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日常生活の部

98年 no.1

 

ブリのつもりがタラに

感動小話

イギリスの天気予報

今週の論争

ロンドンと喫茶店

 

ブリのつもりがタラに 

今日は、サカナの煮物を作ろうと、愛読書「かんたん自炊ハンドブック」をペ ラペラめくっていたところ、「ブリと大根のあら煮」というのを見つけました。

「格安でしかもうまい! 豪快につくる」というキャッチコピーが書いてあります。「こ、これしかない」そう思いました。思い込んだら止まらない性格です。 ご飯を研ぎ、炊飯器をセットしてから上着を羽織った。水曜日。あー今日はダイエーが休み。魚買うならカスミ(上流マダムが集まると評判の(つくばで)、ちょっとヨソより値段が高いスーパー)だ。そう思って車で向かったのです。 

ぶりぶりぶり。寒ぶりって言うもんなぁ〜。いやぁ〜、もー絶対今日はブリやわ。ぶりぶり。旬やし、お手頃価格やろう、きっと。

しかし、そう信じていた私は甘かった。 

カスミで見てびっくり。ブリのパックは400円〜1000円!!!! 腰を抜かしてしまいました。(予想は300円 at most) 

ショックでした。しばらくブリの潤んだ目を見つめていました。 

「あほ〜、まだまだ甘いんじゃ〜、もっかい一から出直してこい」 なんだかバカにされているように感じた(あ、供述調書風になってきたぞ)。 

フト気が付くと、すぐ隣に優しい視線を感じたのです。 タラでした。

鍋のとき、大量に使う白身の魚―タラ。でも、彼は、果たして主役になりうるの か!? そんな疑問が心に浮かびました。ミュージカルのキャッツに出てくるネコを一匹連れてきて、一匹で公演をさせるようなもんやないか ―― 訳の分からないことを考えていました。が、気が付いたら「150円引きシールのついた400円(割引後250円)のタラパックを手にしていたのです。 

帰ってきて1時間半煮込んだ。ストーブの上に鍋をのせていたら、知らない間に出し汁が蒸発してカラカラになりそうな状態だった。――― こんだけ煮込んだ 
ら、ブリの味がするやろう。 

ブリの甘くて脂ののったあの味を期待して食べたところが… あ〜、これは、どう考えても 「タラ」やんかぁ〜。やっぱり今日はブリを買うべきやったのです。

(02/18/1998@つくば)

見た目はこんな感じ。でも、味は、淡白タラ。

感動小話 

先日、ホームセンターで、ガムテープやクリップなどといった事務用品と、レジの前にある棚でガムをとって、レジに持っていきました。 

そして、レジで清算を済ませて商品を受け取る時、私はレジのオバチャンの小さな心遣いに、涙したのです。 

なななんと、ガムだけシールを貼って、袋に入れずに手渡ししてくれたのです。 

わ、わかります? この気持ち。 
ガムって、「今食べたい」から買いますやん。いま、いま、噛みたいんです。 いま、カミカミしたい。 そんな、ピュアなフィーリングを、オバチャンは、理解してくれてたんです。 

わ、わかりますか? この気持ち。 

最近、とかく過剰包装な店が多いと思いませんか? 
例えば、コンビニで豚マン買うと、それだけ別の小さな袋に入れてから、 全体の大きな袋に入れます。それは、いい。ひどい場合(相手はそれが丁寧だと思ってる)、冷たいモノの袋と熱いモノの袋を分ける。これだけで袋が3枚。 

コンビニは、そもそもドライブしてる途中に「その場で」食べたいものを買う時か、そうでなければ、家の近くのを利用するでしょう。そんなに長距離を運ぶ買い物はしない訳です。そしたら、温かい弁当と牛乳が1つの 袋に入ってても、いいと思うのです。 ムダなことしてると思いませんか。 

それでいて、スーパーの袋ほど大きな袋をくれないので、ゴミ捨てに使えない。中途半端な大きさで、10回分くらいの鼻紙入れたら、いっぱいになるでしょ?あれ、すごい不便やわ。 

そんな中にあって(どんな中や)、ホームセンターのオバチャンはすごい。 

いやー久しぶりに、日本のいいトコ見ましたわ。 

(98年3月@つくば)

