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2007年02月09日

対応策が見つからない時の危機管理メッセージの発信

今年は不二家の問題を代表作として、さまざまな企業/団体で問題や不祥事が起こり、組織のトップや広報の仕事をする人にとっては、いろんな危機管理のケーススタディを見る、たいへん良い機会になっています。

たとえば、2007年1月に発覚した危機管理のケースをざっと調べただけでも、これくらい出てきます。

  • あるある大事件(納豆事件)
  • スタバで見本用の洋生菓子を誤販売
  • 客に3カ月半前のドリア 茨城のファミレス
  • マーガリン「ラーマ」にメッキ片混入、86万個回収へ
  • 不二家、04年販売のビスケットに金属片
  • コカ・コーラ:飲料に破片混入 13万4000本自主回収
  • 大阪USJで菓子2商品回収、賞味期限切れ原材料
  • 不二家、チョコの箱にガが混入12件
  • 三菱ふそう、新型ハブ亀裂で56000台リコール
  • ポケットの携帯電話が発火、半身やけどで男性重傷
  • JR京葉線の車掌、ニセ異常通報で電車遅らす
  • 不二家、12年前に9人食中毒発症も公表せず
  • 顧客情報紛失:ミルクコミュニティが2598人分
  • 南京虫に食われ賠償金数億円?  英最高級ホテルの宿泊客
  • 鶏8000羽を殺処分 宮崎の鳥インフルエンザ
  • ミスタードーナツの商品から異物、ダスキン発表
  • 文科省、「LEC東京」に特区大学初の改善勧告発動
  • 全資料流出の可能性大 試験問題漏洩で福岡市教委が報告

で、こういう時に、当該組織は、状況や問題が起こった原因などをしっかりと発信する必要があるわけですが、そこに必ず「今後の対応策」というのを入れなければなりません。

多くの場合、「今後、再発防止に向けて、○○にしっかり取り組んでいく」というようなメッセージになります。

ところがこれ、そんなに真面目に見ていなくても 「え、それで本当に解決しますか?」と突っ込みたくなるようなものが多いんですね。

それもそのはず、問題が発生している時の組織の問題は、「○○を直す」→「もう安心」というような単純な形には、なかなかならないからです。

でも、「これは組織風土の問題で、何かを直せば再発防止になる、という単純なものではありません。だから、気をつけて見ておきます」というのでは、社会的に許されない。それで、「まず、始めのとっかかりとして○○に取り組む」というメッセージにならざるを得ない、という事情があります。

そんな中、割と違和感を感じさせずに受け入れられそうな「対策」を見つけました。

2/9/07付けのニュースです。

甘い管理、自衛隊秘密文書27件紛失…22件公表せず (読売ONLINEから引用)

陸海空3自衛隊で2000年度以降、自衛隊法で定めた秘密文書を紛失する不祥事が計27件起きていたことが分かった。

防衛省は、表面化したものなど5件を除き、「文書の捜索を誘発し、情報漏えいが拡大するおそれがある」として、大半を公表していなかった。

同省は「誤って廃棄するなど単純ミスが多い」と説明するが、会議終了後、文書回収を怠るなど、組織的な管理の甘さが原因とみられるケースもあった。

(中略)

防衛省情報保全企画室の話「厳格に定められた管理の手続きを守っていれば紛失も誤廃棄も起きないはずで、事案が起きたのは隊員の意識の問題と受け止めている。今後も教育・指導を厳正に行っていく」 (以上、引用おわり)

私は、この最後のコメントを見て、秀逸だと思ったんです。

役所は、よく「これは省員個人の問題で、組織の問題ではない」というスタンスを取り、なかなか謝りません。

問題はどうあれ、先にそういう結論がある。

それで、ここではその「個人の意識」の問題は「教育・指導を徹底する」ことで解決する、と言っているわけです。

(企業だと、多くは、「社員の意識の低下は、会社の責任です。すいません」と自分から言います。徹底されていない管理の手続きは、組織的な問題と捉える方が自然だからです。でも、そう捉えなければならないというルールはありません。言い方次第なところもある)

つまり、「どうしようもないんです」というのを、今後の対策を何も約束せずに合理的に伝えているわけです。

(少なくとも、この記者はこのコメントに対して食い込めなかった)

これ、組織としての対応策をどうしていいか分からない時の表現として、たいへん参考になります。

さすが、自衛隊! という感じ。



今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 

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投稿者 鶴野充茂 : 2007年02月09日 06:12