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分析の部
 
失業率と景気対策

阪神と政治

失業率を考える

大阪府知事の資質とは

 

失業率と景気対策

(6/19/99@Tokyo)

新聞やTVニュースを見る限り、連日、新たな雇用創出案が出され、景気浮揚に躍起になっているのが見て取れます。

あれ、私は間違いやと思いますよ。

まず、現在の失業率は、5%程度。他の先進国と比較したらまだまだ最低レベルです。実は、これ以下になると、健全な国ではないのです。国民が不幸せになる。実際、これまでの日本は不幸せでした。さて、そのココロは。

失業率が低過ぎると、人が動いていないことになります。つまり転職できない社会です。社会自体に流動性がなくて、例えば、出産で一時的に仕事を離れた
女性が、職場復帰できないシステムということになります。

転職するには、ある程度の準備期間が必要です。休みも欲しい。そうすると、前の仕事と新しい仕事の間に時間が空いても全くおかしなことではありません。
それが「求職活動期間」であれば、同じ失業でも「積極的、肯定的な」失業期間になります。こういう状態にある人は、常に一定数いた方がいいのです。

アメリカの超有名エコノミストであるクルーグマンなどは、理想的な失業率は、大体6〜8%くらいだと言っています。

だから、数字の推移だけみて、上がってるからまずい、と思うのは間違い。

次に、雇用創出のやり方について。
若い人向けに新しい仕事を作り出す必要はありません。工夫するチャンスを若者から奪ったらあかん。競争がなかったら、いいものは生まれませんからね。
どっちかと言えば、「日本が景気回復するためのプロジェクト」なんていうのを多額の懸賞金かけて、やらせたらいいのではないでしょうか。対象は20代、
大学院学生、インターン中なら、なお可。とか(笑)

ケアすべき対象は、30代以上の女性です。彼女たちが働ける環境を整える。子供を安心して育てられて、家計が問題ない、という状態を作ることが重要
ではないか、と。男性より購買力あるし。少子化にも歯止めがかかる。

「仕事する人が増えたら、子供産まなくなるだろう」というのは不毛な論理で、チョイスがあったら、産むという選択肢をとる人の絶対数も増えますよ。

で、そういう私の景気対策は、何か。
私は、雇用創出よりも阪神応援ですね。財政出動して裏から阪神を優勝させる。

大手銀行の調査によると阪神が優勝した場合の経済効果は、600億円。NHKの報道によると推定 1000億円とされています。阪神ファン以外の方々には冗談みたいな話ですが、阪神ファンは、大真面目にまた冗談みたいな人々であり(?) 阪神が勝つと、気分がよくなって、消費意欲がわくのです。 
黄金の100万円野村監督人形だって、「久々の首位」で25体(ですか?)も売れているというのですから、リーグ優勝ともなると、それはもう。

もっとも、前回優勝したのは昭和60年で、21年ぶりの優勝。今年はまだ前回の優勝から14年しか経っていませんから、まだちょっと早いかなー、とも。
毎回、阪神は、景気の悪い時に優勝してるそうなので、それを考えれば、時期的に悪くないのかもしれませんケドネ。

そんな私は、優勝しそうな時だけ、阪神ファンです。優勝したら、阪神百貨店のバーゲンに行きますよ、きっと。

ほら、経済効果、あるでしょ?

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《参考》
失業率というのが、どのように計られているのか知りたくて、労働省に問合せました。(笠井さん、感謝) すると、これ、総務庁統計局が調査しているということが分かりました。

ご関心のある方は、ホームページがありますので、見てみてください。www.stat.go.jp

失業率は「労働力調査」の中にある数字です。

担当部局:総務庁統計局統計調査部労働力統計課審査発表係   5273−1162(ダイヤルイン)

阪神と政治

(09/22/99@NY)

ヒラリー・クリントンが、ニューヨーク州から上院選挙で勝つために、様々な工夫をしています。その中でおもしろいのが、ニューヨーク・ヤンキースの試合観戦。

 いくら大統領夫人とはいえ、ニューヨークに一度も住んだことのない人間が、ひょこっと現われて、知名度だけで当選するほど甘くはありません。その「地元とは何の関係もない」というイメージを払拭するための対策として講じたのが、ヤンキースの応援。これを見て、私は、うまいなー、と思いました。

