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2009年05月20日

選ばれる理由 (旅先としてのUK)

今回、1週間のUK訪問。実際に行ってみて、観光地・旅先として選ばれるために(人に足を運んでもらうために)、「何が必要なのか」を滞在中、何度も考えました。

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たとえば、湖水地方に泊った時、宿のスタッフと「なぜこの土地が多くの人を魅了するのか」について話をしていると、風景や気候、この土地が持つ魅力について、こう言うんです。

「You can't buy.」 (お金では買えない)

私が行った時には気温も10度前後で肌寒かったのですが、それでも、「一日のうちに雪が降ったり、陽が出てポカポカ陽気になり、花が開いてまぶしい。一日の間に四季がある」というくらい、その景色がガラッと変わります。

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羊や牛が草を食み、子どもや老人が日向ぼっこをしたり、散歩したりする姿を眺める。

景色を楽しみながらトレッキングをし、自然の中で普段使っていない感覚を味わうわけです。

そんな経験、お金じゃ買えないだろう(You can't buy.)と、この場所で、何人も異なる人の口から、同じフレーズを聞きました。 

それってすごいですよね。表現レベルまで認識が浸透・共有されているということですから。

 

所変わってロンドン。

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高級百貨店ハロッズの生鮮食料品売り場。ここでは、日本の百貨店ではちょっと見られない光景が繰り広げられています。

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何かというと、店内で、たくさんの客が、売り場の写真を撮っているのです。

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「写真を撮りたくなる売り場」(しかも自由に撮らせている売り場)

本当にたくさんの観光客がカメラを出して、フラッシュをたいて、店内で写真を撮っています。

キャッチフレーズになりますよね。「みんなが写真を撮りたくなる売り場」。

 

マンチェスター行きの飛行機に乗った時、機内放送で、現在進行中のサッカーの試合のスコアが流れました。

マンチェスターのホテルにチェックインし、部屋に入ったら、荷物を持ってきてくれた人が、「あ、そうそう、今日は2-1で勝ったよ」と教えてくれました。

この町は、誰もがマンチェスター・ユナイテッドのサポーターで、世の中のみんなもそうだと信じて疑っていません。

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きっとマンチェスターユナイテッドの試合の動向は、天気予報より価値の高い情報として扱われていることを、半日立ち寄っただけの旅人でもはっきり認識できました。

 

そこにいるみんなで共有され、同じフレーズを使って説明できるくらい浸透した体験や価値観や情報というものが、外から触れる(旅行者として訪れる)人にも感じられるかどうか。

それがあるかどうかは、マーケティング視点で、「選ばれる理由」として、きっと重要な要素なのだと感じました。

 

        今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 

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投稿者 MT : 2009年05月20日 22:36