいろいろ妄想してみる。あるいは、その人から自分は何かを学ばなくてはならないとしたら、何を学ぶべきか。で、学ばせてもらったとしたら、自分からは何を提供すべきか。
そして妄想がいよいよ現実的になってきたら、成立しそうな関係を提案するわけです。宣言しなくても、態度で示せばいいですね。
そんなふうにしていたら、次々に「接点」が「出会い」に見えてくるようになります。
そう考えると、出会いというのは、妄想で意味づけする作業なのかもしれません。
そして、「出会いが少ない」と言う人は、そんなせっかくの接点を次々に無駄にしている人だと思えてくるわけです。
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まとめ: つるの式(26)始まりはいつも妄想の法則
・ 関係は自分の勝手な意味づけから始まる
・ つまり関係は自分で勝手に決めているのだ
・ ということは、出会いを増やすには、まず妄想が大切
・ それで相手との関係性が見えてくる
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投稿者 鶴野充茂 : 10:36 | コメント (0) | トラックバック
2005年07月20日
[つるの式25] 久々に会うならマジックテープだ
しばらくメルマガを書いていないことは気になっていたのですが、間があくと逆に書けなくなるもので、ついつい今日まで放っていました。
考えてみたら、こういうのは人間関係にもよくある話です。気がついたら長らく連絡をとっていなくて、何となく気になっているものの、自分が相手の記憶に残っているかどうかも疑問だとなおさら、「今日、連絡する必然性がない」という理由でそのまま疎遠になってしまうことって、ありませんか?
そこで本日のテーマです。
こういう時、どうすればその「細くなったつながり」をうまく太い関係に発展させることができるのでしょうか?
私は、仕事の人間関係には2種類あると考えています。それは、「業務上の関係」と「個人的な関係」です。
決まった場所で立場や役割が決まっている時にのみ成立する関係が業務上の関係で、自分が転職したり立場が変わったりしてもくっつけるような関係が個人的な関係。
言い方を替えると、業務上の関係というのは服のホックかボタンみたいなつながりで、個人的な関係というのはマジックテープみたいなつながりです。
で、この似て非なる人間関係は、久々に接触する時に再定義できるものではないかと思うのです。
つまり、前に会ったときは業務上の関係だったけど、この前会って話してからなんだか仲良くなっちゃって、個人的な関係になった、みたいなことが割と簡単に起こります。ということはある意味で、ご無沙汰しているということ自体が、仲良くなるチャンスにもなるわけです。
さて、久々に連絡した後に業務上の関係になるか、個人的な関係になるかの差は、意外と小さなところで決まってしまいます。
それは「会う理由」です。
人間関係に疎い人は、「○○さんの勤めている会社について知りたい」みたいな感じで接触してきます。マスコミで働いてるんだから芸能人のサインもらってよー、みたいなノリです。その相手に興味があるんじゃなくて、立場に興味があるというスタンスですね。
人間関係の広がりを考えるともったいないアプローチですよね。
たとえちょっと本音じゃなくても、「○○さんが詳しい◇◇について教えてほしい」みたいな言い方をして、その本人に会いたい、という姿勢で会うきっかけを作ると、相手としても何となく立場じゃなくて自分自身が認められた感じがしますから、個人的に心を開きやすいですよね。
久々に会おうとするきっかけなんて、些細なことが多いわけですから、気持ちにそれほど大きな差はないと思います。でもちょっとした表現の違いで、意図せずに「この人は業務上の付き合い」「この人は個人的な付き合い」と人間関係のモードを変えられてしまうとしたら、もったいないことです。
もっと言うと、どっちのスタンスで接触しているのかをはっきりできているかどうかが、受け手には重要なんですね。業務上の関係でもしっかりとした人間関係に発展させることはできます。仕事で必要なら好き嫌いに関係なく付き合うわけですからね。久しぶりに連絡があったと思ったら、よく分からない目的でどっちつかずのスタンス、というのが一番困るわけです。
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まとめ: つるの式(25)細くなったらマジックテープの法則
・ 久々に会う時は人間関係を再定義するチャンスだ
・ 立場ではなく相手の個性を求めて会いに行こう
・ するとマジックテープのような個人的な関係に発展させやすい
・ 間違っても目的が見えないアポの取り方をしてはいけない
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久々にランキングの活動も復活させますか。
投稿者 鶴野充茂 : 06:42 | コメント (0) | トラックバック
2005年04月01日
退職の挨拶で飛んでくる
最近、年度末ということもあってか、このサイトに「退職・挨拶」というキーワードで飛んでくる人がめちゃくちゃ多くて不思議に感じていました。(以前「毎コミ」の連載コラムで退職の挨拶について書いたためにそれが検索エンジンにひっかかっているようです)
この人たちは、退職間際でみんなの前で簡単挨拶スピーチをするための情報を求めているのか、
それとも、「このたびはお世話になりましたメール」を書くための情報を求めているのか、
あるいは、単なる「退職・挨拶」フェチなのか。(?)
結局、この疑問についてはまだ解決されませんが、最近、改めてこの退職の挨拶メールの体験を振り返って考えることがあります。
今年の1月、私が会社を辞める時、仕事でお世話になった社内外の「どうしても書きたい」約950人に1通ずつ退職の挨拶メールを送りました。まる3日間かかりました。
そのうち、100通くらいが不達で戻ってきました。つまり、会社を辞めている人がそれくらいいたということです。
で、250人くらいから返事が返ってきました。
熱いメールを送ると、熱いメッセージが戻ってくることが分かりました。
「今までずいぶんいろんな退職や異動の挨拶メールをもらったが、こんなに明るいものは初めてだ」とある役員からの返事や、「ぜひ一緒に仕事をしよう」というお誘い、「俺も辞めたいけど、辞められない。羨ましいなあ、がんばれ」という励ましなど、こんな時でしかやり取りできない本音がたくさん届きました。
返事を書ききれないくらいの返信メールを受け取ったとき、BCCで「一斉配信失礼します」とやらずに良かったとつくづく思いました。退職の挨拶メールをきっかけに、しばらく会わなかった人と改めて挨拶する機会を得たりしましたし、実際にビジネスに結びついた人も何人もいます。その後、私のセミナーにもたくさんの人が参加してくれました。
人の一生には、節目となる、とても大きなイベントが何度かあって、その時には多くの人が話を聞いてくれるように思います。たとえば、卒業、就職、結婚、離婚、退職。特に、「決断」を伴うものには強いメッセージ性がありますね。なぜ今か、なぜそう決意したか。そのあたりの本音を身近な人は聞きたいわけです。そんな時には、伝えた相手からの反応も得やすいですから、メッセージを伝える機会としても大きなチャンスと言えるのでしょう。
そんなわけで、退職の挨拶をこれから書こうという方は、せめて返事をもらいたい人だけには、Toで送ることをお勧めします。
(退職の挨拶について書かれている方にTBさせていただきました。退職の挨拶つながりということで、以後よろしくお願いします! 仕事を辞められた皆さん、お疲れさまでした!)
