大阪人という人種
大阪に帰ってきて判りました。大阪人は、東京人とは人種が違います。
(1)まず顔が違う
大阪人は、一般的に、目が細くて(←よく笑ってる証拠)、口に特徴がある (←よく喋る証拠)。唇(もしくは歯)がちょっと前に出てるとか、口が大きいとか。 島田紳助とカンペイちゃんが、ちょうど典型的な大阪人の顔だと思います (もっとも、紳助は 京都の育ちですが)。 あんな顔がとにかく多い。
新大阪から、地下鉄御堂筋線乗ったら、もう皆、紳助とカンペイですよ。順番に並んで座ってるんです。
紳助、紳助のおかん、カンペイの娘、紳助の妹、カンペイ、紳助の親父、カンペイの嫁に、紳助の犬。 地下鉄の乗客が皆、家族みたいな。
東京は、あちこちから集まってきている為か、顔にそれほど偏りはないように思います。どちらかというと、顔自体より、化粧や服装に偏りがある。
(2)他人同士の会話が楽しい 〜 他人意識が少ない大阪人
電車の中で、大声で独り言を言っている酔っ払いがいるとします。東京だと、大体知らん顔しますな。酔っ払いに話しかけられた時は愛想笑いして、あとはほとんど応じない。「ああ、迷惑だ」と言わんばかりに。
これが大阪だと、会話が始まるのです。 今日もやってました。
★酔払い「いや゛ー、景気はなんでこんだけ悪いんやろなぁ..うちの会社もなぁ..」(しばらく大声で独り言、酔っ払い特有の強引な論理。でも結構笑える)
《しばらくして、隣のオバチャンが花束を持っているのを見つけ》 「...そんな中にあって(どんな中や!)、花を見ると気持ちがホッとしますなぁ、奥さん。」 と、隣のオバチャンにふる。
★オバチャン『ええ、そうですねぇ』愛想笑い
★酔払い「ほほう、ユリですか。ユリといいますと、あれですなぁ..」
ユリにまつわる話がしばらく続く 結構専門的な話
★オバチャン『へぇ、そうですか』 ちょっと関心ありげな応答
★酔払い「しかし、この時期にユリって、何かありましたんか?」と突っ込む
★オバチャン『いや、こんなことがありましてね..』と身の上話を開始
こうして、「あんたら知合いか?」というような会話に入っていくのです。
それが大阪人という人種。
またそんな、全く他人の話を一言もらさず聞いている(私のこと)人種でもある。
●行列に並んで待っている時、後ろの方から「おい、はよ進めよ」と大声があがった。一瞬しんとした後、前の方から『言うたかて、しゃーないやろ』
こんな会話を他人同士で交わす人種。
●スーパーで買い物していると、全然知らないオバチャンが近付いてきて、魚の鮮度の見方や料理の仕方を教えてくれる人種。
『あんた、一体誰やねん』
●空港のチェックインカウンターで、「お席の希望はございますか?」 と聞かれ、『ちょっとでも早く着きたいから、前の方の席がいいかなぁ』と言うと、「着陸の際、飛行機は後輪から降りますので、後ろの席の方が先に着陸することになります」と真顔で答える人種。(これに対して「前後に扉がありますので、差はありません。」と当たり前の答えを返すのが東京)
かつて、ある九州出身の人が「大阪の人は皆馴れ馴れしい」と言っていました。大阪人という人種は、常に即席漫才コンビを組むことを求められるため、それ用の顔や応対ができるのではないかと、 私は真面目に思うのです。
(98年3月)
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