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2007年04月01日
広告と広報の役割分担
コミュニケーションは、同じメッセージでも、誰が言うかによって効果が変わります。
企業が主体の場合、自分で発するのが広告。
人に代わりに発してもらう活動が広報です。
誰が言うかが大きな問題となることもあり、業界によっては、「自分で言うな」と決められていることがあります。
それが広告規制です。
そんなことをこの記事を読んでいて思い出しました。
医療機関の広告規制緩和、厚労省が指針 / 「日本一」や「絶対安全」禁止表現は明示
待ち時間や設備写真認める (4/1/07 日経新聞より引用)
厚生労働省は病院や診療所が新聞やテレビなどに出す広告で、患者の平均待ち時間や病院の施設写真などが盛り込めるようにするガイドラインを作成した。これまで医療機関の広告には住所や医者の名前など限定的な情報しか出せなかったが、規制を緩和する。患者が医療機関を選ぶ際の情報を増やして、医療機関の質の向上を促す。
ガイドラインでは、患者の平均待ち時間や病院の施設を撮った写真、CTスキャンなど最新の医療機器があるかどうかなどの表示を認めた。(以下略)
この記事で紹介されている、「医療広告ガイドラインの概要」では、次のようにまとめられています。
新たに認められる主な広告内容
・診療科ごとの平均待ち時間
・病院の建物の写真
・セカンドオピニオンへの対応実績
・集中治療室(ICU)の存在
・CTスキャンなど最新機器の存在
・看護師など医療スタッフの数と名前
・使用している治験薬の名称禁止が明示される主な広告内容
・手術後の生存率や死亡率
・患者の体験談や著名人の受診実績
・「絶対安全」「日本一」などの表現
・残虐な映像
私が注目したのは、「禁止」の中にある、「患者の体験談」です。
経験者が自分のメッセージをサポートしてくれるように語ることによって、自分で言うだけよりも、説得力が高まる効果があるため、通販などの業界を中心に、広告に「体験談」を入れることが欠かせなくなっています。
しかし、広告主が都合の良い体験談を選んで掲載することも考えられます。
それはもう、体験談の形を借りた「自分のメッセージ」です。
そういうわけで、医療機関の場合には、その影響力を看過できないとしてNGという判断になったのでしょう。
一方で、そうはいっても、ユーザー側としては、その医療機関が本当のところどうなのか、経験者の声を参考にしたい、ということが多々あります。
そういう場合には、ぜひ広報活動に力を入れて下さい、と。 上のガイドラインは、私にはそのようなメッセージなのだと読めました。
今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!
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投稿者 鶴野充茂 : 2007年04月01日 17:38