投稿者 鶴野充茂 : 20:05 | コメント (0) | トラックバック
2005年02月20日
[つるの式24] わざわざ優先順位が低いと言わない
人前で話をする機会が多い人は、割と似たような話をあちこちですることになります。本人としてはできるだけ新しい話を次々に出して行きたいと考えているのでしょうが、ネタを編集するにも時間が必要ですから、そんな日替わり弁当やベテランの落語家みたいにたくさんの種類を用意できる人は稀です。
こういう事情がありますから、人前で話す機会の多い人は、多かれ少なかれ、次のように考えながら喋っています。
「この話、前にもしたなあ。最近これ、繰り返してるよなあ。このお客さんの中にも以前同じ話を聞いたことがある人がいるかもしれないなあ。いや、多分いるなあ。見覚えのある顔も何人かいるしなあ」
そうすると次のような言葉がつい口をついて出ちゃうんです。言わなくてもいいのにネ。
「私がいつも言っていることなんですが」
「別のところでも言ったんですが」
「一部の方にはすでにお知らせしていますが」
これを聞いた人たちは、「昔から用意されている/続けられている話なのか」と思い、その後の話をあまり真剣に聞こうと思わなくなってしまう、という場合があります。
「昔から言っていること」を「今になってようやく聞くあなたたち」は「ちょっと遅れてるかも」なんて風に言われているように感じるからなのかもしれません。
どう思うかは別にして、これは明らかに「別にこの話はあなたたちのために用意した話ではない」と目の前にいる人たちの「優先順位が高くないこと」を伝えているようなものです。
話し手は、「同じ話を聞いたことがある人にはごめんなさい」とか、「この話は別に新しくないなあ」なんて考えながら言ってしまうのかもしれませんが、これって聞いている人には失礼な話ですよね。
テレビに出てくる政治家に、特にこんなことを言う人が多いのです。
目の前にいる人に、「新しい話ではないけど」と伝えるような言い方はしないようにしましょう。話す人は何度も言っていることかもしれませんが、目の前にいる人のほとんどは初めて聞く話です。さらに、以前に一度くらい話を聞いたことがあるとしても、それを言われるまではまず記憶に残っていると自覚していません。なので人前で話す方は、言いたくなっても、次からクッと我慢してください。
逆に言えば、目の前にいる人たちに向かって、とにかく「この話は今あなたたちが知っておくべきの本当に大切な話なんですよ。今のあなたのために一生懸命準備して、それで今回お話ししてるんですよ」という姿勢で話すことこそが、たとえ同じ話を聞く人がいたとしても、目の前にいる人たちに受け入れられる1つの大切なポイントなのです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「あなたへの大切な話の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(24)あなたへの大切な話の法則
・ 以前に別の場所で話したことを初めて聞く人たちに報告するな
・ バカにされているように感じることがある
・ 目の前にいる人たちのために話を用意したという姿勢で話そう
・ そうすれば真剣に聞いてくれる
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投稿者 鶴野充茂 : 11:50 | コメント (0) | トラックバック
2005年02月17日
2・16セミナー御礼
昨日、自己演出マーケティングの初めてのセミナーを開催しました。お集まりいただいた皆様、ありがとうございました。
やはり、発信するとたくさんのフィードバックを得られるので本当によかったです。内容をアップデート・改善しつつ、今後も続けていきたいと思いますので、今後ともよろしくおねがいします!
会場はこんな感じでした。
実は途中から胃が強烈に痛くなってたんですよね。ちょうどこの頃から。
参加者の目を見ていると、興味のあるところとないところ、他に別のことを考えている人などがよく分かります。
後ろの方だとスライドの下の方が見えにくかったですね。次回から改善します!
投稿者 鶴野充茂 : 18:52 | コメント (0) | トラックバック
2005年02月02日
[つるの式23] 苦手なあの人との関係
なぜ、人間関係の本がレジ前で一番売れているのか、ずっと考えてきました。
新宿・高島屋横にある紀伊国屋書店で買い物をすると、レジの前にずらっと実用書が並んでいるフロアがあります。私はいつもその中でどのテーマの本が売れているのかを確認しています。そして少なくともここ数年、季節に関わらず常に残数が少ない(つまり売れていると推測される)のが、「人間関係のお悩み解決」の本です。
人生の大きな悩みには、お金・人間関係(恋愛を含む)・仕事・健康の悩みなどがありますが、人間関係がもっとも直感的に本を読んでなんとかなりそうに思うテーマなのかもしれません。
というのも、レジ前は支払いの場ですから、ゆっくり立ち読みをする場所ではありません。そういう特性のある場で売れる本は、極めて直感的に「あ、今、私、コレ、必要ネ」とまるでコントで出てくる中国人の話し方のように反応してしまう課題なのではないかと。
仕事と人間関係というのは、切っても切れない関係です。仕事という立場や役割によってたまたま同じ空間、時間を共有しながら仕事をすることになった人々ですから、その中には必ずしも好き好んで付き合おうとは思わない人たちも含まれているでしょう。
それで時々「なんかちょっとあの人は苦手」なんて気持ちも持つのですよね。
そんな時どうするか。会話で違和感を感じる相手の場合には、ちょっとしたコツがあります。
この方法、生理的に受け付けない相手の場合は別ですが、とりあえず会話がぎこちなくてしっくりこないから苦手、という相手には効果があります。
それは、「息を合わせる」ということです。
会話がうまくかみ合わない時に相手と息(呼吸)のリズムを合わせるのです。
単純なことなのですが、なぜ話がかみ合わないかというと、リズムが違うからであることが意外とよくあります。
「息がぴったり合う」とか「息の合った二人」という表現は、やりとりのリズムがいい人たちを描写して使う言葉ですよね。心理学にも恋人同士や親友など気の合う人同士は話をしている間、一定の周期・リズムでうなずきやしぐさを繰り返していることが多いという実験があります。人間関係においてリズムは大切なのです。
人は、反応が読めない相手に対してストレスを感じやすいものです。そして、言動が理解不能な人のことを「あぶない人」と呼びます。
とりあえず反応を読もうとするには、まずリズムを合わせてみることです。
やり方ですが、息のリズムは相手の話している時に息を吐き、話し終わったところで相手と同じように息継ぎをします。
不思議なことに、自分が息継ぎをしはじめたところで話し始められると違和感、圧迫感を感じるものです。
まあ、呼吸に意識を集中するために相手の話を聞いていないと別の問題で話がかみ合わないこともありますが、呼吸のリズムで印象が変わるってちょっとした驚きがありますよ。
慣れてきたら、しっくりくるリズムやテンポを試してみてください。リスクフリーですぐにできる実験ですから。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「呼吸合わせの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(23)呼吸合わせの法則
・ リズムは人間関係にとって大切な要素
・ 仲の良い人同士はリズムが合っていることが多い
・ 苦手意識のある人と話をする時には呼吸を意識してみよう
・ 相手と呼吸のリズムを合わせることで会話のリズムができる
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投稿者 鶴野充茂 : 14:17 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月23日
[つるの式22] ここだけの話
「ここだけの話」というのは、パワーがあります。
「実はこれ、こんな事情があるの。誰にも言わないでね」なんて言われると、「へぇ知らなかった。うんうん誰にも言わない」と目を丸々しながら答えてしまいませんか?
