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2005年02月20日
[つるの式24] わざわざ優先順位が低いと言わない
人前で話をする機会が多い人は、割と似たような話をあちこちですることになります。本人としてはできるだけ新しい話を次々に出して行きたいと考えているのでしょうが、ネタを編集するにも時間が必要ですから、そんな日替わり弁当やベテランの落語家みたいにたくさんの種類を用意できる人は稀です。
こういう事情がありますから、人前で話す機会の多い人は、多かれ少なかれ、次のように考えながら喋っています。
「この話、前にもしたなあ。最近これ、繰り返してるよなあ。このお客さんの中にも以前同じ話を聞いたことがある人がいるかもしれないなあ。いや、多分いるなあ。見覚えのある顔も何人かいるしなあ」
そうすると次のような言葉がつい口をついて出ちゃうんです。言わなくてもいいのにネ。
「私がいつも言っていることなんですが」
「別のところでも言ったんですが」
「一部の方にはすでにお知らせしていますが」
これを聞いた人たちは、「昔から用意されている/続けられている話なのか」と思い、その後の話をあまり真剣に聞こうと思わなくなってしまう、という場合があります。
「昔から言っていること」を「今になってようやく聞くあなたたち」は「ちょっと遅れてるかも」なんて風に言われているように感じるからなのかもしれません。
どう思うかは別にして、これは明らかに「別にこの話はあなたたちのために用意した話ではない」と目の前にいる人たちの「優先順位が高くないこと」を伝えているようなものです。
話し手は、「同じ話を聞いたことがある人にはごめんなさい」とか、「この話は別に新しくないなあ」なんて考えながら言ってしまうのかもしれませんが、これって聞いている人には失礼な話ですよね。
テレビに出てくる政治家に、特にこんなことを言う人が多いのです。
目の前にいる人に、「新しい話ではないけど」と伝えるような言い方はしないようにしましょう。話す人は何度も言っていることかもしれませんが、目の前にいる人のほとんどは初めて聞く話です。さらに、以前に一度くらい話を聞いたことがあるとしても、それを言われるまではまず記憶に残っていると自覚していません。なので人前で話す方は、言いたくなっても、次からクッと我慢してください。
逆に言えば、目の前にいる人たちに向かって、とにかく「この話は今あなたたちが知っておくべきの本当に大切な話なんですよ。今のあなたのために一生懸命準備して、それで今回お話ししてるんですよ」という姿勢で話すことこそが、たとえ同じ話を聞く人がいたとしても、目の前にいる人たちに受け入れられる1つの大切なポイントなのです。
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「あなたへの大切な話の法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(24)あなたへの大切な話の法則
・ 以前に別の場所で話したことを初めて聞く人たちに報告するな
・ バカにされているように感じることがある
・ 目の前にいる人たちのために話を用意したという姿勢で話そう
・ そうすれば真剣に聞いてくれる
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投稿者 鶴野充茂 : 2005年02月20日 11:50
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