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コロンビア日記の部
 

自己紹介について考える

授業の受け方

ボストン・キャリア・フォーラムに参加して

 

自己紹介について考える (9/22/99)

大学の新学期が始まりました。新学期は、自己紹介の季節でもあります。初めて会う人々相手に、1日に何度も自分のことを言い、同じ様な質問をし、同じような締め言葉で終わることになります。で、私のように記憶力の悪い人は、名前覚えるのに苦労するのです。

さて、この自己紹介について、ちょっと思ったことがあります。

アメリカ人や欧米系の留学生は、自己紹介をする時、まず名前を言います。次に所属コースと専攻を聞いて、どんな授業をとったか聞きます。それから、
将来どうするのか、なんていう先の話をする。つまり彼らの頭の中では、「現在考えている計画」でカテゴライズすることによって記憶している様子。

これに対して、日本人は、名前を言ったあと、どんな経歴の持ち主かを聞きます。大抵答えは、組織名で返ってきます。「OO商事にいました」とか、「OO新聞でした」とか。(例外は、中央官庁の人で、「通産省です」とか「大蔵です」と一言目には言いません。不思議。) つまり記憶のカテゴリーは組織名によって作られていることが多い。

その後、経歴の話の感じから、年齢を頭で計算して、分からない場合は、「別に重要でもなんでもないけど、ちなみに」なんていう雰囲気で年を聞きます。
ようやくこのへんから、専攻の話になる。

結局のところ、日本人が自己紹介で一番気にしているのは、「年」なんです。ニコニコしながら、自分と相手とどっちが上なのか、考えている。

で、自分が年上と分かったら、勝ちです。「兄さん(姉さん)が何でも教えてあげよう」 という雰囲気が出る。反対に年下と分かったら、急に丁寧になる。
「いや、そんなつもりはなかったんですよ。堪忍してくださいな。」てな具合。

あれ、絶対おかしいと思いますね。全然そんなの重要じゃない。年齢聞いて、反応変えるから、日本人は信用されないのです(?)

え? 私だったら何聞くかって?
細木和子の六星占術で何星人(+か-)か。
これ、相性診断や性格判定に持ってこいです。ちなみに私は水星人(+)。

そんなこと考えてたら、この前、知り合いの友達(アメリカ人・男性)が、「大阪は面白い街だ。また行きたい。」と言っていたので、その理由を聞いたところ、

「大阪のゲイ・バーでは、まず、名前聞いて、血液型聞いて、星座聞いて、自分の相性とピッタリじゃなかったら、相手してくれないのよー。超クレージーって感じじゃなーい?」

自己紹介の目的は、自分のことを記憶してもらうこと。はじめの挨拶というのは、案外、人生の大きな分かれ道かも知れませんな。

 

 

授業の受け方 (9/27/99)

今学期は、ビジネススクールの「ブランド・マネージメント」の授業を受けています。 この授業は、数々のケーススタディと、ブランド管理の理論を多角的に学べるもので、「日本」というブランドをどうマーケティングするか、という研究をしている私には、とても興味深いのです。

 一方、ビジネススクールの授業は、これが初めての私は、学生のカラーの違いにも着目し、毎回発見があって興奮しています。とりわけ授業を受ける態度の違いが注目に値しますね。

 その昔、私が高校生の時、数学の授業中、教室の前から2番目の席で、弁当を食べていて、怒られたことがあります。 昼前の授業で、ちょっとお腹が空いていたものですから、止められなかった。 (丹生先生ごめんなさい)

 大学に入ったら、不思議なもので、授業中、缶ジュースを机の上に置くのも、なんとなく失礼やな、と思って躊躇いがありました。このギャップが面白い。

 しかし、アメリカ来たら、もう、そんなん、なんでも有りで、ひっくり返りそうになりますよ。その中でも、特にこの、ビジネススクールの授業は、えらいことです。

 ビジネススクールの教室の各机には、インターネット接続(Eithernet)用のジャックがついています。一人ずつそれぞれが、机の上で、インターネットが使えるようになっているのです。

 授業では、先生が、パワーポイントのスライドで授業を進め、説明の箇所でウェブを使い、「おもしろい資料があるので」と言って、ビデオを見せます。これが、全て教壇の1つのパネル上で操作でき、ひとつの画面で表示されるので、さながらビジネス・カンファレンスの様です。

 こんなショーのような授業をしていても(準備の大変さが想像できます)、学生は、隣の席に足を乗せ、ベーグルをかじり、コーヒーをすすりながら、自分のもってきたパソコンで、Eメールを確認して過ごしています。で、時折、先生が質問すると、顔を上げて、喋り出すのです。おまけに、ノートはほとんどとらず、とにかく情報を出し合う(言いたいことを言う、の意)、いわばブレーンストーミング(肯定的に認識している)のような雰囲気で授業が進んでいきます。

 コーヒーをすするので精一杯な私は、発言してる人の顔を覚えて、誰といっしょにチームプロジェクトをやるか、考えています。ある程度、感覚の理解できる人物を探した方が、身の為ですから。

(おまけ)あなたもクリントン大統領のモーターケードに!?