対人心理学の本を読むと、モテたい人や友達を増やしたい人は、個人的な秘密を打ち明ければ良い、なんてよく書いてあります。
秘密を打ち明けられるということは、ばらしてはいけない情報を自分を信じて与えてくれたと感じてしまいやすいんですね。相手は自分を信じるというリスクをとって教えてくれているのだ、というのがまた効くわけです。
もっともこの時、相手をちゃんと選ばないと、個人的な話ばかり聞かされて重過ぎる、と逃げていかれる場合もあるというのが注意点でしょうか。
実はこれ、ビジネスでうまく活用できていない人がとても多いんです。
たとえば、お願い事。
「至急のお願い」なんてタイトルでメールが来るから、何かと思って開けてみると、結構、手間のかかるお願いが書いてあります。
打ち明け話と同じで、お願い事をされると自分を頼ってくれた、必要としてくれたという嬉しい気持ちがわきますから、その人と距離が近づくきっかけになります。頼みにくいお願いをされる方がどちらかというと仲良くなりやすいということもあります。
で、お願いはいいんです。自分にできることでしたら喜んで協力しようと思います。困った時はお互い様、私も何度も助けてもらいました。持つべきものは仲間です。
しかし、次のポイントを外すと、コミュニケーションがうまく行かないので注意が必要です。
1.「あなたにお願い」なのか「皆さんにお願い」なのかをはっきりさせる
メールを開いた時、○○様などと自分の名前が書いてない場合、私はまずメールのあて先を確認します。
そこで、自分の名前だけが「To」に入っている場合、これは自分に宛てられたものだと理解して、真剣に対応を考えます。
メールの「To」に自分の名前が見当たらない時(つまりBCCの一斉配信)あるいは大量の名前に紛れ込んでいる場合、これは「皆さんの誰か協力できる人に対するお願い」だと理解して、あまり気負わずに読みます。こういう時の気持ちの負担は軽いですね。
逆に言うと、頼める人が少なくてピンポイントでぜひお願いしたいなら、みんな一斉にお願いするのではなくて、一人ひとりに宛ててしっかりメッセージを込める方が、返信確率は上がります。
2.「あなたにお願い」ならそのスタンスを変えない
まずいのは、「あなたにお願い」というスタンスで頼んでおいて、しばらくたってから、「皆さん、ありがとうございました」とBCCの一斉配信でメールが届くケース。
まったく結果報告がないよりは良いですが、これ、なんだかがっかりしますね。別に自分以外にもお願いしているという事実が悲しい訳じゃないんです。それよりも、お願いする時には「あなただけ」と思わせ、用がすんだら「皆さんのお陰で」と急に距離が離れるのが寂しいんですね。
1人だけだと思って一生懸命協力すればするほど、「みんな相手」だと知ると、がっかりする気持ちもそれだけ大きくなります。
落胆させると次から協力を得にくいですからね。協力してくれる「心」を裏切ってはいけません。
それなら、お願いする時から「皆さんにお願い」とやってほしい。「あなたにお願いしたい」と言うなら、最後まで「あなたのお陰で」と言ってほしい。
確かに手間はかかるんですけどね、この手間は途中で省いちゃいけないところなんです。
・・・・・って、女の子に騙されて泣いたのは私じゃないですよ、知人です。(人生、何でも経験ですね、勉強になりますね)
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「スタンス徹底の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(22)スタンス徹底の法則
・ お願いをする時は注意が必要
・ 相手が大勢か一人だけかを相手に対してはっきりさせる
・ 1人ずつにお願いする時には、結果も1人ずつに連絡する
・ スタンスが変わると、協力してくれた人をがっかりさせる
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投稿者 鶴野充茂 : 17:12 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月16日
[つるの式21] あなたにはすでに見えている
毎年、同じ時期に決まった話題、というものがあります。それを前もって考えて準備しておけば、あなたは一気に注目を集めることができます。
たとえば、年始には多くの人が「今年の目標」を考えて、普段の会話の中に取り入れているのではないでしょうか? 最近はこういう話をblogに書いている人もたくさんいます。
そうすると、話題に乗り遅れて「今年の目標」に悩んだ人が、検索エンジンに「今年の目標」なんて入力して、いろんなサイトを見て回るんじゃないか?
と、そんな仮説を立てて、「今年の目標」を入力した人が私のサイトを見に来てくれるように、年明けにちょっとした仕掛けをつくりました。
その結果、このblogサイトが、Yahoo!で「今年の目標」というキーワードにひっかかるページ約20万件のうちのトップに表示されました(一週間くらいずっと1位です)。おかげで毎日たくさんの人が「今年の目標」というキーワードを入力して私のblogを見に来ています。
で、こういう一般的な話題は、少し前に「誰でもすでに見えている」わけなんですね。それをどういうふうに活かすか、というのを今回は考えてみます。
1月、年始の挨拶などで仕事の関係者と食事をすると、「健康」の話に収束するケースが多いですよね。
最近何キロ痩せたとか、太ったとか。本人は真剣・大切な問題なんですが、他人からすればどうでもいい話をしてしまいます。どのスポーツはいいとか、どの料理がいいとか。
また健康なんて話になると、誰でも提供できる身の上話がありますから、延々と続くわけです。腹筋や腕立て伏せの回数を自慢したり、歩くのがいいという結論になったり。
で、こういう話の展開が分かっている時には、ちょっと意外なネタを用意しておけば、相手の印象に残りやすいんです。また同じような話を別の席でもしますから、口コミにもなりやすい。ある意味、ネタを仕込むにはとてもチャンスな時なんです。
そんなタイミングが1年のうちにいくつかあります。年始の「今年の目標」で、「飛躍」だとか、「前進」だ、なんて決めた人は、これを逃してはいけません。
用意するネタは基本的に次の4つから考えればOKではないでしょうか? (他にもあったら教えてください!)
1.自分のオススメ
健康の話になった時、「今はとにかくコレを試すべきだ」というものがあれば、その情報を詳しくおさえておきます。どんな栄養素で、どんな効果があって、どこでいくらくらいで買えるのか。どの店が一番安いのか。「やけに詳しいな」と思わせたら勝ちで、「じゃ、今度サンプルでも送りますよ」という、関係性を次につなげるきっかけができます。
2.常識のウソを見つける
健康がテーマの場合には、○○は体にいいらしい、という一般に普及したイメージが、「実はウソ」という情報があれば、それもネタになりますね。注意したいのは、最後には必ず「それで何が本当? 何が体にいいの?」という別の情報を与えることです。「やっちゃダメ」と言われ続けると子供はストレスをためるのと同じで、「それはウソ」と言ったら、その後には「これは本当」という情報を提供しないと、相手はスッキリしません。
3.次の話題との接続話
話の展開は見えているわけですから、その続きで自分が伝えたい話にいかにつなげるかを考えておけば、生産性の高いミーティングになるはずです。本当は「今年こそ仕事をたくさん回して欲しい」と思っているなら、「健康」と「自分に仕事を回す」という話のつながりを考えていけばいい、ということですね。(どんな話を用意するかは皆さんが考えてください。意外性のある論理展開の方が効果的です)
4.面白い経験をオチまで組み立てる
経験談をうまく話に取り入れられる人は間違いなく印象に残ります。話が具体的であればあるほど、意外な結果になればなるほど、興味をもって聞いてくれます。それは必ずしも自分の話でなくてもいいんですね。とにかく面白ければいい。テーマが分かっているなら、ちょっとした小話を1つ2つ用意しておくことも難しくありません。
これくらい準備なら誰でもすぐにできるでしょうし、やれば話の流れはかなりコントロールできます。まずは疑わないで、お試しください。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「ネタでコントロールの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(21)ネタでコントロールの法則
・ 決まった時期に同じ話題が広がるタイミングはチャンスである
・ 予めその話題に使えるネタを用意しよう
・ ネタはオススメ、意外性、本音との接続、経験談の4つから選ぶ
・ うまく準備すれば、話の流れはあなたが握ったも同然だ
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以上、「つるの式コミュニケーション・メソッド」Vol.21でした。次回をお楽しみに。
お陰さまで、こっちも順調です!
