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2005年08月20日
[つるの式30]言われて嬉しい褒め言葉
人をうまく褒めると、関係が深まるきっかけになります。
自分を高く評価してくれる人には、親しみを感じやすいからです。
自分がめざしている方向性を認めてくれるなら、なおさらです。
楽器がうまくなりたいと思って練習している人に対して、久々に演奏を聞いた後に「うまくなったねー」と言うと、とても喜びます。
この心理を知ってか知らずか、六本木あたりの飲み屋で外国人が、「Oh, your English is very good.」なんて言いながら日本人の女性を口説いている姿をよく見かけます。(しょっちゅう聞くフレーズなので、きっと効果があるのでしょう。)
なので、褒め上手な人は、相手がどんな目標を持っているか、どんな人になりたいと思っているかを踏まえて、そこを褒めます。
そして、もう1つ、褒めるツボがあります。
それは、本人が気づいていない、その人の価値、良いところを褒めることです。
ただし、ここでちょっと注意があります。よく「ナンバーワンよりオンリーワン」なんて言いますよね。そーだそーだと思う人が、よくカラオケで「世界に一つだけの花」なんてのを歌っています。
誰でも自分独自の価値を認められたいものなのかもしれません。
でも、オンリーワンって、褒めるのは難しいんですよね。だって、オンリーワンということは、比較する対象がないから、何がどれだけすごいのか表現できないわけです。珍しい、ということはできますけどね。
そんな独自性を認めてもらいたい人でも、褒められて嬉しいのは、実はオンリーワンよりナンバーワンというポイントです。
誰よりもすごい、と言われると、間違いなく自尊心をくすぐられます。
だって、一番ですよ、一番。たとえば「あなたが世界で一番好き」って言われたら嬉しいじゃないですか。明らかに「あなたが結構好き」よりも強い。
一方で、ナンバーワンと言うからには、評価軸を選ばねばなりません。つまり、何で一番なのかを考える必要があります。
一番・・・つくる餃子が美味しい? 一番・・・価格交渉がうまい? 一番・・・めだかに詳しい? 一番・・・うなじが色っぽい? 一番・・・???
何でもいいのですが、褒め言葉なので、価値があることを伝えてくださいね。
で、そういう場合にとっておきのフレーズがあります。
それは、「あなたは、今まで私が会ってきた人の中で、一番○○○な人だ! いや~すごいな」です。「○○○をやらせたら、たぶん世界一ですね。いや~驚いた」というのでもいいです。
ちなみにこの○○○には、自分ならではの「解釈」や「認識」を入れるようにします。これ、とても大切なポイントです。
よくこんな言い方をする人がいます。
「すごいですね、年収2000万円なんて」
「すごいですね、東大出てるなんて」
「すごいですね、社長なんて」
「すごいですね、本を書いてるなんて」
仮にこれが本当だとしても、こういうのは、相手の心にほとんど響かないんですよね。それは、単なる客観的な事実だから。今、あなたに言われなくても自分で知ってるから。その事実は変わらないから。
事実よりも、むしろどういう風に見ているかの方がコミュニケーション上は大切なのです。何で一番、何が一番、という言葉は、相手に対する自分の見方を伝えやすい表現であり、しかも言われないと気づかないことが多い。だから便利な言葉なのです。
そして、その見方こそが相手への評価であり、二人の関係性を決めていくものなのです。
また、仮に、何の一番かにピンと来なかったとしても、言われた方としては「そーか、オレは一番か」という言葉だけで強く生きていく自信になることもあるでしょう。 あなたへの印象だって悪くはならないはずです。(たとえ、このランキングが一番でなくても)
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、「褒め言葉はナンバーワンの法則」と呼びます。
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まとめ: つるの式(30)褒め言葉はナンバーワンの法則
・ 人は誰でも独自の貴重な存在として認められたいと思うもの
・ でも、言われて嬉しいのはオンリーワンよりナンバーワン
・ ナンバーワンは比較の対象があるから価値の高さを表現しやすい
・ どれだけすごいかという評価尺度が相手の気持ちをくすぐる
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投稿者 鶴野充茂 : 2005年08月20日 15:23
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