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2007年11月21日

何とかしてほしい講演/プレゼン と その対処法

仕事柄、多くの講演やプレゼンを見る機会がありますし、

時間をつくってできるだけ多くの講演やプレゼンを見るようにもしているのですが、

見ていて、居たたまれない、痛々しい講演やプレゼンに出くわすことも意外と少なくなく、

たまたま先日もそんなことがあったので、

当日、講演会を聞きながら手元でメモしたものをベースに、

そのポイントと、セルフチェック/対処法を、

改めて自分のためにもと、まとめてみました。


何とかしてほしい講演/プレゼン と その対処法


1.スライドの文字が小さくて読めない

 大きなホールでの講演会や、配布資料なしのプレゼンの場合、スライドに書いてある文字を聞き手は一生懸命に読もうとします。読もうとするのに読めないのは、聞き手に強いストレスを与えます。

 部屋の一番後ろからでもすべての文字が読めるのか、そうでなければ配布資料を充実させたいところです。


2.スライドの文字をメモできない

 話を聞きつつ、スライドを見つつして必死でメモをとっている聞き手。後で解読できるのかどうかも分からない「速攻」文字でメモをとっているにもかかわらず、無情にスライドが切り替わる。その瞬間、「ァッッ」と吐息まじりの小さな声が、自分が座っている近くの席から聞こえてくる・・・。 

 こんな時ほど、切ない気持ちになることはありません。 気持ちはわかりますよ、もう少し待ってくれてくれてもいいですよね、聞き手を何だと思ってるんだ。私はあなたの味方ですよ、と近寄って伝えたくなります。

 配布資料を配らずにスライドを見てもらうなら、聞き手が何をメモするのか、したいのかを考えてスライドを作る。メモされて困るものはスライドに書かない。メモしてもらいたいものは、メモの時間も考えながら話を進めたいところです。

3.言葉が不明瞭でよく聞き取れない

 早口はいいんです。問題は、数字と固有名詞、そしてCSRとかDRMみたいな省略語です。たまにそれが間違っていて、余計に何を言っているのか分からなくなることがあります。 聞き取り間違いをしそうな単語が出てきたら、そこだけでも意識的にゆっくり、はっきり言いたいですね。いやもう、できれば繰り返し言ってほしい。自信を持って。本当に。お願いします。   (?)


4.「えー」「あのー」がやたら多い

 これ、意識して練習すれば確実に減らせます。それでも気になるほど多い人は、単に準備不足なのではないでしょうか。


5.本や商品を手で持って紹介している時に、手を揺らすので、ちゃんと見えない

 「この本、いいですよー」と紹介してもらうのは良いのですが、タイトルが読めないとメモできず、タイトルを読もうとしている間は少なくとも話が頭に入ってきません。話し手にも聞き手にも、お互いにもったいない時間です。見せる時は、しっかり見せる。終わったら、片付ける。それで格段にスッキリします。


6.スライド/手元資料の文字が多すぎて読む気も起こらない

 講演/プレゼンの「場」は、話し手がマネジメントしているので、「今」なにをすべき時間なのかを伝えてあげないと、聞き手はよく混乱します。文字の多いスライドや資料を見せられたら、「え、これ、今、読むの?」「どこ見るの?」と聞き手は思います。話を聞きながらたくさんの文字を読むのは無理なので、「詳しくは後で資料を見ておいてください」なのか、「たくさん書いてありますが、今、見ていただきたいのはこの部分です」と指し示すかしてもらえると、安心して話についていくことができます。


7.話が当たり前すぎる/オチがない

 それは確かにそうなんですけど、それだけですか? という話が結構多いですね。著名経営者や学者でも、「え、それで終わりですか?」「オチは?」みたいな。 もちろん、「大切なこと」は、基本的なこと、当たり前のことが多い。 でも、当たり前の「大切なこと」を伝える時にはセオリーがあります。それは、しっかりしたオリジナル(手垢のついていない)エピソードを付け加えることです。エピソードが入るだけで、印象がまったく変わります。


8.スクリーンかPCに向かって一人で喋っている

 いますよね、客席ではなく、ずっとスクリーンかPCを見ながら喋っている人。「おーい、こっちですよー」と手を振りたくなることが、私は、何度もあります。そんな癖のある人への対処法としては、喋る前にスクリーンやPCを一度しっかり見て、確認してから、視線を動かし、聞き手を見てから話し始める訓練をする。中途半端に見ながら話すから、客席を見られないんですね。見るなら見る。話すなら話す。ちょっとしたことですが、これ、結構、効きます。


9.スライドと配布資料が違いすぎる

 スライドでは見せるけど、配布資料には入れたくない、みたいな差をつける人、いますよね。あるいは印刷に出すタイミングからしばらく本番までに時間があったり、プレゼン直前に手直ししたりして、若干違いがでるのも仕方ないことも確かにあります。でも、全体を要約しているようなページや、「このページがなくて、どうするの?」みたいな重要度の高いページが抜けてたりすると、ストレスを感じますね。


10.態度、姿勢、見た目が気になって話の中身が頭に入ってこない

 最近気になったある講演者は、立っている姿勢が悪くて、どうも話がしっかり聞けなかったことがありました。中途半端な「休め」みたいな姿勢で、足が曲がっていて、手がだらんとやる気のないポーズになっている。 人前で話すのがうまい人は、姿勢やポーズが左右対称であることが多いんです。適度な緊張感が体の先っぽまで漂っていて、ピンとしている。そうすると、見た目に安心感が出ます。


 

きっと、どれも気にならない人もいるだろうし、そんなことより中身に力をいれたい、という話し手もいるかもしれません。でも、こういう小さな「気になること」が積み重なって、せっかく準備した「良い話」も聞いてもらえなかったりすると、本当にザンネンですよね。聞き手も本来、話し手の話にしっかり集中したいわけですから。

良い講演/プレゼンとは、少なくとも内容に集中して話を聞ける、という条件があるのだと思います。

逆に言うと、それくらい集中して話を聞いてもらうためには障害がたくさんある、ということで、

もしご自身が人前で話す機会があれば、上に挙げたような視点をちょっとでも思い出してもらえると嬉しいです。

            今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

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投稿者 鶴野充茂 : 2007年11月21日 17:45