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日常の部

NY編

 

隣人の音感でリズムが狂う

やっかいな人と英語上達

ホ〜ッとする瞬間

ニューヨークからのギャップ

 

 

隣人の音感でリズムが狂う

以前、トルコ人のムラッツ、イタリア人のムラッツェ(結局名前分からず)が住んでいた部屋には、今、韓国人のハイディーという語学研修生がいます。前の住人と違うところは、毎日料理をすることで、そういう私も料理をするものですから、狭いキッチンでよく一緒になります。

彼は、料理をするとき、突然、言葉とも鼻歌ともいえない奇声を発します。

よく聞くと、ロックのようなのですが、普通に聞いたら小さな悲鳴です。
アルフィーかとも思える。

これ、初めて聞いた時に、私は包丁を滑らしそうになりました。本人は気持よさそうに悦に入ってますが、こちらは、非常に危ない。それ以来、できるだけ一緒にキッチンに立つことは避けようと思うようになりました。

壁の向こうにも別の住人が住んでいます。ブロックが違うので、会うことはありませんが、聞く音楽と話し声から予想するに、たぶんインド人です。

この兄ちゃん、毎日夜中にギターの練習を始めるのです。音が大きい、うるさい、というのはまだ我慢できます。もとミュージシャンの私は、音楽を学ぶ人には
寛容ですから。(笑)(かくいう私もかつて、ちゃぶ台でパーカッションの練習をしていて、下の住人が怒鳴り込んできたことがあります。家の中まで入ってきたその彼は、「お前、ドラムか何かやってるやろ。出せ。」と言いましたが、ちゃぶ台しかないので、不満そうに帰っていきました。)

音量はいいのですが、余りにへたくそで気になって集中できないのです。コードを練習してると思ったら、旋律をやる。と思ったらまたコード。全く根気がない。(だからうまくならないのだ)そしてギターに飽きたら、いきなり歌い出します。しかも全部音がずれてるんですね。

聞いていると、こちらは、イライラして勉強できなくなります。

そうこうしてると、毎回、最後にスモーク・オン・ザ・ウォーターが始まります。この曲は、エレキやってる人にとって、ピアノでいうところのバイエルか猫踏んじゃった、みたいなものなのでしょうか。これだけは、ちゃんと弾けるんです。で、満足するのでしょう、急に静かになります。

おかげで、こちらはリズムが崩れます。

(02/07/2000@NY)

やっかいな人と英語上達

平日昼間、家にいると、よく新サービス加入の勧誘電話がかかってきます。はじめは、どう断るかだけ考えていましたが、実はこれ、結構勉強になるので、時間があったら、できるだけ付き合った方が得だと思うようになりました。その理由は、(1)英語の勉強になる。(2)交渉術の勉強にもなる。そして(3)マーケティングの勉強になる、からです。

まず、勧誘の文句は、大抵、他社サービスとの比較に始まります。電話会社を例に挙げると、「現在、私たちのサービスを利用すると、国内長距離が一分間
7セントで、日本までは、一分間16セントになります」などと来る。この数字がしっかり聞き取れて、頭で自分が使ってるサービスと比較できるようになるのが
ステップ1。(英語練習)

次に、こちらは、月々の定額料金を聞くのです。そうすると「たった2ドルです。レートは24時間365日均一です」と相手が答える。 ここで、「なんや、AT&Tの
ワンレートプランの方が安いわ。日本まで一分15セント、国内長距離は5セントやもん」と文句を言ってみます。 厳密に言うと、国内5セントは、スプリントの
レートですが、消費者はそんな厳密でなくてもいいのです。これがステップ2。(交渉術訓練)

大体、このへんで、相手がプロ(ちゃんと自分で研究している人)かどうか分かってきます。(全く関係有りませんが、サービスセンターに電話すると、よく鼻息
の音が耳に付くのですが、あれ、鼻息の荒いことが採用の条件になっているのでしょうか。シティバンクはまだマシ(というより声もはっきり聞こえない)ですが、
IBMのテクニカルサービスやケーブルテレビ会社の鼻息は、海中からのTV中継シーンを思い出してしまいます。)

相手が不安になると、電話を上司に繋ごうとしますが、ここで、なんとか引き止めます。で、なぜそれだけ安いレートが可能なのか。音質はどうなのか? どれ
くらいの地域に電話しているのか。新規契約の実績はどれくらいなのか。一件獲得すると成功報酬はどれくらいもらえるのか。(質問の理由を聞かれたら、その
仕事に興味があって応募したい、などと言います) と、いろんなことを聞きます。
これがステップ3(マーケティング)

黙って聞いているのは、一番よくありません。「この通話は録音されています。」と言われ、こちらが認めたという証拠に使われますから。 この「録音」という言葉
を聞いて、不安になったら、「英語は母国語ではないので、パンフレット送って欲しい。それ見て確認した後、納得できたら、サインして送るから。」と言うのが
適切ではないかと思います。(正常な判断ができるかどうかも裁判の争点になりますからね)

