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こうすれば良くなる国会中継

「プレゼンテーション」を考える

大統領選挙報道の見方

報道の楽しみ方

 

こうすれば良くなる国会中継

私は、日曜日朝、政治家が出る討論番組が好きです。中でも、フジテレビ7時半の「報道2001」は欠かさず見るようにしています。(半分寝ながら見ることも多いけど) 2,3年前からですかね、こういうのが出てきたのは。平日2時ごろの主婦向けワイドショーと同じように、日曜朝の政治テレビもひとつの大きな流れになってきたと思います。これはいいことだ。

 国民が政治に関心を持ったら、国がよくなるか、というのはまた別の話だと思いますが、考えて見る機会がある、というのはいいことだと思います。で、政治の場で今、何が話し合われているかを知るには、国会中継が一番いいと思うのです。

 なのに、国会中継は、ご存知かと思いますが、平日昼間にしか、やってないわけです。すると、どうか。広報の目から言うと、政治のターゲット・オーディエンス
は、一般的には、中年男性でしょうが、その層にリーチする確率は相当低い。(まぁ、そういう考えもあって、最近、政治家がその「中年男性層」にアピール
するため、日曜朝にテレビに出ると考えていいでしょう。(どなたに聞いた訳でもありませんが))

 しかも、その時間帯に見る可能性が高い主婦層を考慮した番組作りもしていない。いや、誰向けという考えが全く見えませんね。編集なしのタレ流しですから。あれは、完全にNHKが悪い。だって、一般人は、審議の途中から見ても、分からないじゃないですか。何を話しているのか。(その裏で、国会対策で、夜中まで残らされている公務員の方々が何人もいるのに。国会中継より国会の裏方中継をした方が面白いかも。)

 私は、あれを録画編集して、夜のプロ野球ニュースの時間帯に持って行くのも1つのアイデアだと思いますが、何よりも、実況中継を入れるのがいいと思っています。とりあえず、流れができるまで、古舘一郎がいい。解説は、竹村健一です。

 で、発表している人の打率・防御率なんてのを解説する。「この前の質疑では、ポイントが甘く、総理を追い詰めることができませんでした。果たして今回はどうか。おっと、低めのカーブ、1ストライク。」とか。ああ、古舘一郎だったら、F1かプロレス。「第3カーブを曲がったところで、いよいよ介護保険料の見なおしに入って参りました。今回のバックストレツチ、まさに見所です。このあたりは、厚生省出身のOOO議員の専売特許でも申しましょうか。さて、このOOO議員、民主党のアレジと恐れられております。その口の早さは、他の議員を全くよせ付けません。」「おっとここで、菅直人のドロップ・キック炸裂。」なんて言う。
 竹村健一も、「みなさんは、発言してる話しかなかなか気にしてないと思いますが、人が発言してる時は、そうでなくて、ネクタイにも注目してください。ネクタイみたら、その人の好きなブランドが分かります」などと、解説する。

 いいと思いませんか? 面白いと思うけどなぁ。私頼まれたらやるのに。

「プレゼンテーション」を考える
(8/30/99@NY)

先日、「パブリック・スピーチ」について触れたところ、「一体どんなことを習うのか」「学歴詐称でないことを証明するため説明して」など多数ご意見を頂きましたので、私の記憶に残っている限りで、そのポイントについて、お知らせしようと思います。

先学期とったその授業、というのは、Prof./Captain Will Evans の Communication
Management for Political Organization という授業で、学期中5回ほどパワーポイントを使って、皆の前で、プレゼンテーションをさせられました。

授業で習ったスライド作成のポイントは、(1)タイトル・目次・引用・本文の順にスライドを作ること、(2)本文は、多くて6行までに留める事。それ以上は、読めないから入れないこと。 (3)配布資料は、発表の前に渡すと誰も発表者を見ないので、プレゼンが終わってから渡すこと、など。

そして、スピーチのポイントは、(1)スライドに書いてあることを、そのまま読まないこと、(2)小人数なら、全員と目を合わせること (3)えー、とか、あー、とか言わないこと、などでした。

これを、この夏の「バ」社でのプレゼン資料や、友人からコソッと見せてもらった広告会社の企画書(多数!感謝!)を踏まえて考えてみたところ、(1)たくさんの
情報を 1枚のスライドに入れようとする場合、文字よりも絵を使った方が、見る方は、短時間に把握しやすい。 (2)スライド枚数と情報量は、できるだけ少ない方がよく、量で圧倒するより、インパクトの強さで勝負した方がいい。(3)質問が出るような説明をして、聞かれてから、細かい情報を伝える方が、記憶に残りやすい、といったことを思いました。

プレゼンの機会の多い方に、ご参考まで。

大統領選挙報道の見方
(11/8/99@NY)

メディア&政治オタクな私は、来年のアメリカ大統領選挙の報道が面白くてたまりません。選挙報道は、どこでも「誰が勝つか」という競馬型が中心になりますが、扱うテーマは、時期によって違い、最近の主な報道は、「お金の動き」です。

選挙に多額の資金が必要となることは明らかですが、メディアの発達によって、資金力の差がこれまで以上に強調されて伝えられ、そのために立候補を断念した候補者がこれまで4人(?)出ました。こういうのを見ると、メディアの発達というのは、案外、民主主義にネガティブな影響を与えているのではないか、とも思いますね。報道によって、国民の選択肢が減って行ってるわけですから。