コロンビアにいると、様々な募集情報が入ってきます。その中で、先日、「オッ、やりたい!」と思ったのが、下の「大統領モーターケード要員」の募集です。残念ながら、アメリカ国籍がないので、応募できませんでしたが、なんとなく、以前にウォーキートーキー持って、天皇陛下の車列に入っていたのを思い出してしまいました。
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The Presidents' advance team is in NYC preparing for Mr. Clinton's address to the UN. I have received a telephone and fax request for students
interested in driving for the motorcade.

Volunteers must be US citizens, posess a valid driver's licens, and be at least 21 years of age. They must be willing to commit the entire day of
Tuesday, September 21, and possibly up to 2 hours on Monday evening, September 20.

Ever dream of putting on the dark shades and zipping through Manhattan traffic in a limo with your police escort's sirens blazing? This might be
your only chance!

Any interested party should contact Troy Wasilefsky of the Presidential Advance Team. His NY number is 212-xxx-4485.

ボストン・キャリア・フォーラムに参加して (10/25/99)

今月22日から3日間、ボストンで日英バイリンガル向けのキャリア・フォーラムなる大規模な就職説明
会が行われました。就職活動らしいことをこれまでしたことのない私は、ボストン観光も兼ねて、情報収集
に出かけたのですが、こんなに楽しいものだとは思いませんでした。何が楽しいか。真剣な顔をして仕事
を探している学生を見るのが何と言っても楽しい。

 待たされることと、決められたフォームにきれいに書き込むことが苦手な私は、関心のあるほんの数社のブースを回ったあと、疲れて座っていることが多かったのですが、よく見ていると、ケッタイな学生がいっぱいいるのです。

 まず、テーブルに向かって何かジェスチャーしている人。きっと、頭の中の面接で力説しているんだと思いますが、マフィンとオレンジジュースを持ちながら一点を見つめ、右手左手を交互に動かしている姿を見ていると、なんとなくロンドンのマダムタッソー(蝋人形の館)を思い出してしまいました。最後に、うまく行ったことを想像できたのか、満足気にうなずいていました。ヨカッタネ。

 ある女の子は、腕組みをして、しばらく企業訪問の記入シートを見つめていましたが、突然メモに何かを書いて、おもむろに隣に座っている私の方を見、「サカナツリってこんな漢字でしたっけ?」と聞くのです。そこに書かれていたのは、  

「魚 魚勺 り」

 一瞬ウッと詰まってしまいましたが、私が、「釣り針って、カネで出来てるから、おそらくカネへん でしょう。」 と言うと、 「あっあっ、そ、そうですよね、そうか、か、かね ですよねー」と妙にリアクションが大きい。明らかに舞い上がってるんです。

 ある学生は、歩きながら「もう私、(面接続きで)顔が疲れたー」と大声で言っています。 そして私は心の中で、「ほな、トイレで外してきたら?」 とつぶやくのです。

 企業の方を見るのも大変興味深いものがありました。ここでは、トレンドと学生の関心がはっきり分かり
ます。常に大行列のブース、学生が寄り付かないブース、様々な光景が、そこにはあります。今年の流行りは、金融、コンサルティング、ITですか。学生の数と、ブースの大きさに現われていますね。そしてこれに、「名前を聞いたことのある」企業が続く。 そうでない企業は、退屈そうな顔をして座っているだけ。

 これ見て、企業広報の重要性を説くには、トップマネジメントには勿論ですが、案外、広報担当者に話を
するより、人事担当者に伝えた方が、理解してもらえやすいかも、と思いましたね。自分の会社の志願者
の質や数をよく知ってるから。

 また、企業側としては、こういったキャリア・フォーラムには、それほど採用する気がなくても、できるだけ
参加した方がいい。特に取引が生まれて初めて仕事が成り立つ代理店などにとっては、会社のことをよく
理解してもらう重要な機会だと思います。ちなみに、この、ボストン・フォーラムの1区画(1ブース)の基本
出展料は2500ドル程度だと聞きましたが、これ、広告枠と考えたら、破格です。

 あと、人事部の人だけが来るのではなくて、広報の人がいるべきですね。ITコンサルティングで儲けている会社の人に、世間話的に、10年後の事業は、どんな感じで進んでいると思うかと聞いても、あまりピンと来る回答が得られませんでしたし。市場がどう動くか、という視点と、どうニーズを作って行くか、という会社の戦略を聞きたかったのですが。

 まぁ、何にせよ、ユニークな場でした。私は何を考えていたかと言うと、来年、この場に、たこ焼き屋を出展できたら儲かるかなァと。1皿4ドルで粗利が2ドル。1日500食で3日で3000ドル。うーん危険な賭けやなぁ。タコ小さいのにして、コスト削るかぁ・・・・なんて。誰か、共同出展しませんか?

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