投稿者 鶴野充茂 : 14:28 | コメント (0) | トラックバック
2005年01月08日
[つるの式20] 人の味
面白い人、思わず誰か他の人に紹介したくなるような人には、共通点があります。それは、「独特な味わい」です。他にはない雰囲気、という言い方でもいいかもしれません。
昨年末、名刺スキャナーを買ったことをきっかけに、名刺の整理をしていて、何年も前に一度会っただけなのに、その時何を話したか、顔の表情や印象などがハッキリと記憶に残っている人と、何枚も同じ名刺があるのに(しかも最近の日付が書いてあるとか)、あまり記憶に残っていない人がいることに気がつきました。
記憶に残っている人というのは、例外なくこの「味」がある人なんです。じゃあ、その「味」って一体何なのか、考えてみました。
そして、私なりにたどり着いた答えは、「こだわり」です。
この忙しい毎日の中で、何にお金と時間と手間と想いをかけているか。人の味というのは、結局この1点に収束されるのではないかと。
今の時代、ノウハウは数限りなくあります。売上を上げる方法、集客する方法、受験に受かる方法、恋人を見つける方法、結婚する方法、仕事を見つける方法、自殺する方法から電話で息子を名乗ってお金を巻き上げる方法まで。
やりたいこと(優先順位)をはっきり決めれば、あとは手段を探せばいいわけです。ゴールを自分で設定すること自体が、ゴールに近づく第一歩だということですね。
コストの削減方法もいくらでもあります。地方に住んで自給自足の生活をすれば、現金はほとんど必要ないかもしれない。都会暮らしでも、学生時代のように(私の場合)豚肉のこま切れとモヤシを食べていれば、かなり節約できます。実家から野菜やみかんが送られてくる人は人生の半分を保障されているようなものです。
仕事探しだって便利な方法はいくらでもある。ネットで探してネットで応募して、あるいは在宅でできる仕事を選べば、家を出なくても人と会わなくても生きていくことはできるかもしれません。皆さんの中でも、会社勤めの合間に株と為替の運用で、あるいは最近ならアフィリエイトやヤフオクで、時間をかけずにそこそこの小遣いを稼いでいる人は大勢いることと思います。
そんな毎日の生活で、何を選び、何にお金や時間や手間や想いをかけているか。それが結局、その人のメッセージ、「その人自身」なのではないでしょうか。
印象の強い人は、どちらかというと、その力の入れ方に特徴が強く出ている人ですね。何かの趣味にめちゃくちゃお金をかけているとか、プライベートの時間の8割を何か1つのことに使っているとか。一日中何かのことを考えているとか。
実はここ最近、「どんな仕事を選択するべきか決められない」とか「本当に今の仕事でいいのか分からない」「目標が見つけられない」という悩みの相談を立て続けに受けました。私もずっと同じ悩みを持ってましたのでその不安な気持ちがよく分かります。で、私自身がとった解決策は…
好きなもの、気になるものに、とにかくお金と時間を使ってみる。それもちょっとじゃなくて、「えっ、そんなに力入れてるの?」というくらいかける。関連分野の本は手当たりしだいに買う。関連グッズはすべてコレクションする。とにかくもう、徹底的にやる。
そのうちに、そのお金や時間をかけた分野について、周りの誰よりも詳しくなったり見極めができるようになります。それで、あぁ、こっちなら好きな分野だし、この先も続けていけるな、と。そうすると、目標を決めるための「方向」が決まります。
人生の選択肢のすべてをローコスト、安易な道を選択をしているうちは、その人の味は出ません。あえてコストの高い選択をとる「こだわり」というのは、つまり、その人の判断や生き方の軸にもなっているんでしょうね。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「人の味はこだわりの法則」と呼びます。
あなたは、2005年、何にお金と時間と手間と想いをかけますか?
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まとめ: つるの式(20)人の味はこだわりの法則
・ 今の世の中には、ノウハウがあふれている
・ そんなノウハウを使えば限界までコストダウンができる
・ 逆にどこにコストをかけるかが、その人のこだわりである
・ こだわってあえて選んだ高いコストこそがその人自身の味だ
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
以上、「つるの式コミュニケーション・メソッド」Vol.20でした。次回をお楽しみに。
投稿者 鶴野充茂 : 11:40 | コメント (1) | トラックバック
2004年12月26日
[つるの式19] 意外性のある魅力
日々たくさんの人と会っていると、2度3度と機会を改めてまた会いたいと思う人たちには共通点があることに気が付きます。
仕事もバラバラ、年齢も性別も、容姿もバラバラです。ところが、その人のキャラクターとしての魅力には共通するところがあります。これは、ちょっと意識すれば誰にでもできるお手軽魅力開発法なのかもしれません。
それは何かというと、性格的な「振り幅」の大きさ です。
繊細だけど大胆。真面目だけど面白い。カタイけどスケベ。不細工だけどオシャレ。臭いけど旨い。苦いけど効く…(?)。なんでもいいんですが、一方に偏った特性を持ちながら、時々思いっきり逆に振った一面を見せる。そんな意外性のある人が、他人からは魅力的に見えます。
なぜかと言うと、「あれ、え、なんで?」と興味をひくのです。心理学的には認知的不協和の状態ですね。
この逆は「退屈な人」。結論が先に見えて、途中で飽きてしまうんです。
たとえば、批判ばかりする人の批判はそのうち聞いてもらえなくなります。これが長所も伝えてくれる人の批判なら、意見としてきちんと聞いてもらえます。
笑い話ばかりする人はそれだけでは親友として付き合いにくい印象があります。時に真面目な話ができて初めて深く付き合おうと思うものですね。
つまりワンパターンはダメなんです。
もしも、あなたが何か強い「癖」を持っているなら、その反対に振った自分を見せることで「癖」はそのまま長所になりやすいということでもあります。ものすごく頑固な性格の持ち主なら、時に柔軟な姿を見せる時、「ものすごく頑固」は「強いこだわり」として認識してもらいやすい、ということですね。
面白さは振り幅で出す。その振り幅の大きさが意外性として相手の関心をひきつけ、あなたの魅力に見えてくるわけです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「振り幅で魅力演出の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(19)振り幅で魅力演出の法則
・ 人はワンパターンで退屈な人よりも意外性のある人に興味をもつ
・ 一方に偏った性格の特性などがあれば魅力になるチャンス
・ まずはその正反対の一面を意識してみよう
・ 振り幅が大きければ大きいほど、意外性につながり人を惹き付ける
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
以上、「つるの式コミュニケーション・メソッド」Vol.19でした。次回をお楽しみに。
投稿者 鶴野充茂 : 12:18 | コメント (0) | トラックバック
2004年12月19日
[つるの式18] 成功する名刺交換
前回は、名刺交換した時の相手の印象について書きました。見極め方、なんてテーマにしたので、なんとなく相手の「変な癖」に偏りがあったように思い、今回は、ポジティブな例を紹介したいと思います。
名刺交換の目的が、次につながるコンタクトをつくることと考える場合、名刺のやりとりをしている時にしっかりとした情報交換(コミュニケーション)をする必要があります。よく分からない人と日を改めて会おうとはなかなか思いませんからね。
