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2007年03月14日

大きなテーマで話す時のポイント

とあるレセプションに呼ばれて参加。ニューヨークから数十人のグループを迎えた集まりで、扱うテーマもちょっと国際的。

オープニングは、この御三方。

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右から、加藤紘一氏(衆院議員)、茂木友三郎氏(キッコーマン会長)、ジェランド・カーティス氏(コロンビア大教授)。

お題は、「Globalization and Shaping of Japan in the 21st Century」。(ちなみに話はすべて英語で進行)

Globalization and Shaping of Japan in the 21st Centuryですよ。


さあ、もしも、あなたが、「このテーマで話してください」と言われたら、何を話します?


ちなみに、上の3人には役割分担があって、政治・経済・海外視点で見た日本(政治)です。

こんな大きなテーマの場合、よくある失敗は、最近の話題から象徴的なキーワードをいくつか紹介して終わり、というもの。

いや、気持ちは分かりますよね。一応、主要な出来事やキーワードはおさえておかないといけない、というプレッシャーもあるでしょう。政治なら、小泉→安倍内閣になってどうか、みたいな話は入れざるを得ません。

でも、難しいのは、ただでさえ大きなテーマなので、事実関係を説明しているだけで時間はどれだけあっても足りなくなることです。そして、少し興味があって情勢をウォッチしている人なら思います。

「そんなの、新聞読んでたら分かるよ」。

そして、当人が何を喋ったか、記憶に残ることはありません。難しいですよね。

で、少し工夫する人は、特定のテーマや軸を持ち込みます。「こういう視点でこれを見たら、こう解釈できる」と。切り口と言ってもいいでしょう。

概して売れっ子の学者は、こういうまとめ方が得意です。「この出来事は、こういう意味がある」と言います。「今は、(この解釈で行くと)こんな時代です」と。 そうすると、聞き手はメモしたり、記憶に残しやすいですね。


さて、ここで、私は、自己演出的に見て、もう1つ組み合わせを提案したいと思いました。

それは、 「話し手」と「その場」をほんのちょっと特別に感じさせる工夫です。

話し手を意識させるものとしては、「この話は、私にしかできない」という見方、経験、個性が入ったもの。自分の存在を感じさせる表現ですね。簡単なのは、経験談、つまり具体的なエピソードを入れることです。大きな問題+個人的で卑近な例。「温暖化が深刻です、私の村のスキー場は、雪不足で営業できる日数が10年連続で減ってきています」みたいな。ほんの少しでいいです。入れすぎると嫌味になるので。

そして、その場を意識させるものとしては、「ここにいるあなたたちにはちょっと特別に言いますけど」みたいな意味合いの言葉。ヨソでは通じないような話し手とその場の聞き手でだけ成り立つ共通語でもいいし、今日起こったどのメディアも報じていない最新情報でもいいんです。

話し手が有名人でも、暴露話みたいな、メディアに報じられたら困るような話をみんなが期待しているわけではなくて(そのほとんどは多くの場合、メディアも反応しませんし)、聞き手が「その場と話し手の記憶を残せるような」工夫であればいいんです。

もし、私も大勢の人前で「明日の日本」を語るような日が来たら、このことを思い出すようにしたいと思います!

今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

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投稿者 鶴野充茂 : 2007年03月14日 10:32