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2007年02月14日

「説明力」はこうして鍛えられる

私がPR会社で仕事をしている時に痛切に感じたのは、会社や個人は、「説明(情報発信)せざるを得ない状況にならないと、わざわざ説明しない」ということでした。

日本で広報が遅れているのは、つまり、広報しなくて良かったからなんです。

それが、今、急速に状況が変化してきているのを感じます。

説明(情報発信)せざるを得ない機会がどんどん増えているんです。企業も、個人も。

そんなことを思いながら、この記事を読みました。

「トリビアの泉」行き過ぎ演出か、フジは捏造否定

フジテレビは13日、バラエティー番組「トリビアの泉」の企画コーナー「雑種犬の能力検証」で、飼い主ではない動物プロダクションの社長を飼い主であるかのように放送していたことを明らかにした。

NPO法人「動物実験の廃止を求める会」の指摘に回答した。

フジテレビによると、この番組は2005年9月14日に同系列で放送された。雑種犬100匹で「飼い主が突然倒れ、苦しみ出したらどうするか」を調査した。

このうち1匹は、飼い主ではなく、その犬が所属する動物プロダクションの社長が出演した。また、うまく撮影できなかったため、撮影時にドッグフードを使ったという。

フジテレビ広報部は、「社長を『飼い主に準じる方』と判断した。『やらせ』『捏造(ねつぞう)』とは全く違う」としながらも「反省すべき点もあった」とコメントしている。

(2/14/07  読売ONLINEより引用)


私が最も注目したのは、2パラグラフ目の文章です。

NPO法人「動物実験の廃止を求める会」の指摘に回答した。

この一行を見て、 「お!」 と。



これまで、日本の消費者団体やNPO/NGOは、情報発信が弱かったんです。本当に弱かった。

どれだけ正論を言っても、企業に圧力をかけるだけの力をなかなか持てなかったし、マスコミを動かして記事を生み出すこともできませんでした。

そういう意味で、こうしたNPOが特定テーマで、巨大メディアを突付いて、公式コメントを出させ、他のメディアに取り上げさせることができた今回のケースは、画期的だな、と。

もちろん、この背景には「あるある大事件」でメディアの信頼性を問う意識の高まりがあるわけですが、大きな時代の流れとして、メディアやその他の企業も、「信頼され続けるために、説明せざるを得ない」という方向に環境が変化していることだけは確かです。

ただし! せっかくテーマに興味を持った人が、この「動物実験の廃止を求める会」 のサイトを見ても、今回の「指摘」を自分たちのサイトで発信していません。 

説明を求めている団体も、自分たちの説明は、まだまだ甘い。

まさに発展途上ですね。

今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 

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投稿者 鶴野充茂 : 2007年02月14日 10:16