イギリスの天気予報【今日のロンドン】 

この4月半ばの15日、ロンドンは大雪でした。いや、ほんまに。  国内では、洪水で家が流されているところもあるし、仕事は帰ろうとしてるときに降りてくるし、オフィスに私の机はないし、家もないし (居候の身ゆえ)、一体どうなってるのかしら。やだわ。 

それにしても、イギリスの天気予報は分かりませんね。 「It's gonna be a sunny day with occasional heavy shower」なんて ことを平気で言うのですよ。どっちやねん、まったく。 

どうせなら、もっとあっけらかんとした天気予報がいいですね。「雨に5000点」みたなクイズダービー形式でもいいし、 「今日はねえ、えーと、どうしようかなぁ、とりあえず晴れで行きましょう」  みたいな頼りないの、とか、 「晴れんかったら、お宅まで耳掃除に伺います。」みたいな保険付でもいい。 「今日は、雪。降らしてみせますよ」と責任感のあるのも頼もしくて好感がもてます。 

工夫をしてもらいたいもんですな。どうせ博打みたいな天気予報なら(笑)。 

(04/18/98@London)

今週の論争 

トイレに入って便座を上げて出てくるのがエチケットか、下げて出てくるのがエチケットか、ロンドンの各地で議論が起こっています。 

 私の意見は、 
1.女性の家では、下げて出てくるのがエチケット 

2.男性の家では、上げて出てくるのがエチケット 

3.男性に、「終わった後は、便座を下げて出てきてよ」という女性は、嫌われる 

4.女性に、「終わった後は、便座を上げて出てこいよ」という男性とは一緒にならない方がいい。 

5.男性の家で、フタまで閉めてトイレットペーパーを三角に折って出てくるのは、勘違い。 

6.男性の家で、女性がフタを上げ、ある種の男性がするように、周りをめいっぱい汚して出てくるのは、やりすぎ。 

家の主に、違和感を感じさせないようにするのがエチケットというのでしょうね。きっと。 

(04/21/98@London)

ロンドンと喫茶店

ロンドンには、実は日本で言う喫茶店みたいなのが非常に少ないのです。 コーヒーショップみたいなのはあるけど(オランダのとは違う)、軽食とコーヒー・紅茶、という雰囲気のとこは少ない。 

で、そんな「ボクラの喫茶店」がないイギリスで、一体、イギリス人は、どこで待ち合わせをしたり、時間潰しをしたりしているのか、考えたんです。 

それには、どうして日本で頻繁に喫茶店を利用するのかを考えるのが早い。 

小、中、高校生くらいまでは、実は、喫茶店なんて、あまり使わなかった、と、思いませんか? そう、おそらく、大学か、仕事し始めるかくらいのあたりで、利用頻度が増えるんです。 なーんでか。 

それは、待ち合わせが多くなるんですね。人との接触が増える。 「O時に◇◇でねー」という話が多くなる。 

で、私がよくやるように、 

「有楽町マリオンの阪急百貨店5Fにエスカレーターで上がったところにあるイスで18時15分」 

なんて、言うのも、覚えるのも、面倒くさいところは使わず、言いやすく、座って待てて、雨に濡れない、という場所を選ぶ。 

でも、あれは、日本だからだと、思います。 

ロンドンには、公園がたくさんあるのです。オフィス街にも小さなスクウェアがある。わざわざ狭い暗い店で待たなくても、 公園で待ち合わせや時間潰しができるのです。 昼間、公園で見かける多くの人は、だから、きっと、友達と、 

「グリーンパークの、日本大使館前からバッキンガム宮殿 に抜ける道にある、ピカデリー側から4つめのベンチで14時」 

なんて待ち合わせの仕方をしてるんじゃないかと、私は 強く信じてます。(グリーンパークくらい広いと、「ナンバのロケット広場で19時なー」みたいな感覚で説明しても、おそらく会えませんからね) 

日本には、生活圏から公園が遠く、待ち合わせに不便なので使わないだけで、きっと日比谷公園に住んでる人(どんな人や)は、帝国ホテルで待ち合わせするより、日比谷花壇前のベンチで待ち合わせをしているのでしょう。

(06/01/98@London)

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