大体ここで、相手は、「いや、30日間は無条件で解約できるから」と言います。この後、OKと言うと、先方の流れになるので、「書類の確認なしには、手続きを
進めたら困る。先に資料郵送してちょうだい。こちらのサインなしには話を進めないで欲しい」と言います。 そしたら電話勧誘での加入ではないので、相手に
報酬がありませんから、諦めてくれます。

日本でも同じですが、勧誘してる人は、必ずしも好きでやってるわけでは有りません。いろいろ事情がある。だからあまり邪険に扱ったら可愛そうです。しかし、こっちもあまりゆっくり相手していられない。その結果、多くの場合、「またこんどにして」と言います。そしたら、また来ます。なので撃退したいと思ったら、とことん付き合うことです。勧誘には流れがありますから、そういう話法にも慣れておいて損はありません。話聞くだけ聞いて、「ありがとう。勉強になりました。自分でもいろいろ調べて見ます。またいい話があったら教えてください。さようなら。」と愛想良く切ったら、もう来ません。そうして、英語学習は、違う先生の、次のステップに進むのです。(?)

(02/07/2000@NY)

ホ〜ッとする瞬間

・外から帰ってきて、両手に下げた買い物袋を台所に置く瞬間

・鍋を触ったら思いっきり熱くて、水道水であわてて冷やしたとき

・ためてたものを心置きなく出せるとき

・寒い日に、なみなみとお湯の入った湯船に沈んでいく瞬間

・いい言い訳ができたとき

・床屋で熱いおしぼりを顔に乗せられるとき

・混んでる時間帯に一発でインターネットにつながったとき

・夏の暑い日に冷凍庫のドアを開けて、顔だけ冷やすとき

・警察官が通り過ぎた瞬間

・床に落としたコンタクトを何事もなくゲットできたとき

・クリーニング出したら、悩みのシミがとれたとき

・旅行先でチェックインしたホテルの部屋に荷物を下ろすとき

(02/07/2000@NY)

ニューヨークからのギャップ

つるつる通信発行2周年を記念して、一週間帰国し、後輩の結婚パーティに出席するため、母校の有る筑波に行って来ました。

成田空港に降り立ち、一時間半待たされた後乗り込んだつくばセンター行きのバスの中では、地元茨城のオバチャンたちが騒いでいます。

「ほだっぺよぉ」「そっただこと、あんめーよ。」「カカカカカ・・・」スルメと日本酒の匂いが漂う中、一番前の席を陣取り、大阪人よりはるかにデカい声で行われているこのやりとりに、私は、一瞬懐かしさを覚えましたが、13時間の不眠フライトを経てクタクタになっている状態で聞かされるこの「落ちのない漫才」は、もうほとんど拷問であり、眠りたくても寝られないという苦しい状態が、つくばセンターまでの大渋滞の道のり約2時間半続きました。

さて、御存知でない方のために、簡単につくば学園都市をご紹介いたしましょう。街全体が人工的にデザインされているこの街は、景観を守るため、電線が
地中に埋められ、道路も広く緑も多くて、雰囲気は非常によいのです。私がはじめて来た時には、「オーワンダフォー、ディスイズ・ライク・カリフォーニア!(行ったことないけど)」なんて、こう両手を広げて驚きを表現したものでした。

しかし、最寄り駅が遠い(車で30分)こと、もともとも茨城県の村(村から市へ昇格した初めての例)であったことから、実際には、文化や人の流れが悪く、トレンドの発信と言えば、つくばセンターにある西武百貨店とジャスコ、ダイエーに頼っているのが現状です。(西武で購入したジャケットを着て闊歩する友人を大学で見かけたら、「ナウいじゃん」と言うのです←冗談)

さて、つくばセンターに着いて、ホテルにチェック・インしようと歩いていたら、どこからともなくラップが聞こえてきました。とっさにニューヨーク気分を取り戻した私は思わず、すれ違う大学生風の男性に向かって「ヨーメーン、ワッツアップ!」と言いそうになります。(ニューヨークでは言いません)

巨大な黒人がラジカセ抱えて歩いているのかと期待して見てみると、ダボダボのスウェットを着た金髪のお兄ちゃんたちが10人くらいで、床においたラジカセに向かって整列しています。その様子は、まるで、体育大会の組み体操が始まる直前のよう。

と、思っていたのも束の間、次の瞬間には、全員が首をクネクネ動かし(まるでレッドスネーク・カモン)、手が阿弥陀如来像のようになって、片手が背中に(痒いのか?)、片手が「ちょいと御免あそばせ」のポーズをしています。ある人はジャンプし、ある人は寝転び、なんだか、大変なモノを見てしまったような気がして、旅路を急ぎました。

目的の後輩の結婚パーティに出てみると、新郎の友人が「今日は感動して胸が熱い」と言いながら、裸になってシェービングクリームを付けた胸毛に火をつけたり(伝聞)、二児の父親である同級生が、飛び跳ねながら15年前のヒット曲をカラオケで歌っているのを見て、やはり日本は今、明治以来の大きな変革期を迎えているのかもしれない、としみじみ考えていました。

はるきくん&さとみさん、結婚おめでとう!!

(03/23/2000@NY)

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