そうすると、ただ名刺というカードをやりとりするだけじゃダメですよね。そのカードをとっかかりに次に会うための情報をやりとりしないと。そんなふうに考えているうちに、名刺を交換したその時に、するべきことがいろいろ見えてきます。
------------ 成功する名刺交換とは・・・
まず、相手がどんな人であれ、自分からできるアプローチは、「聞く」という行為です。だから必ず何か聞くようにする。これが鉄則です。
名前の読み方、仕事の内容。フォントがユニークな名刺ならフォント名を聞いてもいいかもしれません。名刺一つで聞けるネタはいくつもあります。
特に相手がプライベート名刺を出してきた時はチャンスです。目についたところは人と違うところ。人と違うところには、その人にこだわりがある可能性が高いんですね。肩書きとか、経営者(創業者)なら社名とかね。そこに目をつけます。こだわりを聞くと、誰でも機嫌が良くなります。これホント。
そして、相手が心地よくなるような聞き方をすれば、今度は相手が聞いてきます。聞かれたら話す。話したらまた聞く。
人は相手に興味がなければ質問をしません。つまり、相手が質問してくるかどうかは、あなたがうまく話をしているかどうかのバロメーターでもあります。
これをベースに、名刺交換のスムーズなやりとり例を1つご紹介します。
1.挨拶: ビジネスなら「じゃ、先にご挨拶を」と言って正面から名刺交換。
パーティなら「こんにちは~」と正面から挨拶し、ゆっくり斜め45度くらいの角度、ちょうど二人並んで扇形になるような立ち位置に動く(心理学的に警戒しにくい位置関係なので)。二言三言やりとりして会話が続きそうなら、そこで名刺交換をします。
パーティの場合、普通の人はまず名刺交換をしようと名刺を渡そうとしますが、先に名刺を出すと、とっさに何かを売りこまれると思ってしまうんですね。なので余裕のある人はすぐに名刺を出しません。変な人でないことを確認してからでも遅くないからです。名刺は安売りしないようにしましょう。
2.名刺交換をしたら相手の名刺をよく見て、気が付いたことを聞く
聞く:話す=6:4~7:3くらいで、相手が話したいことを話させることができれば、相手のあなたに対する印象は良い感じで残りやすいものです。
3.話の最後までに「もう一度会うつもりか否か」を自分の中で決める
人生は一期一会。会うと決断しないと、「何かありましたらよろしく」なんて言っても、何もありません。会いたいなら機会は自分でつくった方が早い。
4.会うと決めたら、次に会う提案をする
いついつランチしませんか、◇◇は好きですか? 今度○○のイベントがあるので一緒にどうですか? 次に会うきっかけは提案からです。
5.相手の反応を確認する
押されると引くのが人というもの。相手が自分と再び会うメリットをイメージできなければ、答えは微妙です。どうも反応が曖昧なら、「じゃ、次回のこの会でまた会いましょう」と言うのはどうでしょう。時間をかけて育む愛もありますからね。(?)
6.次の日にフォローする
どんなに話が盛り上がっても、一晩寝たら忘れることがよくあります。記憶の実験で、翌日には7割近く忘れるというデータもあります。これを短期記憶と言います。
相手に覚えておいてほしかったら、次の日、必ずメールすることですね。この時、単なる挨拶、つまり単純接触でも意味はありますが、できれば話しきれなかった追加情報などあれば、尚良いと思います。以前、私があるデザイナーからもらったメールにその人のウェブサイトのアドレスが入っていたのですが、それを見て、クオリティの高さに感動しました。話をした時には強い印象には残ってなかったんです。それが急に「改めて会いたい」と思ったことがあります。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「聞かれるまで聞けの鉄則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(18) 聞かれるまで聞けの鉄則
・ 名刺交換は次に会うためのきっかけづくりと考えよう
・ 次に会う前に、お互いのことをよく知っておく必要がある
・ よく知るためには、まず聞く。名刺で気づいたところをとにかく聞く
・ うまく聞けたら相手も聞いてくる。そこで次に会う約束を取り付ける
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あと、ちょっと話がとびますが、休日も名刺を持ち歩くことをお勧めします。ひょんな所でひょんな人と会ったりします。それで私は何度も助かりました。
以上、「つるの式コミュニケーション・メソッド」Vol.18でした。次回をお楽しみに。
おっ、ランキングに異変!
投稿者 鶴野充茂 : 19:01 | コメント (0) | トラックバック
2004年12月11日
[つるの式17] 名刺交換で人を見極める
改めて考えると、名刺交換を指導される機会なんて、新人研修を除けばほとんどありません。たまたま先輩や上司が親切に教えてくれたり、自分で気づいたりしなければ、もう大多数の人は完全に自分流でやっています。逆に言うと、名刺交換の姿をしっかり見れば、飾り気のないその人がモロにわかります。今回はそんな名刺交換の話です。
名刺は相手本人だと思って大切に扱いましょう。名刺を頂いたら両手で受け取り、机の上に置く時は、名刺入れを座布団のようにして下に置きます(相手が複数のときなどはバリエーション有)。自分の名刺を渡す時には相手の眼を見て、自分の名前をはっきり伝えること。
・・・なんてことを新人研修の時に習ったことのある人も多いかもしれません。
大切に扱いなさいと教えられてきたのは、大切に扱わないとビジネスの付き合い上、好ましくない印象を与えると考えられてきたからだと思います。
と、それくらい名刺交換すると、相手のことがよく分かりますね。多少、印象にレベルの差はあるかもしれませんが、大体、次のように感じる人が多いのではないでしょうか。
▼汚れた名刺を出す人:
自分が人からどう見られているかあまり気にしない人。日ごろ名刺交換の機会が少ない=新しい人と会わない仕事をしている人。ちなみに汚れた名刺を繰り返し見るたびに、本人に一度しか会ってなくても印象が悪くなるもの。
▼名刺にその場でメモする人:
人と数多く会う人で、マメか物忘れの激しい人。個人的には国会議員やマスコミにこんな人が多い印象がある。書き込むことが失礼かどうかよりも必要に迫られているという感覚が強い。
▼財布から名刺を出す人:
今日は人に会わないと油断していた人。普段から名刺入れを持ち歩かないのは、名刺交換の機会がよほど少ないか、とにかくマイペースな人。
▼相手の名刺を見ないで自分の名刺の行方が気になる人:
余裕がない人。相手のことより自分のことが気になっている。就職活動中の学生に多い。
▼すぐ相手の名刺を片付ける人:
相手に興味がない。話をする気がない。
▼眼を合わせない人:
単なる儀式として名刺を交換する人で相手に興味がない。あるいは極端にシャイな人。
▼名刺を切らしている人:
準備が甘い人。
▼名刺を受け取っても自分のを出さない人:
売り込まれる機会の多い人。役人とパーティでチヤホヤされる人に多い。対等なコミュニケーションが苦手。ちなみに、名刺は目下の人から目上の人に対して先に出すのが一般的なマナー。
▼名刺をたくさんの人に配る人:
後日のフォローで単に調子のいい人かマメな人かの評価が分かれるところ。
▼短期間のうちに、会うたびに違う名刺をくれる人:
組織名がどんどん変わる場合もたまにあるが、自由意志で作っている名刺なら、落ち着きのない人。浮気性。
と、まあ、まだまだ挙げられますが、初対面で、しかも名刺交換をしただけでもさまざまな相手の情報が読み取れる(見られている)ということが今回のポイントです。
ここで読み取られた情報は、相手の性格や信頼性のイメージに影響を与えますから、その後、仕事や異性を紹介してくれる/くれない、合コンに呼ばれる/呼ばれないといった「人生のチャンス」に結びつくわけです。本人が気づかないところで、微妙な判断がなされているといっても過言ではありません。名刺交換を制する者は人生を制す!?
