不公平な世の中で幸福になるコツとは
1.NYのベーグル屋で「世の中、不公平なもの」と知る
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出張でNYとシリコンバレーに行って来ました。NYから東京に引っ越して
1年になりますが、不思議なもので、NYで朝起きるとホテルの朝食はとらず(高い!)に外に出て、気がついたらベーグル屋を見つけて飛び込んでいました。体がNY時代のライフスタイルを覚えているんですな。
焼いたセサミベーグル+クリームチーズにコーヒー! はっきり叫ばないと永遠に注文できないのを思い出し、2ドルで足りるかなぁ、なんて思いながら順番を待ってました。
人気の店だと、常に長い列ができていて、自分の順番が分かりやすいからいいのですが、その朝入った店は、バラバラに人が立っている。誰が誰の次なのか、後から入ってきた人には分からないような感じです。まぁしかし、自分より前にいた人を覚えておけば、自分の順番は確認できるような気もする。後から入ってきた人も、何も先にいる私よりも先に注文しようなんて考えはしないだろう。・・・・・なんて甘いことを考えた私は、1年の東京生活で「日本の常識」に毒されていることを思い知らされました。
ここはニューヨーク。プエルトリコ人だと思われる店員が注文を聞くのは、待ってる順番ではなく、自分の興味の順番です。
「イエス、セニョリ〜タ」。
次はいよいよ自分の番だと思って手に力が入った瞬間、外から入ってきた長身の白人女性(ベッピン)に声がかかりました。
「この人、今入ってきた人。ワタシ、今までずっとマッテル人。アンタ、見たら分かるやん」。私の気持ちとは裏腹に、店員のホセ(と私の中では命名されている)は、こちらをまるで見ない。
続いて黒人女性がレジに。「イエス、セニョリータ」。ちゃう。次は、「イエス、セニョール(私のこと)や」。
こうなったら、世の中の秩序が崩れるのが分かるんですね。私の後ろで待っていた人たちも、「ああ、こいつの後ろで待ってても得しない」と感じたのか、チャンスがあれば、「我、先に」の姿勢に切り替わりました。
まぁ、そのあと女性がいなくなって、無事注文できましたけど、人生というものは、不公平にできてるもんやな、と思いましたね。公平に扱われるために、まず注目してもらうための工夫がいるわけです。
これをきっかけに、2年前、メキシコ人の同級生をディスコ・パーティに誘って、踊りのうまいメキシコ人男に連れていかれた経験を思い出しました。踊りが下手だとモテない南米。嗚呼トラウマ体験。
■詳しくはつるつる通信28号またはこちらを
2.特別扱いしてくれる場所を求めて動く
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確かに、人の扱いなんて不公平なものです。「いろいろ考えて判断」なんて
言うけど、多くは「好き」とか「嫌い」とか漠然としたイメージで優先順位を決めたり判断したりすることが多いし、女性はよく「どうして美人ばかり得をするのか」なんて言うように、みんなどこかで差を付けられたように感じることがある。
逆に、私なんてちょっとでも特別扱いしてもらったりなんかしちゃったりしたら、もう、ご機嫌ですからね。何かおまけをくれたり、フライトで時々アップグレードしてくれたり、大事にされてるポーズをとられると、それだけで忠誠を誓ったりします。とても単純。
そう考えると、損をしていると感じる人は、そこに居続ける他の理由がない限り、自分を特別扱いしてくれたり、少しでも大切に扱ってくれるところを求めて動いていくものなのかもしれません。仕事でも居住地でも。それがまた自分も周囲もハッピーになる1つのコツでしょうかね。
広報マン的に見れば、大事にされるためには、自分と同じ種類の人間が集まる場所より、意外性の目を持って迎えられるところの方がよくて、「例外」とか関西で言う「ゴマメ」とか、そういう扱いを受けられるところの方が可能性は高いんですね。もっとも、修行の間は同志がいた方が励みになるし気持ちは安心しやすいんですけど。そこで不幸せだと思ったら、それは自分自身のポジショニングを工夫できる余地がある。
3.ファックスが特別扱いされる時
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別に、特別扱いをされる場所を求めて、というわけではないのですが、
振り返ってみると、私、10年間に8回引越しをしていたことに気づきました。
引越しするたびに必ず買っていたものの1つに、ファックスがあります。
ところで皆さん、ファックス、使ってますか?
私は日頃、ほとんど使っていません。コミュニケーション手段としてならEメールで大体用が足りるし、あえて言えば、ファックスなしでも生きていける。でも、引っ越すと、留守電付きファックス電話を買ってしまうんです。安いし。そして時々、「あ、今からファックスで送るわ」と言われて、ロール紙が残っていたかどうか不安になる時がある。つまり忘れた頃に使われる、と、そんな感じでしょうか。
で、先日、今の品川区の住まいもボチボチ手狭に感じているし、気分転換も兼ねて引越しでもしたいなぁと思って、インターネットで賃貸情報を見ていたら、結構、気になる物件が出てくるんです。仕掛けなのかもしれませんが、ネット上では、間取り図があまり公開されてなくて、代わりに問い合わせボタンというのがついている。これを押すと、不動産屋に連絡が入って、間取り図を送ってくれるというシステムです。
これが結構楽しくて、調子に乗って興味のある物件の問い合わせボタンをポンポン押してたら、ほんの数分後から、物件のFAXが山ほど送られてきました。
「おおお、ファックス、フル活躍や!!」
ファックスに感動したのなんて、大学の時に初めて一人暮らしをして、ファックスを購入し、それを記念にJ-WAVEにFAXリクエストをした時以来です。
しかし、次々に送られてくる物件の間取り図を見ていると、ロール紙が切れる「赤いライン」が出てきたのに気がつきました。近くのセブンイレブンに飛び込んでロール紙を探し、在庫をすべて買い占めました。興奮しているもんですから、まさに「買い占めた」って気分なんです。買ったのは2本なんですけど。
不動産屋って、ファックスがもっとも活用されてる業界だと思いますね。
ファックスも不動産業界なら、特別扱いしてもらえる。こういう分野を
うまく見つけ出せれば、人もきっと幸せになりやすいんじゃないかと。
いやはや、ともあれ、酷暑と電車のラッシュでゲンナリしていた昨今でしたが、東京も捨てたもんじゃない。そう感じた久々の東京感動体験でした。
■少しですけど出張中の西海岸の写真はこちらに
(07/22/01@Tokyo/NY)
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