 そもそも野球のチームは、基本的に土地に根付いたものなので、地元は、必然的にファンが多くなります。そしたら、そこの球団とイメージくっつけたら、ファンも応援してくれる。

 直感的に、京阪神から選挙に出るとしたら、阪神ファンにならなあかんなぁ、と思いました。

 調べてみると、「明治生命・阪神を考える会」が97年秋に行った調査で、関西では、ほぼ45%の人が「阪神ファン」と出ています。調子の悪い年でこれですから、今年の前半みたいに、調子が良かったら、にわかファンが加わって、50%を越えるはずです。ちなみにこの調査で、関東の巨人ファンは、43%。

 この阪神ファン、全員味方につけたら、どこの選挙区でも勝てますね。例えば、参院選大阪府選挙区。平成4年、トップ当選を果たした西川きよし氏の得票率は30%強、平成7年、トップ当選の白浜一良氏でも42%です。衆院選でも、状況によって違うものの、大体40%取ったらまず確実に勝てる。

 まぁ、阪神ファンで、どれだけ選挙に行く人が多いのか調べないといけませんが。

 ちなみに、「阪神が嫌い」という人は、関西で7.2%、関東で8.1%であったのに対し、「巨人が嫌い」という人は、関西で35.9%、関東でも27%でした。なので、出馬しようと考えている人は、巨人の応援には、行かない方がいい。

失業率を考える

(8/8/99@Tokyo)

先日、失業率が高いと言って、5%前後で騒ぐ必要はない、と書きました。で、景気対策としては、数百億円の経済効果があるとされる、阪神優勝の支援が得策、と言いました。阪神については、あの後,2週間後くらいに週刊東洋経済に同じことが書かれていたので、思わず笑ってしまいましたが、今回私は、失業率対策にひとつまた思いついたことがあるので、書きます。 (阪神は、もう、あきませんなー。)

それは、何も国内の雇用を創出することに躍起になる必要はない、ということです。それよりも、希望する人が、世界に出て行って仕事ができるように、安い授業料で人材を育成するシステムを整備するのと、盛りあがっている市場に出て行けるビザの取引を各国間で交渉することが大事なのではないか、と。

たとえば、インターネット関係で勝負したい人は、シリコンバレーかニューヨークに行く。お笑いをやりたい人は大阪に行く。ファッション産業はイタリアとかね。

よく言う「国際競争力」というのは、製品以上に人材が大事なんです。そしてその人材を活かしきれる環境。プロの中のプロがうまく資源を活かせる環境にいれば、自然といいものができます。

そういう人材を活かしきる体制を、国として21世紀の達成目標として掲げるわけです。豊かな生活になるんやないか、と思いますけどね。

ただ、問題は、主に語学力と就労ビザの関係です。フランス料理の料理人になりたいと思って、フランスに行って仕事ができる人は実際には少ない。なんでかというとフランス語が話せないのと、「行き方が分からん」つまりビザの問題です。

これが、例えば、フランス料理のメッカが静岡にあるとしましょう。フランス料理に関しては、静岡やと思ってください。そしたら、皆、静岡に行ける。別に行かなくてもいいんです。けど、行く、という選択肢ができることになる。これは、大きな進歩ですよね。 

普通、多くの人は、仕事を考える時、前提として、知らず知らずのうちに、身近な「場所」をまず考えてるわけです。東京で生まれ育って、島根で働くことは考えないでしょう。これは、「不自由になる」と思い込んでるからや、と私は思います。近い友達とも離れるし。言葉も違う。ましてや外国になると、そら、大層な話ですわ。それを「不自由にならない」ようにするシステム作りを行う。

大学予備校は、そういう意味で面白いところです。九州にいても、東大コースがある。九州から東京に出るためのコースですよ。画期的やと思いませんか?
(そういう私は、大阪予備校で京大コースに入りながら、気がついたら茨城県にいました。ちょっと予定外(笑)) あんな、「移民コース」って、予備校くらいでしかないんです。そこで、「フランスで働くフランス料理シェフ養成コース」なんていう専門的な学校をいっぱい作るんです。世界の一番ホットなマーケットに直接飛び込んで行けるための養成機関です。

