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2006年08月17日

[つるの式44]自分にあった道を切り拓く方法とは

以前、私が勤めていた組織で、要職にある人の秘書を採用するという話があり、最終的に候補者が3人残りました。

3人とも実務は最低限、きちんとこなしてくれそうだ、という判断でした。

最終段階で、一緒に働くほかのベテラン同僚も何人かが面接をしました。

その結果、全員同じ意見で一人が選ばれました。


何年も前のことですが、その時の理由が今でも忘れられません。


それは「話し方」だったんです。


選ばれた候補者に対して、

担当する「エライ人」は、「言葉が適切でムダがない」と言いました。

人事担当者は、「話し方が、誰からも嫌がられない感じで良い」と。そして

面接をしたベテラン同僚は、「この人なら会話が成り立つと思った」と

教えてくれました。


確かに、そのポジションは「話し方」が重要になるポジションではあったんです。「エライ人」は組織内外の接点も多く、相手はやはり「エライ人」が多いですから、失礼があってはなりません。また、長年同じところで秘書をしているお局さまがいて、その人たち(複数形!)とも仲良くやってもらうことも仕事の一部ではありました。


それにしても、「話し方」で採用が決まるって、ちょっと考えてしまいませんか?


面白いことに、学歴や経験では他の候補者の方が上でした。

そればかりか、他の2人も話し方は決して悪くなかったんです。

具体的には、一人が「もっと上品に喋る人」で、もう一人が「もっと知的に話す人」だったそうです。


それでなぜその人が選ばれたのか、私は興味があったので更に聞きました。


すると、こう返ってきたんです。
 

「一番、その人のことがよく分かった」と。


つまり、会話で、どう言えば「自分が言いたいこと」が「相手に伝わるか」、相手が「何を言いたいのか」「何を聞きたいのか」それは「なぜなのか」が、最もしっかりと感じとることができたというのです。


実は当時の私は、これがどういう意味なのか、はっきりと理解できませんでした。


しかし、起業して、私もこの気持ちが分かるようになりました。
 
 
私自身、「きちんとコミュニケーションがとれていると実感できれば、どれだけ安心して仕事を頼めることか」と、最近よく思います。


逆に言うと、実に多くの場合、「どこまで伝わっているのかいないのか」あるいは「相手の言ったことをきちんと理解したのかどうか」、本当の意味では確信を持てないまま仕事をお願いしている感覚があります。


もちろん、最善は尽くしてるんですよ。

コミュニケーションを生業にしている者として、分かりやすく伝え、的確に相手を理解しようと努めてはいます。


でも、正直、なかなか一筋縄ではいきません。


それで、アウトプットを見ながら、「あー伝わってなかった」とか「おー、イメージに近い!」と一喜一憂するんです。 (顔には出しませんが)


そんな経験、あなたにもありませんか?


これ、逆に言うと、「言ってることが分かる」「言いたいことを理解してもらえる」と、わずかこれだけできれば、仕事には困らないはずなんです。

そんな人の方が圧倒的に少ないですから。


いや、それ以上に、わずかこれだけできれば、強みとかスキルとか、実績なんて意識しなくても、自分にあった道が拓けるはずです


「あなたなら、こういう仕事が向いてるんじゃない?」とか「これをやってみたら?」と、相手からアドバイスされる機会がグンと増えますから。

だって、そうやって仲間が可能性を開花させるのって、見ていて楽しいじゃないですか。ねえ。


でも、じゃあ、一体どうやって、

「言ってることが分かる」「言いたいことを理解してもらえる」

と相手に感じてもらうか、ですよね。
 
 
誰にでもできるオススメがあります。


即効薬というわけではありませんが、だからこそ、長期にわたって使えます。


それは、「相手との関係に好奇心を持つ」ことなんです。


相手との関係に、ですよ。これとても重要です。


つまり「自分」と「相手」と「2人(他者と)の関係」という3つの側面があります。


よく言うのは、「相手に関心を持つ」ということなんですが、これだと対等な関係になりにくいんですね。


ここでは、「お互いの関係が面白くなるために、どうするか」。


チームの発想です。


自分の良いところを出す。

相手の良いところを引き出す。

それで一緒に、一人ではできない面白い仕事をつくる。
 

「相手との関係に好奇心を持つ」ことができると、言動が変わります。

よく分からない人は、むしろ、こちらから始めてもいいかもしれません。

それは、「反応する」のと「質問する」のを増やす、ということです。


反応を増やすと、自分に分かるように話してくれるようになります。


分かった時に大きく反応するだけでいいんです

「おおー」とか「はあー」とか「なるほどー!」という感じ。


で、分からないことや興味があることを繰り返し質問していると、相手の意図が見えやすくなります


そして、気持ちが向かい合うと同調行動が増えます。

つまり、相手もあなたへの反応や質問が増えます。

そうすると、相手の言ってることがより理解しやすくなり、こちらの言いたいことも、理解してもらえやすくなります。

これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
 「関係で拓く自分の道の法則」と呼びます。


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  まとめ: つるの式(44)関係で拓く自分の道の法則
  
  ・ 話し方を理由に採用されたりされなかったりすることがある
  ・ 決め手は、「伝わる」と「理解できる」の実感だ
  ・ 相手のことがよく分かれば安心して仕事を任せられる
  ・ それにはまず相手との関係に好奇心を持とう
  ・ そうすれば相手があなたに向いている道をも教えてくれる

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投稿者 鶴野充茂 : 2006年08月17日 18:21