あなたに新しい出会いが少ないのは、ひょっとして名刺交換のせいだったりして。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「本性が見える名刺交換の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(17)本性が見える名刺交換の法則
・ 名刺交換なんて新人研修くらいでしか学ばない
・ だから自分の癖や性格がモロに出る
・ よく観察してみると相手の本性がよく分かる
・ 相手もあなたの名刺交換を見ながら判断をしている
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以上、「つるの式コミュニケーション・メソッド」Vol.17でした。次回をお楽しみに。
なるほどと思ったらここをクリック!
投稿者 鶴野充茂 : 18:14 | コメント (0) | トラックバック
2004年11月05日
「式」の威力
グレート・マーケティング・マスターへの道さん(長いから今後はグレ道さんと呼ぶことにします)のblogで、「式」をつけるだけで「 確立した方法論というイメージを与えることが出来る」というのを偶然通りかかって見つけました。
おお、なんと! 私も「つるの式」とやってます(このblogのタイトルもそうだった)。ちなみにこの通信添削講座は、当初の予定よりも評判が良いそうです。理論のオリジナルはこの本です。今後も書籍やなんかで「つるの式」を増やしていこうかとも思っていますが、こういうのは「公文式」並に知名度がない場合には、営業担当者などの「追加の説明」がつかないとフックとしては今ひとつ力がないように思います。(説明があると強い)
つまり、反復して認知されればブランド化しやすいものの、初めて見た時にはひっかかりにくい、と。
それでもまあ、私としてはせっかく付けていただいた名前なので、「つるの風」とか「つるの的」、「つるのチック」あたりまで発展できればいいなあと、毎晩星を見ながら思っています。究極的には「つるの様式」?
さてどこまで行くか、こっちも気になってます。
投稿者 鶴野充茂 : 15:39 | コメント (2) | トラックバック
2004年09月23日
自己演出は自分の名前で仕事をしていく技術
投稿者 鶴野充茂 : 21:46 | コメント (0) | トラックバック
2004年09月14日
自己中心の世界を広げよう
投稿者 鶴野充茂 : 18:45 | コメント (0) | トラックバック
2004年08月29日
[つるの式2] うまいプレゼン
「つるの式」メルマガVol.2 うまいプレゼン
■独立に、就職・転職に、腕一本で仕事をしていく方々に。組織に依存せず、自分の名前で仕事をしていくには、自分自身の営業力、対人開拓力、情報発信力が欠かせません。「つるの式」メルマガはそんなあなたのために書かれています。
(メルマガ登録はこちらからどうぞ)
◇以下「つるの式」メルマガVol.2の内容です。こちらから登録しておくと今後自動的に配信されます。
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○プレゼンというと技術?
この世の中には、パワポ星人という生き物がいます。
皆さんはご存知ですか?
私の見たところ、仕事でプレゼンの機会が多い人は、ざっと10人中6人がパワポ星人ですね。
ひょっとすると、あなたも自分が知らないだけで、本当 はパワポ星人かもしれません。
一体そのパワポ星人って何者か?
会議やプレゼンと言えば、パワーポイントが登場するようになって久しいですが、最近は人が集まれば、もうとにかく何でもかんでもパワーポイントという会社も多いのではないでしょうか?
パワポ星人は、この時代の流れの中で生まれた、パワーポイント依存の生命体です。昔は普通の「人間」だったのですが、知らない間に変化してしまいました。
いったんパワポ星人になると、「パワーポイント」の技術に執拗なまでに凝るようになります。
どうでもいいチャートやデザイン、レイアウトに必要以上に時間をかけるよ うになるのです。フォントを選び始めたら何時間もクリックし続けているパワポ星人もいます。
ただ、誰もすぐにはパワポ星人にはなりません。まずパワポ中毒と言う状態になります。そして繰り返しプレゼン資料を作っている間に、少しずつ頭脳がパワポ星人化していくのです。
さて、言うまでもありませんが、プレゼンには目的があります。
それは、自分たちが提案するプランに賛成させることです。
一部のクリエイティブ広告などは別ですが、グラフィックがキレイだと思わ せることではありません。
○ロジカル、分かりやすさ、判断には充分な情報量が必要?
そんなことは分かってる! そう言う人も多いことでしょう。
「大切なのは論理性だ。ロジカルでなければ伝わらない」
相手に賛成してもらうためには、しっかり理解してもらう必要があると考える人が多いようです。そんな人たちは、ロジカルであることで分かりやすさを追求しようします。
ところが、分かりやすさというものが意外と曲者で、そう簡単にはいきません。その結果、ついつい情報をてんこ盛りにしてしまいがちです。
「判断に必要なだけの充分な情報が入ってない!」
なんて言いながらスライドのページ数を増やしていきます。
もちろん、本当の意味でちゃんと分かってもらおうとするなら時間がかかり ますし、それに必要な情報をしっかり準備する必要があります。しかし、説 明を聞いている側は、大量の情報を与えられると辛いものです。
数々のプレゼンに参加していて思うのですが、時間をかければ集中力が切れ るんですよね。長々としたプレゼンを最後まで聞くのは大変なのです。
はじめの10分くらいは「よし、聞こう」と思っているのですが、20分くらいで疲れてきて、30分をすぎるともうダメですね。プレゼンテーターの顔とか話し方をボンヤリ見ているだけで、頭には入ってこない。左右の耳から入ってきた情報がそのまま鼻から抜けていくのを感じます。
そこでふと思うんです。
内容を底辺まで分かってもらわなくても、目的を達成する方法を考える方が伝える方も判断する側も楽ではないか? と。
○全部言わなくていい
考えてみると、人は全部を理解して判断するのではなく、なんとなくで決めてしまうことが圧倒的に多いのではないでしょうか。「なんとなくいいと思った」、という感じです。
・高いものを買うときに、価格や商品の比較をしますが、最後は「なんか、欲しい」で決めてしまいます。
・何か仕事の発注をする時に、いろいろ競合の情報を集めたりもしますが、最後は、「うーん、何となくここにお願いするかな」と決めてしまいます。
(価格面でベストでない場合には、違う理由を使って社内で説得します)
・専門性が高いとか、状況が複雑に絡み合っている場合など、理解するのに
相当のエネルギーが必要な場合には、人を見て、「まあ、この人が言ってる んだから間違いはないだろう」で了解してしまうこともあります。
もしこれが当てはまる意思決定の場ならば、プレゼンでは、相手に充分理解 させるのではなく、なんとなく良さそうに思わせればいいのではないか、と考えたのです。
だとしたら、必ずしも全部を言わなくていいのですね。
○意外性と期待感で新たな展開を想像させよう
では、一体どうすればよいのでしょうか?