語学と就労ビザの関係で、外国に出て行きたいと思っているのに出て行けない人は非常に多いと思います。特に、私のように、ある「仕事」がしたいと思ってる人、ロケーションには逆にこだわりがない人。満員電車が嫌いで東京を出たいけど、仕事が日本国内には、東京以外にない、と思い込んでる人など。

市場や居住地は、何も日本だけではないんです。好きな所で好きな仕事ができるようにしたらどんだけ幸せか、と思いますね。

国立大学の半分くらいを、こういうマーケット直結型の高度なプロフェッショナル養成校にして、ODA予算か何かで、日本人の海外マーケット進出のビザサポートまで行ったらどうなのでしょう。 日本も都市毎に専門的なマーケットを決めてその道のプロを世界から集める。若者の海外流出がひどくなって、保険料負担の問題が深刻になる、というんやったら、外から、職能試験をやって、大量に若い移民を受け入れ
たらいいと思います。国の活性化につながると思うんですけどねー。

大阪府知事の資質とは

(12/23/99@NY)

横山ノック大阪府知事が辞任しました。強制わいせつの疑いで起訴されかかったときのことです。2期目約5年のお勤めでした。

第一報を聞いたときは、正直、残念やな、と思いました。けど、よく見てみると、ここまでよくもった、という感じかもしれません。大事なことは、まともな府政でなかった、ということよりも、「笑い」がなかったことです。

大阪人が知事にノックを選んだ、というのは、政治に期待していない、ということです。これは、単純明快。「誰がやってもおんなじやったら、おもろいヤツにやらせろや」という発想がそこにある。そこで、「パンパカパーン」の横山ノックは、イメージがピッタリだったのです。

それが、どうですか? 考えてみたら、知事になった途端に、面白くなくなったのです。政治もダメで、笑うトコもなかったら、そら、あきませんわ。二期目の当選は、単に、他に面白い候補者がいなかっただけのことです。

辞任前の報道では、セクハラ事件を追うプレスに対し、「君タチは、どれだけ知事をいじめたら気が済むんだ。」なんて、素(真顔)で言っているのを、私はニュース見ながら、「ああ〜、普通のオッサンになったなぁ。」と思っていました。

誰も、期待してないんです。笑わせてくれたらいい。それが、ノックは分かっていなかった。おそらくチーム編成の問題もあるのでしょう。つまりノックには仲間もいなかった。大阪府知事としての彼には、優れた政策補佐官と舞台演出家が不可欠だったのです。

大阪は政治的に、非常にややこしい街だと思います。政党だけで決まらないものがある。しかし、私は、そこで束ねられる軸が実は2つあって、1つは「お笑い」、もう1つは「阪神」なのだと思います。(関西の阪神ファンは、約45〜50%(95年、明治生命・阪神を考える会調べ。)

閑話休題。それで、次の知事ですが、私のアイデアを仮想・知事候補者一覧(添付)にまとめてみましたので、ご覧ください。アホの坂田(坂田利夫)、上岡龍太郎、西川きよし、チャーリー浜、笑福亭仁鶴、桂小枝、笑福亭鶴瓶、やしきたかじん、あと、ランディ・バース(元阪神)、てなとこですか。イチオシは、桂小枝。「まぁまぁそんな堅いこと言わんと」「怒ったお顔がなんともまたステキ」なんていいながら、大阪をまとめて行ってくれると思うのですが、いかがでしょうか?

大阪は二大政党制にして、「吉本興業」と「松竹芸能」のかわりべんたん(交代の意)でやったらどや? というのは、全日空・廣田さんの意見。素晴らしい発想だと思いましたが、そうすると、次の知事は、笑福亭鶴瓶ですか。鶴瓶を知事にしたら、上岡龍太郎を副知事に、疋田哲夫を脚本家に迎えますかな。

こんな街では、さすがのクリントンも生き残れないでしょう。

 

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