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2010年02月23日
[つるの式53] 初対面の相手から「下」に見られない方法
●知り合いで勝負しない
初対面で、「御社の誰々さんと親しいんです」とつい言ってしまう人がいます。
その相手と仲良くなりたいんだけど、気後れしている時に、つい言ってしまうのではないかと私は見ています。
本人にそんな意識はないかもしれません。あくまで「共通の話題」を提供することで、会話を弾ませようとしているだけ。親近感を与えたいのだ、と。
実際、以前の私がそうでした。20代の後半くらいから交際範囲が広がって、大企業や業界で注目度の高い会社にはたいてい知り合いがいました。そういう状況が楽しかったし、自分の中で、ちょっとした自慢に思っていた時期もあったように思います。
そして目の前の相手にそんな話をして、正直なところ、少し自分を大きく見せたくもあったのです。
でも、「誰々さんを知ってるんです」と言って、話が盛り上がった経験は一度もありません。でしょ?
うまくいかないのを知ってるハズなんです。 「お世話になっています」「ああ、はい」くらいが関の山ですよね?
共通の知り合いなんて、初対面の人との間では、たとえ大人物でも名物でも、大した話題になりません。
一方で、余裕のある人は、自分から「○○さんと親しい」なんて、初対面の相手に言ったりしません。
エライ人なら、顔が広くて知り合いも多いはずなのに。
「ああ、御社の社長とこの前、飲みに行きましたよ、ゴルフ仲間でね」なんて聞いたことがありません。
冷静に考えれば、本当に付き合いの深い人との関係は、初対面の相手に、自分から提供するような話題じゃないんです。
「○○さんと親しいんです」「よく知ってますよ」なんて言う段階で、気持ちが負けているのです。
つまり、下に見られない方法は、相手をまず上に見ないこと です。
ただ、ここで問題なのは、気持ちが負けていることではありません。
自分がその相手との関係を、どうしたいのかという「目的」「目標」がないのが問題なのです。
親近感を与えようとしているなら、その目的がはっきりしないと意味がないのです。
●自分と相手の関係発展を話題にする
本気で仲良くなりたい、何らかの形で今後もお付き合いをお願いしたい、でもどうしていいかわからない。
次に会う機会なんてまったくイメージできない。
もし、目の前にそんな人が現れたとしたら、どうするでしょうか?
パーティとか、講演会とか、インタビューとか、たまたまの出会いとか。
気後れするような相手との会話のチャンス、初対面だと、その場でのやりとりの回数は限られていますよね。
プライベートな雑談は「質問⇔返答、話す⇔聞く」で3往復くらい と考えておいた方がいいんじゃないかと思うんです。
その限られたやりとりを、準備せずにうまくいくと期待するのは、あまりに楽観的すぎます。
多くの人とは、必然性なく2度会うことはない のです。
そして、それは、気後れするような出会う機会の少ない「特別な人」に限った話ではありません。
初対面の人なら、誰とでも同じことが言えます。
では、うまい人はどうしているのでしょうか?
話題の選択肢を与えるんです。何の話をしたいか、相手に選んでもらうのです。
そこから盛り上がる話題、発展する話題を提供します。
それは、ビジネスでも趣味でも何でも構いません。
つまり、相手と自分の間で楽しめる話題です。第三者(他人)の話題ではありません。
たとえば、ある上場企業の役員は私に言いました。
「ゴルフと酒、どちらが好きですか?」
今でも記憶に残る質問です。「どちらも本人が得意」なもので、「相手と一緒にできるもの」を「クローズド・クエスチョン」にしています。
答えやすいし、どちらを答えても、「では、次回は」と誘えます。
これをつるの式コミュニケーションメソッドでは、
「相手に選ばせる自分の世界の法則」と言います。
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まとめ:つるの式(53)相手に選ばせる自分の世界の法則」
・初対面の人に「誰々を知っている」なんて話題はもうやめよう
・共通の知り合いの話題は次を生まない
・相手との関係発展を目ざした話題提供を
・自分が得意で一緒に楽しめる話題を提供し、相手に選んでもらえばいい
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投稿者 MT : 2010年02月23日 23:22