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2006年07月16日

[つるの式42] 自分でかけるネガティブ暗示

人によって程度に差はありますが、われわれは他者から影響を受けやすいことを体験的に知っています。


だから、
友だちは選びなさい、とか、朱に交われば赤くなる、なんて言葉があるし、
わずか2時間ヤクザ映画を見るだけで、映画館を出ると歩き方が変わるのです。

そんな私も、
自分がアル・パチーノだと錯覚した回数が一度や二度ではありません。


こうした体験から、人は受信する情報に対しては、割と敏感に反応できるようになっています。
たとえば、人と話している時に

「イヤなことを言う人だな」
「もう少し、違う言い方をすればいいのにな」
「あの態度は直した方がいいな」

などと、人のクセには気づきやすいんですね。

 
ところが、自分のことには意外と鈍感です。


たとえば、気がつくと弱気になっていることってないですか?
 
「なんだかんだ言っても、自分は弱い人間だからなあ」
「いつも途中で諦めてしまうしなあ」
「話で言うほどうまくいかないよな、いくわけないよな」

 
こういうのを自己暗示と言います。
 
 
知らないうちに、多くの人は、こんなネガティブな自己暗示を心の中で自分自身にかけています。


特に現状からの変化が大きければ大きいほど、自分で心のブレーキをかけやすいんですね。
 
「そんな大それたこと、自分にはムリ」
「一生懸命やってるけど、多分ムリ」みたいな。


変化って違和感なんですよね。変化しない方が楽なんです。
変化すると、意識を変えないといけない。
これ大変なんです。
 

それでも、自分は少しでも成長したいと考えていたとします。

こういう時、どうすればいいか。

ここでは、2つのアプローチを紹介します。
 
 
1つは、
ゴールに向かって努力している時にはネガティブに考えない」という原則。
 
必死でやってる最中に「失敗する自分」を信じるとうまくいくものもうまく行かないので、少なくとも努力している最中だけはネガティブな考えを止める。

これが難しい人は、ポジティブな理屈を上乗せする作戦をとります。
つまり、「これでダメなら」と開き直れるくらいまで取り組むわけです。
それが「成功してもおかしくない理由」として暗示効果を与えます。 

もう1つは、
せめて言葉では逆のことを言ってみる」という方法。
 
心の中でネガティブな暗示をしてしまうなら、それを打ち消す言葉を口で言うようにします。

より具体的で、すぐにできるオススメは、 「意思のある言葉」を使う というもの。


たとえば、「決まった」ではなく「決めた」というようにする。

「会議でアイデアが出てきた」ではなく「会議でアイデアを出した」
「口説かれた」ではなく「口説いた」
「問題が起きた」ではなく「問題を起こした」(これは少し違うかな)

こうした言葉を「Active Verb」(能動的な動詞)と言います。

大切なのは、Avtive Verbを使おうと意識すると「行動せざるを得ない」ということです。言うために行動する、行動すると鮮明なイメージが体験として得られますから、心の中の自己暗示よりもインパクトがあります

面白いもので、このように意思のある言葉、主体的な表現を使うようにすると、少しずつ自分に自信が持てるようになります。

「何かよくわからないもの」にコントロールされていた「自分の人生」を「自分」でコントロールしているように感じられるようになりますから、ぜひやってみてください。
 
 
でもですね、逆に考えれば、ネガティブな自己暗示をかけている時って自分が変化を起こそうとチャレンジしている時でもあるんですよね。
 
つまり、その時すでに自分は主体的に取り組んでいるんです。
つまり、その時、成長のチャンスを迎えているんですよね。
 
そういう時には、素直に「 いいぞ自分! 」って認めてあげてもいいように思うんです。
 
 
これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
ネガティブ自己暗示はチャンスの法則」と呼びます。


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  まとめ: つるの式(42)ネガティブ自己暗示はチャンスの法則
  
  ・ 変化の時、人は心の中でネガティブな暗示をかけやすい
  ・ そんな時にはとことん行動する+意思のある言葉を使おう
  ・ そうすれば自信が持てる
  ・ でもネガティブ自己暗示をかける時点ですでにチャンスだ

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投稿者 鶴野充茂 : 2006年07月16日 15:08