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2007年02月19日

「名乗る」ことは「決める」こと

政府が団塊世代向けの支援策として、新しい「資格」の導入を検討しているそうです。

「団塊」支援へ、簡単な研修で新資格…観光や福祉など

政府は、今年から定年期を迎える団塊世代の「第二の人生」を支援するため、簡単な研修を受けるだけで取得できる新たな資格制度を導入する。

資格取得に年齢制限は設けないが、退職後に社会貢献をしたいという希望を持ちながら、機会を見つけられない人を活用するのが狙いだ。「再チャレンジ支援」策の一環として、観光、福祉、環境保護などの分野で新資格の創設・拡充を検討している。

国土交通省は4月から、観光地の振興策などを立案する「観光地域プロデューサー(仮称)」の養成事業を始める。旅行会社のOBらを対象に1~2週間程度の研修を実施し、同省が設ける「観光地域プロデューサー人材バンク」に登録してもらう。全国の自治体や観光協会などから要請があれば、人材をあっせんする。報酬は派遣先が支払う。同省は将来は数百人規模のプロデューサーを養成したいとしている。

厚生労働省は「介護サポーター(仮称)」制度を検討中だ。介護保険改革では、2009年度から、要介護者などに調理などの家事援助をする「3級ヘルパー」が介護報酬の対象から外れ、事実上廃止されることが決まっている。介護サポーターは、3級ヘルパーの仕事をボランティアとして行う資格を想定している。

環境省は、企業やNGO(民間活動団体)などの環境保全活動に助言する「環境カウンセラー」を増員する。カウンセラーになるには、環境保護の経験と論文などの審査が課されるが、中高年の関心は高いという。同省は約3800人(05年)いるカウンセラーを5500人程度まで増やす計画だ。

ただ、こうした簡単な「資格」は既存の資格と仕事が重複する可能性もある。厚労省は一時預かりなどの保育事業に携わる「育児サポーター(仮称)」の創設も検討したが、「保育士の仕事を奪うことになりかねない」として断念した。 (以上、2/19/07  読売ONLINEより引用)

簡単な研修を受けるだけで取得できる資格取得者に、どれだけの専門知識や技術を期待できるのかはさておき、私は組織で働く時の資格と、定年後やフリーでやっていく時に仕事の軸となる資格には、自己演出上、根本的な違いがあると考えています。

簡単に言うと、組織で働く時の資格というのは、プラスα、アドオンのメッセージです。

私は、○○「も」できますよ。 ○○という資格「も」持ってますよ。 という感じ。

これに対して、組織を出てしまうと、ラベリング、タイトルとしてのメッセージになります。

私は、「○○ですよ」 ○○という資格「で」仕事をしていますよ。という感じ。

もちろん、資格より先に名乗るタイトルがあれば別ですが、「○○○の山田太郎です」と言う時に、組織に頼らずに仕事をする人は、多くの場合、職業が名前の前に来ますので、ある意味、資格を選ぶことが組織/仕事を選ぶのと同じ意味合いを持ちます。

そう考えた時に、

資格を選ぶのって、1つの決断が要りますよね。

「名乗る」ことは、自分が何者かを「決める」ことですからね。

今までの仕事の延長上や、ずっとやってみたかった仕事に直結する資格があるなら、選べそうに思いますが、そうでない人にとって、どうやって選ぶんでしょうか。

一方で、きっとこの先は、どんな組織で働いているとか、どんな役職かに関係なく(組織内で働いているとかいないとかに関係なく)、自分の仕事を定義するような名称をつけるのが一般的になってくるような気がします。

でも、もしそうだとしたら、そういう、言わば「進路指導室」的な役割は、今後、ハローワークが担うんでしょうか。

いやいや、そこにこそ、「自己演出プロデューサー」という職種が重要な役割を担えそうな気がします。

主管は文科省ですかね。それとも厚生労働省? 今度持ちかけてみよう。


今日も1つ、自己演出コミュニケーションの頭の体操ができました!

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投稿者 鶴野充茂 : 2007年02月19日 17:23