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2007年02月05日
出生の秘密が伝えるもの
トレーサビリティ(traceability)って、ご存知ですか? 製品の流通経路を記録して、たとえば、消費者が手に取った食品がいつどこで作られたかを知る仕組みなのですが、私、これ、ちょっと甘く見ていました。
週末に牛肉を買ったのです。
すると、パッケージにこんなシールがついてました。
これで、生産者が分かる。どこの牛で、どこで生まれて、どこで育って、・・・・いや、知ってたんです。
そんな仕組みがあることも、それが大切な意味を持つことも。
でも、実際に、このトレーサビリティのデータを管理している「家畜改良センター」のサイトを開いて、
自分が持っている「牛」のコードを打ち込んで、出てきたデータを見てみると、「牛」に対する見方が変わりました。
なんていうんでしょうか、私の場合、「牛」の肉の「かたまり」が、「牛さん」になって、親近感と感謝の気持ちが生まれました。
私が日曜に食べた「うしさん」は、平成16年10月2日、北海道生まれで、翌年7月7日に山形県の牧場に買われて行きました。そして、その1年半後の今年1月9日に食肉処理されたとあります。
わずかこれだけの「データ」なんですが、名前がついていたのかいないのかも知らない「牛」なのですが、気がついたら私は、この「牛」が生まれてから自分の目の前にやってくるまでの2年少々の月日に思いをはせていました。
本当に、私は、この「うしさん」を、しっかり味わい尽くして食べたのか。恥ずかしくない食事をしたのか。
出生の秘密を知らされただけなのに、いや、出生の秘密という究極の個人情報を知らされたからこそ、
私は、この「うしさん」との関係を真面目に考え、自分を振り返る機会を持つ事ができたように思います。
ありがとう、牛さん。
出生の秘密を伝える。これ、インパクトありますよ。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
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投稿者 鶴野充茂 : 2007年02月05日 10:50