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2005年01月13日

性犯罪の情報公開とプライバシー

情報発信とか、情報収集にはいろんな目的があるものです。理由がどうあれ、情報を発信・公開した場合のリスクやデメリットもありますよね。

たとえば、最近、米カリフォルニア州で性犯罪者の顔写真や住所がウェブで公開する法案が通過した(シュワルツネッガー知事)ため、誰でも(日本からでも)性犯罪を犯したことがあってカリフォルニア州に住んでいる人物を検索することができるようになりました。

資料:「 カリフォルニア州「性犯罪者情報のウェブ公開」、「 カリフォルニア州、Megan's Lawのオンライン情報公開が本格始動 」

興味のある方は、こちらからどうぞ ⇒  Megan's Law - Information on Registered Sex Offenders

これ、本人や家族などが性犯罪者じゃなければ、「安全のために」必要な情報。一方で、性犯罪の関係者なら、たとえ立ち直ろうとしていても偏見や差別を生む、ということでその是非をめぐって長らく議論が続いているようです。

ここで私は、こういう取り組みに関して、その自治体が誰に対して住みやすい環境を提供しようとしているか、というメッセージ発信の側面に注目しています。つまり、カリフォルニアの場合は安心して住める州というメッセージをとにかく出す必要があったからこの法案を通したのだろうと。

住民は住む場所を変えることができますが、自治体は場所を変えられませんから、税金を納めてくれる人たちをたくさん抱えたいわけですね。さらに、選挙で投票する人に支持される必要もある。それで住みづらいと思う人は出て行ってもらっても結構です、と。

そう考えると、極めて自然な力学と流れ(問題の是非ではなく)によって実現した制度のようにも思えます。

店内全席禁煙のスターバックスが日本に上陸した時に、「タバコを吸えない喫茶店に誰が行くか」という話もありましたが、方針をはっきり打ち出したら、それを支持する人たちもやはりたくさん出てきて、ビジネスもあれだけ拡大しました。

そういう意味では、情報を発信・公開するというのは、別の言い方をすると、方針を決める、ということなのかもしれません。

見てください、絶好調ですよ!

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投稿者 鶴野充茂 : 2005年01月13日 13:35

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コメント

はじめまして。
犯罪者の情報公開は、むずかしい問題だと感じています。
日本も江戸時代には、罪人の腕に入れ墨を各藩によって
実施していた過去があります。
その時代が単純で、今が複雑になったからと言う理由には
当然、無理があります。
>情報を発信・公開するというのは、別の言い方をすると、方針を決める。
結論は、そのなのかもしれません。
今後ともよろしくお願いします。

投稿者 現場監督コンサルタント : 2005年01月13日 14:56

コメントありがとうございます。是非は本当に難しい問題だと思いますね。私の考えとしては、誰もが自分の意見を持って、自分が賛同できる主張をする政治家に一票を投じるのが、こういう問題で大切な1つの意思表示なのかな、と思います。

投稿者 つるさん : 2005年01月13日 16:55

犯罪者の情報公開。難しい問題だけど、性の志向性ってその人の性格の本質を決定付けるぐらい大きな要因なので(フロイトだよん)、理性が負けちゃうと性犯罪もクセみたいになるのですよ。
常習性のある犯罪者の場合は、地域の人間も知りたいというのが人情でしょうねぇ。
かといって、疎外感から余計に凶暴化するという恐れもあるし。

1回性犯罪でつかまったら、矯正プログラムを充実させて欲しいもんですね。もし情報公開するんだったら、矯正プログラムの結果も載せるとか。
でもやっぱ、難しいか。。。

投稿者 かずめ : 2005年01月14日 10:51

矯正プログラムって、退職者支援制度みたいに読めてしまいました。今回、私は対象外でした。しくしく。

投稿者 つるさん : 2005年01月14日 11:07

はじめまして。
自分が住んでいて、そして小さい子供を持っている親ならば
性犯罪者の情報公開を願いますよね、親としては当然ですよね。もちろん、出所後の犯人のその後の人生も考えてあげなければならないのでしょうが、それよりも自分の家族を守ることを最優先してしまいます。安心して生活を送りたいですから。
矯正プログラムを充実させて再犯率を0にしてもらわない限りこの議論は続くのではないでしょうか。

投稿者 性犯罪を考えるイノはは : 2005年05月19日 17:25

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