話を聞いてもらうためには、相手に興味を持ってもらうことが必要です。
興味は、自分にどう関係があるのか、知ると得することがあるのかにかかっています。。
そして、少し説明した中で、意外な発見があり、もっと続きを知りたいと
思わせる。そうすれば、最後まで話を聞いてくれます。
そう考えると、まずは「何かおもしろそうだな」と思わせるのがはじめの
第一歩。興味をひいて、自分でイメージを膨らませ、考えてもらう。
そして、「相手から質問をさせる」のです。
こちらはその質問に、少しずつ答えていきます。相手のペースで説明していくわけですね。そうすると、相手は、説明を「聞かされている」状態から「聞いている」状態になるわけです。
営業は売り込まずに相手に欲しいと言わせるのがコツだと言います。プレ ゼンも同じ仕組みかもしれません。
私が新規事業の提案をする時、「全体像が見えているものはたかがしれている」ということをたびたび聞かされてきました。なんだか分からない、すごいかもしれない、ひょっとしたら大化けするかもしれない、というのが一番強く惹かれるものなのですね。そういう話ができると、相手も思わ ず、「面白いねえ~。応援するよ」となります。(プレゼン慣れしている 人ほどそうです)
株価も、みんなが「これから成長するな」と期待した時に、最も上昇しますからね。
そういう、「この話はひょっとしたら大きな話になるかもしれないな」と思わせるのが、うまいプレゼンなのではないでしょうか。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「期待で賛成の法則」と呼びます。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
まとめ: つるの式(2)期待で賛成の法則
・大切なことを伝えたかったら、ごちゃごちゃ多くを言わない
・全部を伝えるのではなく、何となく面白そうだと思わせる
・意外性で興味をひいて、相手から質問させる
・相手に自分の決断が、「大きな物語の第一歩となるかもしれない」
と期待させる
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
このコラムの筆者による「結果を出す! プレゼン教室」開催中です。
投稿者 鶴野充茂 : 07:00 | コメント (0) | トラックバック
2004年08月21日
「つるの式」メルマガVol.1 次につながる自己紹介
■独立に、就職・転職に、腕一本で仕事をしていく方々に。組織に依存せず、自分の名前で仕事をしていくには、自分自身の営業力、対人開拓力、情報発信力が欠かせません。「つるの式」メルマガはそんなあなたのために書かれています。
(メルマガ登録はこちらからどうぞ)
◇以下「つるの式」メルマガVol.1の内容です。こちらから登録しておくと今後自動的に配信されます。
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人脈ひろげ味方をふやす、実践ビジネス対人要領&自分マーケティング講座。
───────────────────────────────────
■「つるの式コミュニケーション・メソッド」■ Vol.1
───────────────────────────────────
発行: 8/21/2004(土) http://www.kohoman.com/blog
----------------------------------------------------------------------
■ 提供: つるのさん @ 自己演出プロデューサー
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「人」の面白さに気づいて以来、ずっとコミュニケーションを
テーマに仕事をしてきました。うまい話し方、伝え方、コミュ
ニケーションにはちょっとしたコツがあります。
物は力で動く、人はコミュニケーションで動く。
力を抜いて、楽しく「自分の名前で仕事をしていくスキル」を
育てていきましょー!
[ 本日のテーマ ]
01:次につながる自己紹介
02: 新刊が出ました! 「転職」を考え始めたら読む本
====================================================================
■01: 次につながる自己紹介
====================================================================
○自己紹介、しなくていいなら悩みナシ
唐突ですが、自己紹介しないで本題に入れる人は、人間関係に悩むことはな
いんじゃないかと私は真面目に思っています。
だって、考えてみてください。初対面にもかかわらず、自己紹介ナシでいき
なり本題の提案を持ちかけるのは、店員(営業)とナンパくらいのものです。
「タイムサービス、タイムサービス、サンマが一匹98円!」
「(鏡の前で服をあてて見ている客に)いやぁ~お似合いですよ~」
「とりあえず、お茶でも行っときませんか?」
「メル友からどうですか?」
自己紹介をしないのは、目的達成までの距離を最短にするため。
見込みのある相手かどうかを瞬時に見極め、可能性がなければ次にあたると
いうスタンスでトライする回数を増やしているのです。
ファーストコンタクトが、長期的な付き合いというよりも見込み客の選別に
なっているわけですね。いきなり本題に入ってコミュニケーションが成立す
る関係なら、何も悩むことはありません。
○TPO
ところが通常、人と付き合おうと思ったら、たいていの人は自己紹介から入
ります。
もちろん、結果的に自己紹介が後になる場合もありますが、後々、良い関係
を築きたいと思ったら、まず自己紹介です。
そうすると、構えるんですよね。
まず場所や場面にふさわしい自己紹介がある。ビジネスだと「初めまして、
○○と申します」から始めて、仕事内容や経験を少し話す、みたいな。これ
が趣味のコミュニティなら、もっとやわらかい感じでしょうか。ワインの会
なら、私はイタリアワインが好き、とか、ボルドーにはまってルドー、みた
いなことを言う人もいるかもしれません。(いや想像です)
人付き合いが苦手な人は、この辺りの間合いを調節するのに苦労しているこ
とが多いのではないでしょうか。つまりTPOに応じた、場所と相手に合わ
せた自己紹介をしないといけない、と頑なに思ってしまっている。
○好かれなくたっていい
一方で、「新婚さんいらっしゃい」を見ていると、「第一印象は?」という
質問に、「最悪」と答えているカップルが意外に多いことに気づきます。最
悪だったのに、なぜ結婚してるの? という疑問を抱かせて最後まで見てし
まうところが番組制作者のうまいところですが、第一印象が悪くっても結婚
できるのです。
じゃ、もう、何だっていいじゃないですか。
もちろん、誰でも次に続く関係を築きたいと思うものです。第一印象が良け
れば、次につながる可能性も高くなる気がしますからね。しかし、好印象=
良い関係ではありません。その証拠に、「彼はいい人、なんだけどネー」と
言われている人がどれだけいることか。
自己紹介の目的を「良い印象を与えること」にしてはいけない。
芸能人など、「イメージ」を売り物にしている人たち以外は。
良い関係作りのための自己紹介だとすれば、目的は、「良い印象を与える」
ことではなく、「次に会うチャンスを作る」ことではないかと思うのです。
○コラボイメージを与えよう
次に会うチャンス作りという観点だと、自己紹介では一体何をすべきでしょ
うか。ここでは、相手に自分とのコラボレーションを想像させることを提案
してみたいと思います。
具体的に言えば、「この人と一緒なら、こんなことができるなぁ」とか「こ
の人に、あの件、手伝ってもらえるかな」とイメージを膨らませてもらうこ
と。そうすれば、次は相手の方から近づいて来てくれます。
このコラボイメージを与えるためには、2つの方法があります。
1つは、「この人の人生、面白いな」と思わせます。立場ではなくて人とし
て興味を持たせることです。あなたの独特な世界観を楽しんでもらう、とい
う感じ。共感してもらう必要はなくてただ「そんな生き方も有りだなあ」と
思ってもらう。特に何かにハマっているとか、ずっと続けていることがある
とか、「ちょっと変わっているけど、これがね、ヤめられないのよ」とい
う、あなたの「味」を感じさせるのです。
相手がもし、あなたの趣味に興味を持ってくれたら、「今度、いっしょにど
う?」と誘えばいいし、興味がなさそうなら、相手の話を聞いて、相手の世
界の中に入っていくというのも有りです。自分に興味を持ってくれる人には
関心を持ちますからね。
「えー、そんなのあるのかなあ」と思う人でも、意外と見つかるものです。
大概の人は、長らく生きてるウチに人と違ったケッタイな部分を持ちますか
らね。あなたにも、ちょっとヘンな部分がきっとある!
それでも「自分にはそんなの、やっぱりない!」と言う人には、もう1つの
方法があります。それは、相手が希望していることにどう協力できるかを伝
えることです。
自己紹介をしている間に、相手の興味や希望している何かを知ることがある
でしょう。それに対して、何か手伝ってあげることはできませんか? 人や
店、本の紹介でもいいですね。その場で何もオファーできなくても、名刺を
もらっておけば、後日メールか郵便で届けることもできます。
初対面なのに自分のことを気遣ってくれた人のことは、記憶に残りますよね
やっぱり。そうすると、次は、相手の方が、「何かできないかな」と考えて
くれます。
こうして、次につながるきっかけを創ることができるのです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「コラボイメージ吸引の法則」と呼びます。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
まとめ: つるの式(1)コラボイメージ吸引の法則
・自己紹介の目的を「良い印象を与えること」に「しない」
・狙うのは「次に会うきっかけをつくること」
・自分と一緒にコラボする姿を相手にイメージさせれば、
次につながりやすい
・コツは、興味を持たせる。想像させる。協力する。
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
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■02: 新刊が出ました: これで急に会社がなくなっても生きていける!
