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コロンビア日記の部
 

ムラッツの後は・・・

ムラッツェの素行

うちの周りのケッタイな人々 

ムラッツェとの別れ

隣人の音感でリズムが狂う

 

ムラッツの後は・・・(9/27/99)

隣に住んでいたトルコ人のムラッツがトルコに帰国し、しばらく空いていた隣の部屋に、自称ミラノ出身のイタリア人が入ってきました。

 彼は、現在コロンビアの語学コースに通っていて、来年はビジネススクールに行こうと勉強中だとか。挨拶は、一応したのですが、どうも英語が明瞭では
なく(こちらの言い訳)、名前が覚えられません。とりあえず、ムラッツェ、とでも解釈しておくことにします。(?)

 それにしても、近くに住んでいるのに、相手のことをよく知らないというのは、様々な憶測を呼んでしまうものです。

 彼が入居して二週間程度ですが、私は、彼はおそらく麻薬マフィアの一味ではないか、と思い始めているのです。

 その理由ですが、まず、建物の中は暗いにも関わらず、常に真っ黒なサングラスをかけていること。それに、筋肉隆々。

 また、部屋の中にモノがほとんどなく、バスルームには、シャンプー1つと歯磨き粉1つしか置いてありません。私の体ゴシゴシタオルを使っているというのは理解できなくはないが、私の歯ブラシを共有しているとしたら、常人ではありません。

 更に、買っておいたトイレットペーパーの6ロールが、いつのまにか消えています。これは、何かのサインに違いない。

 そして、早朝や夜遅くに、部屋でイタリア語の電話。大声でモメているようなので、明らかに取引の電話です。

 そんな彼は、また、タバコを吸う時、部屋の扉を開けっぱなしにするので、臭いのです。それでも、夜は葉巻をくわえて、ゴッドファーザーみたいな世界
に生きてる彼の姿を、つい想像してしまうので、強いことは言えない私です。

 

 

ムラッツェの素行 (10/25/99)

前回、イタリア人の隣人ムラッツェ(通称:本名は不明)が越してきたことを書きましたが、それ以後1ヶ
月以上経った今なお、彼の生態がつかめません。まぁ、直接「お前はマフィアの一味か?」と聞いてみて
もいいのですが、それではあまりに面白くないので、しばらく観察をすることに決めました。そして、今後、皆さんと共に、彼は一体何物なのか、時間をかけて探り当てたいと考えています。

 さて、彼の素行には次のような不審な点があることを、今月私は発見しました。

・ドアが開いてるときに目が合うと、何も言わずにウインクする。

・トイレの便器にタバコを捨てて流さない。

・トイレットペーパー6ロールがなくなっている、と前回のつるつる通信に書いたら、次の週に新しいのが
入っていた。(彼は、何らかの手段で、このつるつる通信を入手しているのか?)

・香水臭い。

・毎晩、夜中に出て行く。

・たまに来る友達は全て男。(ま、またか?)

・食器が何もない。

依然として、荷物のあまりない彼の部屋は、何かの取引のためにカモフラージュとして借りて、いつでも逃げられるようになっているとしか考えられず、そんな彼をなんとなく怪しんでいる私は、トイレのタンクを開けて、薬が隠されてないかを確認したり、キッチンで料理をしている間に、大事な七福神の置き物やカーミットの人形を持って行かれないようにマメに部屋の鍵をかけたりするのです。

私は騙されないぞ。

うちの周りのケッタイな人々 (11/8/99)

「あんたの話はいいから、彼の話をもっと聞かせて」と言う声が多くてびっくりしました。嬉しいような悲しいような、ちょっと複雑な気持がしますが、当の隣人、ムラッツェは、多くの日本人の間で大評判となっていることも知らずに、今日もケッタイな行動をしております。

それでは、彼の、前回からこれまでのケッタイな素行について、御報告します。

・近づいて見ると、ヒゲが濃い。

・部屋のベッドは、さわやかな青色カバー。

・茶色のしましま甚平を着て勉強している姿が、ちょっぴりキュート。

・シャンプーを最近女性モノ「パンテーン・ノーマルヘア用」に替えた。

・共用している洗面台では、どうやら私の「うがいカップ」を使っている。

・出掛けに、「お出かけですか、レレレノレー?(ちょっと古い)」と聞くと、「マミーイズヒヤー(おかんが、来てるねん)」と言い、どこに行くかと聞いたら、ちょっと、はにかんだ。

・最近、香水の量が増えているようで、自分の部屋にいても、匂って来る。(思春期か?)

