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2007年04月28日

政治に見る共感の表現

政治家が長けている(鍛えられている)コミュニケーションの1つに「共感」があります。

「あなたの大切なことを、私も大切に思っています」というメッセージの発信です。

それによって相手に、思わず「彼はいい人じゃないか」と思わせてしまいます。

そんなことをこの記事を読んで思いました。

 

米大統領、めぐみさんの写真「執務室に置いてある」

「拉致問題に対する私の強い感情が薄れることはない」――。

ブッシュ米大統領は27日昼(日本時間28日未明)の安倍首相との共同記者会見で、昨年4月に拉致被害者・横田めぐみさんの母、早紀江さんと面会した時の衝撃を首相と語り合ったことを明らかにし、拉致問題解決に向け、協力を続ける考えを強調した。

大統領は早紀江さんとの面会について「胸が張り裂けそうだった。娘さんへの感情は時間を経ても薄れず、悲しみは真実のものだった。娘さんの写真は私の執務室に置いてある。横田さんのホワイトハウス訪問は、拉致問題に人間的な側面を与えた。決して彼女の訪問を忘れない」と感情を込めて説明した。

安倍首相は傍らで「(大統領から)変わらぬ支持の確約をいただいた」と感慨深げだった。 (以上、4/28/07付 読売ONLINEより引用)

私、仕事でかれこれ200人以上の国会議員と会ってきましたが、地盤がしっかりしている議員ほど、共感によって心をつかむのがうまいと感じてきました。

で、大体そんな時には話の流れが決まっています。

まず相手の話を聞いて、それにまつわる自分のエピソードを話す。

そしてそこに、その話が嘘じゃない、と言わんばかりの「証拠の品」が登場します。

上の例だと、「写真」がそれ。また、「片時も忘れていない」みたいに「身近にある」と言うんです。

大統領など、国家元首クラスになると、この「共感」もシナリオを書いて予めセットされている(つまり仕組み化されている)ことも多く、それをわざとらしい、という解釈もありますが、私は逆にこういう配慮こそが外交の面白さであり、また、個人のコミュニケーションにも活用できる気持ちの示し方のように思うんです。

だって、相手の気持ちの流れを読めないと準備も気のきいた一言もないですからね。


 今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

 

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投稿者 鶴野充茂 : 2007年04月28日 15:22