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2006年08月27日

[つるの式45]自分の強みが分からない人は・・・

夏休みの終わり、ヤフオクで読書感想文が売られているのを見つけました。

「中学生向きと高校生向きの2バージョンを用意しました」という文言を見て、うーむと考え込んでしまいました。


あなたはこういう現象をどう捉えますか?


ネガティブに思います? その場合、「読書感想文」を売る人に対して? それとも、買う人に対して?

あるいは、ポジティブに思います? その場合、ネットオークションという便利な市場取引の仕組みに対して? それとも・・・??


時効だと思って告白しますが、私は小学生の時、読書感想文の宿題だけが、もうホントに、どうしてもできず、父親に頼んで書いてもらった事があります。


父は自信有りげに「何年生レベルで書く? 小6か? それとも中学生? 高校生レベルにするか?」と聞くんです。それで、私は小学生の小さな頭で考えました。

「出来の良すぎる感想文を書いたら、先生に『ホンマにお前が書いたんか』って言われるかもしらん。でも、小6レベルの読書感想文なんて設定だと、手を抜いて大した作品にはならない。昔(父親の時代)と比べて技術も進歩してる(?)から、高校生レベルと思ってるくらいのを出したほうがリアルではないか」

それで父に、「ほな、高校レベルでたのむわ」と言ったんです。
 (小学生が父親に宿題頼んでおいて偉そうにネ)

自信満々の父が書いた読書感想文を提出した私は、たとえ父の筆力がどれほどのものでも、小学校の読書感想文の宿題で「高校レベル」(おそらくそれは、父のフルパワーに近い「本気」感想文)を出したならきっと、コンクールに入賞することはなくても、「よく書けてる」というコメントの一言くらいは、先生からもらえると期待していました。


ところが、何の音沙汰もありません。


「どや、読書感想文、先生にビックリされたんとちがうか?」

父は、なおも自信満々に聞いてきます。

添削・採点されたものも返ってこないので、ついに私は先生に聞きました。


 私:  「読書感想文、自信あったんですけど、どうですか?」
 先生: 「読んだよ。なんか、変わった本、読んでたな」

「読書感想文」という苦手な宿題に悩んで、父親に相談し、
体裁上の問題がないように交渉し、やっと生み出した「親子の共同作品」は、
先生の「なんか、変わった本、読んでたな」の一言で片付けられたのです。


これを伝えた後も、父は「レベルが高すぎて先生も分からんかったんやろ」と言ってました。


この一連の経験から、いくつかの重要な教訓を得ました。

もちろん、「親の力を過信してはいけない」というのもあるのですが、

何より大きかったのは、

  「苦手はムダではない」ということです。

読書感想文が苦手だったから、父親とのコミュニケーションが生まれたし、
苦手だったから、親子の共同作戦をとることができたし、
苦手だったから、結果を一緒に一喜一憂することができました。

その間、「読書感想文のウマイ・ヘタ」について話し合えたし、「どこが小学校レベルでどこが高校レベルか」の父の認識も確認することができました。

そんなやりとりは、自分の苦手を意識することなしには、有り得なかったと思うのです。


そして今、これは、ビジネスでもそのまま活かせることだと感じています。


最近、仕事で会う人を見ていると、うまくいってる人ほど、助けてもらうのがうまいんです。


しかも、自分の苦手・弱点のまさにその部分を助けてもらっています。


たとえば、「聞いてもらいたい話がある」と言って私のところに相談に来る人がいるとします。で、話を聞いてみてもよく分からない。

でも、人柄は良い。そんな時、私はコミュニケーションが専門なので、失礼ながら、
「もうちょっとこういう風に伝えた方が、分かってもらいやすいと思いますよ」と言うんです。

すると、こんな風に返ってきます。


「アドバイスありがとうございます! この前も、話が分からないと言われて、『キミが行って説明しても通じないと思うから、こっちから伝えとくよ』と話を通してもらったんです」。


と、いうような話がよくあります。


人は同じ弱点を見て、「ダメだな、自分が助けてあげないと」と思ってしまうようです。


実際、弱点があるから人は助けよう、手伝おうと思うところがあります。

それで人は自尊心が満たされますし、

それをきっかけに自分自身が育てられるものです。
 

ドラッカー氏も、インタビューで「学びたいから、教え続けている」と答えていました。
 

自分の強みがないと悩んでいる人がたくさんいますが、そう考えると、強みばかりを追わなくても、弱点を活かす手もある、ということが分かります。

弱点をきっかけに人と結びついたり、たくさんのことを学んだりできるわけです。

むしろ、弱点を大事にした方が面白い関係がたくさんできる というのが私の見方です。


だって、一人で何でもできる人は、手を差し伸べにくいですよね。


これをつるの式コミュニケーション・メソッドでは、
「弱点は最大の売りの法則」と呼びます。


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  まとめ: つるの式(45)弱点は最大の売りの法則
  
  ・ 強み探しで悩みすぎなくていい
  ・ 弱点があるから、人はあなたを助けようと思う
  ・ 助けることで人は満たされる、育てられる
  ・ 弱点は人をひきつける武器なのだ

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投稿者 鶴野充茂 : 2006年08月27日 19:27

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