さて、各候補者は、キャンペーン期間の多くの時間を資金集めに費やしており、残った時間で、テレビの公開討論に参加するなど、選挙民(特に無党派層)に対するメッセージの発信に知恵を絞っています。(ご参考まで、大統領選挙資金の約7〜8割は、CMを含めたメディア広告に使われています。)

唯一「資金には問題がない。金なら充分ある」という不動産ブローカーで大統領候補のドナルド・トランプ氏は、多くのマスコミには、本命視されていませんが、ある世論調査で「トランプは、アメリカ代表になりうるか?」という質問に80%がYesと答えた、という結果が出て、1度世間を騒がせたことがあります。もっとも、電話調査によって行われたこの調査、しっかり
調べてみたところ、75%が2つの電話番号から発信されていた、ということが分かり、それ以来、あまり取り上げられなくなりました。

本選の前に各党で代表者を決めるシステムのため、共和党候補は共和党ごと、民主党候補は民主党ごとに扱われるのですが、キャンペーンとお金、という
観点で一番報道が多いのは、ゴア現副大統領です。

ゴアは、これまで、キャンペーン資金を短期間で湯水のように使い、おかげでスタッフの縮小を迫られたと報じられ、また、同じ民主党候補であるブラッドレーは、キャンペーン先で、安モーテルなどに泊まるが、
ゴアは、豪華ホテルに泊まる、などとも言われています。(ちなみに11月7日ニューヨークタイムズによると、ゴアのキャンペーンマネージャーの報酬は、9万5千ドル。契約当初の予定であった12万ドルからのディスカウントだそうです。私は年間2万6千ドルをコロンビアに払ってます(?))

さて、選挙資金として集めたお金を株式などに投資するケースも多いと言います。狙いは、もちろん資金を増やすこと、そして、資金額の増加で競争相手に先頭意欲を失わせること、だそうです。

本番の選挙1年前である現在のところ、候補報道は、選挙資金や人気ランキングから、早くも4人(民主党:ゴア、ブラッドレー及び共和党:ブッシュ、マケイン)に収縮しています。

そういえば、ゴア副大統領の娘、Karrena Goreは、コロンビア・ロースクールにいるようですね。オンライン検索では、プライバシー保護のためか情報を見ることが出来ませんが、ニューヨークタイムズで知りました。
私のいつもいる隣の建物ですわ。 写真を見ると、結構可愛らしい。「新しい彼が出来たの」と先日、インタビューで答えてました。新しい彼って、案外知り合いの中にいたりして。

大統領選挙って、身近だ(笑)。

報道の楽しみ方
(11/22/99@NY)

(1)大統領選挙

 選挙報道で、どっちが勝つか、という競争の図式で取り上げられることが多いのは、スポーツと同じように、結果が終わるまで分からなくて、なおかつ一般人は、結果より「試合」の成り行きが楽しいと思っていると、メディア業界の人々が信じているからだと、私はこれまで解釈していたのですが、今度は本当にスポーツの話が選挙報道に入ってきました。

 ブラッドレー民主党候補は、昔プロバスケット選手だったのですが、国会議員になるのを機に、バスケットと全く縁を切っていたそうです。試合も見ないし、興味もない、といった様子。それが、大統領候補として、名を連ねた瞬間、バスケットの経験を俄(にわか)に語りだし、国民との「共通体験」をメッセージとして押し出した、という記事が、ニューヨークタイムズで取り上げられていました。(ニューヨークタイムズ11月12日)

 そんなんもニュースになるんかいな、と思っていたら、追記で、「ゴア副大統領は、 ハーバード大学1年の時に、バスケットで1試合平均2.6点を入れていましたので、このバスケットボール選挙、注目ですよ。」 とありました。

ニューヨークタイムズ一面の記事です。


(2)日本のクエスチョンタイムとマイクロソフト

 11月22日付ニューヨークタイムズで、日本のクエスチョンタイムが取り上げられていました。

 日本の議員による議論盛り上げ、イギリスの真似、でも礼儀正しく。というタイトルのこの記事。イギリスの議会党首同士が激しく議論する形式を取り入れて先日始まったのはいいが、「中華料理からアメリカの単語まで、ヨソのを何でも取り入れてしまう」日本も、「和を尊ぶ国」に、この「対立」形式は、すぐにはうまくフィットしなさそう、とされています。

 「記者のインタビューでも、質問を数日前に届けておくことが慣例となっていて、それに嫌々そうに答える」ことや、この議論でも、実は質問を予め相手に届けて
あることなどが書かれていました。

 最後に、我がコロンビア大カーティス教授の「これは、自民党独占の政治形態からまだ次の形に移行していないため」であり、「政治家一人一人の個性が出てこないとねぇ」というコメントが載っていました。

 そんな退屈なクエスチョンタイムを私もケーブルテレビで見て、それとは別に裁判で「独占」と言われたマイクロソフトのビルゲイツが、記者をはじめ、消費者
や投資家に向かって、「我々は、これだけのベネフィットをもたらしてきた。」と堂々と、それでいて実にリラックスした表情で語っているのを見ると、もし、自分が
スカウトマネージャーなら、ビルゲイツを総理大臣候補に立ててもいいなぁ、と思うのでした。 彼を日本の総理に招くと、GDPも上がるでしょうし。

 裁判で独占の事実が認められたビルゲイツですが、ギャロップ社の調査で引き続き世論からは支持されていることが分かります。

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