« 「今年の目標」の疑問 | メイン | 日経BPサイト連載コラム:ついに終了 »

2007年01月06日

安倍総理は彼に学べ:広報メッセージの効果的な発信

安倍総理は広報が下手です。個別の施策はそれほど評価が悪くないのに、内閣支持率がどんどん下がっています。

読売新聞にもこんな記事がありました。

支持率低下どう止める?…首相の報道対応悩む官邸

安倍首相の報道対応のあり方をめぐり、首相官邸が頭を悩ませている。首相のマスコミへの登場の仕方を改善し、内閣支持率の低下に歯止めをかけたいとの思惑がある。ただ、“露出度”を上げるか下げるかの方針が定まらないなど、妙案は浮かんでいない。

首相側は内閣発足後の3か月余、首相が立ちながら記者の質問に答える、いわゆる「ぶら下がり取材」について、「原則1日1回」に一方的に制限し、1回の取材時間も平均4~5分程度にとどめてきた。

アドリブと「ワンフレーズ」で記者団の質問をかわしてきた小泉前首相に比べて、安倍首相は慎重できまじめな説明が目立つ。首相周辺の一人は「安倍首相をあまり長時間の質疑応答にさらしたくない」と語る。 (以下、略) 1/3/07読売新聞サイトから引用


安倍さん、ヘタですよ、というのは簡単です。

でも、じゃあどうしたらいいかをアドバイスするのは容易ではありません。

私もずっと考えていて、年明けに、とても良いモデルを発見しました。


それは、天皇陛下です。

「新しい年を/共に祝うことを/うれしく思います。/年頭に/あたり/国民の幸せと/世界の平安を/祈ります」

テレビでも15秒以下でおさまります。(なんてニュースに優しい!)

天皇陛下の「お言葉」が、どんな人・どれだけの人の手でまとめられているのかは分かりません。

でも、さまざまな式典で述べられた表現を見る限りでは、極めてコンパクトに分かりやすく、しかもサウンドバイトを意識した形式でまとめられているのに感心します。

典型的なフォーマットはこんな感じです。

まず、全体の結論から入ります。広報(メディアフォーマット)の基本です。

「本日、○○に臨み(あたり)、△△△されることを誠に喜ばしく思います(心から歓迎の意を表します等)。」

で、簡潔でありながら具体的なエピソードや数字や歴史に触れつつ、最後に締めくくります。

「◇◇◇を願い,式典に寄せる言葉といたします(を祈ります/お祝いの言葉といたします)。」

こんな具合です。とても分かりやすい。


もちろん、天皇陛下と総理大臣は役割も求められている情報も違うので、内容をそのままコピーすることはできないかもしれません。

それでも、話のまとめ方と流れは、政治の記者会見でも一般のビジネス・スピーチでも、あるいは結婚式のスピーチでも、そのまま使えます。


効果的なメッセージは、天皇陛下から学ぶ。

今日も1つ、自己演出コミュニケーションの勉強ができました!

BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

●最近のエントリー
09/15 宣伝会議の巻頭特集で記事を書きました。
09/13 9/21イベントをソーシャルメディアで面白くする「まめさんテレビ」
09/03 劇団四季ミュージカル「ライオンキング」を観た
09/01 日経BP主催/経営者のためのソーシャルメディア実践講座、参加者募集中
08/31 [つるの式55] とっさにコメントを求められた時の対処法は?

 「つるの式コミュニケーションメソッド」

メールマガジン登録

このblogの筆者によるメルマガにご登録ください。自分の名前で仕事をしていきたい人のための実践ビジネス対人要領&自分マーケティング講座(無料)がメールで届きます。

メールアドレス:

Powered by まぐまぐ



投稿者 鶴野充茂 : 2007年01月06日 17:18