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2007年03月22日

トップの意思表示

謙遜か、正直か、大きく見せるか、それとも・・・? 人から褒められた時、「とんでもない」「そんなことはありません」と言う人が少なくありません。 

これ、関係するのが自分だけなら、謙遜で済むのですが、組織のトップやグループの代表(象徴)的な存在の人は、注意する必要があります。 とっさにポロッと出ますからね。

この記事を読んでそんなことを考えました。

将来は「偉人」? 安倍首相が歴史舞台観賞

安倍晋三首相は21日夜、都内でお笑いタレントらによる舞台「OUT OF ORDER 偉人伝心」を昭恵夫人と観賞した。 エジソンや清水の次郎長など歴史上の偉人にまつわる6つのストーリーが展開するコメディー作品で、ネプチューンの名倉潤さんと堀内健さんのほか、原千晶さんらが出演した。 舞台終了後、首相は楽屋に名倉さんら出演者を訪ね「楽しく拝見した。どうぞ頑張ってください」と激励。舞台スタッフから「何十年後かには首相も偉人に」と水を向けられ「いやいや私はないです」と笑いを誘う場面もあった。 (3/22/07付 産経WEBから引用)

 

私が気になったのは、

舞台スタッフから「何十年後かには首相も偉人に」と水を向けられ「いやいや私はないです」と笑いを誘う場面もあった。

という部分です。

これ、本人は、あまり深く考えて言ってないのだと思います。その場は「ご謙遜を」と軽い笑いで済むでしょう。

でも、文字になった時、あるいは第三者に伝達された時には、メッセージの意味が変わります

上の首相の発言だと、「私は大したことをしません」

という意思表示に伝わります。

なぜか。

首相の行動は日本国民すべてに関係しています。 つまり、トップが関係者に対して、自分はどう動くかという方向性を示しているわけです。

そんな所で、「偉人になるようなことは、自分はしない」と宣言しているわけですから、トップとしては問題発言です。


ただ、「でもまあ、場の空気とか、愛嬌とかもあるじゃないですか」という気持ちもあります。

それも踏まえてどうしたら良いか。

私のオススメは、方向性を示しつつ、スタッフに花を持たせるようにまとめる、というもの。で、話を少しずらす。

たとえば、上の状況だと、

 「偉人というのは、本人も当然功績があるのだと思うが、周りのスタッフにも支えられて、きっとチームとしての成果をたくさん出した人ではないか。大きな成果は一人では出せず、スタッフ一人ひとりが活躍することが条件になるだろう。私は今取り組んでいる施策のそれぞれで、たくさんの偉人を生み出せるように努力したい。」

みたいな。

「首相も偉人に」という投げかけに対して、直接答えてはいないけど、たくさんの偉人を生み出す人は、やっぱり偉人ですから、記者もそのへんはうまくまとめてくれるんじゃないでしょうか。

角を立たせず、がっかりさせず、伝えるべきメッセージはしっかり発信する。そんな意思表示の仕方をトップは考えてみるのも大切ではないかと思います。

 今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 


 

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投稿者 鶴野充茂 : 2007年03月22日 13:08