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今月、新しい本を出しました。転職×コミュニケーションの本です。
「転職」を考え始めたら読む本 鶴野充茂(著) 全日出版
http://www.kohoman.com/tt/book
と言います。最近どんな求人でも「コミュニケーション・スキル重視」とい
う文言が入っているのをご存知ですか? これが何を意味しているのか答え
が定義されてないんです。コミュニケーションは私のライフテーマなので、
「それっていったい何なのよ」と思って、取り組んでみました。
すぐに転職を考えていない人でも、自分の選択肢を作っておく意味でお薦め
です! 自分を高く売る方法をまとめています。
『 転職はコミュニケーション力で決まる。それが、自らの転職活動を含めて
複数の立場でさまざまな転職活動を見て得た確信です。ある時、私は求人側
と求職側で大きな意識のギャップがあることに気づきました。とりわけ採用
側の期待と、応募者のアピールが、まるでかみ合っていないのです。
成功する転職の鍵は、求人側の情報をよく理解し(インプット)、相手が求め
ている情報にマッチしたものを自分から発信する(アウトプット)こと。つま
り「コミュニケーション」。両者の正確な意思の確認作業なのです。』
(「はじめに」から)
私が主宰する業界コミュニティで数多くの転職相談や企業経営者の求人ニー
ズに応えてきたこともあるのですが、自分でも毎週のようにヘッドハンター
たちと会って転職活動を続けてきた経験をまとめました。
実体験に即して、転職活動をする上での迷いや悩み(自分が採用される立場
にならないと書けないんですよね)を踏まえた、自分のやりたい仕事の情報
を見つけてから実際につかみとるまでの、極めて具体的で実践的な転職プロ
ジェクトの指南書です。
読者からは「簡単で読みやすい」「一気に読んでしまいました」と好評、人
事や人材紹介会社の人たちも、「これならお薦めできます!」と評価を頂い
てます。
ぜひともご一読いただき、感想を聞かせてください。頂いたメールは、一生
懸命読ませていただきます。
以上、「つるの式コミュニケーション・メソッド」Vol.1でした。
次回をお楽しみに。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記 『 つるつる通信からのご縁バンザイ! 』
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今回は、人事研修用の教材を作っていたので、内容がちょっとまじめ系に
なってしまいました。いや、それは正確じゃないな。木曜日に久々に出し
たところ、意外なほど「読んだよ」と反響が大きかったのです。それでち
ょっと力が入ってしまいました。コロンビア日記時代から読んでいただい
ている方も多いかと思います。ほんとにご無沙汰でした。今後とも、よろ
しくお願いします。
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「つるの式コミュニケーション・メソッド」
編集長 : 鶴野 充茂 ●自己演出プロデューサー
発行元 : 日本コミュニケーション・コンサルティング協会
お問い合わせ: mailto:info@kohoman.com
ホームページ: 「つるの式」コミュニケーション365日!
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つるつる通信 http://www.kohoman.com/tt
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[筆者略歴]大阪府堺市出身。筑波大学(心理学)、米コロンビア大学院(国際
広報)卒業。外務省在外公館派遣員として在英国日本大使館で要人接遇とい
う「対人コミュニケーション」業務、国連機関や米系PR会社、メーカーで
広報という「コーポレート・コミュニケーション」業務、そしてライセンス
や提携アライアンスという「企業間コミュニケーション」業務等さまざまな
コミュニケーション関連の仕事を続けてきました。好物は餃子とLAVAZZAの
コーヒー。副業はラテンパーカッショニスト(最近休業中)。夢は馬で通勤
すること。趣味はオモロイ人探しと「紹介」。「めだか」の話で盛り上がる
のも特技の1つ。
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投稿者 鶴野充茂 : 10:45 | コメント (0) | トラックバック
2004年08月19日
「つるの式」メルマガ創刊準備号が出ました
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■01: つるの式コミュニケーションメソッドって何?
==================================================================== 人はどうして人間関係に悩むのでしょうか。
同じように人と話をしているのに、どうして人によってコミュニケーション スキルに差が出るのでしょうか。 いつもは普通に話ができるのに、なぜ大勢の人前で話そうとすると緊張する のでしょうか。 不思議ですよね。同じ人間が相手なのに。 コミュニケーションは、力が入るとうまくいきません。相手に緊張感が伝わ ることも影響してしまいます。 とは言っても、「苦手だからつい意識してしまうものだ」と言う人がいるか もしれません。 どうにもうまく行かないと思う場合には、こう考えてください。 そもそも価値観も考え方も違う人を相手に、自分が思っていることを伝えよ うとしても簡単には伝わらないものなのだ、と。 簡単に伝わらないから、本当に伝わった時には涙が出るほど嬉しいと感じる ものです。そんな経験ありませんか? あゝ、この人、今、本当に分かって くれたんだなと感動することって。 人はほとんどの場合、話していても相槌を打っているだけで、話し手が思う ようには理解していません。相手の話なんてあまり聞いてないんです。 でも、無反応だと話が進まないから首を縦に振っているのです。 私の尊敬する人にこんな人がいます。(日本人です) 若い頃、ほとんどスペイン語が話せないのに、スペインでホテルの仕事につ きたいと思い、採用面接に行ったそうです。 ~そこは、緊張感漂う面接の場。 でも案の定、相手が何を言っているのか分かりません。 彼はぼんやりと、おそらく募集している仕事の説明をしているのだろうなと 思いながら聞いていました。そしてある時、何か自分に聞いているような間 が空いたと感じたのです。そこで思わず「Si(Yes)」とだけ答えたんだそう です。 そうすると、またおもむろに相手が話しはじめました。 しばらくして、間が空いたら、「Si」 しばらくして、間が空いたら、「Si」 面接官は書類を見ながら質問をし、ちょっと首を傾け目線をこちらに送って 答えを待つ。そして「Si」という言葉を聞いたら、「OK」と言って、また書 類を見る、このやりとりが何度か続きました。 そしてある時、また答えを求められたような間があったので、同じように 「Si」と答えました。 すると、面接官は一瞬「えっ?」という顔をします。 彼はそこで、「おっと、いやいや」という顔をし、低い声で「No」と答えま した。 面接官は、「そうだよなあ」という顔をして、また書類に目を落としてやり とりを続けるのです。 そして、それだけの会話で彼の採用は決まりました。 「何を言っているのか、さっぱり分からなかった」 彼は当時を振り返って言います。 それでも、コミュニケーションの目的は達成したのです。 ちなみにその人は今、大手外資系ホテルのエグゼクティブです。 きっと当時のそのホテルでは、本当に人に困っていたのでしょう。しかし、 ポイントは、相手のことを理解することも自分のことを伝えることも大切で すが、目的を達成するためには、何もお互いで理解し合う必要はないのだと いうことです。 採用面接で一番大切なのは、採用してもらうこと。雄弁にプレゼンをするこ とではありません。 そんな観点から、力の抜けた、目的達成型の要領の良いコミュニケーション 講座を進めて行きたいと思っています。 ヒトって、コミュニケーションって、面白い。 それが「つるの式コミュニケーション・メソッド」です。
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