« 大入超満員御礼! 10月のメデコミ会 | メイン | [つるの式37]逆にこういうのどうですか? »

2005年10月07日

[つるの式36]成長している人

一番成長できる時に、こんなことやってちゃダメだと思って起業しました

あるベンチャー企業経営者が、私の取材の質問に対して答えた言葉です。

彼は当時25歳。数年前のことのですが、今でもはっきり覚えています。


この一言が当時の私の心にグサッと刺さったからです。


それまでの私は、「やりたい仕事」(現在)と将来の「自分のキャリア」(未来)についてのイメージはなんとなくありましたが、「自分が成長しているかどうか」(現在進行形)という視点は持っていませんでした。

でも、彼のこの一言で自分の中のもやもやした気持ちの理由がはっきり分かったのです。

そうか、自分は仕事が面白いかどうか、将来につながるかどうかじゃなくて、まず、今取り組んでいる仕事の内容やスピードに「退屈」してるんだな、と。

仕事でわくわくしている時って、彼の言葉で言うと「成長している」時なんだと思います。わくわくするには新鮮な感覚が必要だから。たとえ同じことに取り組んでいるとしても、見方が違うとか、自分の中での意味が違うとかね。

で、当時の私は、そういうわくわく感をどうしても持てなかったんですね。なんだかこう、やるべきことを粛々と進めているような感じだったのです。


それで会社の定期面談で、私は上司にこの気持ちをぶつけてみました。

「成長している感覚が持てないんです」と。

すると、こんな答えが返ってきました。

「そんなに毎日毎日、成長するものかな」。


あ゛~、その答えでは、一緒に仕事ができない。瞬間的、直感的にそう思いました。


今では理解できますよ。上司がそう答えた気持ちも理屈も。

大体、成長カーブを考えると、大人になっていく時が一番スピードが速いですよね、きっと。成熟すると成長のスピードは鈍化します。鈍化している人には、成長って日々のテーマじゃないのかもしれません。

「そんな、答えのない悩みをウジウジ考えずに、とにかくしっかり仕事してよ」
みたいな感じだったかもしれません。

でもね、その時の私はこう考えてしまったんです。

「マネジメントの仕事って、全体のアウトプットを高めるためにスタッフを成長させることなんじゃないの?」と。

その後、すぐに異動願いを出しました。

この時の気持ちは、今、研修のカリキュラムなどを考える時にとても大きなヒントになっています。うまく活かせば、自分の中にある限界感を打破するきっかけになり、見過ごすとモチベーションが上がらないからです。

成長って、人によっていろんな形があると思うのです。きっと、異動や転職、起業といった立場・役割の変化を伴うものばかりでもないでしょう。私が特に重要だと思うのは、新しい視点、見えなかったところが見えるようになる体験です。そして、それに伴う驚きと発見です。


そして伸びてる人って、この成長している感覚(=成長感)とうまく付き合っているんですよね。

たとえば、今取り組んでいることが「イヤというわけではないが、このままの延長線上に自分のゴールがあるわけではない」という場合。閉塞感で悩みますよね。前進していくインセンティブがないので、そのままでは成長感を持てません。

こういう時、伸びる人は、周囲にはたらきかけて自分で転機を仕掛けていきますが、伸びにくい人は、ただ状況の変化を待ちながら(悶々としながら)現状維持を続けます。

また、売上目標などがあって、難しい課題をクリアしなければならない(=成長せざるを得ない)人たち(たとえば経営者など)は、人と会ったりセミナーに出たりして目標達成のヒントを探し、成功するまで工夫を続けています。

つまりこの時、カギを握るのは、人との関わりなんですね。

新しい視点は往々にして人から得ます。新しい発想は誰かの何気ない一言がきっかけになったりします。本を読んで気づきを得たとしたら、それは本を書いた人からもらった視点です。なぜ多くの会社の社長が「こんな話を聞いてきたよ」と自慢げに社内で話をするかというと、誰か他の人からヒントをもらった喜びと、その視点をシェアしたいという思いからです。

そう考えると、成長のために人と積極的に関わることって、とても重要だと改めて思いますね。特に、エネルギーの強い人や自分とは違う発想をする人とね。


もう1つ。経営本やセミナーでよく出てくる考え方で、儲けたかったら先に仲間に儲けさせなさい、みんなが儲かると自分も自然と儲かるから、というのがあります。先に与えるとやがて返ってくるとか、一人で成功するのは難しいがみんなで成功するのは簡単だ、というような発想です。

これを参考にすると、自分が成長したかったら、周りの人が成長するきっかけを提供すればいい、と考えることもできます。与えたら返ってくる、と。

たとえば、上司や同僚がダメだと文句を言ってないで、その人たちがどうすれば成長するかを考えてみる。そして、ダメな人は、あなたをもっとクリエイティブに成長させてくれるきっかけを与えてくれているのかもしれないと考えてみる、とかね。

いずれにせよ、もし、自分が自分のことをまだまだこれから成長できる人だと思っているのなら、成長余力があるのに成長する努力をしてないのは、なんだかもったいないことですよね。可能性をギリギリまで使い込んでみる、それでどこまで成長できるかに挑戦してみる、という発想って、有りだと思いませんか? 

 これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
 「自力でつかむ成長感の法則」と呼びます。

 ランキングも自力でアップできるか!? いえいえ、皆さんのお陰です。

 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

     まとめ: つるの式(36)自力でつかむ成長感の法則

    ・ 自分の「成長感」を意識するようにしよう
    ・ 成長感を持つには、まず自分から動く、仕掛ける
    ・ ヒントは人との出会いにある
    ・ 成長感を得るにはまず相手から、与えれば返ってくる

 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●

BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

●最近のエントリー
09/15 宣伝会議の巻頭特集で記事を書きました。
09/13 9/21イベントをソーシャルメディアで面白くする「まめさんテレビ」
09/03 劇団四季ミュージカル「ライオンキング」を観た
09/01 日経BP主催/経営者のためのソーシャルメディア実践講座、参加者募集中
08/31 [つるの式55] とっさにコメントを求められた時の対処法は?

 「つるの式コミュニケーションメソッド」

メールマガジン登録

このblogの筆者によるメルマガにご登録ください。自分の名前で仕事をしていきたい人のための実践ビジネス対人要領&自分マーケティング講座(無料)がメールで届きます。

メールアドレス:

Powered by まぐまぐ



投稿者 鶴野充茂 : 2005年10月07日 12:53

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kohoman.com/cgi/mt/mt-tb.cgi/281

コメント

はじめまして。
大好きなことで夢を叶える!のKEIといいます。

成長している感覚・・・、これってとても大切
ですよね。

僕の周りの50代の方も同じようにこの感覚を
大切にしている人もいます。

要は、同じ50代でも生きてきた過程が全く
ちがうと言うことでしょうね。

KEI

投稿者 KEI : 2005年10月09日 21:24

KEIさん、コメントありがとうございます!

投稿者 鶴野充茂 : 2005年10月10日 15:31

コメントしてください

サイン・インを確認しました、 さん。コメントしてください。 (サイン・アウト)

(いままで、ここでコメントしたとがないときは、コメントを表示する前にこのウェブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)


情報を登録する?