・平日朝7時頃(毎日!)には、必ずイタリア語で大声を出しながら、電話をしている。(私はこれを、薬の取引でもめているのだと解釈している。)

しかし、よく考えてみたら、そんなケッタイなのは、隣人のムラッツェだけではなかったのです。 定期的に来る掃除のおばちゃんも、大概ケッタイです。

・トイレットペーパーを交換してくれるのはいいが、使いかけのをはずして、タンクの上に置き、新品をつける。(使いかけのは、どうするの。最後まで使えるのに。)
・エレベーターの中で会うと、いつもバナナを食べている。
・「Hi」と私が挨拶をすると、「ふん」と鼻息で答える。まともに挨拶してくれない。
・異様に太ってる。
・いつも興奮しているかのように鼻息が荒い。

人を理解する、ということは難しいことです。

ムラッツェとの別れ (12/23/99)

思い返せば、ムラッツェの様子には、少しおかしいところがあったのです。例えば、

・トイレにコカコーラの缶が時々捨ててあった。(てっきり、日本人が風呂上がりに牛乳を一気に飲むように(左手は腰)、イタリア人はトイレの後にコーラなのだ(?)と思っていた)

・ドアを開けて、ロックを聞きながら、ディディディディディ〜と合わせて歌っていたが、まるで音感がなか
った。

・どうやら髭面の男(たぶんイタリア人)と同棲しているようであった。(またか!)

・ウォールストリートジャーナルを読むらしく、よくトイレに置きっぱなしになってあった。(その習慣、はよ直さんと、娘に怒られるで。(?))

そうして、ある日、何気にふとドアを開けると、見知らぬアジア人がそこにいるではありませんか!

「わ、今度はムラッツェが食べられた。」

出会いあれば、別れあり。それが人生なのかもしれません。ムラッツが去り、ムラッツェも出ていったあと、入ってきたのは、ソンくんという韓国人。またもや
英語コースの学生(男)です。春まで滞在予定。さすがに(?)アジア人とあって、愛想がいいのはいいのですが、毎日のように、韓国人の男友達と一緒にキッチンで料理をして食べています。(ひょっとして、隣はそういう条件の付いた部屋?)

冷蔵庫を開けると、ムラッツェの数少ない食料品(主にチーズ)が消え、大きなキムチの樽がひとつ、真中の棚でにっこり微笑んでいました。(擬人法)

隣人の音感でリズムが狂う(2/8/00)

以前、トルコ人のムラッツ、イタリア人のムラッツェ(結局名前分からず)が住んでいた部屋には、今、韓国人のハイディーという語学研修生がいます。前の住人と違うところは、毎日料理をすることで、そういう私も料理をするものですから、狭いキッチンでよく一緒になります。

彼は、料理をするとき、突然、言葉とも鼻歌ともいえない奇声を発します。

よく聞くと、ロックのようなのですが、普通に聞いたら小さな悲鳴です。アルフィーかとも思える。

これ、初めて聞いた時に、私は包丁を滑らしそうになりました。本人は気持よさそうに悦に入ってますが、こちらは、非常に危ない。それ以来、できるだけ一緒にキッチンに立つことは避けようと思うようになりました。

壁の向こうにも別の住人が住んでいます。ブロックが違うので、会うことはありませんが、聞く音楽と話し声から予想するに、たぶんインド人です。

この兄ちゃん、毎日夜中にギターの練習を始めるのです。音が大きい、うるさい、というのはまだ我慢できます。もとミュージシャンの私は、音楽を学ぶ人には
寛容ですから。(笑)(かくいう私もかつて、ちゃぶ台でパーカッションの練習をしていて、下の住人が怒鳴り込んできたことがあります。家の中まで入ってきたその彼は、「お前、ドラムか何かやってるやろ。出せ。」と言いましたが、ちゃぶ台しかないので、不満そうに帰っていきました。)

音量はいいのですが、余りにへたくそで気になって集中できないのです。コードを練習してると思ったら、旋律をやる。と思ったらまたコード。全く根気がない。(だからうまくならないのだ)そしてギターに飽きたら、いきなり歌い出します。しかも全部音がずれてるんですね。

聞いていると、こちらは、イライラして勉強できなくなります。

そうこうしてると、毎回、最後にスモーク・オン・ザ・ウォーターが始まります。この曲は、エレキやってる人にとって、ピアノでいうところのバイエルか猫踏んじゃった、みたいなものなのでしょうか。これだけは、ちゃんと弾けるんです。で、満足するのでしょう、急に静かになります。

おかげで、こちらはリズムが崩れます。

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